有価証券報告書-第21期(令和1年12月1日-令和2年11月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により個人消費や企業活動が停滞したことで非常に厳しい状況で推移しており、経済活動に段階的な再開の動きが見受けられたものの、依然として先行きは不透明な状況となっております。
そのような中、当社グループは、領域の異なる事業を複数展開するポートフォリオ経営を推進してきたことにより、新型コロナウイルスの影響を上手く分散し、確実に増収増益を達成することができました。
主力の人材派遣サービスでは、コールセンター業務が好調を維持し、計画を大きく上回る水準で推移しました。計画に遅れが生じていた障がい者雇用支援サービスについても、営業活動及び障がい者の採用・教育活動が急回復し、当第4四半期では過去最高の売上・利益となりました。また、ロジスティクスアウトソーシングサービスにおいては、通販の発送代行サービスが巣ごもり消費の拡大を追い風に堅調に推移したほか、新型コロナウイルスの影響を最も受けたセールスサポートサービスについても、キャンペーン需要が急ピッチで戻ってきており、新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで回復しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は21,009百万円(前連結会計年度比19.9%増)、営業利益は2,228百万円(前連結会計年度比38.9%増)、経常利益は2,229百万円(前連結会計年度比37.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,580百万円(前連結会計年度比46.0%増)といずれも過去最高を更新いたしました。
当連結会計年度のセグメント業績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。
(ビジネスソリューション事業)
[事業概要]
ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者雇用を希望する企業に同社が運営する農園を貸し出し、主に知的障がい者を企業が直接雇用し、収穫した野菜を従業員の健康促進に役立てる福利厚生プログラムの提供を行っています。また、株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニアを企業の経営課題や業務課題の解決に役立てるプロフェッショナル人材サービスを提供しています。
後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販商品の発送を代行する物流サービスを提供しています。また、株式会社エスプールリンクでは、アルバイトやパートの求人応募の受付を代行する採用支援サービスを提供しており、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得業務や販売促進業務を行っています。ブルードットグリーン株式会社は、CO2の排出量算出やカーボンオフセット仲介など環境経営の支援に関するサービスを提供しており、2020年6月に子会社となりました。
[当連結会計年度の経営成績]
主力事業である障がい者雇用支援サービスについては、営業活動や障がい者の教育訓練に関し、新型コロナウイルスの影響を一時的に受けたものの、最終的には前期を上回る設備販売を達成し、ストック収入となる管理収入も着実に増加しました。ロジスティクスアウトソーシングサービスにおいては、巣ごもり消費の拡大が追い風となり通販の発送代行サービスが大きく伸びました。配送費の計上方法を変更したため、売上増は前期比7%と微増となっていますが、前期と同条件で比較した実質的な増収率は約25%となっております。損益面では、障がい者雇用支援サービスの管理収入に関する利益が大きく増加しました。また、ロジスティクスアウトソーシングサービス、採用支援サービスについても、運営する施設の稼働率が向上し、収益の改善が進みました。その結果、当連結会計年度の売上高は5,825百万円(前連結会計年度比15.5%増)、営業利益は1,619百万円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。
(人材ソリューション事業)
[事業概要]
人材ソリューション事業は、人材派遣サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンター等のオフィスサポート業務と、スマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務に関する人材サービスを展開しています。サービスの特徴は、フィールドコンサルタント(FC)と呼ばれる同社の従業員と派遣スタッフをチームで派遣する「グループ型派遣」の形態を採用している点になります。派遣先に配置されたFCが、現場で派遣スタッフを手厚くフォローすることで、未経験者を短期間で育成できるだけでなく定着率の向上にもつながり、顧客満足度の向上とシェア拡大に寄与しています。
[当連結会計年度の経営成績]
