有価証券報告書-第27期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 12:43
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148項目

(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、景気回復の傾向が見られるものの、ウクライナ情勢の長期化や中国経済の先行きへの懸念、米国の政情不安などの不確実性があります。円安の進行によるエネルギー、原材料等資源価格の高騰に伴い物価上昇傾向にあり、期末の金利引き上げの影響が懸案となっています。新型コロナウイルス感染症の影響は、5月の5類移行に伴いおおむね正常化され、オフィスやイベントへのいわゆるリアル回帰が大きく進行しました。しかしながら、コロナ環境下で広まったデジタルトランスフォーメーション(DX)への関心は依然高く、生成AIによるビジネスモデルの変革や販売、効率化等、多くの側面において関連するサービスが注目されています。
こうした環境下、当社グループは動画ソリューション事業において、各種イベントのインターネットライブ配信や、社内情報共有・教育等のオンデマンド動画配信ニーズに対応し、主力サービスである「ライブ中継サービス」や
「J-Stream Equipmedia」、コンテンツ配信サービスに関連するシステム開発、運用受託等を中心に提供を進めました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は12,502百万円となり、前連結会計年度末に比べ461百万円減少いたしました。
このうち流動資産は9,645百万円となり、前連結会計年度末より915百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が減少したことによるものであります。
また、固定資産は2,856百万円となり、前連結会計年度末より453百万円増加いたしました。これは主にのれん及びソフトウエアが増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,631百万円となり、前連結会計年度末より401百万円減少いたしました。これは主に未払法人税等が減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は10,871百万円となり、前連結会計年度末に比べ60百万円減少いたしました。これは主に剰余金の配当により397百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益298百万円を計上したことによるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、連結売上高11,266百万円(前年同期比9.9%減)、連結営業利益566百万円(前年同期比65.9%減)、連結経常利益585百万円(前年同期比64.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益298百万円(前年同期比65.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ990百万円減少し、6,861百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と資金の増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、812百万円の収入(前年同期比55.0%減)となりました。これは主に法人税等の支払額が547百万円あったものの、税金等調整前当期純利益583百万円の計上、減価償却費681百万円の計上などの資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,309百万円の支出(前年同期比75.2%増)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出が841百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が453百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、492百万円の支出(前年同期比0.6%減)となりました。これは主に配当金の支払額が397百万円、リース債務の返済による支出が71百万円あったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
当連結会計年度の受注状況を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
動画ソリューション事業11,805,73382.83,508,34891.9

(注)1.金額は販売価格によっております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
動画ソリューション事業11,266,30490.1

(注)1.金額は販売価格によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
当連結会計年度における財政状況の分析につきましては「4 経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」を参照ください。当期利益の計上により資金は前年に比べ充実しており、積極的な事業展開と投資実施により事業の成長を図ります。
2) 経営成績
(売上高)
販売面においては、戦略市場を医薬業界のEVC(Enterprise Video Communication)領域、医薬以外の業種のEVC領域、放送業界を中心としたOTT領域、と3区分して営業活動を展開しました。
