有価証券報告書-第19期(平成29年12月1日-平成30年11月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、米中の貿易摩擦など世界経済の不確実性や金融資本市場の変動等の影響が懸念されるものの、企業収益や設備投資は堅調に推移しており、国内景気については緩やかな回復基調が続いております。一方で、雇用情勢については企業からの求人数が高止まりしており、厚生労働省が発表した2018年11月の全国の有効求人倍率は1.63倍と引き続き高水準で推移しております。従来から人手不足感の強いサービス業に加え、運輸・郵便業や製造業などでも求人が増加してきております。また、総務省が発表した2018年11月の完全失業率も2.5%と低い水準を維持しており、完全雇用に近い状態にあります。
当社グループにおいても、逼迫する雇用情勢を背景に人材派遣サービスが大きく拡大したほか、参画企業が大幅に増加した障がい者雇用支援サービスの売上が伸長しております。一方、損益面においては、低収益案件の増加と生産性の低下によりロジスティクスアウトソーシングサービスの収益が大きく悪化したものの、前述の人材派遣サービスや障がい者雇用支援サービスの増収効果により、営業利益が増加しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,797百万円(前連結会計年度比26.5%増)、営業利益は983百万円(前連結会計年度比45.9%増)、経常利益は1,007百万円(前連結会計年度比46.5%増)と、過去最高の売上高、営業利益、経常利益を計上いたしました。また、子会社が運営する店舗の立退きに伴う受取補償金31百万円を特別利益に、子会社の本社拡大移転等に伴う固定資産除却損30百万円や中途解約に伴う賃貸借契約解約損14百万円を特別損失に計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は619百万円(前連結会計年度比46.3%増)と過去最高を更新いたしました。
当連結会計年度のセグメント業績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。
(ビジネスソリューション事業)
ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者雇用を希望する企業に障がい者専用の農園を貸し出し、主に知的障がい者や精神障がい者の雇用を支援するサービスを提供しています。また、株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニアを活用し、企業の経営課題や業務課題の解決を支援するプロフェッショナル人材サービスを提供しています。
後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販企業の商品の発送代行や海外販売を支援する越境ECサービスを提供しています。また、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得や加入促進等のセールスプロモーション業務、キャンペーンやラウンダー等の販売促進業務を行っています。その他、株式会社エスプールでは、主にアルバイトやパートの採用募集に対する応募者対応を代行する採用支援サービスを行っております。
当連結会計年度においては、障がい者雇用支援サービスの参画企業が急増し、設備販売と農園の管理料収入が大幅に増加しました。また、ロジスティクスアウトソーシングサービスでは、通販の発送代行サービスが順調に拡大したほか、採用支援サービスについては、新規受注の増加に対応するためにコールセンターを2拠点新設しました。損益面においては、ロジスティクスアウトソーシングサービスが低収益案件の増加と生産性の悪化により赤字となりましたが、収益性の高い雇用支援サービスの増収効果により増益を確保しました。その結果、当連結会計年度の売上高は4,482百万円(前連結会計年度比12.1%増)、営業利益は874百万円(前連結会計年度比20.2%増)となりました。
(人材ソリューション事業)
人材ソリューション事業は、人材派遣、人材紹介サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンターや事務センター等のオフィスサポート業務と、スマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務に関する人材サービスを展開しております。
当連結会計年度においては、前述の通り企業の人材不足感が継続しており、主力のコールセンター業務において未経験者の活用に長けたグループ型派遣が大きく増加したほか、店頭販売支援業務についても家電製品の販売支援業務を中心に堅調に推移しました。損益面においては、業容拡大に対応した組織面の強化により人件費が増加しておりますが、新規登録者の確保が順調に進んだことで募集費は増加をある程度抑えることができました。その結果、当連結会計年度の売上高は10,382百万円(前連結会計年度比34.4%増)、営業利益は1,004百万円(前連結会計年度比47.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は152百万円減少し、1,087百万円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比76百万円減少の724百万円の収入(前連結会計年度は801百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度と比較し337百万円増加して999百万円であったことに加え、減価償却費が273百万円、未払費用の増加が195百万円、売上債権の増加が528百万円、並びに法人税等の支払額が235百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比301百万円増加の878百万円の支出(前連結会計年度は577百万円の支出)となりました。