主力のコールセンター業務においては、通常案件に加えスポット案件を上手く取り込んだことにより、グループ型派遣が主要顧客を中心に大きく増加しました。また、新規取引先の開拓も順調に進んでおり、売上の底上げにつながりました。販売支援業務については、新型コロナウイルスの影響により業務の縮小が続いていましたが、第3四半期を底にして徐々に回復の兆しを見せております。また、地域別では、支店を集中的に展開している東京、大阪、福岡、沖縄エリアが高い伸びを示しました。損益面では、売上増による利益増に加え、効率的な支店運営、派遣スタッフの募集費抑制が進んだことで大幅な増益となりました。その結果、当連結会計年度の売上高は15,250百万円(前連結会計年度比21.8%増)、営業利益は1,757百万円(前連結会計年度比48.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は395百万円増加し、2,514百万円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比538百万円増加の2,234百万円の収入(前連結会計年度は1,696百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度と比較し523百万円増加して2,204百万円であったことに加え、減価償却費が499百万円、未払費用の増加が253百万円、売上債権の増加が290百万円、並びに法人税等の支払額が587百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比580百万円増加の2,054百万円の支出(前連結会計年度は1,474百万円の支出)となりました。これは、主に株式会社エスプールプラスの新農園建設等による有形固定資産の取得による支出2,118百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比593百万円減少の215百万円の収入(前連結会計年度は809百万円の収入)となりました。収入及び支出の内訳は、短期借入金の増加500百万円、長期借入金の返済による支出127百万円、配当金の支払額157百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループは、主に人材派遣・業務請負を中心とした人材関連アウトソーシング事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
(b)受注実績
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項の全ての財務情報は、本書に記載している連結財務諸表及び財務諸表に基づいております。また、本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。
② 財政状態
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から701百万円増加し、5,735百万円となりました。新型コロナウイルスの影響による不測の事態に対応できるよう臨時的な借り入れを実施したため、現金及び預金が395百万円増加しております。また、人材ソリューション事業を中心とした継続的な売上の増加に伴い、売上債権が329百万円増加しております。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末から1,944百万円増加し、5,569百万円となりました。障がい者雇用支援サービス拡大のため、株式会社エスプールプラスにて、新規農園の建設や既存農園の増設をしており、有形固定資産が1,754百万円増加しております。また、ビジネスソリューション事業の拡大に対応するため、株式会社エスプール、株式会社エスプールプラス及び株式会社エスプールリンクの新拠点開設により敷金及び保証金が131百万円増加しております。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から1,068百万円増加し、5,674百万円となりました。前述の新型コロナウイルスの影響への対策のため、短期借入金を900百万円借り増ししております。また、業容の拡大に伴って、未払消費税等が256百万円増加しております。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末から144百万円増加し、1,163百万円となりました。長期借入金の返済により85百万円減少し、農園の新規建設等により資産除去債務が167百万円、繰延税金負債が42百万円、それぞれ増加しております。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により1,580百万円増加し、一方、第20期期末配当により158百万円減少し、4,468百万円となりました。また、有利子負債自己資本比率は65.9%でありました。
③ 経営成績
当連結会計年度における売上高は21,009百万円(前連結会計年度比3,487百万円増)、売上総利益は6,377百万円(前連結会計年度比1,162百万円増)、販売費及び一般管理費は4,148百万円(前連結会計年度比538百万円増)、営業利益は2,228百万円(前連結会計年度比624百万円増)、経常利益は2,229百万円(前連結会計年度比603百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,580百万円(前連結会計年度比497百万円増)となっております。
イ 売上高
事業別の外部顧客に対する売上高の増減は以下のとおりです。
事業別でみると、ビジネスソリューション事業が8期連続で前連結会計年度比二桁成長を達成しました。人材ソリューション事業は、前連結会計年度比21.8%増加となり、過年度と比べるとやや成長率は鈍化しておりますが、6期連続で増収増益を達成しました。
ビジネスソリューション事業では、主力の障がい者雇用支援サービスは、新型コロナウイルスの影響を受け、計画に遅れが生じましたが、無事に回復し引き続き大きく拡大しました。また、ロジスティクスアウトソーシングにおいては、通販の発送代行サービスが巣ごもり消費の拡大を追い風に堅調に推移したこともあり、ビジネスソリューション事業全体では15.2%の増収となりました。障がい者雇用支援サービスでは、既存農園の増設の他に新たに4農園を開設して936区画の設備を販売し、参画企業は69社増加して321社となりました。当連結会計年度末での稼働農園数は23農園、管理区画数は3,829区画、農園で働く障がい者の人数は1,900名を超え、事業開始以来の雇用定着率は92%を維持しております。
