有価証券報告書-第27期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度(2019年1月1日から2019年12月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善は続いているものの、企業収益および個人消費は10月からの消費税率改定もあって、弱含みで推移いたしました。世界経済においては、米中の通商問題の長期化、英国のEU離脱問題等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループは、インターネットサービス市場において、ウェブサイトの公開やアプリケーションの利用に必要となるサーバー群の機能をインターネットに繋げた状態で貸し出す「クラウド・ホスティングサービス」、インターネット通信の暗号化技術により機密情報などを安全に送受信するための電子証明書の発行を行う「セキュリティサービス」ならびにこれらの事業で培ったノウハウを生かした「インターネットソリューションサービス」を提供しております。
最近では当社グループは、成長著しいIoT※1(モノのインターネット)関連市場に活躍の場を移行すべくIoT事業を行っております。当社のクラウド事業の「データの管理、蓄積」、GMOグローバルサイン社の「インターネット通信のセキュリティ、IDアクセス管理」ならびにGMOデジタルラボ社の「ソフトウェア、インターフェイス設計」を生かし、また卓越した技術を持つ第三者との協業体制を通じて、同市場向けのサービスの研究開発や実証実験を行っております。なおIoT事業の領域は広く、大小様々な企業が基盤となるテクノロジーやアプリケーションなどをはじめとするサービスを展開しております。当社グループは、同市場においてIoTプラットフォームやIoTセキュリティの分野に特に注力してサービスを展開しており、収益化に向けた施策をグローバルに推進しております。
このような状況下、当連結会計年度の業績は、売上高13,109,578千円(前年同期比2.9%増)、営業利益1,439,433千円(同2.2%増)、経常利益1,485,724千円(同0.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,073,365千円(同12.2%増)となりました。
※1: IoTとは、Internet of Thingsの略で、パソコンやサーバー、プリンターなどの情報通信機器だけでなく、様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットへの接続や相互通信を可能にすること
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(クラウド・ホスティング事業)
クラウド・ホスティング事業においては、新規サービスとして、4月よりクラウドの導入支援および設計・構築、監視・運用などを代行するマネジメントクラウドサービス「CloudCREW」を提供開始いたしました。当社のクラウド・ホスティング事業における豊富な実績と技術力を基盤に、お客様のクラウド運用の課題を解決し、運用負荷の軽減とコスト削減を図るべくサービスを展開しております。当サービスにおいては、組織体制の強化を図り一部業務の内製化を推進することで、更なる利益拡大を図ってまいります。
7月にはNHN JAPAN社より承継したホスティングサービス「@SERVER」および「EX-CLOUD」の運用を開始いたしました。現在、本サービスの収益を最大化すべく、当社がこれまで培ったノウハウを生かし、事業の効率化に取り組んでおります。
従来のホスティングサービスの売上高については、国内外の競合他社との激しい価格競争により緩やかながら減少傾向にあります。一方、クラウドサービスの売上高は、新規サービス「CloudCREW」が好調に推移したことと「ALTUS(アルタス)」シリーズをはじめ従前より注力しているクラウドサービスが順調に販売を伸ばしたことにより前年同期に比べ6.7%増加となりました。
このような状況の下、当期においては、過年度より取り組んでいるデータセンターの効率化や既存サービスの統廃合等、選択と集中を進めながらも、新規サービスによる売上拡大を推進したことにより前年同期に比べ増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるクラウド・ホスティング事業の売上高は、5,611,533千円(前年同期比0.6%増)、配当等営業外収益の影響によりセグメント利益は924,236千円(同108.8%増)となりました。
(セキュリティ事業)
セキュリティ事業を行う連結子会社のGMOグローバルサイン社は、SSLサーバ証明書の販売が、国内および海外市場ともに堅調に成長したことにより前年同期に比べ増収増益となりました。
3月には、ICチップに電子証明書を直接書き込むことのできる「G-Shield」をBig Good社と共同開発し、提供を開始いたしました。これにより、インターネットに接続するIoTデバイスに搭載するICチップに対して、そのデバイスの真正性を証明するクライアント証明書※2を発行することができ、製品の出荷の前段階でセキュリティ対策が可能となります。
8月からは、AIでの顔認証により、オンラインで本人確認が完結するサービス「GMOオンライン本人確認サービス 顔認証eKYC(イーケイワイシー)※3」を提供開始いたしました。これを皮切りに、GMOグローバルサインは「GMOオンライン本人確認サービス 顔認証eKYC」の世界展開を視野に入れ、eKYC市場へ参入いたしました。
また当連結会計年度は、GMOグローバルサイン社において、SSLサーバ証明書の日本国内におけるルート認証局※4としてのマーケットシェアが50%を突破いたしました※5。SSLサーバ証明書は、2012年に国内シェア28.3%でNo.1を獲得して以来、順調にシェアを伸ばし続けてきました。