これは、主に、株式会社エスプールプラスが運営する農園の増設・開設のための設備投資等による有形固定資産の取得による支出769百万円と株式会社エスプールヒューマンソリューションズの拠点の移転・新設等に伴う敷金及び保証金の差入による支出67百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、1百万円の収入(前連結会計年度は58百万円の支出)となりました。主な内訳は、短期借入金の増加による収入200百万円及び長期借入金の返済による支出141百万円、並びに配当金の支払56百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループは、主に人材派遣・業務請負を中心とした人材関連アウトソーシング事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
(b)受注実績
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項の全ての財務情報は、本書に記載している連結財務諸表及び財務諸表に基づいております。また、本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。
② 財政状態
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から412百万円増加し、3,381百万円となりました。売上の増加に伴って、売上債権が528百万円増加しましたが、投資キャッシュ・フローの支出の増加を主要因として、現金及び預金が152百万円減少しております。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末から895百万円増加し、2,419百万円となりました。障がい者雇用支援サービスのニーズの高まりに対応するため、株式会社エスプールプラスにて既存農園の増設とちば花見川ファームや柏第二ファーム等の新農園の建設が進んだこと等により、有形固定資産が811百万円増加しました。また、人材ソリューション事業の拡大に対応するため、株式会社エスプールヒューマンソリューションズの新宿本社を拡大移転した他、新拠点開設等により敷金及び保証金が61百万円増加しました。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から668百万円増加し、3,364百万円となりました。業容の拡大に伴って、未払給与を中心とした未払費用が195百万円、未払金が174百万円、未払法人税等が131百万円、未払消費税等が53百万円、それぞれ増加しております。また、業容拡大に伴う運転資本の増加等に対応するため、短期借入金が200百万円増加しております。一方で約定弁済が進んだため1年内返済予定の長期借入金が79百万円減少しております。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末から81百万円増加し、405百万円となりました。株式会社エスプールプラスの農園の拡大や株式会社エスプールロジスティクスの品川センター開設に伴い、これらの施設に係る資産除去債務が114百万円増加しております。一方、前述のとおり約定弁済により長期借入金が62百万円減少しております。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により619百万円増加し、一方、第18期期末配当により56百万円減少し、2,032百万円となりました。また、有利子負債自己資本比率は59.7%でありました。
③ 経営成績
当連結会計年度における売上高は14,797百万円(前連結会計年度比3,100百万円増)、売上総利益は4,022百万円(前連結会計年度比783百万円増)、販売費及び一般管理費は3,038百万円(前連結会計年度比474百万円増)、営業利益は983百万円(前連結会計年度比309百万円増)、経常利益は1,007百万円(前連結会計年度比319百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は619百万円(前連結会計年度比196百万円増)となっております。
イ 売上高
事業別の外部顧客に対する売上高の増減は以下のとおりです。
事業別でみると、ビジネスソリューション事業が6期連続で前連結会計年度比二桁成長を達成しました。人材ソリューション事業に至っては、前連結会計年度比34.5%増加と、3期連続で増加率30%超という結果でした。ビジネスソリューション事業では、スマートメーター設置業務からの撤退によって587百万円の減収となりましたが、主力の障がい者雇用支援サービスが引き続き大きく拡大し、これに通販の発送代行サービスが拡大したロジスティクスアウトソーシングの売上増加が加わって、ビジネスソリューション事業全体では11.0%の増収となりました。障がい者雇用支援サービスでは、既存農園の増設の他に新たに5農園を開設し、参画企業は53社増加して192社となりました。当連結会計年度末での稼働農園数は13農園、農園で働く障がい者の人数は1,000名を超え、その退職率は5%前後で安定的に推移しております。