一方、人材ソリューション事業は、コロナ禍においても主力のコールセンター向けの派遣が順調に拡大しました。コロナ禍で有効求人倍率は低下しているものの、企業の人材ニーズは高水準で推移し、特にコールセンターにおいて、当社グループの社員を現場配置し教育や定着化支援を行うグループ型派遣が拡大しました。このグループ型派遣を行っている案件では、現場配置している社員が249名から298名に増加しています。エリア別では、東京、大阪、博多エリアでの売上増加が顕著でありました。また、人材需要の拡大に対応するために、当連結会計年度には札幌および沖縄で新規拠点の開設を行っております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3,487百万円増の21,009百万円と増収を達成することができました。
ロ 売上総利益
売上総利益率は、前連結会計年度から0.6ポイント改善して30.4%となりました。ビジネスソリューション事業においては、相対的に利益率の高い障がい者雇用支援サービスの売上高が前連結会計年度比20.6%増加したことに加え、収益構造の改善効果によりロジスティクスアウトソーシングの利益率が回復してきたため、売上高総利益率が0.3ポイント改善しております。一方、人材ソリューション事業においては、売上高の成長に伴って稼動スタッフが増え、売上原価も比例して増加しましたが、売上高総利益率は前連結会計年度から0.3ポイント改善しております。
ハ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から538百万円増加し、4,148百万円となりました。主な費目別の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度と比較して、販売費及び一般管理費は538百万円増加しておりますが、その主な要因は、事業拡大に向けた人員の積極的な採用であります。人件費の増加だけで390百万円と増加額の半分以上を占めます。その他、事業の拡大に伴った拠点の拡大移転・新設により地代家賃および賃借料が増加しております。事業別の販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比624百万円増の2,228百万円となりました。
ニ 営業外損益等
営業外損益項目では、宮崎県に設置している採用支援サービスのコールセンターに係る助成金35百万円を営業外収益に計上しており、経常利益は前連結会計年度比603百万円増の2,229百万円となりました。また、雇用調整助成金収入138百万円を特別利益に、あわせて新型コロナウイルス感染症による損失138百万円を特別損失に計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比497百万円増の1,580百万円となりました。
ホ 次期の見通し
今後のわが国経済の見通しについては、新型コロナウイルスについて未だ収束の見通しが立たないことから景気低迷の長期化が懸念され、引き続き厳しい経済環境が続くものと思われます。
このような環境の中で、当社グループは中長期的な視点のもと、①「環境変化に合わせた既存事業の継続的な発展」、②「次の10年を見据えた新たな成長機会の獲得」、③「ESGを軸とした経営基盤の強化」に取り組み、持続的な成長を実現してまいります。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローは2,234百万円の収入(前連結会計年度は1,696百万円の収入)となりました。法人税等の支払額が119百万円増加しましたが、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べて523百万円増加して2,204百万円になったことに加え、前連結会計年度に発生した子会社の台風15号被害に伴う受取保険金の受取額149百万円により、営業キャッシュ・フローの収入は前連結会計年度に比べて538百万円増加することとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは2,054百万円の支出(前連結会計年度は1,474百万円の支出)となりました。これは、拡大が続く障がい者雇用支援サービスを中心に、積極的に実施した設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出2,118百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは215百万円の収入(前連結会計年度は809百万円の収入)となりました。障がい者雇用支援サービスへの継続的な投資を行い、事業をより拡大させるために短期借入金による借入を実施しました。そのため、有利子負債残高は前連結会計年度末比で807百万円増加し、2,939百万円となりました。
