有価証券報告書-第23期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

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2018/12/20 15:01
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(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年10月1日から平成30年9月30日まで)において当社グループは、前連結会計年度より引き続き、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」と「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」による新たな法的枠組みの下、事業の拡大に向けた取り組みを進めており、主な事業の成果は以下のとおりであります。
当社は、細胞加工業における顧客ニーズに合わせた多種多様な細胞加工物の製造受託体制を整備すべく、これまで免疫細胞療法総合支援サービス契約に基づき細胞培養加工施設を提供してまいりました医療法人社団滉志会から新横浜及び大阪の二つの細胞培養加工施設を当社に移管し、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づく特定細胞加工物製造許可を取得いたしました。これにより、当社は既に許可を取得している品川細胞培養加工施設とあわせ合計3施設での細胞加工物の製造受託体制を整備いたしました。それに伴い医療法人社団滉志会とは免疫細胞療法総合支援サービス契約に替えて、新たに特定細胞加工物製造委受託契約を締結いたしました。
平成29年12月21日には、Histogenics Corporation(所在地:米国マサチューセッツ州ウォルサム市、以下「ヒストジェニックス社」という。)との間で日本における自家細胞培養軟骨「MDNT01」の開発・販売を目的としたライセンス契約を締結いたしました。この契約を受けて、当社は、現在、国内第Ⅲ相臨床試験を開始すべく各種準備を進めております。ヒストジェニックス社は、米国における膝関節軟骨損傷を対象とする自家細胞培養軟骨「NeoCart®」の第Ⅲ相臨床試験の結果について発表し、米国食品医薬局(FDA)と第Ⅲ相臨床試験のトップラインデータ及び今後の生物学的製剤承認申請(BLA)について協議を継続中です。今後、ヒストジェニックス社とFDAとの協議結果を踏まえ、自家細胞培養軟骨「MDNT01」の開発方針を決定してまいります。
また、平成30年3月22日には、独立行政法人国立病院機構(以下「国立病院機構」)との間で成人T細胞白血病を対象とした樹状細胞ワクチン「ATL-DC-101」の再生医療等製品としての製造販売承認の取得を目的とした共同開発契約を締結し、今後、国立病院機構と共同で治験を開始し、早期の製造販売承認を目指し開発を進めてまいります。
一方、当社は細胞加工業において、これまで主力であったがんを対象とした医家向け免疫細胞加工の売上が、がん治療分野において免疫チェックポイント阻害剤の普及等による環境変化により急減したことから、抜本的な対策を行い、早期の経営基盤の強化を図るために、平成30年4月27日開催の当社取締役会において、事業構造改革の実施を決定いたしました。構造改革の内容は以下のとおりであります。
Ⅰ 細胞加工業
新横浜と大阪の細胞培養加工施設は、平成31年3月までを目途に国内最大級の製造規模を有する品川細胞培養加工施設に集約し、医家向けの細胞加工から再生医療等製品の製造まで実施することによって、細胞加工業における製造体制の効率化を図り、細胞加工業セグメントの平成31年9月期の収支均衡を目指します。
Ⅱ 再生医療等製品事業
治験開始に向けて準備を進めている自家細胞培養軟骨「MDNT01」及び早期の承認取得を目指す「ATL-DC-101」の開発体制を強化します。
Ⅲ 研究開発
自社の再生医療等製品パイプライン拡充や免疫療法の評価を目的とした出口戦略が明確なテーマに絞り込み、早期の収益化を目指します。
Ⅳ 希望退職募集の実施
(ⅰ)募集人員 80名程度(結果66名)
(ⅱ)募集期間 平成30年5月22日~6月15日
(ⅲ)退職日 平成30年8月31日
(ⅳ)優遇措置 特別加算金等を支給し、希望者には再就職支援会社を通じた「再就職先支援サービス」を提供
Ⅴ 構造改革による効果
平成31年9月期以降、毎年700百万円以上の固定費の減少を見込んでいます。
当連結会計年度においては、特定細胞加工物製造委受託契約を締結している契約医療機関において、がん免疫治療分野での市場環境の変化等により患者数が減少した状況が続いたことで、売上高は、998百万円(前期比705百万円減、41.4%減)となりました。
損益面では、研究開発活動において、ヒストジェニックス社との間で締結したライセンス導入契約に基づく契約一時金1,130百万円等により、研究開発費は1,502百万円(前期比890百万円増、145.4%増)となりました。
