有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 15:32
【資料】
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【項目】
147項目
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、入手可能な情報に基づいて当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の概況
国内においては、医師会員35万人以上が利用する医療従事者専門サイト「m3.com」を中心に様々なサービスの展開をしています。
メディカルプラットフォームでは、「m3.com」のプラットフォーム上で会員医師が主体的、継続的に高頻度で情報を受け取れる「MR君」ファミリーの各種サービスや、会員医療従事者を対象とした調査サービス、また、当社グループが保有する多様なデータアセットと、AIを含むテクノロジーの力を掛け合わせることで、本質的な薬剤課題を解決する製薬企業向けのマーケティング支援サービス等、顧客の意図や用途により選べるサービスメニューを提供しています。また、医療機関向けには、AI機能を搭載した電子カルテや診療支援システム、及び画像診断支援領域を中心とする多様な医療AIを利用できる仕組みに加え、「m3.com」の会員基盤を活用した開業医向けの第三者継承支援事業等を提供している他、疾病の発症前の段階から健康状態を維持することを目的とした取り組み「ホワイト・ジャック・プロジェクト」の一環として2025年4月に子会社化した株式会社イーウェルが提供する企業向けの福利厚生サービス事業も含め、グループ各社を通じて様々なサービスを展開しています。
エビデンスソリューションでは、臨床開発業務の支援及び大規模臨床研究の支援を行うCRO、治験実施医療機関において治験業務全般の管理・運営を支援するSMO、臨床開発・臨床研究等の実施に必要な被験者の募集並びに周辺業務の支援を行うPRO等の事業を、グループ各社を通じて展開しています。
キャリアソリューションでは、エムスリーキャリア株式会社において、医師、薬剤師向けの求人求職支援サービス等の展開を進めています。
サイトソリューションでは、医療機関の運営をサポートする各種サービスを展開しています。
ペイシェントソリューションでは、CSセットの提供等を通じて、入院患者や介護施設の利用者等を対象とした患者サポート事業を行っています。
さらに、一般の方々からの健康や疾病に関する質問に「m3.com」登録医師が回答する「AskDoctors」(https://
www.AskDoctors.jp/)や、医療福祉系国家試験の対策等の事業を行うエムスリーエデュケーション株式会社等を通じて様々なサービス展開を進めています。
また、当社グループは日本、米国、欧州、中国、韓国をはじめ、世界中で運営する医療従事者向けウェブサイト及び医師パネルを通じて合計700万人以上の医師登録数を有しており、海外セグメントでは、これを活用してグローバルな調査サービスを提供している他、米国や欧州を中心に、会員基盤を活かした製薬企業向けサービスや医師を中心としたキャリア関連サービス等も展開しています。この他に、北米地域では治験支援サービスを、欧州地域では、VIDAL Groupを通じて、フランス、ドイツ、スペインでの医薬品情報データベースの提供や、主にフランスでのSaaS型電子カルテWedaをはじめとするクリニック向けソフトウェアの提供を行うとともに、アジアを中心とするその他地域においてもインドや韓国を筆頭に事業を拡大しています。
当連結会計年度の業績は、以下の通りです。
(当期の業績) (単位:百万円)
2025年3月期
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
2026年3月期
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
比較増減
売上収益284,900351,363+66,462+23.3%
営業利益62,97173,547+10,576+16.8%
税引前当期利益64,78576,276+11,491+17.7%
当期利益44,34054,046+9,706+21.9%

(セグメントの業績) (単位:百万円)
2025年3月期
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
2026年3月期
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
比較増減
メディカル
プラットフォーム
セグメント売上収益91,566107,830+16,263+17.8%
セグメント利益34,10535,918+1,813+5.3%
エビデンス
ソリューション
セグメント売上収益24,24424,521+278+1.1%
セグメント利益4,3455,120+775+17.8%
キャリア
ソリューション
セグメント売上収益20,91422,799+1,885+9.0%
セグメント利益5,6565,925+269+4.8%
サイト
ソリューション
セグメント売上収益47,04354,353+7,310+15.5%
セグメント利益5,4225,766+344+6.3%
ペイシェント
ソリューション
セグメント売上収益21,91956,877+34,958+159.5%
セグメント利益8242,686+1,862+226.0%
海外セグメント売上収益80,57086,921+6,351+7.9%
セグメント利益14,74514,898+153+1.0%
その他エマージング事業群セグメント売上収益2,4532,230△223△9.1%
セグメント利益1,0034,878+3,875+386.5%
調整額セグメント売上収益△3,809△4,168--
セグメント利益△3,130△1,644--
合計売上収益284,900351,363+66,462+23.3%
営業利益62,97173,547+10,576+16.8%