さらに、GMOグローバルサイン社の販売する電子署名(Digital Signing Service)の利用数が、1,000万署名を突破いたしました。これは240万署名が利用された前年同期と比べ、約4倍の成長となっております。
今後も、GMOグローバルサイン社は、より安心してインターネットが利用できる環境を提供すべく、電子証明書を通じてセキュリティ強化に寄与してまいります。
以上の結果、当連結会計年度におけるセキュリティ事業は、為替変動によりマイナスの影響を受けたものの、売上高は6,884,852千円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は1,664,647千円(同13.1%増)となりました。
※2: クライアント証明書とは、システムやサービス、メールを利用するユーザーのデバイスに証明書をインストールし、そのユーザーが正規の利用者であることを認証するもの
※3: eKYCとは、「electronic Know Your Customer」の略称で、銀行口座の開設、不動産の契約、古物商での取引などにおいて必要となる本人確認をオンラインで行う仕組み
※4: ルート認証局とは、電子証明書の信頼性の起点となり最上位に位置する認証局
※5: Netcraft社の「Netcraft SSL Survey」内Certificate Authority Market Share in Japan (JP) using Subject Country(2019年6月時点)
(ソリューション事業)
ソリューション事業においては、クラウド・ホスティング事業とセキュリティ事業で培ったノウハウを生かし、特定分野の企業や個人を対象にインターネットソリューションを提供しております。現在ではプラットフォーム型のサービスとして、データの蓄積、活用そして循環を行い、各種サービスがリンクした柔軟で拡張性のあるサービスの提供を進めております。
電子契約サービス※6「GMO電子契約 Agree」は、3月より、情報資産管理のリーディングカンパニーであるワンビシアーカイブズ社の展開する電子契約サービス「WAN-Sign」のプラットフォームとして採用されました。本サービスは「GMO電子契約 Agree」と同一プラットフォームのため、GMOグローバルサイン社が発行する電子証明書の利用が可能となります。また、海外における電子契約サービス展開の第一弾として、GMOグローバルサイン社のインド法人から英語版サービス「e-Contract Service Agree by GlobalSign」をインド現地企業へ向けて提供を開始いたしました。契約アカウント数も順調に推移し、前年同期に比べ119.7%増加の3,700社超となりました。
自動車向けIoTソリューションを活用したコネクテッドカーシステム「LINKDriveシステム※7」においては、過年度より積極的に進めている他社との事業提携により全国の地域販売店、整備工場を中心に順調に販路を拡大してまいりました。また「LINKDrive Air※8」をはじめとした新たなサービスの開発を積極的に進めてまいりました。2020年には更なるモビリティビジネス創出を推進すべく、本事業を分割して新設会社GMOモビリティクラウド社に承継いたしました。さらに、双日社との合弁事業化により、グローバル市場における事業開発規模拡大とスピードアップを図ってまいります。
オンラインゲーム開発エンジン「Photon」は、市場環境悪化の影響を受け、国内での販売が伸び悩んだものの、韓国や台湾の展示会などへの積極的な参加を通し、海外における会員数を順調に伸ばすなど、今後の売上成長に向けた取り組みを進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるソリューション事業は、「Photon」の販売進捗の遅れにより、売上高は1,013,664千円(前年同期比1.9%減)、IoT関連事業をはじめとした新規事業への投資継続の影響で人件費およびソフトウェア費が増加したことにより、セグメント損失は485,852千円(前年同期は363,917千円のセグメント損失)となりました。
※6: 電子契約サービスとは、これまでの「紙+印鑑」の契約に代わり、「電子データ+電子署名」による契約形態のこと。印紙税課税対象外などのメリットがある
※7: LINKDriveシステムとは、車載コネクタ(LINKDriveコネクタ)を自動車に装着することで、車両データをクラウド上に蓄積し、自動で解析した自動車のコンディションをオンラインで「見える化」できるサービス
※8: LINKDrive Airとは、従来のLINKDriveシステムを改良した、複数の車両を管理する法人向けサービス。自動車に装着することで、走行距離や車速、エンジンの回転数などの情報はもとより、より高度なデータも収集、自動解析することのできるLTE通信機能搭載型の車載コネクタ
(2) 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ830,418千円増加し、9,954,513千円となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加76,939千円、売掛金の増加69,760千円、ソフトウエアの増加464,747千円、投資有価証券の増加113,212千円によるものであります。主な減少要因は、リース資産(純額)の減少86,174千円によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ227,861千円増加し、3,519,721千円となりました。主な増加要因は、未払金の増加130,617千円、前受金の増加225,770千円によるものであります。主な減少要因は、短期リース債務の減少32,905千円及び長期リース債務の減少68,576千円によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ602,556千円増加し、6,434,792千円となりました。