一方、人材ソリューション事業は、主力のコールセンター向けの派遣が引き続き大きく増加するとともに販売支援業務も順調に拡大しました。有効求人倍率が高止まる中、企業の人材ニーズは高水準で推移し、特にコールセンターにおいて、当社グループの社員を現場配置し教育や定着化支援を行うグループ型派遣が拡大しました。このグループ型派遣を行っている案件は、前連結会計年度末の92案件から当連結会計年度末には106案件に、現場配置している社員は162名から196名に増加しています。エリア別では、新宿及び福岡での売上増加が顕著でありました。また、人材需要の拡大に対応するために、当連結会計年度には大阪で新規拠点の開設と新宿本社の拡大移転を行っております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3,100百万円増の14,797百万円と増収を達成することができました。
ロ 売上総利益
売上総利益率は、前連結会計年度から0.5ポイント悪化して27.2%となりました。ビジネスソリューション事業においては、不採算案件が増加したロジスティクスアウトソーシングの利益率が低下したものの相対的に利益率の高い障がい者雇用支援サービスの売上占有率が33%から44%に大幅に増加したことにより、売上高総利益率が2.6ポイント改善しております。一方、人材ソリューション事業においては、需給のひっ迫により引き続き請求単価は上昇したものの、業務の長期化に伴い派遣社員の社会保険料・雇用保険料負担や有給休暇取得日数が増加しており、売上高総利益率は前連結会計年度から0.4ポイント低下しております。
ハ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から474百万円増加し、3,038百万円となりました。主な費目別の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度と比較して、販売費及び一般管理費は474百万円増加しておりますが、その主な要因は、事業拡大に向けた人員の積極的な採用であり、人件費の増加だけで224百万円と増加額のおよそ半分を占めます。その他、事業の拡大に伴って人材ソリューション事業の登録スタッフ募集費や、拠点の移転・新設によって地代家賃や什器備品費等が増加しております。また、業容の拡大を進めるために外部リソースを積極的に活用しており、顧問料が増加した他、新規顧客・市場の開拓、人材採用、IRのための広告宣伝費、Saas取引への移行を進めているシステム関連の賃借料が増加しております。事業別の販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比309百万円増の983百万円となりました。
ニ 営業外損益等
営業外損益項目では、宮崎県に設置している採用支援サービスのコールセンターに係る助成金29百万円を営業外収益に計上しており、経常利益は前連結会計年度比319百万円増の1,007百万円となりました。また、子会社が運営する店舗の退去に伴う受取補償金31百万円を特別利益に、固定資産除却損30百万円、ロジスティクスアウトソーシングサービスのセンター集約による賃貸借契約解約損14百万円を特別損失に計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比196百万円増の619百万円となりました。
ホ 次期の見通し
次期の経済環境は、海外経済の不確実性に留意する必要性はあるものの、労働力人口の減少により人材確保がますます厳しくなっているだけでなく、政府が主導する「働き方改革の推進」によって、人材派遣サービスやアウトソーシングサービスの利用を検討する企業が増加しております。
このような環境の下、当社グループは、①安定した収益基盤の構築、②新たな収益機会の獲得、③ITの積極活用による生産性向上に取り組み、グループの持続的な成長を目指してまいります。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが724百万円の収入(前連結会計年度は801百万円の収入)となりました。売上高がビジネスソリューション事業、人材ソリューション事業、ともに伸張したため、未払費用や未払金、未払法人税等の増加等があったものの、売上債権の増加がこれら負債の増加を上回り、運転資本が298百万円増加する結果となりました。また、法人税等の支払額も大幅に増加しました。そのため、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて337百万円増加の999百万円でありましたが、営業キャッシュ・フローの収入は前連結会計年度に比べて76百万円減少することとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、障がい者雇用支援サービスを中心に積極投資を行い878百万円の支出(前連結会計年度は577百万円の支出)となりました。当連結会計年度においては、上述のとおり運転資本の増加等により営業キャッシュ・フローの収入が前連結会計年度比で減少したため、これらの投資資金が営業キャッシュ・フローの収入を上回る結果となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは1百万円の収入(前連結会計年度は58百万円の支出)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローの収入が投資活動によるキャッシュ・フローの支出を下回った状況であったため、営業活動によるキャッシュ・フローの収入から長期借入金の約定弁済額を捻出できず、結果として短期借入金は増加しております。そのため、有利子負債残高は前連結会計年度末比で62百万円増加し、1,208百万円となりました。
