有価証券報告書-第36期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで。以下、当期)における国内景気は、世界経済の回復に伴う輸出の増加や高水準の企業収益を背景にした設備投資の増加といった企業部門主導型の緩やかな改善が続きました。しかしながら、当期終盤の2月には、米国株下落を発端としたマーケットの混乱、円高、米国の通商問題など、これまでと比べて景気に対するリスク要因も増加しました。
産業界では、デジタル変革の潮流の中、AI(人工知能)やIoTなどの先端技術を活用し、ビジネスモデルの変革や他社との競争優位を構築しようとする動きが活発化しています。ITを駆使することによりビジネスモデルを創出したり再構築した企業が、業界の既存プレーヤーを脅かす事象も発生しています。
このような環境下、当社グループでは、システム運用とデータ活用領域における強みを活かし、デジタル変革に取り組む企業の業務課題を直接解決するためのソリューションを提供できる事業体制作りを推進してきました。
(なお、この取り組みは、次期中期経営計画(2018年度~2020年度)にも継承されています。詳細は、9ページ「当社グループの対処すべき課題と対処方針等」をご参照ください。)
当社グループの当期経営方針に基づいた取り組み状況は下記のとおりです。
方針1.お客様基盤を拡大するための販売力の統合と強化
・直接販売では、お客様の業務課題を解決するために、営業とセールスエンジニアが一体となったソリューション提案活動を行い、成約率の向上と案件の大型化につなげました。
・西日本事業部を株式会社ユニリタプラスとして独立(2017年4月)させ、西日本地域の販売体制を地域密着型とし顧客対応力を強化しました。
方針2.アライアンスによるソリューション提供力の強化
・間接販売では、特定業務に強いパートナー企業と相互の製品やサービスを組み合わせてソリューション化する協業モデル作りを行うとともに販売活性化のためのイベントを実施し拡販につなげました。
・既存製品におけるアライアンス強化では、「マイグレーション」と「e-文書保存法」をテーマに絞り、マイグレーションベンダー各社との連携強化や当社の電子帳票ソリューションをパートナー企業と連携し拡販しました。
・クラウド型データセンター事業者である株式会社アイネットと資本業務提携(2017年5月)を行い、同社のクラウドサービスプラットフォーム上での、当社製品やサービスの提供体制を構築しました。当期は、同社のクラウドサービスプラットフォーム上で当社のセキュリティソリューションの提供を開始しました。
方針3.新たな価値を創造する製品・サービスの開発と強化
・1,200社を超える導入実績をもとに既存製品を機能視点からではなく、業務課題解決の視点からラインアップ。当期は17のソリューションの提供を行い、新しい顧客層からの受注につながりました。
・SaaSサービスの充実を図るために、業界初となるコミュニケーション特化型のアプリケーション開発プラットフォーム上にAI機能を追加しました。
・IoT技術を活用したバス事業者向けソリューションを提供する子会社の株式会社ユニ・トランドでは、バス位置情報リアルタイム検索や目的地検索等の既存サービスの拡販に加え、乗降センサーによるバス乗降客属性分析の実証試験やAI技術開発企業への出資も行いました。
方針4.グループシナジーの発揮
・お客様の事業課題を解決するためにIT上流工程からコンサルティングサービスで参画し、「子会社コンサルティング×ユニリタ製品」による連携ソリューションの提案活動を推進しました。お客様ビジネスのデジタル化を具現化するにあたり、事業部の業務品質向上や業務の見える化を実現する提案活動が奏功し、大型案件の受注につながりました。
また、当社はグループとしてのソリューション提供力を強化するためM&A施策として、2018年2月、株式会社無限を子会社化しました。これは、お客様のデジタル変革ニーズに対しより広範に、かつ迅速に応えるため両社の技術力、業務ノウハウへの知見を合わせ、IT 部門、事業部門さらには業務支援部門の変革ニーズにも応える新たなサービスやソリューションを開発することを目的としたものです。なお、同社業績の連結損益計算書への反映は、2019年3月期からとなります。
以上の結果、当期の業績は、売上高は70億56百万円となり前期と比べて1.7%増となりました。営業利益は13億47百万円(前期比7.5%減)、経常利益は14億54百万円(同6.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億65百万円(同8.6%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。なお、当期よりセグメント区分を変更しています(ご参考:新旧セグメント比較参照)。当期との比較は、前期の旧セグメントを当期からの新セグメントに組み替えて行っています。
クラウド事業
当期の業績は、売上高5億13百万円(前期比22.1%増)、営業損失83百万円(前期は1億68百万円の営業損失)となりました。
本セグメントは、旧セグメントの「データ活用事業」「システム運用事業」「その他事業」に含まれていたクラウドサービス型事業(利用料課金型)を集約したものです。
ITSM(ITサービスマネジメント)では、システム運用コンサルティングと連携し、事業部IT部門のデジタルビジネスへの対応ニーズを取り込んだことが奏功しました。また、業界初のコミュニケーションプラットフォーム「Smart Communication Platform(SCP)」を利用した飲食店向け動画教育サービス「LIVE UNIVERSE」は、サービスの拡張性が評価されアマゾン ウェブ サービス(AWS)APNアワードでSaaS Partner of the Year 2017を受賞しました。なお、このSCPは、飲食業界のほか介護業界のお客様にも活用の幅を拡げています。SaaS型勤怠管理サービスでは、働き方改革の潮流のなか、主要顧客層である人材派遣業界のニーズを取り込み伸長しました。