① メディカルプラットフォーム
医療機関向けの支援事業において減損損失を計上したものの、新型コロナウイルス関連プロジェクトの減少によるマイナス影響が縮小するなか、製薬マーケティング支援事業や医療現場のDX化支援等の事業が堅調に推移したこと、加えて、2025年4月に連結を開始した株式会社イーウェルの買収寄与もあり、セグメント売上収益は107,830百万円(前期比17.8%増)、セグメント利益は35,918百万円(前期比5.3%増)となりました。
② エビデンスソリューション
新型コロナウイルスに関連した治験プロジェクト等の減少によるマイナス影響が縮小傾向にあること、及び相対的に収益性が高い案件が寄与した結果、増収に加え利益率が改善したため、セグメント売上収益は24,521百万円(前期比1.1%増)、セグメント利益は5,120百万円(前期比17.8%増)となりました。
③ キャリアソリューション
医師向け及び薬剤師向けの求人求職支援サービスがいずれも堅調に推移したことを主因に、セグメント売上収益は22,799百万円(前期比9.0%増)、セグメント利益は5,925百万円(前期比4.8%増)となりました。
④ サイトソリューション
ホスピス及び居宅訪問看護事業の堅調な推移に加え、2024年10月に連結を開始した株式会社ノアコンツェルの買収寄与もあり、セグメント売上収益は54,353百万円(前期比15.5%増)となりました。セグメント利益は、ノアコンツェルにおいて先行投資を積極的に実施したこと、並びに医療機関事業の利益率が上期に一部の支援先医療機関の業績不振により悪化したこと等による影響を受けたものの、不動産売却益1,441百万円を計上したこと等により、5,766百万円(前期比6.3%増)となりました。
⑤ ペイシェントソリューション
2024年10月に完了した当社による株式会社エランの公開買付及び子会社化に伴い、前連結会計年度第3四半期からセグメントとして新設しました。この新規連結効果に加え、CSセット新規契約獲得による利用者の増加等の貢献もあり、セグメント売上収益は56,877百万円(前期比159.5%増)、セグメント利益は2,686百万円(前期比226.0%増)となりました。
⑥ 海外
北米治験事業において、米国の政策転換等によりワクチン関連でマイナス影響が発現したものの、欧州・その他地域がオーガニック成長や買収貢献により堅調な実績となったことで、セグメント売上収益は86,921百万円(前期比7.9%増)となりました。セグメント利益は、売上収益ミックスの改善や、前年度に計上した減損損失の剥落等の影響を受けたものの、過年度に減損損失を計上した北米治験事業及び英国の医師向けキャリア事業において減損損失を追加計上したこと等により、14,898百万円(前期比1.0%増)となりました。
⑦ その他エマージング事業群
セグメント売上収益は2,230百万円(前期比9.1%減)となりました。セグメント利益は、4,101百万円の関連会社株式の売却益を計上した影響で、4,878百万円(前期比386.5%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上収益は351,363百万円(前期比23.3%増)、営業利益は73,547百万円(前期比16.8%増)、税引前当期利益は76,276百万円(前期比17.7%増)、当期利益は54,046百万円(前期比21.9%増)となりました。
(2) 財政状態の概況
資産合計は、前連結会計年度末比55,654百万円増の637,396百万円となりました。流動資産については、現金及び現金同等物が21,244百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比29,610百万円増の273,035百万円となりました。非流動資産については、新規連結子会社の取得等によりのれん及び無形資産がそれぞれ12,452百万円、4,319百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比26,045百万円増の364,361百万円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末比21,805百万円増の190,747百万円となりました。流動負債については、営業債務及びその他の債務が8,130百万円、その他の金融負債が3,825百万円、未払法人所得税が2,556百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比17,893百万円増の100,007百万円となりました。非流動負債については、その他の金融負債が2,900百万円減少した一方で、借入金が7,642百万円増加したこと等により、前連結会計年度末比3,912百万円増の90,740百万円となりました。
資本合計は、前連結会計年度末比33,849百万円増の446,648百万円となりました。自己株式の取得20,000百万円及び剰余金の配当14,260百万円による株主還元を行った一方、親会社の所有者に帰属する当期利益49,100百万円の計上や在外営業活動体の換算差額の変動等があったことによります。
(3) キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高より21,244百万円増加し、156,177百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、70,262百万円の収入(前期は51,743百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税引前当期利益76,276百万円、支出の主な内訳は、法人所得税の支払額20,311百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、15,890百万円の支出(前期は39,149百万円の支出)となりました。主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12,698百万円が発生しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、35,471百万円の支出(前期は27,165百万円の支出)となりました。主に自己株式の取得による支出20,020百万円、親会社の株主への配当金の支払額14,256百万円が発生しています。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
② 受注実績
当社グループは、実績に応じて売上が計上される契約がほとんどであり、受注時に受注金額を確定することが困難な状況であるため、記載を省略しています。
③ 販売実績
セグメント別の当連結会計年度における販売実績は、次の通りです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比
メディカルプラットフォーム(百万円)104,044+18.0%
エビデンスソリューション(百万円)24,354+1.4%
キャリアソリューション(百万円)22,724+8.8%
サイトソリューション(百万円)54,346+15.6%
ペイシェントソリューション(百万円)56,873+159.5%
海外(百万円)86,905+7.9%
報告セグメント計(百万円)349,246+23.6%
その他エマージング事業群(百万円)2,116△10.3%
合計(百万円)351,363+23.3%

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、前連結会計年度及び当連結会計年度における各販売先への当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しています。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要性がある会計方針及び重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、連結決算日における財政状態及び報告期間における経営成績に影響を与える見積り、予測を必要としています。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り、予測の評価を実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の見積り及び判断方針」に記載の通りです。
② 当連結会計年度の経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の概況、(2)財政状態の概況、(3)キャッシュ・フローの概況」に記載の通りです。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益76,276百万円を計上したことを主な要因に、70,262百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等により15,890百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは自己株式の取得及び親会社の株主への配当による株主還元を行ったこと等により35,471百万円の支出となりました。これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より21,244百万円増加し、156,177百万円となりました。
当社はこの資金により、今後更に経営基盤を強化し、新たな事業展開に備えるための新規投資や出資等による支出に、機動的に対応していきます。
余剰資金の運用については、市場リスクや与信リスクを極めて限定的なものにする保守的な運用を行う方針としており、規模、期間を勘案した適切な手段による資金運用を行っています。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因、今後の方針等について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りです。また、経営方針・経営戦略等については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りです。

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