主な増加要因は、利益剰余金の増加595,079千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、期首残高に比べ126,939千円増加し、当連結会計年度末には4,623,619千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は1,726,097千円となりました。これは主に売上債権の増加66,647千円、仕入債務の減少81,870千円及び法人税等の支払額が388,112千円といった支出要因を、税金等調整前当期純利益が1,384,391千円、減価償却費が656,468千円及び減損損失が116,167千円といった収入要因が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は891,275千円となりました。これは主に投資事業組合からの分配による収入80,839千円、事業譲渡による収入32,400千円があったものの、有形固定資産の取得による支出327,995千円、無形固定資産の取得による支出555,962千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は671,132千円となりました。これは主に配当金の支払による支出478,694千円、ファイナンス・リース債務の返済による支出184,098千円があったことによるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社グループは、クラウド・ホスティング事業、セキュリティ事業及びソリューション事業を行っており、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(2) 受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」、「売上高経常利益率」、「ROE(自己資本利益率)」を重要な経営指標と位置づけております。
2019年12月期の計画に対する達成状況においては、売上高は13,109,578千円となり、計画比905,421千円の未達となりました。売上高経常利益率は11.3%となり計画の11.1%を0.2ポイント上回りました。また、ROE(自己資本利益率)は17.6%となり、計画値の16.6%より1.0ポイント上回りました。
この要因としましては、売上高においては、セキュリティ事業がSSLサーバ証明書の販売が国内外において堅調に推移したものの、ソリューション事業の売上高が未達となったことによります。
売上高経常利益率においては、IoT関連事業をはじめとした新規事業への投資継続の影響で人件費およびソフトウェア費が想定より増加したものの、クラウド・ホスティング事業のコスト削減効果およびセキュリティ事業が増収増益となったことによります。なお、当連結会計年度において配当金等による営業外収益を計上したことも売上高経常利益率を押上げる一時的な要因となりました。
ROE(自己資本利益率)においては、上記の要因に伴い前期を上回る結果となりました。
(2) 財政状態
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) 財政状態」に記載しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、営業キャッシュフローより調達しております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、当社グループは、運転資金及び設備投資資金の調達に際しては自己資金を基本としておりますが、必要に応じて、主に銀行等金融機関からの借入を行う方針であります。
(4) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、クラウド・ホスティング事業が伸び悩んだものの、セキュリティ事業が順調に推移した結果、13,109,578千円(前年同期比2.9%増)となりました。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、4,997,335千円(前年同期比2.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、主として給与手当及びソフトウエア費等の負担増加により、6,672,808千円(前年同期比3.6%増)となりました。
(営業外収益)
当連結会計年度における営業外収益は、主として投資事業組合運用益の計上47,389千円及び補助金収入の計上25,639千円により、101,075千円(前年同期比22.9%減)となりました。
(営業外費用)
当連結会計年度における営業外費用は、主として為替差損の計上44,477千円により、54,784千円(前年同期比11.4%増)となりました。
(特別利益)
当連結会計年度における特別利益は、事業譲渡益の計上により31,199千円(前年同期比6.9%減)となりました。
(特別損失)
当連結会計年度における特別損失は、減損損失116,167千円及び事務所移転費用16,365千円の計上により、132,533千円(前年同期比66.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,384,391千円となり、法人税、住民税及び事業税321,516千円、法人税等調整額△18,338千円、非支配株主に帰属する当期純利益7,847千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,073,365千円(前年同期比12.2%増)となりました。
(1) 業績