EVC領域(医薬)においては、においては、主力となるWeb講演会用途のライブ配信や、イベント実施に伴う集客や諸手配といった領域において、薬価改定への対応や、円安に伴う日本市場の相対的な地位低下等の要因から、注力の度合いがコロナ期対比で低下した状況が継続しております。当社の主要顧客企業においても、各社の提供する薬剤の上市、特許切れ等のタイミングにより程度の差はあるものの、予算制限に伴うライブイベントの実施件数の絞り込み、効果測定の重視、マーケティング効果を高める広告・集客の重視といった傾向が強まりました。Web講演会関連のデータ分析ツールとして提供している「WebinarAnalytics」や、集客等マーケティング施策と連携する形で販売促進需要の獲得を進めましたが、ライブ配信、関連するWeb制作、映像制作等のサービス全般を含めた本領域全体の売上は、前年に及ばない結果となりました。製薬企業向けに映像制作やコンテンツ制作を主顧客とする連結子会社についても、同環境下において低調な実績となりました。
EVC領域(医薬以外)においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、企業活動のリアル回帰傾向が継続しました。販売促進のためのウェブセミナー等のスポット的利用については、期を通じて前年比低位に推移しました。これに伴い、関連するウェブサイト構築等にかかるWeb制作、映像制作についても、前期需要の反動減が現れる結果となりました。一方、コロナ環境下で仕組みの導入や定着が進んだ社内外情報共有や広報・採用用途での利用については比較的堅調に推移しました。主力となる動画配信から得られる効果について情報提供を進めつつ、情報共有・教育等の各社のニーズにあった付帯サービスと連携させて販売活動を展開した結果、各種情報の配信インフラとしての機能を持つ主力サービスである「J-Stream Equipmedia」や「J-Stream CDNext」等の定常的利用は堅調に推移しました。
OTT領域においては、放送業界におけるシステム開発、サイト運用や関連するWEB制作業務、配信ネットワーク売上が中心となりました。コロナ環境下での巣ごもり消費で根付いたネット視聴習慣や、視聴端末、動画配信サービスの普及を背景に、同領域におけるサービス開発、高度なノウハウを必要とするウェブサイト運用には引き続き高い需要があります。当社グループにおいては、放送局のネット配信サービスメニューの拡充に伴うシステム開発や、前年度において大口のコンテンツ配信システム開発納品があった専門チャンネル事業者に対する運用サービス提供が継続的な売上要因となっており、この領域全体の売上は堅調に推移しました。
これらの結果、前連結会計年度に比べ9.9%減の11,266百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価については、売上連動で外注費が減少したことに加え、足元の営業見通しを鑑み、採用計画を抑制したほか、その他の経費についてもマーケティング施策・市場調査等の施策を進めつつも大幅な見直しを実施しました。開発人員の増加から労務費は増加しましたが、全体では前年同期を下回り、7,174百万円(前年比4.5%減)となりました。売上減少幅が原価の低下を上回ったことから、売上総利益率は前年比3.6ポイント低下しました。
販売費及び一般管理費については、採用計画の見直しによる求人費削減のほか、節減を進めておりますが、販売促進のための営業支援にかかる費用が増加要因となりました。販売費及び一般管理費は3,525百万円(前年比6.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の経常利益は585百万円と前連結会計年度に比べ64.6%の減少となりました。税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ59.7%減の583百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ65.8%減の298百万円となりました。
3) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
4) 資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、受注から開発納品、顧客からの支払受領までの期間と、外注支払等とのギャップ部分の運転資金に加え、各事業についての一般管理費などがあります。設備資金の需要としては、サーバ等の設備、比較的少額のオフィス等の機器に関する設備資金需要があります。無形固定資産に関連するものでは、サービスソフトウエア関連の開発投資、サービス開発投資に加え、社内のシステムに関する開発投資に関する資金需要があります。この他、企業や事業の買収に関する資金需要があります。
(財務政策)
近年の売上増大に伴う運転資金需要の増加や、ソフトウエア開発等の資金需要は自己資金で賄っております。運転資金につきましてはグループ企業を含め事業拡大に伴い需要が増加しておりますため、借入等短期資金を効率的に確保する手法を検討いたします。M&Aによる人材・開発能力の確保や新規事業開拓等に伴う資金については、2021年3月期におきまして自己株式の処分による調達を実施し、その後の投資環境、実績を鑑み、2023年3月期第4四半期において、その支出時期を2028年3月までと延長いたしました。こうした状況を鑑み、当面不足は発生しないものと判断しております。
5) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
新型コロナウイルス感染症の流行以降、DXによる産業構造の変化は著しいものがあります。アフターコロナ環境においては、コロナ環境下でのWEB関連施策によって得られた知見を活かし、リアルとのハイブリッドな形で事業展開を行うことが前提となると考えられます。
