有価証券報告書-第19期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 9:46
【資料】
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【項目】
77項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。の状況は以下のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、金融緩和をはじめ政府の各種経済対策を背景に、企業業績や雇用・所得環境に改善傾向が見受けられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、米国新政権の政策動向や東アジアの地政学リスクなどによる国内景気への影響などから、先行きは不透明な状況となっております。
当社を取り巻くライフサイエンス分野におきましては、近年、ヒトiPS細胞関連の臨床試験が盛んに行われており、再生医療の実用化が本格化してきました。また、再生医療分野に異業種を含めた様々な企業が参入するなど、再生医療の産業化が本格的なステージに入ってきました。今後、再生医療分野の市場規模は大きく拡大することが予測されております。
最新のがん治療におきましては、従来の三大治療である「手術(外科治療)」、「薬物治療(抗がん剤治療)」、「放射線治療」に加えて、「免疫療法(体の中に侵入した異物を排除するために、生まれながらに備えている能力を高め、がんの治療を行う方法)」が注目されています。近年、免疫療法に用いる「免疫チェックポイント阻害剤」が医薬品として承認され、従来自由診療であった免疫療法による治療が一部保険診療可能となり、患者負担が少なく治療を受けることが可能となりました。
また、遺伝子解析技術の向上により、今後がん予防や治療に新たな展開が期待されております。当社におきましても、血液を用いて肺がんの遺伝子変異検査を行う、「EGFR-NGS Check」の薬事承認・保険収載を最優先事項として取組んでおります。
なお、当社創業者である松原謙一氏(現当社顧問、国立大学法人 大阪大学名誉教授)が遺伝子組み換え技術の開発と発展への貢献、B型肝炎ウイルスのゲノム研究を進めワクチンを開発、安全に大量生産する道を開くなどの成果が認められ、2017年11月に文化勲章を受賞いたしました。
このような状況下において当社は、方針を「開発力強化と事業化加速」と定め、研究受託事業の成長と診断事業の差別化を目指しております。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高は362百万円(前年同期比111.8%)、利益面では、営業損失125百万円(前年同期152百万円)、経常損失126百万円(前年同期151百万円)、当期純損失127百万円(前年同期211百万円)となりました。
当期純損失127百万円の主な要因は、診断事業における大口顧客の受注に遅れが生じたこと,診断事業における開発費用の増加などによります。
財政状態におきましては、当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ88百万円減少し394百万円となりました。
また、キャッシュ・フローの状況におきましては、当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ134百万円減少し220百万円となりました。
①経営成績の状況
当事業年度における経営成績の状況は以下のとおりであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、362百万円(前年同期比111.8%)となりました。セグメント別の状況以下のとおりです。
ⅰ.研究受託事業
研究受託事業におきましては、主な事業として受託解析サービスを行っております。大学や研究機関、製薬・食品会社等を主要な顧客として、遺伝子関連解析のサービスや解析結果の統計処理のサービスを提供しております。主なサービスは、マイクロアレイ受託解析サービスと次世代シークエンス受託解析サービスがあります。
マイクロアレイを使用した受託解析サービスでは製薬・食品会社等の顧客に積極的な提案型営業を行うとともに、大学、研究機関等の顧客にはきめ細かなフォローを推進しております。 また、「デジタルPCR受託サービス」や「再生医療研究分野に向けた間葉系幹細胞の品質評価解析サービス(C3チェックサービス)」等新規サービスメニューの拡充を図っております。
次世代シークエンスを使用した受託解析サービスにでは、顧客の目的に合わせた実験デザインの提案、データ解析及びサポートに力を入れております。また、「16S rRNA細菌叢解析」等新規サービスメニューの拡充を図っております。
いずれのサービスにつきましても、他社との差別化を意識し、クオリティの高い内容をお客様に提供すべく取り組んでおります。
当事業年度の売上高は、318百万円(前年同期比102.4%)となりました。
ⅱ. 診断事業
診断事業におきましては、血液を用いて肺がんの遺伝子変異を検査する、「EGFR-NGS Check」の市場への普及を当社の最優先事項として取り組んでおります。現在この検査の薬事承認、保険収載を目指した活動を行っております。こうした活動によって「EGFR-NGS Check」を、日本ではじめて次世代シークエンス技術を用いた薬事承認検査としていくことを目標としております。
また、同時に遺伝子解析を用いた関節リウマチの薬剤効果予測検査、うつ病の診断技術の開発も積極的に進めております。
当事業年度の売上高は、44百万円(前年同期比325.2%)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前事業年度263百万円から18百万円減少し245百万円、販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ28百万円増加して242百万円となりました。
販売費及び一般管理費におきましては、診断メニュー開発のための研究開発の加速化や「EGFR-NGS Check」の薬事承認、保険収載へ向けた取組みなどが主な増加要因であります。
(営業損失)
前事業年度は営業損失152百万円であったのに対し、当事業年度は営業損失125百万円と営業損失額は27百万円減少いたしました。
(営業外収益)
営業外収益は前事業年度は、前事業年度は受取賃借料など1百万円ありましたが、当事業年度は受取賃貸料など0百万円ありました。
(営業外費用)
営業外費用は前事業年度は為替差損が0百万円ありましたが、当事業年度は新株予約権発行費など2百万円ありました。
(経常損失)
前事業年度は経常損失151百万円であったのに対し、当事業年度の経常損失は126百万円となりました。
(特別利益)
前事業年度はありませんでしたが、当事業年度は、その他(固定資産売却益)が0百万円ありました。
(特別損失)