これらの結果、販売費及び一般管理費は3,031百万円(前期比460百万円増、17.9%増)となり、営業損失は2,701百万円(前期は営業損失1,801百万円)となりました。
その他、受取利息13百万円(前期比10百万円減)、投資事業組合運用損15百万円(前期は投資事業組合運用損33百万円)等の営業外損益により、経常損失は2,711百万円(前期は経常損失1,745百万円)となりました。また、投資有価証券売却益378百万円の特別利益の計上、Argos Therapeutics,Inc.(本社:米国)への貸付金等に対する貸倒引当金繰入額551百万円及び事業構造改善費用96百万円の特別損失の計上及び法人税等10百万円等により、親会社株主に帰属する当期純損失3,048百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,603百万円)となりました。
報告セグメント別の業績の概況は、以下のとおりであります。
Ⅰ 細胞加工業
細胞加工業については、構造改革の施策として新横浜と大阪の細胞培養加工施設は平成31年3月までを目途に国内最大級の製造規模を有する品川細胞培養加工施設に集約し、細胞加工から再生医療等製品の製造まで実施することによって製造体制の効率化を図り早期の収支の均衡を目指しますが、当連結会計年度においては、契約医療機関における患者数の減少の影響等による特定細胞加工物の製造売上の減少等により、売上高は994百万円(前期比707百万円減、41.6%減)、セグメント損失は571百万円(前期はセグメント損失462百万円)となりました。
Ⅱ 再生医療等製品事業
再生医療等製品事業については、自家細胞培養軟骨「MDNT01」は治験開始に向けた準備が進んでおり、また「ATL-DC-101」は早期の承認取得に向けて開発を進めております。当連結会計年度においては、売上高は3百万円(前期比2百万円増、153.4%増)、ヒストジェニックス社との間で締結したライセンス導入契約に基づく契約一時金等により研究開発費が増加したこと等から、セグメント損失は1,579百万円(前期はセグメント損失707百万円)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて2,328百万円減少し、3,937百万円となりました。流動資産は2,707百万円と前連結会計年度末に比べ1,345百万円減少しており、主な要因は現金及び預金の減少334百万円、有価証券の減少900百万円です。固定資産は1,229百万円と前連結会計年度末に比べ983百万円減少しており、主な要因は貸倒引当金の増加551百万円、投資有価証券の減少494百万円によるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて161百万円減少し、624百万円となりました。そのうち流動負債は446百万円で前連結会計年度末に比べて59百万円増加しております。主な要因は、資産除去債務の増加90百万円です。固定負債は177百万円と前連結会計年度末に比べて220百万円減少しており、主な要因は、資産除去債務の減少62百万円、リース債務の減少43百万円、繰延税金負債の減少110百万円です。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて2,166百万円減少し、3,313百万円となりました。主な要因は、転換社債型新株予約権付社債の株式転換及び新株予約権の行使による資本金576百万円及び資本剰余金576百万円の増加の一方、親会社株主に帰属する当期純損失3,048百万円とその他有価証券評価差額金291百万円等の減少によるものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の86.9%から82.8%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1,234百万円減少し、当連結会計年度末には2,201百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動に使用した資金は2,499百万円(前期は1,333百万円の使用)となりました。
主な増加は、減価償却費193百万円、貸倒引当金の増加額551百万円であり、主な減少は、税金等調整前当期純損失3,037百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって獲得した資金は154百万円(前期は199百万円の獲得)となりました。
主な支出は、有形固定資産の取得による支出215百万円であり、主な収入は、投資有価証券の売却による収入378百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって獲得した資金は1,110百万円(前期は975百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、株式の発行による収入241百万円、新株予約権付社債の発行による収入892百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年10月1日