当社グループでは、EVC領域(医薬)、EVC領域(医薬以外)OTT領域の3領域を軸として市場認識とサービス構成をしております。これら3つの市場各々に向けて、DXの目的達成に最適化されたソリューションや、リアルと合わせたユーザー体験の高レベル化、セキュリティ強化等、安定して成果を挙げることにつながるソリューションを提供し、業容の拡大に努めてまいります。
EVC領域(医薬)においては、医薬関連企業に向けて、コミュニケーションをとる医療従事者の体験向上とユーザー企業への提供データの最適化を最大の提供価値として事業を展開いたします。
Web講演会ライブ配信は、コロナ期の集中的利用と比較すると取組に落ち着きが見られますが、依然企業と医療従事者を結び有用な情報を提供する最も効果的な手法の一つであり、中長期的には十分な成長余地があります。ハイブリッドWeb講演会の積極展開や、コミュニケーションに有効なメタバース、XR映像ソリューション等を通じて提供価値を高め、新規顧客開拓を推進します。デジタルマーケティングにおいては、「WebinarAnalytics」のデータ連携や講演内容のAIを活用した要約等の各種機能を向上させ、講演会とその後のコミュニケーションツールと合わせて提供することで顧客のマーケティングの上流工程へ貢献します。医療従事者のエンゲージメントをデータ活用を通じて向上させる専門組織を設け、この領域への人材・経営資源の投入を効率的に行います。
EVC領域(医薬以外)においては、事業会社のビジネス全般における動画コミュニケーションに関して、動画を活用する企業と担当者にとってのベストソリューションパートナーを目指します。
企業の販売・営業、マーケティング、業務プロセス、組織、会計、社員教育等すべてのシーンにおいてICT化が進行し、動画の利用される場面が拡大していることを捉え、顧客企業の担当者の活動や、社内の事業プロセスに必要とされるリソースとソリューションを提供します。販促セミナーや株主総会といったセミナー系用途に加え、コロナ期を経て、企業での活用の広がりが期待できる社内情報共有、教育・トレーニングの用途に適したサービス展開を進めます。また、「VideoStep」を通じて、新たな市場であるデスクレスワーカー向けの教育・トレーニングの支援の拡大を進めます。業務上の動画活用を支援するサービス「EQポータル」の機能を活かし、顧客企業に蓄積された動画等のリソースが、有効に活用される状態を構築できるよう支援を進めます。企業での動画の内製を支援するサービス等を通じ、より広く、取引額が多い顧客層の育成と獲得を図ります。販売面においては、パッケージ化されたサービスを中心に、パートナーを通じた販売ルートの拡充にも注力します。
OTT領域においては、放送局・コンテンツ事業者に向けて、ネットコンテンツ視聴の活性化を受けたマネタイズニーズの増加等への対応を実現する、動画ビジネスにおけるトータルテックパートナーを目指します。
大規模配信、サイト運用等を総合的に担当するキー局等に向けては、マルチCDN等を利用した配信品質の向上や、安定したサイト運用体制の提供を行い、既存顧客の維持に加えて、新規顧客へのサービス導入を図ります。五輪等の大型イベントについても信頼性・実績をアピールし関連案件の獲得を進めます。BS/CS局や、スポーツ、各種公営競技等コンテンツを保有するコンテンツ事業者向けには、マルチアングル配信等の映像機能に加え、コンテンツ配信用のCMSや課金機能、キャンペーン展開ツールなど、動画配信だけでなく、海外SaaSを利用した動画配信とも組み合わせて利用できる各種の機能・ソリューションを提供することを通じて顧客獲得を図ります。
2025年3月期については、これら基本戦略の下で経営を進めてまいります。
投資、支出面においては、更にスピードを増してニーズに対応するとともに、需要の拡大に応える案件対応能力、開発能力等、企業体制をより充実させていくことが重要な課題であると認識しております。こうした方面への投資を効率的に行うと同時に、動画を利用して業務DXを図るSaaS企業等を主なターゲットとし、M&Aを通じた事業領域の強化、拡大を追求します。
当社グループにおいては、インターネット動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有や、各種コンテンツ配信市場は成長基調にあると認識しております。こうした環境下においては、導入顧客の動画利用を促進する知識や情報を提供し、利用実績を積み重ねることで目的達成への効果を実感頂き、取引規模を順次拡大していくことが重要であると判断しております。この方針の達成状況を判断するために重視している指標は、特に継続的売上と利益が期待できる配信系のプラットフォーム売上高や取引先数(サービスによっては同一企業に複数アカウントを発行する場合もあるため、アカウント数)、既存取引先の維持率、また新規の取引先獲得数であります。また、構築した配信基盤を利用して、こうした顧客に適切なサービスを提供して利益をあげられているかの目安として、営業利益率を重要な指標としております。営業利益率については、人員増の影響や管理系システム開発費用の影響が大きく、当連結会計年度において5.0%となり、前期比8.3ポイント低下しております。
当社の主力サービスである「J-Stream Equipmedia」については、競合企業対策、顧客への配慮から現時点での契約アカウント数は公開しておりませんが、サービス利用の累計アカウント数を随時公表しております。2023年2月末時点で3,500件を超えており、イベントによるスポット的利用には波があるものの、企業内コミュニケーションのインフラとしての定常利用は着実に獲得が進んでおります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

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