プロダクト事業
当期の業績は、売上高25億62百万円(前期比2.8%増)、営業利益3億2百万円(同21.1%減)となりました。
本セグメントは、旧セグメントの「データ活用事業」「システム運用事業」「その他事業」に含まれていた「製品」「保守」を集約したものです。
既存製品の領域では、コモディティ化が進む中、製品の単品販売という売り方から、付加価値を向上させるためにお客様が抱える課題解決のためのソリューション営業へのシフトを進めました。この活動は、当期下期に向けて成果となり、既存製品を核にした業務ソリューション化による帳票、BI製品販売での案件の大型化やパートナー企業との協業モデル化の進展につながりました。しかしながら、収益面では、既存のETL製品では、前期にあった大型案件の反動減、自動化製品でのソリューション化の遅れ等により当期上期の売上計画未達分のリカバリーに至らなかったこと、また、移動体向けIoTビジネスにおいて拡販に伴うIoT機器の仕入れ販売が増加したことなどが減益要因となりました。
ソリューション事業
当期の業績は、売上高17億48百万円(前期比1.1%減)、営業利益2億19百万円(同5.8%減)となりました。
本セグメントは、旧セグメントの「データ活用事業」「システム運用事業」「その他事業」に含まれていた「データマネジメントならびにシステム運用コンサルティング」「技術支援サービス」「アウトソーシング」を集約したものです。当ソリューション事業の位置付けは、クラウド、プロダクト両事業を伸長させるための前後の工程になります。
当社グループの強みであるシステム運用コンサルティングでは、お客様のデジタルビジネス領域への好調な投資ニーズを受け、事業部IT向けにシステム運用ノウハウとクラウド型の当社製品を組み合わせたコンサルティング活動が奏功しました。また、アウトソーシングに加え、技術支援サービスでは、Be.cloud、BI、ITSM等も伸長しました。しかしながら、BPMやデータマネジメントコンサルティングでは、前期あった大型案件の反動減の影響を受け減収となりました。
メインフレーム事業
当期の業績は、売上高22億31百万円(前期比1.3%減)、営業利益11億78百万円(同2.2%減)となりました。
本セグメントは、旧セグメントの「メインフレーム事業」と同様であり、同事業に関する製品、技術支援サービス、保守を含みます。
お客様のシステムおよびホストコンピュータ機器更改を見据えた提案や、データセンターの統合や移転などのリスク管理を当社のノウハウをもとにソリューション化した協働提案活動が奏功しました。
<ご参考:新旧セグメント比較>(脚注)
デジタル変革 (デジタルトランスフォーメーション/DX)
企業が第3のプラットフォーム(クラウドコンピューティング)や新たなデジタル技術を活用し、新しい製品やサービス、ビジネスモデル、価値を創出すること。
IoT(インターネット・オブ・シングス)
コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在するさまざまなものに通信機能を持たせ、インターネットに接続し相互に通信することにより自動認識や自動制御、遠隔計測等を行うこと。
AI(人工知能)
人間の脳が行っている知的な作業をコンピュータで模倣したソフトウェアやシステム。具体的には、人間の使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムなどのことをいう。
システムライフサイクル
システムを安定して稼働させるための体制を作る一連の流れをシステムのライフサイクルといい、企画、設計、開発、導入、運用、再設計、再構築のフェーズがある。
ITSM(ITサービスマネジメント)
ビジネス部門が必要とするITサービスの安定的な提供とITサービスの継続的な改善を管理するための仕組み。ビジネスITが多様化する現在、組織のIT部門は、従来役割に加え、ITの立場からビジネスを理解し、ビジネスの発展に貢献するITサービスマネジメントの視点が欠かせなくなっている。
ETL(エクストラクト・トランスフォーム・ロード)
企業の基幹システムなどに蓄積されたデータを抽出(extract)し、データウェアハウスなどで利用しやすい形に加工(transform)し、対象となるデータベースに書き出す(load)こと。また、これら一連の処理を支援するソフトウェア。
BI(ビジネス・インテリジェンス)
企業に蓄積された大量なデータを収集して分析し、その結果を可視化する仕組み。BIを導入することで専門家でないユーザーでも手軽に情報や分析結果を活用できるという特徴がある。
SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)
これまでパッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、インターネット経由でサービスとして提供・利用する形態のこと。
BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)
企業の全社的な業務の流れ(ビジネスプロセス)を把握・分析し、情報システムを用いて継続的に管理・改善・最適化していくこと。
BCP(ビジネス・コンティニュイティ・プラン)
災害や不祥事などの緊急事態が発生した際、特定の重要な事業(業務)を中断しないこと、または万一活動が中断した場合でも事業の中断によるロスを最小化するために策定される計画。
データアナリティクス
ある目的に基づいて、さまざまな分析手法やソフトウェアベースのアルゴリズムを駆使しながら、特定のパターンや相関関係などの知見を抽出しビジネス課題を解決するためのアプローチのこと。
RPA(Robotic Process Automation)
AIや機械学習といった高性能な認知技術を用いることによって実現する、業務の自動化や効率化に向けた取り組みやソフトウェアロボットを指す言葉。