当連結会計年度(2019年1月1日から2019年12月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善は続いているものの、企業収益および個人消費は10月からの消費税率改定もあって、弱含みで推移いたしました。世界経済においては、米中の通商問題の長期化、英国のEU離脱問題等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループは、インターネットサービス市場において、ウェブサイトの公開やアプリケーションの利用に必要となるサーバー群の機能をインターネットに繋げた状態で貸し出す「クラウド・ホスティングサービス」、インターネット通信の暗号化技術により機密情報などを安全に送受信するための電子証明書の発行を行う「セキュリティサービス」ならびにこれらの事業で培ったノウハウを生かした「インターネットソリューションサービス」を提供しております。
最近では当社グループは、成長著しいIoT※1(モノのインターネット)関連市場に活躍の場を移行すべくIoT事業を行っております。当社のクラウド事業の「データの管理、蓄積」、GMOグローバルサイン社の「インターネット通信のセキュリティ、IDアクセス管理」ならびにGMOデジタルラボ社の「ソフトウェア、インターフェイス設計」を生かし、また卓越した技術を持つ第三者との協業体制を通じて、同市場向けのサービスの研究開発や実証実験を行っております。なおIoT事業の領域は広く、大小様々な企業が基盤となるテクノロジーやアプリケーションなどをはじめとするサービスを展開しております。当社グループは、同市場においてIoTプラットフォームやIoTセキュリティの分野に特に注力してサービスを展開しており、収益化に向けた施策をグローバルに推進しております。
このような状況下、当連結会計年度の業績は、売上高13,109,578千円(前年同期比2.9%増)、営業利益1,439,433千円(同2.2%増)、経常利益1,485,724千円(同0.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,073,365千円(同12.2%増)となりました。
※1: IoTとは、Internet of Thingsの略で、パソコンやサーバー、プリンターなどの情報通信機器だけでなく、様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットへの接続や相互通信を可能にすること
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(クラウド・ホスティング事業)
クラウド・ホスティング事業においては、新規サービスとして、4月よりクラウドの導入支援および設計・構築、監視・運用などを代行するマネジメントクラウドサービス「CloudCREW」を提供開始いたしました。当社のクラウド・ホスティング事業における豊富な実績と技術力を基盤に、お客様のクラウド運用の課題を解決し、運用負荷の軽減とコスト削減を図るべくサービスを展開しております。当サービスにおいては、組織体制の強化を図り一部業務の内製化を推進することで、更なる利益拡大を図ってまいります。
7月にはNHN JAPAN社より承継したホスティングサービス「@SERVER」および「EX-CLOUD」の運用を開始いたしました。現在、本サービスの収益を最大化すべく、当社がこれまで培ったノウハウを生かし、事業の効率化に取り組んでおります。
従来のホスティングサービスの売上高については、国内外の競合他社との激しい価格競争により緩やかながら減少傾向にあります。一方、クラウドサービスの売上高は、新規サービス「CloudCREW」が好調に推移したことと「ALTUS(アルタス)」シリーズをはじめ従前より注力しているクラウドサービスが順調に販売を伸ばしたことにより前年同期に比べ6.7%増加となりました。
このような状況の下、当期においては、過年度より取り組んでいるデータセンターの効率化や既存サービスの統廃合等、選択と集中を進めながらも、新規サービスによる売上拡大を推進したことにより前年同期に比べ増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるクラウド・ホスティング事業の売上高は、5,611,533千円(前年同期比0.6%増)、配当等営業外収益の影響によりセグメント利益は924,236千円(同108.8%増)となりました。
(セキュリティ事業)
セキュリティ事業を行う連結子会社のGMOグローバルサイン社は、SSLサーバ証明書の販売が、国内および海外市場ともに堅調に成長したことにより前年同期に比べ増収増益となりました。
3月には、ICチップに電子証明書を直接書き込むことのできる「G-Shield」をBig Good社と共同開発し、提供を開始いたしました。これにより、インターネットに接続するIoTデバイスに搭載するICチップに対して、そのデバイスの真正性を証明するクライアント証明書※2を発行することができ、製品の出荷の前段階でセキュリティ対策が可能となります。
8月からは、AIでの顔認証により、オンラインで本人確認が完結するサービス「GMOオンライン本人確認サービス 顔認証eKYC(イーケイワイシー)※3」を提供開始いたしました。これを皮切りに、GMOグローバルサインは「GMOオンライン本人確認サービス 顔認証eKYC」の世界展開を視野に入れ、eKYC市場へ参入いたしました。
また当連結会計年度は、GMOグローバルサイン社において、SSLサーバ証明書の日本国内におけるルート認証局※4としてのマーケットシェアが50%を突破いたしました※5。SSLサーバ証明書は、2012年に国内シェア28.3%でNo.1を獲得して以来、順調にシェアを伸ばし続けてきました。
さらに、GMOグローバルサイン社の販売する電子署名(Digital Signing Service)の利用数が、1,000万署名を突破いたしました。これは240万署名が利用された前年同期と比べ、約4倍の成長となっております。
今後も、GMOグローバルサイン社は、より安心してインターネットが利用できる環境を提供すべく、電子証明書を通じてセキュリティ強化に寄与してまいります。
以上の結果、当連結会計年度におけるセキュリティ事業は、為替変動によりマイナスの影響を受けたものの、売上高は6,884,852千円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は1,664,647千円(同13.1%増)となりました。
