有価証券報告書-第20期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/21 10:12
【資料】
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【項目】
117項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は以下のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、米中貿易摩擦の長期化に伴う中国経済の減速懸念や、海外経済の動向と政策に関する不確実性などもあり、先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社を取り巻くライフサイエンス分野におきましては、近年、ヒトiPS細胞関連の臨床試験が盛んに行われており、再生医療の実用化が本格化してきました。また、再生医療分野に異業種を含めた様々な企業が参入するなど、再生医療の産業化が本格的なステージに入ってきました。今後、再生医療分野の市場規模は大きく拡大することが予測されております。
最新のがん治療におきましては、従来の三大治療である「手術(外科治療)」、「薬物治療(抗がん剤治療)」、「放射線治療」に加えて、「免疫療法(体の中に侵入した異物を排除するために、生まれながらに備えている能力を高め、がんの治療を行う方法)」が注目されています。近年、免疫療法に用いる「免疫チェックポイント阻害剤」が医薬品として承認され、従来自由診療であった免疫療法による治療が一部保険診療可能となり、患者負担が少なく治療を受けることが可能となりました。
また、遺伝子解析技術の向上により、今後がん予防や治療に新たな展開が期待されております。当社におきましても、血液を用いて肺がんの遺伝子変異検査を行う、「EGFR-NGS Check」の薬事承認・保険収載を最優先事項として取組んでおります。
このような状況下において当社は、方針を「開発力強化と事業化加速」と定め、研究受託事業の成長と診断事業における「EGFR-NGS Check」の事業化に取り組んでおります。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高は360百万円(前年同期比99.4%)、利益面では、営業損失99百万円(前年同期125百万円)、経常損失103百万円(前年同期126百万円)、当期純損失104百万円(前年同期127百万円)となりました。
財政状態におきましては、当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ470百万円増加し864百万円となりました。
また、キャッシュ・フローの状況におきましては、当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ437百万円増加し658百万円となりました。
①経営成績の状況
当事業年度における経営成績の状況は以下のとおりであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、360百万円(前年同期比99.4%)となりました。セグメント別の状況以下のとおりです。
ⅰ.研究受託事業
研究受託事業におきましては、主な事業として受託解析サービスを行っております。大学や研究機関、製薬・食品会社等を主要な顧客として、遺伝子関連解析のサービスや解析結果の統計処理のサービスを提供しております。主なサービスは、マイクロアレイ受託解析サービスと次世代シークエンス受託解析サービスがあります。共に製薬・食品会社、大学、研究機関等の顧客に対し積極的な提案型営業を行うとともに、きめ細かなフォローを推進しております。また各種受託解析の実績から顧客の目的に合わせた実験デザインの提案、データ解析及びサポートに力を入れる共に、顧客ニーズに合わせた新規サービスメニューの拡充を図っております。
次世代シークエンスと並び注目を集める遺伝子解析として「デジタルPCR受託サービス」や独自の「再生医療研究分野に向けた間葉系幹細胞の品質評価解析サービス(C3チェックサービス)」等新規サービスを展開しております。
いずれのサービスにつきましても、他社との差別化を意識し、クオリティの高い内容をお客様に提供すべく取り組んでおります。
当事業年度の売上高は、315百万円(前年同期比98.9%)となりました。
ⅱ. 診断事業
診断事業におきましては、血液を用いて肺がんの遺伝子変異を検査する、「EGFR-NGS Check」の市場への普及を当社の最優先事項として取り組んでおります。現在この検査の薬事承認、保険収載を目指した活動を行っております。
また、同時に遺伝子解析を用いた関節リウマチの薬剤効果予測検査、うつ病の診断技術の開発も積極的に進めております。
当事業年度の売上高は、45百万円(前年同期比103.1%)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前事業年度245百万円から15百万円増加し260百万円、販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ42百万円減少して199百万円となりました。
(営業損失)
前事業年度は営業損失125百万円であったのに対し、当事業年度は営業損失99百万円と営業損失額は25百万円減少いたしました。
(営業外収益)
営業外収益は前事業年度は、前事業年度は受取賃借料など0百万円ありましたが、当事業年度は受取賃貸料など1百万円ありました。
(営業外費用)
営業外費用は前事業年度は新株予約権発行費など2百万円ありましたが、当事業年度は株式交付費など4百万円ありました。
(経常損失)
前事業年度は経常損失126百万円であったのに対し、当事業年度の経常損失は103百万円となりました。
(特別利益)
前事業年度、当事業年度とも、その他(固定資産売却益)が0百万円ありました。
(特別損失)
前事業年度では、その他が0百万円ありましたが、当事業年度は特別退職金など1百万円ありました。
(当期純損失)
前事業年度は当期純損失127百万円であったのに対し、当事業年度は、当期純損失104百万円となりました。
なお、当事業年度の経営成績をふまえて、次事業年度におきましては以下の取組みを実施し、3.8億円の売上確保を目指してまいります。
研究受託事業
・提案型研究受託の営業強化
・大型案件の受注の確保
・外部との連携強化
・新サービスメニュー開発による差別化
診断事業
・EGFR-NGS Checkに続く検査メニューの開発
取組みの詳細は、下記「(3) 提出企業が将来にわたって活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象を解消し、又は改善するための対応策」をご参照ください。
② 財政状態
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ470百万円増加し864百万円となりました。当事業年度における各項目の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は810百万円であり、前事業年度末に比べ445百万円増加しております。現金及び預金の増加437百万円が主な要因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は54百万円であり、前事業年度末に比べ24百万円増加しております。無形固定資産のソフトウエア仮勘定が35百万円増加した一方、有形固定資産及び無形固定資産の減価償却費の計上により12百万円減少したことが主な要因であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は88百万円であり、前事業年度末に比べ4百万円減少しております。買掛金が4百万円、未払法人税等が3百万円それぞれ減少した一方、未払消費税等が3百万円増加したことなどが主な要因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は6百万円であり、前事業年度末に比べ増加はしておりますが、その増加額は軽微なものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は769百万円であり、前事業年度末に比べ473百万円増加しております。
新株予約権の行使(株式の発行)により純資産が632百万円増加した一方、当期純損失104百万円の計上及び新株予約券の減少53百万円により、純資産が158百万円減少しました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ437百万円増加し658百万円となりました。その主な要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入565百万円の増加及び税引前当期純損失による減少104百万円などによります。
当事業年度におきましては、資金調達を新株発行で行うとともに、全額自己資金でまかなっております。
当事業年度における各項目の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度は102百万円の支出となったのに対し、当事業年度は89百万円の支出となりました。税引前当期純損失104百万円、売上債権の増加5百万円などの減少要因がありましたが、減価償却費12百万円などの増加要因もありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度29百万円の支出に対し、当事業年度は37百万円の支出となりました。無形固定資産の取得による支出33百万円が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度2百万円の支出に対し、当事業年度は564百万円の収入となりました。前事業年度は、新株予約権の発行による支出2百万円がありましたが、当事業年度は新株予約権の行使による株式の発行による収入565百万円などがありました。
なお、今後診断メニュー開発を加速させるため、開発費用の増加が見込まれます。これに伴う資金の支出が見込まれ、資金調達の必要を認識しております。
(2)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当事業年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業310,60498.3
診断事業38,285107.0
合計348,88999.2

