有価証券報告書-第21期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、緩やかな回復基調が続き、極東での政治的不確実性の増大や国内政治の混乱はあったものの、株高が進み、全体として経済は拡大傾向で推移しました。インターネット業界、映像関連業界においては、4Kテレビの普及が進むと共に、VR(仮想現実)関連のハードウェアやAI、IoT関連サービスの発表が続き、成長性のある市場として注目を集めました。こうした環境下、当社グループでは、企業内での情報共有のための動画利用やコンテンツ配信、動画広告といった成長性の高い市場開拓のための調査や投資を進めつつ、主力サービスである「J-Stream Equipmedia」や「J-Stream CDNext」、ライブ配信等、企業の社内における動画利用に関連して堅調な需要があるサービスの販売に注力しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ297百万円増加し、4,773百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し、871百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ219百万円増加し、3,901百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高6,101百万円(前期比10.5%増)、連結営業利益357百万円(前期比7.1%増)、連結経常利益368百万円(前期比6.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は287百万円(前期比39.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
配信事業の売上高は3,455百万円(前期比12.6%増)となりました。
制作・システム開発事業の売上高は2,297百万円(前期比0.9%減)となりました。
その他の売上は 348百万円(前期比160.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より209百万円減少し、当連結会計年度末には2,119百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と資金の増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益336百万円の計上、減価償却費308百万円の計上などの資金の増加要因が資金減少要因を上回り435百万円(前年同期比25.2%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動よるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得などにより521百万円の支出(前年同期比94.0%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払62百万円及びリース債務の支払55百万円などにより123百万円の支出(前年同期比117.7%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 配 信 | 3,759,052 | 16.4 | 1,375,168 | 28.3 |
| 制作・システム開発 | 2,353,294 | 2.8 | 290,230 | 24.0 |
| 報告セグメント計 | 6,112,347 | 10.8 | 1,665,398 | 27.5 |
| そ の 他 | 374,959 | 187.3 | 26,996 | 3,317.3 |
| 合計 | 6,487,306 | 14.9 | 1,692,394 | 29.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 配 信 | 3,455,700 | 12.6 |
| 制作・システム開発 | 2,297,160 | △0.9 |
| 報告セグメント計 | 5,752,861 | 6.8 |
| そ の 他 | 348,753 | 160.7 |
| 合計 | 6,101,614 | 10.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ297百万円増加し、4,773百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ40百万円増加の3,523百万円となりました。これは主に、事業の拡大に伴い受取手形及び売掛金が132百万円増加したことによります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ257百万円増加の1,249百万円となりました。これは主に、サーバ等当社サービスの基本インフラとなる機器の更新・調達を行ったことと、サービス開発の進行に伴いソフトウェア資産が増加したことによります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し、871百万円となりました。これは主に事業の拡大に伴って買掛金や未払金が増加したことによります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益287百万円の計上と期末配当の実施の結果、前連結会計年度末に比べ219百万円増加し、3,901百万円となりました。
2) 経営成績
(売上高)
医薬系業界を中心としたライブ配信や付随するコンテンツ制作等の案件の需要が堅調となり、配信事業の売上増の主要因となりました。その他の業界における配信関連受注も概ね安定して推移しました。一方WEB関連の制作受注は前期並みの推移となり、映像制作関連受注は前期を下回る結果となりました。これらの結果前連結会計年度に比べ10.5%増の6,101百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
開発・運用体制の強化やライブ配信の案件増への対応、また制作系子会社における減員への対応等に伴い外注費が増加しました。また企画・開発等多方面において優秀な人員の確保を推進した結果、労務費が増加しました。これらの結果、売上原価は前連結会計年度に比べ14.8%増の3,662百万円となりました。また販売費及び一般管理費については、社内システムや人材採用関連の支出が増加しましたが、前連結会計年度に比べ4.2%増の2,081百万円となり全体では微増に留めることができました。
(親会社株式に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の経常利益は368百万円と前連結会計年度に比べ6.1%増の増加となりましたが、使用見込みがなくなったソフトウェアについて減損損失を31百万円計上した結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ2.1%減の336百万円となりました。しかしながら当連結会計年度に解散した子会社の繰越欠損金を引き継いだ結果税負担が軽減され、親会社株式に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ39.5%増の287百万円となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
