有価証券報告書-第21期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/12/19 15:35
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(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
2018年のスマートフォンを中心としたモバイル広告市場は、前年比25.2%増の10,417億円(注1)と順調な成長が見込まれております。特に動画広告市場(PC含む)の急成長が予想され、2018年は前年比34.3%増の1,845億円に拡大し、2023年には3,485億円に達すると予測されております(注2)。
このような環境のもと、当社グループは、スマートフォン市場の成長を取り込む一方で、中長期の柱に育てるため、前期に引き続き「AbemaTV」への投資期と位置付けていることから、当連結会計年度における売上高は419,512百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益は30,163百万円(前年同期比1.8%減)、経常利益は28,565百万円(前年同期比0.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,849百万円(前年同期比20.5%増)となりました。
出所 (注1)電通/サイバー・コミュニケーションズ/D2C「2017年 日本の広告費 インターネット媒体費 詳細分析」
(注2)当社/デジタルインファクト「国内動画広告の市場動向調査」
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
①メディア事業
メディア事業には、「AbemaTV」、「Ameba」、「タップル誕生」等が属しております。
前期に引き続き、「AbemaTV」への投資期でありつつも、売上を伸ばし、売上高は31,489百万円(前年同期比22.8%増)、営業損益は17,764百万円の損失計上(前年同期間18,585百万円の損失計上)となりました。
②ゲーム事業
ゲーム事業には、㈱Cygames、㈱サムザップ、㈱Craft Egg等が属しております。
既存タイトルが堅調に推移しつつ、新規タイトルのヒットもあり、売上高は146,552百万円(前年同期比4.5%増)、営業損益は25,303百万円の利益計上(前年同期比4.5%減)となりました。
③インターネット広告事業
インターネット広告事業には、インターネット広告事業本部、㈱CyberZ等が属しております。
スマートフォン向け動画広告の順調な販売等により、売上高は241,451百万円(前年同期比16.0%増)、営業損益は21,340百万円の利益計上(前年同期比14.0%増)となりました。
④投資育成事業
投資育成事業にはコーポレートベンチャーキャピタル、㈱サイバーエージェント・ベンチャーズにおけるファンド運営等が属しており、売上高は4,263百万円(前年同期比37.2%減)、営業損益は2,631百万円の利益計上(前年同期比45.5%減)となりました。
⑤その他事業
その他事業には、㈱シーエー・モバイル、㈱ウエディングパーク等が属しており、売上高は17,598百万円(前年同期比30.3%増)、営業損益は1,819百万円の利益計上(前年同期比1.2%増)となりました。
財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は226,351百万円(前連結会計年度末比62,342百万円の増加)となりました。これは、主に転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う現金及び預金の増加によるものであります。
負債は117,101百万円(前連結会計年度末比51,877百万円の増加)となりました。これは、主に転換社債型新株予約権付社債の発行による増加であります。
純資産は109,250百万円(前連結会計年度末比10,464百万円の増加)となりました。これは、主にその他有価証券評価差額金及び非支配株主持分の増加によるものであります。
自己資本比率は転換社債型新株予約権付社債を発行した影響により36.0%(前連結会計年度末比12.1ポイント減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて45,766百万円増加し、92,379百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは28,394百万円の増加(前年同期間は21,624百万円の増加)となりました。これは、主に利益の計上及び法人税等の支払によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは22,410百万円の減少(前年同期間は20,396百万円の減少)となりました。これは、主に固定資産の取得によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは39,748百万円の増加(前年同期間は7,233百万円の減少)となりました。これは、主に転換社債型新株予約権付社債の発行によるものであります。
(3) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は多岐にわたっており、受注生産形態をとらない事業も多いことから、セグメント別に生産の規模及び受注の規模を金額あるいは数量で示すことが馴染まないため、記載しておりません。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
メディア事業31,489+22.8
ゲーム事業146,552+4.5
インターネット広告事業241,451+16.0
投資育成事業4,263△37.2
その他事業17,598+30.3
セグメント間取引△21,844
合計419,512+13.0

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 前年同期比は、前連結会計年度の金額を当連結会計年度と同一の事業区分によった場合の金額に基づき算出しております。
③ 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
メディア事業31,855+10.5
ゲーム事業29,731+10.3
インターネット広告事業193,732+17.0
投資育成事業455+22.7
その他事業5,555+76.4
セグメント間取引△19,245
合計242,084+18.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度における売上高は、インターネット広告事業におけるスマートフォン向け動画広告の順調な販売やゲーム事業における課金収入の拡大等により、419,512百万円(13.0%増加)となりました。営業利益は、中長期の柱に育てるため、「AbemaTV」等の動画事業への先行投資を強化したことにより、30,163百万円(1.8%減少)、経常利益は28,565百万円(0.6%減少)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、税金費用及び非支配株主に帰属する当期純利益等の計上により4,849百万円(20.5%増加)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、2016年4月より開始した「AbemaTV」がメディアとしての価値を高めていく中で、「AbemaTV」を中心に事業の拡大及び収益の多角化を目指すことが企業価値の向上に資するものと考え、今後の成長を加速させるための一つの手法として、M&A等を含めた投融資を強化していく所存です。
それらの資金負担の可能性に備えるため、2018年2月に転換社債型新株予約権付社債を400億発行し、資金調達を行いました。また、複数の取引金融機関と当座貸越及びコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当連結会計年度における主な資金需要は、事業の通常の運営のために使用する資金であります。また、外部環境の変化等によりM&A等が実施されない場合又は投融資資金に未充当額が生じた場合には、2020 年9月末までを目処に、上記の「AbemaTV」のコンテンツ強化による集客力の向上、「AbemaTV」の送客力を活かした収益の多角化及び既存3事業の更なる成長・拡大をM&Aによらず自力で行っていくための投資資金並びにメディア事業、インターネット広告事業及びゲーム事業における事業規模の拡大に伴う運転資金に充当いたします。