有価証券報告書-第21期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 9:22
【資料】
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【項目】
116項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度におけるわが国経済は、消費税率引き上げに伴う内需の減少がみられたうえに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による需要の減少や、中国での生産停止が長引きサプライチェーン(部品供給網)が寸断されたことで、輸出企業を中心に景況感は悪化しております。
さらに、訪日外国人客の急減に加え、各種イベントの休止や外出自粛による需要の低迷もあり、新型コロナが終息するまでは、景気の厳しい状況が続くものと思われます。
一方当社が属するヘルスケア分野は、高齢化や健康・医療ニーズの多様化を背景に需要期待が高まっております。政府も成長戦略の一つと位置付けており、ヘルスケア産業の活性化は今後も引き続き見込まれております。
さらに、がんゲノム医療時代の幕開けと言える話題として、昨年6月に患者のがん細胞の遺伝子変異を調べて、最適な薬を選ぶ「がんゲノム医療」の遺伝子検査システムに公的医療保険が適用になりました。対象になるのは、原発不明がん、標準治療を終えたがんや希少がんの患者で、これまでは限られた医療機関において、自費で高額の費用をかけ、わずかな可能性にかけて検査を受け、使える薬を探っていたものが、公的医療保険を利用して全国の医療機関で広く検査を受けられるようになりました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響について、当社の第4四半期の役務提供が国内での新型コロナウイルス感染症拡大前にほぼ完了していたため、現時点におけるその影響は僅少であると考えております。
このような状況下において、当事業年度の経営成績は、昨年度に比べ診断事業の売上高は増加しましたが、研究受託事業の売上高が減少したことにより、売上高は361百万円(前年同期比100.3%)となりました。利益面では、営業損失123百万円(前年同期99百万円)、経常損失128百万円(前年同期103百万円)、当期純損失128百万円(前年同期104百万円)となりました。
財政状態におきましては、当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ121百万円減少し743百万円となりました。
また、キャッシュ・フローの状況におきましては、当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ355百万円減少し302百万円となりました。
①経営成績の状況
当事業年度における経営成績の状況は以下のとおりであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、361百万円(前年同期比100.3%)となりました。セグメント別の状況以下のとおりです。
ⅰ.研究受託事業
研究受託事業におきましては、主な事業として受託解析サービスを行っております。大学や公的研究機関、製薬会社等の企業を主要な顧客として、遺伝子関連解析のサービスや解析結果の統計処理のサービスを提供しております。主なサービスは、マイクロアレイ受託解析サービスと次世代シークエンス受託解析サービスがあります。共に大学や公的研究機関、製薬会社等の企業に対し積極的な提案型営業を行うとともに、きめ細かなフォローを推進しております。また各種受託解析の実績から顧客の目的に合わせた実験デザインの提案、データ解析及びサポートに力を入れると共に、顧客ニーズに合わせた新規サービスメニューの拡充を図っております。
次世代シークエンスと並び注目を集める遺伝子解析として「デジタルPCR受託サービス」や独自の「再生医療研究分野に向けた間葉系幹細胞の品質評価解析サービス(C3チェックサービス)」等新規サービスを展開しております。
いずれのサービスにつきましても、他社との差別化を意識し、クオリティの高い内容をお客様に提供すべく取り組んでおります。
しかしながら、マイクロアレイ受託解析サービスから次世代シークエンス受託解析サービスに顧客のニーズが移る過渡期にマイクロアレイ受託解析サービスの売上の落ち込みが見られたこと、また国等からの研究受託が減少したことにより、当事業年度の研究受託事業の売上高は286百万円(前年同期比90.8%)となりました。
ⅱ. 診断事業
診断事業におきましては、血液を用いて肺がんの遺伝子変異を検査する、EGFRリキッドの市場への普及を当社の最優先事項として取り組んでおります。現在この検査の薬事承認、保険収載を目指した活動を行っております。この検査は、低侵襲的な血液遺伝子検査により、血中に微量に存在する血中腫瘍DNA上のEGFR変異を次世代シークエンス法により高感度に検出するリキッドバイオプシー検査です。肺がん組織の生検(気管支鏡検査、CTガイド化生検)は、侵襲性が高く患者さんへの負担も大きいことから、リキッドバイオプシー検査への期待が高まっています。EGFRリキッドに加え、その改良版としてのNOIR-SS技術(分子バーコード技術を用いて高感度かつ正確な分子数測定が可能となる超低頻度変異DNAの検出技術)により、高感度に複数遺伝子を一括解析可能なリキッドバイオプシー遺伝子パネル検査サービスも提供しております。また、リキッドバイオプシー検査に続いて、肺がん組織検査に特化した高感度な一括遺伝子検査パネル(仮称:肺がんコンパクトパネル)を開発中です。コンパクトパネルは、EGFR BRAF ALK ROS1 MET の5つのコンパニオン診断可能な遺伝子と近い将来分子標的治療薬の上市が予定されているいくつかのターゲット遺伝子が対象です。薬事申請に向けて開発を進めております。