当連結会計年度末時点での現金及び現金同等物の残高は1,087百万円であります。今後も、障がい者雇用支援サービスを中心として当連結会計年度以上の投資を予定しております。中期的には現状の利益率が維持できれば、営業キャッシュ・フローの収入によって投資活動によるキャッシュ・フローによる支出を賄えるものと考えておりますが、短期的には当連結会計年度のように営業活動によるキャッシュ・フローの収入が投資活動によるキャッシュ・フローの支出を下回ることもあるものと思われます。しかし、コミットメントライン契約の借入未実行残高も含め、本書提出日現在ではこの投資活動を含めた事業遂行に必要な流動性が確保されていると考えております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、事業投資資金と経常運転資金の2つであります。事業投資資金には、障がい者雇用支援サービスのための農園建設資金、事業買収に係る資金、拠点開設や移転・増床のための資金及びサーバーやソフトウエア等のIT関連投資資金があります。これらのうち、前者の事業投資資金については、自己資金及び長期借入金による調達を基本とし、状況に応じて銀行からの短期借入金にて対応する等柔軟な調達を行っております。一方、後者の経常運転資金については、自己資金を基本としつつ必要に応じて銀行からの短期借入金により調達しております。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高営業利益率を、重要な経営指標と位置付けており、売上高営業利益率10%の達成を中期的な目標としております。
当連結会計年度における営業高営業利益率は、前連結会計年度から0.9ポイント改善して6.6%であり、引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。
① 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、米中の貿易摩擦など世界経済の不確実性や金融資本市場の変動等の影響が懸念されるものの、企業収益や設備投資は堅調に推移しており、国内景気については緩やかな回復基調が続いております。一方で、雇用情勢については企業からの求人数が高止まりしており、厚生労働省が発表した2018年11月の全国の有効求人倍率は1.63倍と引き続き高水準で推移しております。従来から人手不足感の強いサービス業に加え、運輸・郵便業や製造業などでも求人が増加してきております。また、総務省が発表した2018年11月の完全失業率も2.5%と低い水準を維持しており、完全雇用に近い状態にあります。
当社グループにおいても、逼迫する雇用情勢を背景に人材派遣サービスが大きく拡大したほか、参画企業が大幅に増加した障がい者雇用支援サービスの売上が伸長しております。一方、損益面においては、低収益案件の増加と生産性の低下によりロジスティクスアウトソーシングサービスの収益が大きく悪化したものの、前述の人材派遣サービスや障がい者雇用支援サービスの増収効果により、営業利益が増加しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,797百万円(前連結会計年度比26.5%増)、営業利益は983百万円(前連結会計年度比45.9%増)、経常利益は1,007百万円(前連結会計年度比46.5%増)と、過去最高の売上高、営業利益、経常利益を計上いたしました。また、子会社が運営する店舗の立退きに伴う受取補償金31百万円を特別利益に、子会社の本社拡大移転等に伴う固定資産除却損30百万円や中途解約に伴う賃貸借契約解約損14百万円を特別損失に計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は619百万円(前連結会計年度比46.3%増)と過去最高を更新いたしました。
当連結会計年度のセグメント業績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。
(ビジネスソリューション事業)
ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者雇用を希望する企業に障がい者専用の農園を貸し出し、主に知的障がい者や精神障がい者の雇用を支援するサービスを提供しています。また、株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニアを活用し、企業の経営課題や業務課題の解決を支援するプロフェッショナル人材サービスを提供しています。
後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販企業の商品の発送代行や海外販売を支援する越境ECサービスを提供しています。また、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得や加入促進等のセールスプロモーション業務、キャンペーンやラウンダー等の販売促進業務を行っています。その他、株式会社エスプールでは、主にアルバイトやパートの採用募集に対する応募者対応を代行する採用支援サービスを行っております。
当連結会計年度においては、障がい者雇用支援サービスの参画企業が急増し、設備販売と農園の管理料収入が大幅に増加しました。また、ロジスティクスアウトソーシングサービスでは、通販の発送代行サービスが順調に拡大したほか、採用支援サービスについては、新規受注の増加に対応するためにコールセンターを2拠点新設しました。損益面においては、ロジスティクスアウトソーシングサービスが低収益案件の増加と生産性の悪化により赤字となりましたが、収益性の高い雇用支援サービスの増収効果により増益を確保しました。その結果、当連結会計年度の売上高は4,482百万円(前連結会計年度比12.1%増)、営業利益は874百万円(前連結会計年度比20.2%増)となりました。
(人材ソリューション事業)
人材ソリューション事業は、人材派遣、人材紹介サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンターや事務センター等のオフィスサポート業務と、スマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務に関する人材サービスを展開しております。
