有価証券報告書-第32期(2024/01/01-2024/12/31)
(業績等の概要)
(1) 業績
当社グループは、インターネットサービス市場において、SSLサーバ証明書や認証技術を活用した電子印鑑等のトラストサービスをグローバルに提供する「電子認証・印鑑事業」、28年を超える運用実績とノウハウを生かしたレンタルサーバー(ホスティング)サービスおよびマネージドクラウドサービスを提供する「クラウドインフラ事業」、DX化により業務効率化・高付加価値化を図り、様々な課題解決を支援する「DX事業」を展開しております。また、これらの事業を通じて、利便性と安心・信頼を兼ね備えたインターネットサービスを提供し、多くの企業のインターネットビジネスを支えるべく事業を展開しております。
当連結会計年度においては、重点商材として位置づけている電子契約サービス※1「電子印鑑GMOサイン」および「GMOトラスト・ログイン」が好調に事業拡大いたしました。また、当社グループの成長・収益基盤の柱である、自社運営の認証局で認証する「GlobalSign」ブランドの電子証明書発行サービスにおいては、グローバルで堅調に伸長いたしました。最近では、グローバルサウスへと販売拠点を拡大させる等更なる事業成長を図っております。さらに企業のDX推進に伴いAIを活用したクラウドサービスの普及が進展するなど、クラウド市場は順調に成長しております。これにより、マネージドクラウドサービス「CloudCREW byGMO」の販売も順調に拡大いたしました。
一方で、電子認証・印鑑事業の中国における一時的な受注減少およびクラウドインフラ事業のソフトウェアライセンス料の値上げにより営業利益に影響を与えました。
このような状況の下、当連結会計年度の業績は、売上高19,166,085千円(前年同期比9.5%増)、営業利益1,246,620千円(同3.3%減)、経常利益1,297,351千円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益854,560千円(同15.5%増)となりました。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの経営成績をより適切に把握するため、セグメント利益を経常利益から営業利益に変更しております。また、2024年1月に組織体系の見直しを行い、報告セグメントの区分方法を変更し、「DX事業」に計上していた一部の事業活動について、「クラウドインフラ事業」に計上しております。
上記に伴い、文中の前年同期は変更後の測定方法、区分方法に組替え後の実績を用いて比較を行っております。
※1: 電子契約サービスとは、これまでの「紙+印鑑」の契約に代わり、「電子データ+電子署名」による契約形態のこと。印紙税課税対象外などのメリットがある。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(電子認証・印鑑事業)
電子認証・印鑑事業においては、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」(以下、GMOサイン)を注力商材として位置づけ、人材投資およびマーケティング活動の強化による認知度向上を図ることで、中長期的な事業拡大を目指しております。
当連結会計年度においては、戦略的投資を継続している「GMOサイン」の販売が堅調に推移し、契約社数および契約送信件数は引き続き順調に増加したことで有償化を加速させました。足元では事業黒字化により会社業績へ貢献しております。地方自治体における業務のデジタル化を通じた行政サービスの利便性向上と職員の生産性向上を実現する「GMOサイン 行革DX」においても、セキュリティ強化による差別化を図ることで導入数の拡大を推進しております。さらに、官公庁・自治体における処分通知等を電子化する「GMOサイン 電子公印」の提供を推し進め、全国各地の自治体DXに取り組んでおります。
また、12月には横浜銀行社が「GMOサイン」を導入いたしました。これは、「GMOサイン」が国内外の様々なセキュリティ基準を満たすなどセキュリティに強みを持つプロダクトであること、および総務省のセキュリティガイドラインで求められている、メールアドレスとSMS(ショートメッセージサービス)を組み合わせた二要素認証に対応していることによります。今後も利用者の利便性と安全性を向上すべく金融機関等への導入拡大を図ってまいります。
売上においては、SSLサーバ証明書をはじめとした電子証明書発行サービスが、中国における販売が一時的に減少したものの、欧米での売上が大きく伸長したことで引き続き売上成長を継続しております。加えて、連携アプリ数No.1の国内IDaaSソリューションであるシングルサインオンサービス「GMOトラスト・ログイン」では組織体制および代理店施策の強化により好調に事業拡大いたしました。
一方で費用面では、欧米における人件費上昇および次の成長に向けた認証の開発投資により人件費および減価償却費が増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における電子認証・印鑑事業の売上高は12,120,026千円(前年同期比11.7%増)、セグメント利益は1,151,680千円(同9.7%減)となりました。
(クラウドインフラ事業)