その他の検査メニューとして、遺伝子解析を用いた関節リウマチの薬剤効果予測検査、うつ病の診断技術の開発も積極的に進めております。
また、EGFRリキッド及びNOIR-SSシークエンスをはじめとしたリキッドバイオプシー解析の独自技術の強みを活かし、研究用途としての検査サービスを製薬企業の治験付随研究・病院等向けに提供しております。
当事業年度の診断事業の売上高は、75百万円(前年同期比165.2%)となりました。なかでも、EGFRリキッドやNOIR-SSシークエンスサービスの大幅な売上増(前年同期188.5%)を達成しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前事業年度260百万円から11百万円増加し272百万円、販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ13百万円増加して213百万円となりました。
(営業損失)
前事業年度は営業損失99百万円であったのに対し、当事業年度は営業損失123百万円と営業損失額は23百万円増加いたしました。
(営業外収益)
営業外収益は前事業年度は受取賃借料など1百万円ありましたが、当事業年度は0百万円となりました。
(営業外費用)
営業外費用は前事業年度は株式交付費など4百万円ありましたが、当事業年度は新株予約権発行費など5百万円ありました。
(経常損失)
前事業年度は経常損失103百万円であったのに対し、当事業年度の経常損失は128百万円となりました。
(特別利益)
前事業年度、当事業年度とも、固定資産売却益が0百万円ありました。
(特別損失)
前事業年度では、特別退職金などが1百万円ありましたが、当事業年度はありませんでした。
(当期純損失)
前事業年度は当期純損失104百万円であったのに対し、当事業年度は、当期純損失128百万円となりました。
なお、当事業年度の経営成績をふまえて、次事業年度におきましては以下の取組みを実施し、4億円の売上確保を目指してまいります。
研究受託事業
・提案型研究受託の営業強化
・大型案件の受注の確保
・外部との連携強化
・新サービスメニュー開発によるメニューの差別化
診断事業
・「EGFRリキッド」の薬事承認・公的医療保険適用による事業化
・次世代シークエンサーを使用した肺がんコンパクトパネル検査の開発
取組みの詳細は、下記「(3) 提出企業が将来にわたって活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象を解消し、又は改善するための対応策」をご参照ください。
② 財政状態
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ121百万円減少し743百万円となりました。当事業年度における各項目の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は531百万円であり、前事業年度末に比べ278百万円減少しております。現金及び預金が355百万円減少した一方、売掛金が26百万円、前払費用が46百万円、それぞれ増加したことが主な要因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は211百万円であり、前事業年度末に比べ157百万円増加しております。敷金が41百万円、長期前払費用が77百万円、それぞれ増加するなど投資その他の資産が119百万円、自己使用目的のソフトウエア制作により無形固定資産が28百万円、研究用機器(工具、器具及び備品)の取得等により有形固定資産が27百万円それぞれ増加した一方、有形固定資産及び無形固定資産の減価償却費の計上により18百万円減少したことなどによります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は82百万円であり、前事業年度末に比べ6百万円減少しております。未払消費税等が4百万円、未払法人税等が2百万円それぞれ減少したことなどが主な要因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は7百万円であり、前事業年度末に比べ増加はしておりますが、その増加額は軽微なものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は653百万円であり、前事業年度末に比べ115百万円減少しております。
当期純損失128百万円の計上により純資産が減少した一方、新株予約権が12百万円増加したことによります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ355百万円減少し302百万円となりました。その主な要因は、税引前当期純損失による減少127百万円のほか、前払費用の増加124百万円、有形・無形固定資産の取得による支出52百万円などによります。