当連結会計年度においては、前述の通り企業の人材不足感が継続しており、主力のコールセンター業務において未経験者の活用に長けたグループ型派遣が大きく増加したほか、店頭販売支援業務についても家電製品の販売支援業務を中心に堅調に推移しました。損益面においては、業容拡大に対応した組織面の強化により人件費が増加しておりますが、新規登録者の確保が順調に進んだことで募集費は増加をある程度抑えることができました。その結果、当連結会計年度の売上高は10,382百万円(前連結会計年度比34.4%増)、営業利益は1,004百万円(前連結会計年度比47.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は152百万円減少し、1,087百万円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比76百万円減少の724百万円の収入(前連結会計年度は801百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度と比較し337百万円増加して999百万円であったことに加え、減価償却費が273百万円、未払費用の増加が195百万円、売上債権の増加が528百万円、並びに法人税等の支払額が235百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比301百万円増加の878百万円の支出(前連結会計年度は577百万円の支出)となりました。これは、主に、株式会社エスプールプラスが運営する農園の増設・開設のための設備投資等による有形固定資産の取得による支出769百万円と株式会社エスプールヒューマンソリューションズの拠点の移転・新設等に伴う敷金及び保証金の差入による支出67百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、1百万円の収入(前連結会計年度は58百万円の支出)となりました。主な内訳は、短期借入金の増加による収入200百万円及び長期借入金の返済による支出141百万円、並びに配当金の支払56百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループは、主に人材派遣・業務請負を中心とした人材関連アウトソーシング事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
(b)受注実績
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| ビジネスソリューション事業 | 4,482 | 112.1 |
| 人材ソリューション事業 | 10,382 | 134.4 |
| 調整額 | △68 | - |
| 合計 | 14,797 | 126.5 |
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (2016年12月1日から 2017年11月30日まで) | 当連結会計年度 (2017年12月1日から 2018年11月30日まで) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱ベルシステム24 | 1,360 | 11.6 | 2,495 | 16.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項の全ての財務情報は、本書に記載している連結財務諸表及び財務諸表に基づいております。また、本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。
② 財政状態
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から412百万円増加し、3,381百万円となりました。売上の増加に伴って、売上債権が528百万円増加しましたが、投資キャッシュ・フローの支出の増加を主要因として、現金及び預金が152百万円減少しております。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末から895百万円増加し、2,419百万円となりました。障がい者雇用支援サービスのニーズの高まりに対応するため、株式会社エスプールプラスにて既存農園の増設とちば花見川ファームや柏第二ファーム等の新農園の建設が進んだこと等により、有形固定資産が811百万円増加しました。また、人材ソリューション事業の拡大に対応するため、株式会社エスプールヒューマンソリューションズの新宿本社を拡大移転した他、新拠点開設等により敷金及び保証金が61百万円増加しました。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から668百万円増加し、3,364百万円となりました。業容の拡大に伴って、未払給与を中心とした未払費用が195百万円、未払金が174百万円、未払法人税等が131百万円、未払消費税等が53百万円、それぞれ増加しております。また、業容拡大に伴う運転資本の増加等に対応するため、短期借入金が200百万円増加しております。一方で約定弁済が進んだため1年内返済予定の長期借入金が79百万円減少しております。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末から81百万円増加し、405百万円となりました。株式会社エスプールプラスの農園の拡大や株式会社エスプールロジスティクスの品川センター開設に伴い、これらの施設に係る資産除去債務が114百万円増加しております。一方、前述のとおり約定弁済により長期借入金が62百万円減少しております。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により619百万円増加し、一方、第18期期末配当により56百万円減少し、2,032百万円となりました。また、有利子負債自己資本比率は59.7%でありました。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 自己資本比率 | 32.5% | 34.9% |