至 平成30年9月30日)
前期比(%)
細胞加工業(千円)994,52558.4
再生医療等製品事業(千円)3,753253.4
合計(千円)998,27858.6

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成28年10月1日
至 平成29年9月30日)
当連結会計年度
(自 平成29年10月1日
至 平成30年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
医療法人社団 滉志会1,594,10793.6872,79687.4

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。これらの連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の売上高は998百万円(前期比705百万円減、41.4%減)となりました。
(細胞加工業)
細胞加工業の売上高は、994百万円(前期比707百万円減、41.6%減)となりました。当連結会計年度の売上高の減少は、契約医療機関が行っているがんの免疫細胞治療の分野において免疫チェックポイント阻害剤の普及等による市場の環境変化により契約医療機関の患者数が減少したことから、契約医療機関に対する売上高が減少したことが主な要因であります。
このような事業環境の中、当社はこれまでの17万件以上の細胞加工実績で培った技術力やノウハウを踏まえ、契約医療機関に対する特定細胞加工物の製造売上に加えて、新規の顧客獲得に向けた施策に取り組んでおります。
(再生医療等製品事業)
再生医療等製品事業の売上高は、3百万円(前期比2百万円増、153.4%増)となりました。再生医療等製品事業の売上高は、現時点では上市できている再生医療等製品がないため、大学病院で実施している先進医療に対する免疫細胞療法総合支援サービス売上に留まっており、再生医療等製品の製造販売に向けて、研究開発投資が先行している状況にあります。
再生医療等製品の製造販売に向けては、膝軟骨欠損を対象とした自家細胞培養軟骨「MDNT01」及び成人T細胞白血病を対象とした樹状細胞ワクチン「ATL-DC-101」の製造販売承認を取得するため、社内開発体制を整備し、治験の準備を進めております。
当連結会計年度の営業損失は2,701百万円(前期は営業損失1,801百万円)となり前期に比べて899百万円損失が増加しております。売上高の減少により売上総利益は330百万円(前期比439百万円減、57.1%減)となりました。また、販売費及び一般管理費は3,031百万円(前期比460百万円増、17.9%増)となりました。その内訳は、再生医療等製品の開発等により研究開発費は1,502百万円(前期比890百万円増、145.4%増)となりましたが、販売費は294百万円(前期比214百万円減、42.2%減)、一般管理費は1,234百万円(前期比215百万円減、14.9%減)となりました。
今後も再生医療等製品の研究開発の進捗状況に応じて研究開発費を投じてまいりますが、一方、構造改革に掲げた希望退職の募集による人件費の削減に加え、新横浜と大阪の細胞培養加工施設を品川細胞培養加工施設に統合することにより製造体制の効率化を図り、細胞加工業セグメントの平成31年9月期の収支均衡を目指してまいります。さらに、本社機能も含めた拠点の集約など構造改革の施策の実施により全社的な効率化を進めて販売費及び一般管理費の削減を図ってまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金の需要)
当社グループの資金需要の主なものは、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用による運転資金と品川細胞培養加工施設への設備投資および再生医療等製品の研究開発投資等によるものであります。
(資金の源泉及び資金の流動性)
当社グループの資金の源泉の主なものは、運転資金については自己資金と金融機関からの借入により、設備投資や研究開発投資については、新株予約権付転換社債及び新株予約権等の発行による資金調達であります。
当連結会計年度末におけるリース債務による有利子負債残高は73百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,201百万円となっております。
資金の流動性については、当連結会計年度においては、第4回新株予約権付転換社債及び第13回新株予約権の発行により資金を調達しております。今後も構造改革の実施等によりキャッシュ・フローの改善を図り、資金の流動性の確保に努めてまいります。
なお、当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。

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