※2: クライアント証明書とは、システムやサービス、メールを利用するユーザーのデバイスに証明書をインストールし、そのユーザーが正規の利用者であることを認証するもの
※3: eKYCとは、「electronic Know Your Customer」の略称で、銀行口座の開設、不動産の契約、古物商での取引などにおいて必要となる本人確認をオンラインで行う仕組み
※4: ルート認証局とは、電子証明書の信頼性の起点となり最上位に位置する認証局
※5: Netcraft社の「Netcraft SSL Survey」内Certificate Authority Market Share in Japan (JP) using Subject Country(2019年6月時点)
(ソリューション事業)
ソリューション事業においては、クラウド・ホスティング事業とセキュリティ事業で培ったノウハウを生かし、特定分野の企業や個人を対象にインターネットソリューションを提供しております。現在ではプラットフォーム型のサービスとして、データの蓄積、活用そして循環を行い、各種サービスがリンクした柔軟で拡張性のあるサービスの提供を進めております。
電子契約サービス※6「GMO電子契約 Agree」は、3月より、情報資産管理のリーディングカンパニーであるワンビシアーカイブズ社の展開する電子契約サービス「WAN-Sign」のプラットフォームとして採用されました。本サービスは「GMO電子契約 Agree」と同一プラットフォームのため、GMOグローバルサイン社が発行する電子証明書の利用が可能となります。また、海外における電子契約サービス展開の第一弾として、GMOグローバルサイン社のインド法人から英語版サービス「e-Contract Service Agree by GlobalSign」をインド現地企業へ向けて提供を開始いたしました。契約アカウント数も順調に推移し、前年同期に比べ119.7%増加の3,700社超となりました。
自動車向けIoTソリューションを活用したコネクテッドカーシステム「LINKDriveシステム※7」においては、過年度より積極的に進めている他社との事業提携により全国の地域販売店、整備工場を中心に順調に販路を拡大してまいりました。また「LINKDrive Air※8」をはじめとした新たなサービスの開発を積極的に進めてまいりました。2020年には更なるモビリティビジネス創出を推進すべく、本事業を分割して新設会社GMOモビリティクラウド社に承継いたしました。さらに、双日社との合弁事業化により、グローバル市場における事業開発規模拡大とスピードアップを図ってまいります。
オンラインゲーム開発エンジン「Photon」は、市場環境悪化の影響を受け、国内での販売が伸び悩んだものの、韓国や台湾の展示会などへの積極的な参加を通し、海外における会員数を順調に伸ばすなど、今後の売上成長に向けた取り組みを進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるソリューション事業は、「Photon」の販売進捗の遅れにより、売上高は1,013,664千円(前年同期比1.9%減)、IoT関連事業をはじめとした新規事業への投資継続の影響で人件費およびソフトウェア費が増加したことにより、セグメント損失は485,852千円(前年同期は363,917千円のセグメント損失)となりました。
※6: 電子契約サービスとは、これまでの「紙+印鑑」の契約に代わり、「電子データ+電子署名」による契約形態のこと。印紙税課税対象外などのメリットがある
※7: LINKDriveシステムとは、車載コネクタ(LINKDriveコネクタ)を自動車に装着することで、車両データをクラウド上に蓄積し、自動で解析した自動車のコンディションをオンラインで「見える化」できるサービス
※8: LINKDrive Airとは、従来のLINKDriveシステムを改良した、複数の車両を管理する法人向けサービス。自動車に装着することで、走行距離や車速、エンジンの回転数などの情報はもとより、より高度なデータも収集、自動解析することのできるLTE通信機能搭載型の車載コネクタ
(2) 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ830,418千円増加し、9,954,513千円となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加76,939千円、売掛金の増加69,760千円、ソフトウエアの増加464,747千円、投資有価証券の増加113,212千円によるものであります。主な減少要因は、リース資産(純額)の減少86,174千円によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ227,861千円増加し、3,519,721千円となりました。主な増加要因は、未払金の増加130,617千円、前受金の増加225,770千円によるものであります。主な減少要因は、短期リース債務の減少32,905千円及び長期リース債務の減少68,576千円によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ602,556千円増加し、6,434,792千円となりました。主な増加要因は、利益剰余金の増加595,079千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、期首残高に比べ126,939千円増加し、当連結会計年度末には4,623,619千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は1,726,097千円となりました。