| 有利子負債自己資本比率 | 78.5% | 59.7% |
③ 経営成績
当連結会計年度における売上高は14,797百万円(前連結会計年度比3,100百万円増)、売上総利益は4,022百万円(前連結会計年度比783百万円増)、販売費及び一般管理費は3,038百万円(前連結会計年度比474百万円増)、営業利益は983百万円(前連結会計年度比309百万円増)、経常利益は1,007百万円(前連結会計年度比319百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は619百万円(前連結会計年度比196百万円増)となっております。
イ 売上高
事業別の外部顧客に対する売上高の増減は以下のとおりです。
| 前連結会計年度(百万円) | 構成比(%) | 当連結会計年度(百万円) | 構成比(%) | 増減 (百万円) | 前連結会計年度比(%) | |
| ビジネスソリューション事業 | 3,991 | 34.1 | 4,429 | 29.9 | 438 | 111.0 |
| 人材ソリューション事業 | 7,705 | 65.9 | 10,367 | 70.1 | 2,662 | 134.5 |
| 合計 | 11,696 | 100.0 | 14,797 | 100.0 | 3,100 | 126.5 |
事業別でみると、ビジネスソリューション事業が6期連続で前連結会計年度比二桁成長を達成しました。人材ソリューション事業に至っては、前連結会計年度比34.5%増加と、3期連続で増加率30%超という結果でした。ビジネスソリューション事業では、スマートメーター設置業務からの撤退によって587百万円の減収となりましたが、主力の障がい者雇用支援サービスが引き続き大きく拡大し、これに通販の発送代行サービスが拡大したロジスティクスアウトソーシングの売上増加が加わって、ビジネスソリューション事業全体では11.0%の増収となりました。障がい者雇用支援サービスでは、既存農園の増設の他に新たに5農園を開設し、参画企業は53社増加して192社となりました。当連結会計年度末での稼働農園数は13農園、農園で働く障がい者の人数は1,000名を超え、その退職率は5%前後で安定的に推移しております。
一方、人材ソリューション事業は、主力のコールセンター向けの派遣が引き続き大きく増加するとともに販売支援業務も順調に拡大しました。有効求人倍率が高止まる中、企業の人材ニーズは高水準で推移し、特にコールセンターにおいて、当社グループの社員を現場配置し教育や定着化支援を行うグループ型派遣が拡大しました。このグループ型派遣を行っている案件は、前連結会計年度末の92案件から当連結会計年度末には106案件に、現場配置している社員は162名から196名に増加しています。エリア別では、新宿及び福岡での売上増加が顕著でありました。また、人材需要の拡大に対応するために、当連結会計年度には大阪で新規拠点の開設と新宿本社の拡大移転を行っております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3,100百万円増の14,797百万円と増収を達成することができました。
ロ 売上総利益
売上総利益率は、前連結会計年度から0.5ポイント悪化して27.2%となりました。ビジネスソリューション事業においては、不採算案件が増加したロジスティクスアウトソーシングの利益率が低下したものの相対的に利益率の高い障がい者雇用支援サービスの売上占有率が33%から44%に大幅に増加したことにより、売上高総利益率が2.6ポイント改善しております。一方、人材ソリューション事業においては、需給のひっ迫により引き続き請求単価は上昇したものの、業務の長期化に伴い派遣社員の社会保険料・雇用保険料負担や有給休暇取得日数が増加しており、売上高総利益率は前連結会計年度から0.4ポイント低下しております。
ハ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から474百万円増加し、3,038百万円となりました。主な費目別の内訳は以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (百万円) | 売上に対する比率(%) | 当連結会計年度 (百万円) | 売上に対する比率(%) | 前連結会計年度比 (%) | |
| 人件費 | 1,432 | 12.3 | 1,656 | 11.2 | 115.6 |
| 地代家賃 | 169 | 1.4 | 194 | 1.3 | 115.2 |
| 減価償却費 | 51 | 0.4 | 51 | 0.3 | 100.1 |
| 登録スタッフ募集費 | 214 | 1.8 | 252 | 1.7 | 117.3 |
| その他 | 696 | 6.0 | 883 | 6.0 | 126.9 |
| 合計 | 2,564 | 21.9 | 3,038 | 20.5 | 118.5 |
前連結会計年度と比較して、販売費及び一般管理費は474百万円増加しておりますが、その主な要因は、事業拡大に向けた人員の積極的な採用であり、人件費の増加だけで224百万円と増加額のおよそ半分を占めます。その他、事業の拡大に伴って人材ソリューション事業の登録スタッフ募集費や、拠点の移転・新設によって地代家賃や什器備品費等が増加しております。また、業容の拡大を進めるために外部リソースを積極的に活用しており、顧問料が増加した他、新規顧客・市場の開拓、人材採用、IRのための広告宣伝費、Saas取引への移行を進めているシステム関連の賃借料が増加しております。事業別の販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前連結会計年度比 (%) | |