当連結会計年度末時点での現金及び現金同等物の残高は2,514百万円であります。今後も、障がい者雇用支援サービスを中心として当連結会計年度以上の投資を予定しております。中期的には現状の利益率が維持できれば、営業キャッシュ・フローの収入によって投資活動によるキャッシュ・フローによる支出を賄えるものと考えておりますが、短期的には営業活動によるキャッシュ・フローの収入が投資活動によるキャッシュ・フローの支出を下回ることもあるものと思われます。しかし、コミットメントライン契約の借入未実行残高も含め、本報告書提出日現在ではこの投資活動を含めた事業遂行に必要な流動性が確保されていると考えております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、事業投資資金と経常運転資金の2つであります。事業投資資金には、障がい者雇用支援サービスのための農園建設資金、事業買収に係る資金、拠点開設や移転・増床のための資金及びサーバーやソフトウエア等のIT関連投資資金があります。これらのうち、前者の事業投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金及び長期借入金による調達を基本とし、状況に応じて銀行からの短期借入金にて対応する等柔軟な調達を行っております。一方、後者の経常運転資金については、自己資金を基本としつつ必要に応じて銀行からの短期借入金により調達しております。
株主還元につきましては、事業投資資金(成長投資)及び経常運転資金(手許現金)を優先させた上で配当性向20%を目安に、安定的な株主還元に努めてまいります。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するために収益性を重視しております。その指標としましては、連結売上高営業利益率10%以上の継続的な維持を目指しています。
当連結会計年度における売上高営業利益率は、前連結会計年度から1.5ポイント改善して10.6%であり、引き続き当該指標の維持・改善に邁進していく所存でございます。
① 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により個人消費や企業活動が停滞したことで非常に厳しい状況で推移しており、経済活動に段階的な再開の動きが見受けられたものの、依然として先行きは不透明な状況となっております。
そのような中、当社グループは、領域の異なる事業を複数展開するポートフォリオ経営を推進してきたことにより、新型コロナウイルスの影響を上手く分散し、確実に増収増益を達成することができました。
主力の人材派遣サービスでは、コールセンター業務が好調を維持し、計画を大きく上回る水準で推移しました。計画に遅れが生じていた障がい者雇用支援サービスについても、営業活動及び障がい者の採用・教育活動が急回復し、当第4四半期では過去最高の売上・利益となりました。また、ロジスティクスアウトソーシングサービスにおいては、通販の発送代行サービスが巣ごもり消費の拡大を追い風に堅調に推移したほか、新型コロナウイルスの影響を最も受けたセールスサポートサービスについても、キャンペーン需要が急ピッチで戻ってきており、新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで回復しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は21,009百万円(前連結会計年度比19.9%増)、営業利益は2,228百万円(前連結会計年度比38.9%増)、経常利益は2,229百万円(前連結会計年度比37.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,580百万円(前連結会計年度比46.0%増)といずれも過去最高を更新いたしました。
当連結会計年度のセグメント業績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。
(ビジネスソリューション事業)
[事業概要]
ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者雇用を希望する企業に同社が運営する農園を貸し出し、主に知的障がい者を企業が直接雇用し、収穫した野菜を従業員の健康促進に役立てる福利厚生プログラムの提供を行っています。また、株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニアを企業の経営課題や業務課題の解決に役立てるプロフェッショナル人材サービスを提供しています。
後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販商品の発送を代行する物流サービスを提供しています。また、株式会社エスプールリンクでは、アルバイトやパートの求人応募の受付を代行する採用支援サービスを提供しており、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得業務や販売促進業務を行っています。ブルードットグリーン株式会社は、CO2の排出量算出やカーボンオフセット仲介など環境経営の支援に関するサービスを提供しており、2020年6月に子会社となりました。
[当連結会計年度の経営成績]
主力事業である障がい者雇用支援サービスについては、営業活動や障がい者の教育訓練に関し、新型コロナウイルスの影響を一時的に受けたものの、最終的には前期を上回る設備販売を達成し、ストック収入となる管理収入も着実に増加しました。ロジスティクスアウトソーシングサービスにおいては、巣ごもり消費の拡大が追い風となり通販の発送代行サービスが大きく伸びました。配送費の計上方法を変更したため、売上増は前期比7%と微増となっていますが、前期と同条件で比較した実質的な増収率は約25%となっております。損益面では、障がい者雇用支援サービスの管理収入に関する利益が大きく増加しました。また、ロジスティクスアウトソーシングサービス、採用支援サービスについても、運営する施設の稼働率が向上し、収益の改善が進みました。その結果、当連結会計年度の売上高は5,825百万円(前連結会計年度比15.5%増)、営業利益は1,619百万円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。
(人材ソリューション事業)
[事業概要]