これは主に売上債権の増加66,647千円、仕入債務の減少81,870千円及び法人税等の支払額が388,112千円といった支出要因を、税金等調整前当期純利益が1,384,391千円、減価償却費が656,468千円及び減損損失が116,167千円といった収入要因が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は891,275千円となりました。これは主に投資事業組合からの分配による収入80,839千円、事業譲渡による収入32,400千円があったものの、有形固定資産の取得による支出327,995千円、無形固定資産の取得による支出555,962千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は671,132千円となりました。これは主に配当金の支払による支出478,694千円、ファイナンス・リース債務の返済による支出184,098千円があったことによるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社グループは、クラウド・ホスティング事業、セキュリティ事業及びソリューション事業を行っており、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(2) 受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 前年同期比(%) | |
| クラウド・ホスティング事業 | (千円) | 5,448,580 | 99.9 |
| セキュリティ事業 | (千円) | 6,667,146 | 106.5 |
| ソリューション事業 | (千円) | 993,852 | 97.2 |
| 合計 | (千円) | 13,109,578 | 102.9 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」、「売上高経常利益率」、「ROE(自己資本利益率)」を重要な経営指標と位置づけております。
2019年12月期の計画に対する達成状況においては、売上高は13,109,578千円となり、計画比905,421千円の未達となりました。売上高経常利益率は11.3%となり計画の11.1%を0.2ポイント上回りました。また、ROE(自己資本利益率)は17.6%となり、計画値の16.6%より1.0ポイント上回りました。
この要因としましては、売上高においては、セキュリティ事業がSSLサーバ証明書の販売が国内外において堅調に推移したものの、ソリューション事業の売上高が未達となったことによります。
売上高経常利益率においては、IoT関連事業をはじめとした新規事業への投資継続の影響で人件費およびソフトウェア費が想定より増加したものの、クラウド・ホスティング事業のコスト削減効果およびセキュリティ事業が増収増益となったことによります。なお、当連結会計年度において配当金等による営業外収益を計上したことも売上高経常利益率を押上げる一時的な要因となりました。
ROE(自己資本利益率)においては、上記の要因に伴い前期を上回る結果となりました。
| 経営指標(連結) | 2019年12月期 (計画) | 2019年12月期 (実績) | 計画比 |
| 売上高(千円) | 14,015,000千円 | 13,109,578千円 | △905,421千円(△6.5%) |
| 売上高経常利益率(%) | 11.1% | 11.3% | +0.2ポイント |
| ROE(自己資本利益率)(%) | 16.6% | 17.6% | +1.0ポイント |
(2) 財政状態
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) 財政状態」に記載しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、営業キャッシュフローより調達しております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、当社グループは、運転資金及び設備投資資金の調達に際しては自己資金を基本としておりますが、必要に応じて、主に銀行等金融機関からの借入を行う方針であります。
(4) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、クラウド・ホスティング事業が伸び悩んだものの、セキュリティ事業が順調に推移した結果、13,109,578千円(前年同期比2.9%増)となりました。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、4,997,335千円(前年同期比2.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、主として給与手当及びソフトウエア費等の負担増加により、6,672,808千円(前年同期比3.6%増)となりました。
(営業外収益)
当連結会計年度における営業外収益は、主として投資事業組合運用益の計上47,389千円及び補助金収入の計上25,639千円により、101,075千円(前年同期比22.9%減)となりました。
(営業外費用)
当連結会計年度における営業外費用は、主として為替差損の計上44,477千円により、54,784千円(前年同期比11.4%増)となりました。
(特別利益)
当連結会計年度における特別利益は、事業譲渡益の計上により31,199千円(前年同期比6.9%減)となりました。
(特別損失)
当連結会計年度における特別損失は、減損損失116,167千円及び事務所移転費用16,365千円の計上により、132,533千円(前年同期比66.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,384,391千円となり、法人税、住民税及び事業税321,516千円、法人税等調整額△18,338千円、非支配株主に帰属する当期純利益7,847千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,073,365千円(前年同期比12.2%増)となりました。