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業116,764103.5
診断事業19,72998.5
合計136,493102.8

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業329,43599.635,863166.9
診断事業(注3)90,883154.359,988404.0
合計420,319107.995,851263.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 診断事業で大型案件の受注があり、受注高では前年同期比154.3%、受注残高では前年同期比404.0%と大きく増加しました。
④ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業315,06298.9
診断事業45,745103.1
合計360,80799.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先前事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
㈱シングルセルテクノロジー39,05110.831,8008.8
田辺三菱製薬㈱11,7413.237,00610.3

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 提出企業が将来にわたって活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象を解消し、又は改善するための対応策
「第2 事業の状況 2事業等のリスク (7) 提出企業が将来にわたって活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」に記載のとおり、当事業年度におきましても、営業損失99百万円、経常損失103百万円、当期純損失104百万円、営業キャッシュ・フロー△89百万円を計上するという事実が存在しております。
そこで、中期事業計画におきまして、研究受託事業では、次世代シークエンス解析ビジネスの拡大等により持続的成長・収益化を、また、診断事業では肺がんコンパニオン診断の薬事承認をめざしてまいります。
その中で次事業年度は以下の施策に取組み、3.8億円の売上確保をめざしてまいります。
①研究受託事業
ⅰ.提案型研究受託の営業強化
研究受託事業におきましては、提案型研究受託の営業強化を図り、従来の大学・研究所中心のビジネスに加え、製薬会社、食品会社等の企業向けビジネスの拡大を図ってまいります。
ⅱ.大型案件の受注の確保
大型案件の受注を確実に確保し、売上の拡大を図ってまいります。
ⅲ.外部との連携強化
他社との販売連携を実施し、受注件数を拡大してまいります。
ⅳ.新サービスメニュー開発によるメニューの差別化
お客様の要望の高い新サービスメニューを開発し、他社との差別化を図り受注の拡大を図ってまいります。
②診断事業
EGFR-NGS Checkに続く検査メニューの開発
診断事業におきましては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して「EGFR-NGS Check」の薬事申請を行う予定です。
今後は、「EGFR-NGS Check」に続く次世代シークエンサーを使用した新たな肺がんパネル技術の開発を進めてまいります。

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