有価証券報告書-第28期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)におけるわが国経済は、人流ならびに経済活動の正常化が一段と進み、雇用・所得環境が改善するとともに個人消費やインバウンド需要が回復するなど、緩やかな回復基調が続きました。一方で、地政学リスクの継続に伴うエネルギー・食糧価格の上昇、円安の進行など、景気の不透明感も強まっております。
当社グループの主な事業領域でありますIT関連業界におきましては、企業向けのIT投資環境は良好となっておりますが、人手不足の深刻化や受注獲得競争の激化が生じるとともに、先行きの不透明感による投資の先延ばし等も生じております。インバウンド需要につきましては、中国など一部を除き全般的な人流が回復し更なる拡大が見込まれます。
当連結会計年度におきましては、売上高は対前期を上回りましたが、売上総利益の伸びが弱く、当社・子会社とも販売費及び一般管理費の削減により営業損失額を減少させたものの、営業利益の確保には至らず、営業損失・経常損失を計上いたしました。また、投資有価証券売却益9,587千円、減損損失16,204千円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失を計上いたしました。
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高1,721,303千円(前年同期比15.19%増)、営業損失97,784千円(前年同期は営業損失182,808千円)、経常損失100,596千円(前年同期は経常損失190,333千円)、親会社株主に帰属する当期純損失151,553千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失179,556千円)となりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,201千円増加し、938,232千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11,293千円増加し、435,423千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,092千円減少し、502,808千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,721,303千円(前年同期比15.19%増)、営業損失97,784千円(前年同期は営業損失182,808千円)、経常損失100,596千円(前年同期は経常損失190,333千円)、親会社株主に帰属する当期純損失151,553千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失179,556千円)となりました。
システム・ソリューション事業の概況は以下のとおりであります。
なお、当社は、従来「モビリティ・イノベーション事業」「ワイヤレス・イノベーション事業」「ソリューション事業」の3事業を報告セグメントとしておりましたが、第1四半期連結会計期間より「システム・ソリューション事業」の単一セグメントに変更しております。
(モビリティ・イノベーション)
鉄道など社会インフラ提供事業者向けのシステム開発・サービス提供として、鉄道会社数社との間で新しい創客モデルを構築すべく準備に取り組んでおり徐々に成果を出しつつあります。当中間連結会計期間においては、「とくチケ」を商業施設や地方公共団体に利用いただくためのQR改札システムとの連携強化や鉄道、流通などの事業者や監督官庁等との事業モデルの企画・調整に取り組みました。またこれまでと同様、交通系ICカードに関わるサービス(transit manager、交通費インポータArtha)の販売や私鉄向けWEBアプリの受託開発を行いました。残念ながら、受注・売上の実績につきましては、transit manager、交通費インポータArthaや私鉄系のアプリ運用などの小規模案件に留まりました。
(ワイヤレス・イノベーション)
エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社(NTTBP)を始めとする通信事業者、自治体との協力により、通信・鉄道・流通や自治体をはじめとする無線LANスポット提供事業者に対して、無線LANの認証・クラウド管理基盤などのシステム開発・サービス提供を進めております。通信事業者向けの保守運用案件については予定通り進捗しましたが、新規構築の大型案件の獲得には至らず、売上を伸ばすには至りませんでした。当社独自の新商品・サービスであるAir Compass Media(車載サーバ) やEdgecore(旧IgniteNet)製品及びクラウド管理システム、ミリ波を活用したTerragraph、Wi-Fi Halow等の無線システムの販売は、引き合いは活発なものの規模が小さく、売上高への貢献は限定的でした。
(ソリューション)
上記以外の映像配信システム事業、TVメタデータのASP事業、コンテンツプリント事業、O2O2O事業・MMS事業等のうち、連結子会社である株式会社MMSマーケティングを含めたO2O2O事業・MMS事業については商談の延期等により実績を伸ばすことができませんでした。自治体・事業会社向けのEdgecoreなどハードウェア販売は好調でしたが、利益率が低い案件が含まれ、売上高は増加したものの利益は低迷いたしました。アパらくWi-Fi(賃貸住宅向けWi-Fi)、病院Wi-Fiについては、本格的な展開には至らず微少に留まりました。その他の取組として、電力データ等を活用した見守りサービス(おうちモニタ)について協力会社とともに企画及び商用化の準備を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、282,108千円となり、前連結会計年度末と比べ、126,996千円増加いたしました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は、122,303千円となりました。これは主に、前渡金の減少56,502千円、その他58,067千円による資金の増加と税金等調整前当期純損失143,450千円、仕入債務の減少54,961千円、契約負債の減少60,619千円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、8,964千円となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入10,703千円の増加と有形固定資産の取得による支出16,893千円の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって増加した資金は、258,264千円となりました。これは主に短期借入れによる収入120,000千円、株式の発行による収入142,373千円の増加と長期借入金の返済による支出14,292千円の減少によるものであります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 40.7 | 39.9 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 123.5 | 215.2 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | ― | ― |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | ― | ― |