ブロックチェーン
インターネットなどオープンなネットワーク上で、高い信頼性が求められる金融取引や重要データのやりとりなどを可能にする「分散型台帳技術」。
エコシステム
経営・IT分野の新語。複数の企業が商品開発や事業活動などでパートナーシップを組み、互いの技術や資本を生かしながら、開発業者・代理店・販売店・宣伝媒体、業界の枠や国境を超えて広く共存共栄していく仕組み。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下、資金)は前期末と比較して1億89百万円増加(前期比86.2%減)し、93億36百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は10億28百万円(前期比47.4%減)となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上14億27百万円(同7.4%減)及び減価償却費1億16百万円(同18.4%増)であり、主な資金減少要因は法人税等の支払額5億35百万円(同971.9%増)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は4億48百万円(前期比197.1%増)となりました。主な資金減少要因は、無形固定資産の取得による支出1億19百万円(同60.5%増)、投資有価証券の取得による支出1億34百万円(同438.4%増)及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1億62百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は3億92百万円(前期比8.2%減)となりました。支出の主な内容は、配当金の支払額3億86百万円(同8.0%減)であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.仕入高は主にロイヤリティであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「システムインテグレーション」については、2018年3月31日をみなし取得日とした企業結合(株式会社無限の全株式取得)により新たに加わったセグメントであるため、受注残高のみ記載しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
当社グループは、税効果会計、固定資産の減損会計、引当金の計上などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額および収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.損益の状況
当連結会計年度(以下、「当期」)の損益の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.財政状態の分析
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当期末における総資産は、前期末と比較して18億93百万円増加し155億17百万円となりました。これは主に、現金及び預金が4億63百万円、売掛金が2億34百万円、のれんが5億35百万円、投資有価証券が3億31百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債合計は、前期末と比較して11億61百万円増加し40億85百万円となりました。これは主に、買掛金が2億54百万円、短期借入金が3億50百万円及びその他の流動負債が3億71百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前期末と比較して7億31百万円増加し114億32百万円となりました。これは主に、利益剰余金が5億78百万円、その他有価証券評価差額金が1億52百万円増加したことによるものであります。利益剰余金については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により9億65百万円増加し、配当金の支払いにより3億86百万円減少しております。
この結果、当期末の自己資本比率は73.7%(前期末は78.5%)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性について
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.契約債務
2018年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。なお、連結貸借対照表の1年内償還予定の社債は、社債に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、ユニリタ共済会の金融機関からの借入金に対する債務保証であり、2018年3月31日現在の債務残高は、138,649千円であります。
c.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金につきましては、自己資金または借入金・社債により資金調達することとしております。このうち、借入金・社債による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資等の長期資金は社債で調達しております。
また、金融機関との間で1,000,000千円のコミットメントライン契約を締結しておりますが、当連結会計年度末において当契約に係る借入れは実行されておりません(借入未実行残高1,000,000千円)。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで。以下、当期)における国内景気は、世界経済の回復に伴う輸出の増加や高水準の企業収益を背景にした設備投資の増加といった企業部門主導型の緩やかな改善が続きました。しかしながら、当期終盤の2月には、米国株下落を発端としたマーケットの混乱、円高、米国の通商問題など、これまでと比べて景気に対するリスク要因も増加しました。