当事業年度におきましては、全額自己資金でまかなっております。
当事業年度における各項目の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度は89百万円の支出となったのに対し、当事業年度は259百万円の支出となりました。主な支出は、税引前当期純損失127百万円のほか、研究施設及び事務所の2020年1月から2022年12月までの賃借料(3年分)の前払いなどによる前払費用の増加124百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度37百万円の支出に対し、当事業年度は95百万円の支出となりました。主な支出は、研究施設及び事務所の敷金の差入による支出42百万円や有形固定資産の取得による支出27百万円、無形固定資産の取得による支出25百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度564百万円の収入に対し、当事業年度は1百万円の支出となりました。前事業年度は、新株予約権の行使による株式の発行による収入565百万円などがありましたが、当事業年度は新株予約権の発行による支出1百万円がありました。
なお、今後診断メニュー開発を加速させるため、開発費用の増加が見込まれます。これに伴う資金の支出が見込まれ、資金調達の必要を認識しております。こうした資金需要に対応するため、当事業年度において、第三者割当による新株予約権の発行を行っております。
④ 重要な会計上の見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たって適用された、重要な会計上の見積りには、貸倒引当金及び資産除去債務の計上がありますが、第5 経理の状況において注記事項に記載している方法により適切に計上しております。貸倒引当金については、当社の売上先は大学や公的研究機関、製薬会社等であり貸倒れのリスクが低く、これまでも貸し倒れたことがないことから、計上額はゼロとなっております。また、資産除去債務については、施工予定業者の見積額に基づいて、当事業年度の負担に属する金額を費用に計上しております。これらの見積りに不確実性はほとんどないと考えておりますが、経済情勢の著しい変動により、貸倒引当金及び資産除去債務の計上額は影響を受ける可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症につきましては、今後感染拡大が抑制され収束に向かい経済活動が正常化されるまでに一定期間を要すると考えておりますが、当社は売上の大部分が第4四半期に計上されることを見込んでいることから、会計上の見積りを行うにあたり、上述の想定を用いておりますが、現時点において財務諸表に影響を与える事項は認識しておりません。
(2)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当事業年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業281,59590.7
診断事業72,113188.4
合計353,709101.4

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 診断事業は売上高が前年同期比165.2%となりました。それに伴い生産高も前年同期比188.4%と大きく
増加しました。
②仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業102,60787.9
診断事業22,132112.2
合計124,73991.4

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

③ 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業264,11480.213,83838.6
診断事業(注3)15,58517.10
合計279,70066.513,83814.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 前事業年度では診断事業で大型案件の受注がありましたが、当事業年度はなかったため、受注高では前年同期比17.1%、受注残高では前年同期比0%と大きく減少しました。
④ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
研究受託事業286,13990.8
診断事業75,753165.2
合計361,713100.3

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター51,44214.2
田辺三菱製薬㈱37,00610.338,51310.6
岩井化学薬品(株)36,62810.1

3 地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター及び岩井化学薬品(株)の前事業年度については、販売高の割合が10%未満であったため記載しておりません。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

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