クラウドインフラ事業においては、クラウドの導入支援、設計・構築、監視・運用などを代行するマネージドクラウドサービス「CloudCREW by GMO」(以下、「CloudCREW」)が、クラウドの安全性を高めるセキュリティ対策と、27年以上にわたるインフラ運用実績およびAWS認定資格などの高い技術力を強みとして、順調に事業を拡大しております。
当連結会計年度においては、企業のDX推進等による需要拡大やパブリッククラウド市場の成長により、良好な受注環境を維持しています。「CloudCREW」では、サイバーセキュリティ事業を展開する、GMOサイバーセキュリティbyイエラエ社およびGMO Flatt Security社とのグループシナジーによるセキュリティサービスを強みとし、他社との差別化を図ることで、中期的な事業拡大に取り組んでおります。
一方で、既存のレンタルサーバー(ホスティング)サービスにおいては、競争環境の激化により売上の鈍化傾向が続いておりますが、データセンターの移設等による業務効率化によりコスト最適化を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるクラウドインフラ事業の売上高は6,634,199千円(前年同期比6.0%増)、セグメント利益は利益は154,619千円(同59.0%増)となりました。
(DX事業)
DX事業においては、電子認証・印鑑事業とクラウドインフラ事業で培ったノウハウを生かし、DX化による業務効率化・高付加価値化を図ることで、企業の様々な課題解決を支援しております。
当連結会計年度においては、GMOデジタルラボ社が提供する企業・店舗専用の集客支援アプリ「GMOおみせアプリ」が堅調に導入店舗数を増やし、当連結会計年度末で10,962店舗(前年同期比7.4%増)となりました。今後も協業施策や柔軟なカスタマイズによる差別化を図り、ペーパーレス化とデータ活用を促進することで、中小企業を中心に集客支援や業務効率化などのDX支援を推進してまいります。
GMOフィナンシャルゲート社との協業サービス「おみせポケット」においても、機能追加などサービス拡充により導入店舗数が順調に増えたことでストック売上は堅調に積み上がっております。また、自治体や事業者が発行する紙の商品券をデジタル化するサービス「モバイル商品券プラットフォーム by GMO」においては、販売代理店との連携を強化することで、全国の自治体のみならず企業への導入を強化しております。
以上の結果、当連結会計年度におけるDX事業の売上高は944,871千円(前年同期比1.5%減)、セグメント損失は72,801千円(前年同期は69,748千円のセグメント損失)となりました。
(2) 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ2,333,517千円増加し、18,027,023千円となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加1,803,801千円、売掛金及び契約資産の増加310,420千円、前払費用の増加79,534千円、ソフトウエアの増加445,774千円によるものであります。主な減少理由は、流動資産「その他」に含まれる未収法人税等の減少229,767千円、貸倒引当金の増加51,645千円、工具、器具及び備品(純額)の減少46,310千円によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,511,797千円増加し、8,539,830千円となりました。主な増加要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加370,000千円、契約負債の増加242,403千円、長期借入金の増加582,500千円、流動負債「その他」に含まれる未払費用の増加68,187千円と預り金の増加84,995千円、繰延税金負債の増加63,953千円によるものであります。主な減少要因は、買掛金の減少22,793千円、未払法人税等の減少33,565千円によるものであります
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ821,719千円増加し、9,487,193千円となりました。主な増加要因は、利益剰余金の増加411,527千円及び為替換算調整勘定の増加502,959千円によるものであります。減少要因は、自己株式の増加100,025千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、期首残高に比べ1,803,801千円増加し、当連結会計年度末には8,449,291千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は2,807,801千円となりました。これは主に売上債権の増加129,612千円、仕入債務の減少84,428千円、法人税等の支払額が179,328千円といった支出要因を、税金等調整前当期純利益1,262,010千円、減価償却費1,578,395千円、契約負債の増加79,769千円、預り金の増加79,406千円といった収入要因が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は1,604,255千円となりました。