(注)1 各指標の計算方法は、次のとおりであります。
| ・自己資本比率 | 自己資本/総資産 |
| ・時価ベースの自己資本比率 | 株式時価総額/総資産 |
| ・キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 有利子負債/キャッシュ・フロー |
| ・インタレスト・カバレッジ・レシオ | キャッシュ・フロー/利払い |
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
5 2025年3月期及び2026年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| システム・ソリューション事業 | 1,051,228 | 126.7 |
| 合計 | 1,051,228 | 126.7 |
(注) 1 金額は製造原価によっております。
b 受注状況
・受注状況
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| システム・ソリューション事業 | 1,656,170 | 95.8 |
| 合計 | 1,656,170 | 95.8 |
・受注残高
当連結会計年度の受注残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| システム・ソリューション事業 | 797,016 | 92.4 |
| 合計 | 797,016 | 92.4 |
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| システム・ソリューション事業 | 1,721,303 | 115.2 |
| 合計 | 1,721,303 | 115.2 |
(注)1主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先名 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 構成比 (%) | 金額(千円) | 構成比 (%) | |
| エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社 | 311,082 | 20.8 | 222,727 | 17.4 |
| 茨城県 | 216,360 | 14.5 | 212,895 | 16.3 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社が採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績等
財政状況
(資産)
当連結会計年度末の資産総額は938,232千円となり、前連結会計年度末に比べて9,201千円増加いたしました。流動資産は856,083千円となり、20,505千円増加いたしました。主な原因は、現金及び預金126,996千円、売掛金9,842千円の増加と前渡金56,503千円とその他34,109千円の減少などです。固定資産は82,149千円となり、11,303千円減少いたしました。主な原因は投資有価証券11,396千円の減少などです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は435,423千円となり、前連結会計年度末に比べて11,293千円増加いたしました。流動負債は355,111千円となり、25,425千円増加いたしました。主な原因は、短期借入金120,000千円とその他15,130千円の増加と買掛金54,962千円、契約負債60,620千円の減少などです。固定負債は80,312千円となり14,131千円減少いたしました。主な原因は、長期借入金14,292千円の減少などです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は502,808千円となり、前連結会計年度末に比べて2,092千円減少いたしました。主な原因は、資本金79,145千円、資本剰余金79,145千円の増加と利益剰余金151,553千円、その他有価証券評価差額金10,643千円の減少などです。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末40.7%から39.9%となりました。
経営成績
(売上高)
売上高は、1,721,303千円(前年比15.19%増)となりました。
(営業利益)
売上原価は前連結会計年度に比べ222,399千円増加の1,051,178千円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ80,434千円減少の767,909千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失151,553千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失179,556千円)となりました。
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの主な事業領域でありますIT関連業界におきましては、IT需要は堅調に推移しましたが、人手不足の深刻化や受注獲得競争の激化の懸念が生じております。また、売上高の大きい有力顧客上位1社に占める割合は17.4%と、依存度が非常に高い状況となっております。
有力顧客とは、すでに複数年にわたる安定的な取引をいただいておりますが、ビジネスの継続性が確保されているわけではありません。また、有力顧客において、そのニーズ飽和や景気変動などの原因で、当社への発注が急減する可能性があります。このため、顧客ニーズの深耕を通して、より強固な関係を構築するため、多様なサービスの提案営業や人的交流に取り組んでいます。更に、当社は、独自事業の開発・提供に注力し、インバウンド需要等の取り込みやテレビ放送から実店舗への送客を図るO2O2Oサービス、鉄道広告をはじめとするメディアから実店舗への送客を図るMMSサービスなど、これまでに築き上げた経験・技術・人脈を最大限に活用し、事業転換に取り組むこととしております。
また、人材不足に対しては、新卒採用と育成に重点を置いて確保に努めるとともに、協力会社との緊密な関係を構築することで、機会損失の無いように取り組んでまいります。
c 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが前年同期に比べ128,073千円の支出減少、投資活動によるキャッシュ・フローは前年同期に比べ3,970千円の支出減少、財務活動によるキャッシュ・フローは前年同期に比べ272,549千円の収入増加となりました。その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より126,996千円増加し、282,108千円となりました。