前事業年度では、前事業年度は固定資産の「減損損失」の計上などにより特別損失は59百万円でありましたが、当事業年度はその他が0百万円ありました。
(当期純損失)
前事業年度は当期純損失211百万円であったのに対し、当事業年度は、当期純損失127百万円となりました。
なお、当事業年度の経営成績をふまえて、次事業年度におきましては以下の取組みを実施し、4.1億円の売上確保を目指してまいります。
研究受託事業
・提案型研究受託の営業強化
・大型案件の受注の確保
・外部との連携強化
・新サービスメニュー開発による差別化
診断事業
・「EGFR-NGS Check」の事業化の加速
・がんパネル検査の開発
取組みの詳細は、下記「(3) 提出企業が将来にわたって活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象を解消し、又は改善するための対応策」をご参照ください。
② 財政状態
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ88百万円減少し394百万円となりました。当事業年度における各項目の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は364百万円であり、前事業年度末に比べ112百万円減少しております。受取手形の増加8百万円、売掛金の増加7百万円などの増加要因があった一方、現金及び預金の減少134百万円などがあったことによります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は29百万円であり、前事業年度末に比べ24百万円増加しております。研究開発用機器(工具、器具及び備品)の取得により32百万円増加した一方、減価償却費の計上8百万円などが主な減少要因であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は93百万円であり、前事業年度末に比べ33百万円増加しております。買掛金が29百万円増加したことなどが主な要因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は6百万円であり、前事業年度末に比べ増加はしておりますが、その増加額は軽微なものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は295百万円であり、前事業年度末に比べ123百万円減少しております。
当期純損失による利益剰余金127百万円の減少と新株予約権の増加4百万円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ134百万円減少し220百万円となりました。その主な要因は、税引前当期純損失を126百万円計上したこと等、営業活動によるキャッシュ・フローのマイナス102百万円、診断メニュー開発のための機器取得など有形固定資産の取得等、投資活動によるキャッシュ・フローのマイナス29百万円などによります。
当事業年度におきましては、資金調達はなく、全額自己資金でまかなっております。
当事業年度における各項目の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度に135百万円の支出となったのに対し、当事業年度は102百万円の支出となりました。税引前当期純損失126百万円、売上債権の増加16百万円などの減少要因がありましたが、仕入債務の増加29百万円、減価償却費8百万円などの増加要因もありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度8百万円の支出に対し、当事業年度は29百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出29百万円が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度は、自己株式の取得による支出が0百万円ありましたが、当事業年度は新株予約権の発行による支出2百万円がありました。
なお、今後診断メニュー開発を加速させるため、開発費用の増加が見込まれます。これに伴う資金の支出が見込まれ、資金調達の必要を認識しております。
(2)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当事業年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業315,987102.2
診断事業 (注3)35,792481.9
合計351,779111.1

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 診断事業は売上高が前年同期比325.2%となりました。それに伴い生産高も前年同期比481.9%と大きく増加しました。
②仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業112,80198.7
診断事業 (注3)20,036214.7
合計132,837107.5

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 診断事業は売上高が前年同期比325.2%となりました。それに伴い仕入高も前年同期比214.7%と大きく増加しました。
③ 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業330,650105.721,489231.2
診断事業 (注3)58,890486.414,8494,279.3
合計389,541119.936,339376.9

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 診断事業で大型案件の受注があり、受注高では前年同期比496.4%、受注残高では前年同期比4,279.3%と大きく増加しました。
④ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業318,454102.4
診断事業(注3)44,388325.2
合計362,843111.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
3 診断事業で企業や研究機関向けの案件の売上などが寄与し、前年同期比325.2%と大きく増加しました。
相手先前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
㈱シングルセルテクノロジー--39,05110.8
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構72,44822.318,5565.1

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

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