人材ソリューション事業は、人材派遣サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンター等のオフィスサポート業務と、スマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務に関する人材サービスを展開しています。サービスの特徴は、フィールドコンサルタント(FC)と呼ばれる同社の従業員と派遣スタッフをチームで派遣する「グループ型派遣」の形態を採用している点になります。派遣先に配置されたFCが、現場で派遣スタッフを手厚くフォローすることで、未経験者を短期間で育成できるだけでなく定着率の向上にもつながり、顧客満足度の向上とシェア拡大に寄与しています。
[当連結会計年度の経営成績]
主力のコールセンター業務においては、通常案件に加えスポット案件を上手く取り込んだことにより、グループ型派遣が主要顧客を中心に大きく増加しました。また、新規取引先の開拓も順調に進んでおり、売上の底上げにつながりました。販売支援業務については、新型コロナウイルスの影響により業務の縮小が続いていましたが、第3四半期を底にして徐々に回復の兆しを見せております。また、地域別では、支店を集中的に展開している東京、大阪、福岡、沖縄エリアが高い伸びを示しました。損益面では、売上増による利益増に加え、効率的な支店運営、派遣スタッフの募集費抑制が進んだことで大幅な増益となりました。その結果、当連結会計年度の売上高は15,250百万円(前連結会計年度比21.8%増)、営業利益は1,757百万円(前連結会計年度比48.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は395百万円増加し、2,514百万円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比538百万円増加の2,234百万円の収入(前連結会計年度は1,696百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度と比較し523百万円増加して2,204百万円であったことに加え、減価償却費が499百万円、未払費用の増加が253百万円、売上債権の増加が290百万円、並びに法人税等の支払額が587百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比580百万円増加の2,054百万円の支出(前連結会計年度は1,474百万円の支出)となりました。これは、主に株式会社エスプールプラスの新農園建設等による有形固定資産の取得による支出2,118百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比593百万円減少の215百万円の収入(前連結会計年度は809百万円の収入)となりました。収入及び支出の内訳は、短期借入金の増加500百万円、長期借入金の返済による支出127百万円、配当金の支払額157百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループは、主に人材派遣・業務請負を中心とした人材関連アウトソーシング事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
(b)受注実績
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| ビジネスソリューション事業 | 5,825 | 115.5 |
| 人材ソリューション事業 | 15,250 | 121.8 |
| 調整額 | △65 | - |
| 合計 | 21,009 | 119.9 |
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (2018年12月1日から 2019年11月30日まで) | 当連結会計年度 (2019年12月1日から 2020年11月30日まで) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱ベルシステム24 | 3,536 | 20.2 | 4,488 | 21.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項の全ての財務情報は、本書に記載している連結財務諸表及び財務諸表に基づいております。また、本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。
② 財政状態
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から701百万円増加し、5,735百万円となりました。新型コロナウイルスの影響による不測の事態に対応できるよう臨時的な借り入れを実施したため、現金及び預金が395百万円増加しております。また、人材ソリューション事業を中心とした継続的な売上の増加に伴い、売上債権が329百万円増加しております。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末から1,944百万円増加し、5,569百万円となりました。障がい者雇用支援サービス拡大のため、株式会社エスプールプラスにて、新規農園の建設や既存農園の増設をしており、有形固定資産が1,754百万円増加しております。また、ビジネスソリューション事業の拡大に対応するため、株式会社エスプール、株式会社エスプールプラス及び株式会社エスプールリンクの新拠点開設により敷金及び保証金が131百万円増加しております。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から1,068百万円増加し、5,674百万円となりました。