これは主に、投資事業組合からの分配による収入18,862千円といった収入要因を、有形固定資産の取得による支出147,330千円、無形固定資産の取得による支出1,431,561千円といった支出要因が上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は280,794千円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出647,500千円、配当金の支払による支出443,844千円、自己株式の取得による支出100,025千円といった支出要因を長期借入による収入1,600,000千円が上回ったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社グループは、電子認証・印鑑事業、クラウドインフラ事業及びDX事業を行っており、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(2) 受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.前年同期比は、前連結会計年度の数値をセグメント変更後の区分に組み替えて比較しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」、「売上高経常利益率」、「ROE(自己資本利益率)」を重要な経営指標と位置づけております。
2024年12月期の計画に対する達成状況においては、売上高は19,166,085千円となり、計画値を83,914千円下回りました。売上高経常利益率は6.8%となり計画値の7.2%を0.4ポイント下回りました。また、ROE(自己資本利益率)は9.4%となり、計画値の9.4%を達成いたしました。
この要因は以下の通りであります。
売上高
電子認証・印鑑事業において、中国において一時的な受注減による売上減少によるものであります。
売上高経常利益率
クラウドインフラ事業において、ソフトウェアライセンス料の値上げが発生したこと、電子認証・印鑑事業における電子証明書の高速大量発行システムへの投資継続による減価償却費の増加、「電子印鑑GMOサイン」への積極的な投資による広告宣伝費等の増加によるものであります。
ROE(自己資本利益率)
経常利益率は計画値を下回りましたが、当期純利益が計画値を上回ったことにより達成いたしました。
(2) 財政状態
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) 財政状態」に記載しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、営業キャッシュフローより調達しております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、当社グループは、運転資金及び設備投資資金の調達に際しては自己資金を基本としておりますが、安定的な資金確保のために、金融機関と当座貸越契約を締結し、財源及び流動性を確保しております。
(4) 重要な会計上の見積もり及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社はこの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(5) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、電子認証・印鑑事業において電子証明書発行サービス、「電子印鑑GMOサイン」並びに、クラウドインフラ事業の「CloudCREW byGMO」の売上が順調に推移した結果、19,166,085千円(前年同期比9.5%増)となりました。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、ソフトウェアライセンス料の値上げ等により、7,630,937千円(前年同期比16.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、減価償却費の増加、人件費等の増加により、10,288,528千円(前年同期比6.6%増)となりました。
(営業外収益)
当連結会計年度における営業外収益は、主として受取利息の計上46,215千円、受取配当金の計上31,407千円及び投資事業組合運用益の計上2,906千円により、108,445千円(前年同期比38.2%減)となりました。
(営業外費用)
当連結会計年度における営業外費用は、主として支払利息の計上23,982千円、投資事業組合運用損の計上16,599千円及び為替差損の計上10,985千円により、57,714千円(前年同期比61.1%減)となりました。
(特別損失)
当連結会計年度における特別損失は、関係会社株式売却損35,341千円により、35,341千円(前年同期は-千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,262,010千円となり、法人税、住民税及び事業税382,760千円、法人税等調整額15,800千円、非支配株主に帰属する当期純利益8,888千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は854,560千円(前年同期比15.5%増)となりました。
(1) 業績
当社グループは、インターネットサービス市場において、SSLサーバ証明書や認証技術を活用した電子印鑑等のトラストサービスをグローバルに提供する「電子認証・印鑑事業」、28年を超える運用実績とノウハウを生かしたレンタルサーバー(ホスティング)サービスおよびマネージドクラウドサービスを提供する「クラウドインフラ事業」、DX化により業務効率化・高付加価値化を図り、様々な課題解決を支援する「DX事業」を展開しております。また、これらの事業を通じて、利便性と安心・信頼を兼ね備えたインターネットサービスを提供し、多くの企業のインターネットビジネスを支えるべく事業を展開しております。