| ビジネスソリューション事業 | 890 | 1,054 | 118.4 |
| 人材ソリューション事業 | 951 | 1,149 | 120.8 |
| 調整額 | 723 | 835 | 115.5 |
| 合計 | 2,564 | 3,038 | 118.5 |
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比309百万円増の983百万円となりました。
ニ 営業外損益等
営業外損益項目では、宮崎県に設置している採用支援サービスのコールセンターに係る助成金29百万円を営業外収益に計上しており、経常利益は前連結会計年度比319百万円増の1,007百万円となりました。また、子会社が運営する店舗の退去に伴う受取補償金31百万円を特別利益に、固定資産除却損30百万円、ロジスティクスアウトソーシングサービスのセンター集約による賃貸借契約解約損14百万円を特別損失に計上しており、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比196百万円増の619百万円となりました。
ホ 次期の見通し
次期の経済環境は、海外経済の不確実性に留意する必要性はあるものの、労働力人口の減少により人材確保がますます厳しくなっているだけでなく、政府が主導する「働き方改革の推進」によって、人材派遣サービスやアウトソーシングサービスの利用を検討する企業が増加しております。
このような環境の下、当社グループは、①安定した収益基盤の構築、②新たな収益機会の獲得、③ITの積極活用による生産性向上に取り組み、グループの持続的な成長を目指してまいります。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが724百万円の収入(前連結会計年度は801百万円の収入)となりました。売上高がビジネスソリューション事業、人材ソリューション事業、ともに伸張したため、未払費用や未払金、未払法人税等の増加等があったものの、売上債権の増加がこれら負債の増加を上回り、運転資本が298百万円増加する結果となりました。また、法人税等の支払額も大幅に増加しました。そのため、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて337百万円増加の999百万円でありましたが、営業キャッシュ・フローの収入は前連結会計年度に比べて76百万円減少することとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、障がい者雇用支援サービスを中心に積極投資を行い878百万円の支出(前連結会計年度は577百万円の支出)となりました。当連結会計年度においては、上述のとおり運転資本の増加等により営業キャッシュ・フローの収入が前連結会計年度比で減少したため、これらの投資資金が営業キャッシュ・フローの収入を上回る結果となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは1百万円の収入(前連結会計年度は58百万円の支出)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローの収入が投資活動によるキャッシュ・フローの支出を下回った状況であったため、営業活動によるキャッシュ・フローの収入から長期借入金の約定弁済額を捻出できず、結果として短期借入金は増加しております。そのため、有利子負債残高は前連結会計年度末比で62百万円増加し、1,208百万円となりました。
当連結会計年度末時点での現金及び現金同等物の残高は1,087百万円であります。今後も、障がい者雇用支援サービスを中心として当連結会計年度以上の投資を予定しております。中期的には現状の利益率が維持できれば、営業キャッシュ・フローの収入によって投資活動によるキャッシュ・フローによる支出を賄えるものと考えておりますが、短期的には当連結会計年度のように営業活動によるキャッシュ・フローの収入が投資活動によるキャッシュ・フローの支出を下回ることもあるものと思われます。しかし、コミットメントライン契約の借入未実行残高も含め、本書提出日現在ではこの投資活動を含めた事業遂行に必要な流動性が確保されていると考えております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、事業投資資金と経常運転資金の2つであります。事業投資資金には、障がい者雇用支援サービスのための農園建設資金、事業買収に係る資金、拠点開設や移転・増床のための資金及びサーバーやソフトウエア等のIT関連投資資金があります。これらのうち、前者の事業投資資金については、自己資金及び長期借入金による調達を基本とし、状況に応じて銀行からの短期借入金にて対応する等柔軟な調達を行っております。一方、後者の経常運転資金については、自己資金を基本としつつ必要に応じて銀行からの短期借入金により調達しております。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高営業利益率を、重要な経営指標と位置付けており、売上高営業利益率10%の達成を中期的な目標としております。
当連結会計年度における営業高営業利益率は、前連結会計年度から0.9ポイント改善して6.6%であり、引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。