前述の新型コロナウイルスの影響への対策のため、短期借入金を900百万円借り増ししております。また、業容の拡大に伴って、未払消費税等が256百万円増加しております。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末から144百万円増加し、1,163百万円となりました。長期借入金の返済により85百万円減少し、農園の新規建設等により資産除去債務が167百万円、繰延税金負債が42百万円、それぞれ増加しております。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により1,580百万円増加し、一方、第20期期末配当により158百万円減少し、4,468百万円となりました。また、有利子負債自己資本比率は65.9%でありました。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 自己資本比率 | 35.1% | 39.4% |
| 有利子負債自己資本比率 | 70.3% | 65.9% |
③ 経営成績
当連結会計年度における売上高は21,009百万円(前連結会計年度比3,487百万円増)、売上総利益は6,377百万円(前連結会計年度比1,162百万円増)、販売費及び一般管理費は4,148百万円(前連結会計年度比538百万円増)、営業利益は2,228百万円(前連結会計年度比624百万円増)、経常利益は2,229百万円(前連結会計年度比603百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,580百万円(前連結会計年度比497百万円増)となっております。
イ 売上高
事業別の外部顧客に対する売上高の増減は以下のとおりです。
| 前連結会計年度(百万円) | 構成比(%) | 当連結会計年度(百万円) | 構成比(%) | 増減 (百万円) | 前連結会計年度比(%) | |
| ビジネスソリューション事業 | 5,023 | 28.7 | 5,787 | 27.5 | 764 | 115.2 |
| 人材ソリューション事業 | 12,498 | 71.3 | 15,222 | 72.5 | 2,723 | 121.8 |
| 合計 | 17,522 | 100.0 | 21,009 | 100.0 | 3,487 | 119.9 |
事業別でみると、ビジネスソリューション事業が8期連続で前連結会計年度比二桁成長を達成しました。人材ソリューション事業は、前連結会計年度比21.8%増加となり、過年度と比べるとやや成長率は鈍化しておりますが、6期連続で増収増益を達成しました。
ビジネスソリューション事業では、主力の障がい者雇用支援サービスは、新型コロナウイルスの影響を受け、計画に遅れが生じましたが、無事に回復し引き続き大きく拡大しました。また、ロジスティクスアウトソーシングにおいては、通販の発送代行サービスが巣ごもり消費の拡大を追い風に堅調に推移したこともあり、ビジネスソリューション事業全体では15.2%の増収となりました。障がい者雇用支援サービスでは、既存農園の増設の他に新たに4農園を開設して936区画の設備を販売し、参画企業は69社増加して321社となりました。当連結会計年度末での稼働農園数は23農園、管理区画数は3,829区画、農園で働く障がい者の人数は1,900名を超え、事業開始以来の雇用定着率は92%を維持しております。
一方、人材ソリューション事業は、コロナ禍においても主力のコールセンター向けの派遣が順調に拡大しました。コロナ禍で有効求人倍率は低下しているものの、企業の人材ニーズは高水準で推移し、特にコールセンターにおいて、当社グループの社員を現場配置し教育や定着化支援を行うグループ型派遣が拡大しました。このグループ型派遣を行っている案件では、現場配置している社員が249名から298名に増加しています。エリア別では、東京、大阪、博多エリアでの売上増加が顕著でありました。また、人材需要の拡大に対応するために、当連結会計年度には札幌および沖縄で新規拠点の開設を行っております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3,487百万円増の21,009百万円と増収を達成することができました。
ロ 売上総利益
売上総利益率は、前連結会計年度から0.6ポイント改善して30.4%となりました。ビジネスソリューション事業においては、相対的に利益率の高い障がい者雇用支援サービスの売上高が前連結会計年度比20.6%増加したことに加え、収益構造の改善効果によりロジスティクスアウトソーシングの利益率が回復してきたため、売上高総利益率が0.3ポイント改善しております。一方、人材ソリューション事業においては、売上高の成長に伴って稼動スタッフが増え、売上原価も比例して増加しましたが、売上高総利益率は前連結会計年度から0.3ポイント改善しております。
ハ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から538百万円増加し、4,148百万円となりました。主な費目別の内訳は以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (百万円) | 売上に対する比率(%) | 当連結会計年度 (百万円) | 売上に対する比率(%) | 前連結会計年度比 (%) | |
| 人件費 | 2,039 | 11.6 | 2,430 | 11.6 | 119.2 |
| 地代家賃 | 262 | 1.5 | 316 | 1.5 | 120.6 |
| 減価償却費 | 55 | 0.3 | 60 | 0.3 | 108.4 |
| 登録スタッフ募集費 | 293 | 1.7 | 280 | 1.3 | 95.8 |