当連結会計年度においては、重点商材として位置づけている電子契約サービス※1「電子印鑑GMOサイン」および「GMOトラスト・ログイン」が好調に事業拡大いたしました。また、当社グループの成長・収益基盤の柱である、自社運営の認証局で認証する「GlobalSign」ブランドの電子証明書発行サービスにおいては、グローバルで堅調に伸長いたしました。最近では、グローバルサウスへと販売拠点を拡大させる等更なる事業成長を図っております。さらに企業のDX推進に伴いAIを活用したクラウドサービスの普及が進展するなど、クラウド市場は順調に成長しております。これにより、マネージドクラウドサービス「CloudCREW byGMO」の販売も順調に拡大いたしました。
一方で、電子認証・印鑑事業の中国における一時的な受注減少およびクラウドインフラ事業のソフトウェアライセンス料の値上げにより営業利益に影響を与えました。
このような状況の下、当連結会計年度の業績は、売上高19,166,085千円(前年同期比9.5%増)、営業利益1,246,620千円(同3.3%減)、経常利益1,297,351千円(同1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益854,560千円(同15.5%増)となりました。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの経営成績をより適切に把握するため、セグメント利益を経常利益から営業利益に変更しております。また、2024年1月に組織体系の見直しを行い、報告セグメントの区分方法を変更し、「DX事業」に計上していた一部の事業活動について、「クラウドインフラ事業」に計上しております。
上記に伴い、文中の前年同期は変更後の測定方法、区分方法に組替え後の実績を用いて比較を行っております。
※1: 電子契約サービスとは、これまでの「紙+印鑑」の契約に代わり、「電子データ+電子署名」による契約形態のこと。印紙税課税対象外などのメリットがある。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
(電子認証・印鑑事業)
電子認証・印鑑事業においては、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」(以下、GMOサイン)を注力商材として位置づけ、人材投資およびマーケティング活動の強化による認知度向上を図ることで、中長期的な事業拡大を目指しております。
当連結会計年度においては、戦略的投資を継続している「GMOサイン」の販売が堅調に推移し、契約社数および契約送信件数は引き続き順調に増加したことで有償化を加速させました。足元では事業黒字化により会社業績へ貢献しております。地方自治体における業務のデジタル化を通じた行政サービスの利便性向上と職員の生産性向上を実現する「GMOサイン 行革DX」においても、セキュリティ強化による差別化を図ることで導入数の拡大を推進しております。さらに、官公庁・自治体における処分通知等を電子化する「GMOサイン 電子公印」の提供を推し進め、全国各地の自治体DXに取り組んでおります。
また、12月には横浜銀行社が「GMOサイン」を導入いたしました。これは、「GMOサイン」が国内外の様々なセキュリティ基準を満たすなどセキュリティに強みを持つプロダクトであること、および総務省のセキュリティガイドラインで求められている、メールアドレスとSMS(ショートメッセージサービス)を組み合わせた二要素認証に対応していることによります。今後も利用者の利便性と安全性を向上すべく金融機関等への導入拡大を図ってまいります。
売上においては、SSLサーバ証明書をはじめとした電子証明書発行サービスが、中国における販売が一時的に減少したものの、欧米での売上が大きく伸長したことで引き続き売上成長を継続しております。加えて、連携アプリ数No.1の国内IDaaSソリューションであるシングルサインオンサービス「GMOトラスト・ログイン」では組織体制および代理店施策の強化により好調に事業拡大いたしました。
一方で費用面では、欧米における人件費上昇および次の成長に向けた認証の開発投資により人件費および減価償却費が増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における電子認証・印鑑事業の売上高は12,120,026千円(前年同期比11.7%増)、セグメント利益は1,151,680千円(同9.7%減)となりました。
(クラウドインフラ事業)
クラウドインフラ事業においては、クラウドの導入支援、設計・構築、監視・運用などを代行するマネージドクラウドサービス「CloudCREW by GMO」(以下、「CloudCREW」)が、クラウドの安全性を高めるセキュリティ対策と、27年以上にわたるインフラ運用実績およびAWS認定資格などの高い技術力を強みとして、順調に事業を拡大しております。
当連結会計年度においては、企業のDX推進等による需要拡大やパブリッククラウド市場の成長により、良好な受注環境を維持しています。「CloudCREW」では、サイバーセキュリティ事業を展開する、GMOサイバーセキュリティbyイエラエ社およびGMO Flatt Security社とのグループシナジーによるセキュリティサービスを強みとし、他社との差別化を図ることで、中期的な事業拡大に取り組んでおります。