インターネットにおける動画利用の市場は成長基調にあり、このような環境下において当社グループの業績が市場要因から急激に悪化する可能性は低いと認識しております。こうした環境下にある企業として健全な成長を遂げるためには、市場において確固たる地位を占め続けることが重要であると認識しております。
当社グループではインターネットにおける動画の利用を、コンテンツプロバイダ各社、テレビ局などを中心としたメディア系市場におけるものと、一般企業による販売促進や情報共有・コミュニケーションにおける利用であるビジネス系市場に大別して市場環境や各種施策を検討しております。
メディア系市場においては、大規模の配信案件を獲得するに足る配信設備の信頼性の確保や価格競争力が必要となります。大規模配信においては、低価格で提供できる安定した配信基盤の整備に加え、配信の周辺領域におけるサービスや機能をセットして、顧客の求める形で提供したり、突発的な事態やトラブルの際などの機動的な対応ができる設備設計・体制構築を進めることが必要と認識しています。
ビジネス系市場においては、一般企業からの受注拡大のために、ニーズに即した提案とライブ配信現場等での安定した運営能力や、一般企業がオンデマンド配信を利用する際に使いやすいプラットフォーム、また教育目的の受講管理や世界規模の企業における同時視聴など、動画利用の目的に応じた適切なソリューションを提供できることが必要と認識しています。
こうした両市場でのサービス展開にあたり適切な研究開発・市場調査が非常に重要であるとの認識の下、適切な投資を実施していきます。
両市場において配信サービス受注を確保するためには、優秀な人的・設備的制作能力の確保・改善も必須となります。当社グループは、映像制作・WEB制作と各種配信サービスがセットで利用される案件を多く獲得することで相対的な優位性を保っております。顧客獲得のために、競争力のある制作提案ができる優秀な人員を社内に確保した上で、案件の実作業過程において、原価のコントロールを行い、協力会社等を含めた体制を管理運用して効率良くプロダクトを生み出せる組織を目指していきます。
広くIT系企業に求められる要請事項として、セキュリティ、個人情報保護等への対応があります。当社としましては、事業部門と管理部門との連携を密にし、案件の実施前に注意すべき事項を洗い出し、対応方法を確認してリスクの回避・低減に取り組みます。
当社グループでのサービス提供には配信インフラ、ソフトウェア等のみならず、優秀な人材がサービス提供に不可欠であるとの認識のもと、人材の強化・育成・採用に取り組み、組織の総合力の強化を図ります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、受注から開発納品、顧客からの支払受領までの期間と、外注支払等とのギャップ部分の運転資金に加え、各事業についての一般管理費などがあります。設備資金の需要としては、サーバ等の設備、比較的少額のオフィス等の機器に関する設備資金需要があります。無形固定資産に関連するものでは、サービスソフトウェア関連の開発投資、サービス開発投資に加え、社内のシステムに関する開発投資に関する資金需要があります。この他、企業や事業の買収に関する資金需要があります。
(財務政策)
資金の調達につきましては、株式公開及び増資以降は外部からの資金調達を行っておりません。近年の売上増大に伴う運転資金需要の増加や、サーバ等の設備投資、ソフトウェア開発等の資金需要に対応し、親会社グループで実施しておりました預け金の取崩しによる運転資金の確保などを行っております。将来的にM&Aや新規事業開拓等に伴う資金需要において不足が生じる場合には、様々な資金調達の方法から適切な方策を検討いたします。
海外との取引については大きな額ではない各種ライセンス程度に限定されており、上述の調達環境を含め、為替、金利変動による直接的な財務リスクは大きくありません。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおいては、インターネット上の動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有や各種コンテンツ配信の市場は成長基調にあると認識しております。こうした環境下においては、まず小規模であっても動画利用をする顧客層を拡大し、導入顧客の動画利用を促進する知識や情報を提供し、利用実績を積み重ねることで目的達成への効果を実感頂き、取引規模を拡大していくことが重要であると判断しております。この方針の達成状況を判断するために重視している指標は、取引先数、また新規の取引先獲得数であります。また、構築した配信基盤を利用して、こうした顧客に適切なサービスを提供して利益をあげられているかの目安として、営業利益率を重要な指標としております。
当連結会計年度中の平成30年2月において、基幹サービスである「J-Stream Equipmedia」の累計顧客アカウント数が1,500を超えました。また、営業利益率については当連結会計年度において7.1%となり前年比2.1ポイント低下しております。ライブ配信の案件増、制作関連の外注増や映像制作子会社の人員減少等に伴う外注費の増加が主要因となっており、原価のコントロール、内製と外注のバランスに留意し改善に取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(配信事業)
当連結会計年度においては、医薬系企業によるオンライン講演会等の情報提供に関連するライブ配信案件の受注が前年に比べ大きく伸長しました。また報道関連の大容量情報配信案件があり、ネットワーク売上増につながりました。これらの結果、当事業の売上高は3,455百万円(前期比12.6%増)となりました。
配信事業セグメントの利益は、ライブ配信案件の受注増や大容量情報配信案件の受注、「J-Stream Equipmedia」の販売拡大等に伴い順調に増加し、1,092百万円(前期比9.4%増)となりました。
配信事業セグメントの資産は、配信インフラとして必要な、長期に渡り利用されるサーバ類の増強・更新の過程にあることから、1,540百万円(前期比18.5%増)となりました。
(制作・システム開発事業)
当連結会計年度においては、WEB制作関連ではスポーツ関連情報サイトの開発や医薬オウンドメディアの構築、企業の海外販売向けサイトの構築等を実施し、前期並の推移となりました。映像制作は子会社を含め軟調となりました。またシステム関連としてTV局によるVOD配信関連の追加開発を実施しました。これらの結果、当事業の売上高は2,297百万円(前期比0.9%減)となりました。
制作・システム開発事業セグメントの利益は、案件対応や子会社における人員減を補填するための外注費が増加した影響から76百万円(前期比10.5%減)となりました。
制作・システム開発事業セグメントの資産には特段の大きな投資実行などはなく、1,350百万円(前期比0.0%増)となりました。
(その他)
当連結会計年度におけるその他の売上高は、広告市場においてインストリーム広告からアウトストリームのSNS広告に関心がシフトしたことがあり、動画広告関連の売上が伸び悩みましたが、第2四半期連結会計期間に子会社化した株式会社イノコスの機器販売等売上が加わり、348百万円(前期比160.7%増)となりました。
その他の利益は、広告関連ビジネスが開拓途上にあり、関連ソフトウェアの開発や調査研究に関する出費が先行していることから50百万円の損失(前期は47百万円の損失)となりました。
その他の資産については、広告関連ビジネス関連のソフトウェア増に株式会社イノコスの資産が加わった結果、184百万円(前期比229.6%増)となりました。