| その他 | 959 | 5.5 | 1,060 | 5.0 | 110.5 |
| 合計 | 3,610 | 20.6 | 4,148 | 19.7 | 114.9 |
前連結会計年度と比較して、販売費及び一般管理費は538百万円増加しておりますが、その主な要因は、事業拡大に向けた人員の積極的な採用であります。人件費の増加だけで390百万円と増加額の半分以上を占めます。その他、事業の拡大に伴った拠点の拡大移転・新設により地代家賃および賃借料が増加しております。事業別の販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) | |
| ビジネスソリューション事業 | 1,163 | 1,493 | 128.3 |
| 人材ソリューション事業 | 1,385 | 1,420 | 102.5 |
| 調整額 | 1,060 | 1,234 | 116.4 |
| 合計 | 3,610 | 4,148 | 114.9 |
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比624百万円増の2,228百万円となりました。
ニ 営業外損益等
営業外損益項目では、宮崎県に設置している採用支援サービスのコールセンターに係る助成金35百万円を営業外収益に計上しており、経常利益は前連結会計年度比603百万円増の2,229百万円となりました。また、雇用調整助成金収入138百万円を特別利益に、あわせて新型コロナウイルス感染症による損失138百万円を特別損失に計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比497百万円増の1,580百万円となりました。
ホ 次期の見通し
今後のわが国経済の見通しについては、新型コロナウイルスについて未だ収束の見通しが立たないことから景気低迷の長期化が懸念され、引き続き厳しい経済環境が続くものと思われます。
このような環境の中で、当社グループは中長期的な視点のもと、①「環境変化に合わせた既存事業の継続的な発展」、②「次の10年を見据えた新たな成長機会の獲得」、③「ESGを軸とした経営基盤の強化」に取り組み、持続的な成長を実現してまいります。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローは2,234百万円の収入(前連結会計年度は1,696百万円の収入)となりました。法人税等の支払額が119百万円増加しましたが、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べて523百万円増加して2,204百万円になったことに加え、前連結会計年度に発生した子会社の台風15号被害に伴う受取保険金の受取額149百万円により、営業キャッシュ・フローの収入は前連結会計年度に比べて538百万円増加することとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは2,054百万円の支出(前連結会計年度は1,474百万円の支出)となりました。これは、拡大が続く障がい者雇用支援サービスを中心に、積極的に実施した設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出2,118百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは215百万円の収入(前連結会計年度は809百万円の収入)となりました。障がい者雇用支援サービスへの継続的な投資を行い、事業をより拡大させるために短期借入金による借入を実施しました。そのため、有利子負債残高は前連結会計年度末比で807百万円増加し、2,939百万円となりました。
当連結会計年度末時点での現金及び現金同等物の残高は2,514百万円であります。今後も、障がい者雇用支援サービスを中心として当連結会計年度以上の投資を予定しております。中期的には現状の利益率が維持できれば、営業キャッシュ・フローの収入によって投資活動によるキャッシュ・フローによる支出を賄えるものと考えておりますが、短期的には営業活動によるキャッシュ・フローの収入が投資活動によるキャッシュ・フローの支出を下回ることもあるものと思われます。しかし、コミットメントライン契約の借入未実行残高も含め、本報告書提出日現在ではこの投資活動を含めた事業遂行に必要な流動性が確保されていると考えております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、事業投資資金と経常運転資金の2つであります。事業投資資金には、障がい者雇用支援サービスのための農園建設資金、事業買収に係る資金、拠点開設や移転・増床のための資金及びサーバーやソフトウエア等のIT関連投資資金があります。これらのうち、前者の事業投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金及び長期借入金による調達を基本とし、状況に応じて銀行からの短期借入金にて対応する等柔軟な調達を行っております。一方、後者の経常運転資金については、自己資金を基本としつつ必要に応じて銀行からの短期借入金により調達しております。
株主還元につきましては、事業投資資金(成長投資)及び経常運転資金(手許現金)を優先させた上で配当性向20%を目安に、安定的な株主還元に努めてまいります。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するために収益性を重視しております。その指標としましては、連結売上高営業利益率10%以上の継続的な維持を目指しています。
当連結会計年度における売上高営業利益率は、前連結会計年度から1.5ポイント改善して10.6%であり、引き続き当該指標の維持・改善に邁進していく所存でございます。