一方で、既存のレンタルサーバー(ホスティング)サービスにおいては、競争環境の激化により売上の鈍化傾向が続いておりますが、データセンターの移設等による業務効率化によりコスト最適化を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるクラウドインフラ事業の売上高は6,634,199千円(前年同期比6.0%増)、セグメント利益は利益は154,619千円(同59.0%増)となりました。
(DX事業)
DX事業においては、電子認証・印鑑事業とクラウドインフラ事業で培ったノウハウを生かし、DX化による業務効率化・高付加価値化を図ることで、企業の様々な課題解決を支援しております。
当連結会計年度においては、GMOデジタルラボ社が提供する企業・店舗専用の集客支援アプリ「GMOおみせアプリ」が堅調に導入店舗数を増やし、当連結会計年度末で10,962店舗(前年同期比7.4%増)となりました。今後も協業施策や柔軟なカスタマイズによる差別化を図り、ペーパーレス化とデータ活用を促進することで、中小企業を中心に集客支援や業務効率化などのDX支援を推進してまいります。
GMOフィナンシャルゲート社との協業サービス「おみせポケット」においても、機能追加などサービス拡充により導入店舗数が順調に増えたことでストック売上は堅調に積み上がっております。また、自治体や事業者が発行する紙の商品券をデジタル化するサービス「モバイル商品券プラットフォーム by GMO」においては、販売代理店との連携を強化することで、全国の自治体のみならず企業への導入を強化しております。
以上の結果、当連結会計年度におけるDX事業の売上高は944,871千円(前年同期比1.5%減)、セグメント損失は72,801千円(前年同期は69,748千円のセグメント損失)となりました。
(2) 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ2,333,517千円増加し、18,027,023千円となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加1,803,801千円、売掛金及び契約資産の増加310,420千円、前払費用の増加79,534千円、ソフトウエアの増加445,774千円によるものであります。主な減少理由は、流動資産「その他」に含まれる未収法人税等の減少229,767千円、貸倒引当金の増加51,645千円、工具、器具及び備品(純額)の減少46,310千円によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,511,797千円増加し、8,539,830千円となりました。主な増加要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加370,000千円、契約負債の増加242,403千円、長期借入金の増加582,500千円、流動負債「その他」に含まれる未払費用の増加68,187千円と預り金の増加84,995千円、繰延税金負債の増加63,953千円によるものであります。主な減少要因は、買掛金の減少22,793千円、未払法人税等の減少33,565千円によるものであります
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ821,719千円増加し、9,487,193千円となりました。主な増加要因は、利益剰余金の増加411,527千円及び為替換算調整勘定の増加502,959千円によるものであります。減少要因は、自己株式の増加100,025千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、期首残高に比べ1,803,801千円増加し、当連結会計年度末には8,449,291千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は2,807,801千円となりました。これは主に売上債権の増加129,612千円、仕入債務の減少84,428千円、法人税等の支払額が179,328千円といった支出要因を、税金等調整前当期純利益1,262,010千円、減価償却費1,578,395千円、契約負債の増加79,769千円、預り金の増加79,406千円といった収入要因が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は1,604,255千円となりました。これは主に、投資事業組合からの分配による収入18,862千円といった収入要因を、有形固定資産の取得による支出147,330千円、無形固定資産の取得による支出1,431,561千円といった支出要因が上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は280,794千円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出647,500千円、配当金の支払による支出443,844千円、自己株式の取得による支出100,025千円といった支出要因を長期借入による収入1,600,000千円が上回ったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社グループは、電子認証・印鑑事業、クラウドインフラ事業及びDX事業を行っており、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(2) 受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 前年同期比(%) | |
| 電子認証・印鑑事業 | (千円) | 11,942,679 | 112.2 |
| クラウドインフラ事業 | (千円) | 6,313,463 | 106.5 |
| DX事業 | (千円) | 909,942 | 98.2 |
| 合計 | (千円) | 19,166,085 | 109.5 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.前年同期比は、前連結会計年度の数値をセグメント変更後の区分に組み替えて比較しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」、「売上高経常利益率」、「ROE(自己資本利益率)」を重要な経営指標と位置づけております。
2024年12月期の計画に対する達成状況においては、売上高は19,166,085千円となり、計画値を83,914千円下回りました。売上高経常利益率は6.8%となり計画値の7.2%を0.4ポイント下回りました。また、ROE(自己資本利益率)は9.4%となり、計画値の9.4%を達成いたしました。
この要因は以下の通りであります。
売上高
電子認証・印鑑事業において、中国において一時的な受注減による売上減少によるものであります。
売上高経常利益率
クラウドインフラ事業において、ソフトウェアライセンス料の値上げが発生したこと、電子認証・印鑑事業における電子証明書の高速大量発行システムへの投資継続による減価償却費の増加、「電子印鑑GMOサイン」への積極的な投資による広告宣伝費等の増加によるものであります。
ROE(自己資本利益率)
経常利益率は計画値を下回りましたが、当期純利益が計画値を上回ったことにより達成いたしました。
| 経営指標(連結) | 2024年12月期 (計画) | 2024年12月期 (実績) | 計画比 |
| 売上高(千円) | 19,250,000千円 | 19,166,085千円 | △83,914千円(△0.4%) |
| 売上高経常利益率(%) | 7.2% | 6.8% | △0.4ポイント |
| ROE(自己資本利益率)(%) | 9.4% | 9.4% | - |
(2) 財政状態
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) 財政状態」に記載しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、営業キャッシュフローより調達しております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、当社グループは、運転資金及び設備投資資金の調達に際しては自己資金を基本としておりますが、安定的な資金確保のために、金融機関と当座貸越契約を締結し、財源及び流動性を確保しております。
(4) 重要な会計上の見積もり及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社はこの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(5) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、電子認証・印鑑事業において電子証明書発行サービス、「電子印鑑GMOサイン」並びに、クラウドインフラ事業の「CloudCREW byGMO」の売上が順調に推移した結果、19,166,085千円(前年同期比9.5%増)となりました。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、ソフトウェアライセンス料の値上げ等により、7,630,937千円(前年同期比16.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、減価償却費の増加、人件費等の増加により、10,288,528千円(前年同期比6.6%増)となりました。
(営業外収益)
当連結会計年度における営業外収益は、主として受取利息の計上46,215千円、受取配当金の計上31,407千円及び投資事業組合運用益の計上2,906千円により、108,445千円(前年同期比38.2%減)となりました。
(営業外費用)
当連結会計年度における営業外費用は、主として支払利息の計上23,982千円、投資事業組合運用損の計上16,599千円及び為替差損の計上10,985千円により、57,714千円(前年同期比61.1%減)となりました。
(特別損失)
当連結会計年度における特別損失は、関係会社株式売却損35,341千円により、35,341千円(前年同期は-千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,262,010千円となり、法人税、住民税及び事業税382,760千円、法人税等調整額15,800千円、非支配株主に帰属する当期純利益8,888千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は854,560千円(前年同期比15.5%増)となりました。