産業界では、デジタル変革の潮流の中、AI(人工知能)やIoTなどの先端技術を活用し、ビジネスモデルの変革や他社との競争優位を構築しようとする動きが活発化しています。ITを駆使することによりビジネスモデルを創出したり再構築した企業が、業界の既存プレーヤーを脅かす事象も発生しています。
このような環境下、当社グループでは、システム運用とデータ活用領域における強みを活かし、デジタル変革に取り組む企業の業務課題を直接解決するためのソリューションを提供できる事業体制作りを推進してきました。
(なお、この取り組みは、次期中期経営計画(2018年度~2020年度)にも継承されています。詳細は、9ページ「当社グループの対処すべき課題と対処方針等」をご参照ください。)
当社グループの当期経営方針に基づいた取り組み状況は下記のとおりです。
方針1.お客様基盤を拡大するための販売力の統合と強化
・直接販売では、お客様の業務課題を解決するために、営業とセールスエンジニアが一体となったソリューション提案活動を行い、成約率の向上と案件の大型化につなげました。
・西日本事業部を株式会社ユニリタプラスとして独立(2017年4月)させ、西日本地域の販売体制を地域密着型とし顧客対応力を強化しました。
方針2.アライアンスによるソリューション提供力の強化
・間接販売では、特定業務に強いパートナー企業と相互の製品やサービスを組み合わせてソリューション化する協業モデル作りを行うとともに販売活性化のためのイベントを実施し拡販につなげました。
・既存製品におけるアライアンス強化では、「マイグレーション」と「e-文書保存法」をテーマに絞り、マイグレーションベンダー各社との連携強化や当社の電子帳票ソリューションをパートナー企業と連携し拡販しました。
・クラウド型データセンター事業者である株式会社アイネットと資本業務提携(2017年5月)を行い、同社のクラウドサービスプラットフォーム上での、当社製品やサービスの提供体制を構築しました。当期は、同社のクラウドサービスプラットフォーム上で当社のセキュリティソリューションの提供を開始しました。
方針3.新たな価値を創造する製品・サービスの開発と強化
・1,200社を超える導入実績をもとに既存製品を機能視点からではなく、業務課題解決の視点からラインアップ。当期は17のソリューションの提供を行い、新しい顧客層からの受注につながりました。
・SaaSサービスの充実を図るために、業界初となるコミュニケーション特化型のアプリケーション開発プラットフォーム上にAI機能を追加しました。
・IoT技術を活用したバス事業者向けソリューションを提供する子会社の株式会社ユニ・トランドでは、バス位置情報リアルタイム検索や目的地検索等の既存サービスの拡販に加え、乗降センサーによるバス乗降客属性分析の実証試験やAI技術開発企業への出資も行いました。
方針4.グループシナジーの発揮
・お客様の事業課題を解決するためにIT上流工程からコンサルティングサービスで参画し、「子会社コンサルティング×ユニリタ製品」による連携ソリューションの提案活動を推進しました。お客様ビジネスのデジタル化を具現化するにあたり、事業部の業務品質向上や業務の見える化を実現する提案活動が奏功し、大型案件の受注につながりました。
また、当社はグループとしてのソリューション提供力を強化するためM&A施策として、2018年2月、株式会社無限を子会社化しました。これは、お客様のデジタル変革ニーズに対しより広範に、かつ迅速に応えるため両社の技術力、業務ノウハウへの知見を合わせ、IT 部門、事業部門さらには業務支援部門の変革ニーズにも応える新たなサービスやソリューションを開発することを目的としたものです。なお、同社業績の連結損益計算書への反映は、2019年3月期からとなります。
以上の結果、当期の業績は、売上高は70億56百万円となり前期と比べて1.7%増となりました。営業利益は13億47百万円(前期比7.5%減)、経常利益は14億54百万円(同6.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億65百万円(同8.6%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。なお、当期よりセグメント区分を変更しています(ご参考:新旧セグメント比較参照)。当期との比較は、前期の旧セグメントを当期からの新セグメントに組み替えて行っています。
クラウド事業
当期の業績は、売上高5億13百万円(前期比22.1%増)、営業損失83百万円(前期は1億68百万円の営業損失)となりました。
本セグメントは、旧セグメントの「データ活用事業」「システム運用事業」「その他事業」に含まれていたクラウドサービス型事業(利用料課金型)を集約したものです。
ITSM(ITサービスマネジメント)では、システム運用コンサルティングと連携し、事業部IT部門のデジタルビジネスへの対応ニーズを取り込んだことが奏功しました。また、業界初のコミュニケーションプラットフォーム「Smart Communication Platform(SCP)」を利用した飲食店向け動画教育サービス「LIVE UNIVERSE」は、サービスの拡張性が評価されアマゾン ウェブ サービス(AWS)APNアワードでSaaS Partner of the Year 2017を受賞しました。なお、このSCPは、飲食業界のほか介護業界のお客様にも活用の幅を拡げています。SaaS型勤怠管理サービスでは、働き方改革の潮流のなか、主要顧客層である人材派遣業界のニーズを取り込み伸長しました。
プロダクト事業
当期の業績は、売上高25億62百万円(前期比2.8%増)、営業利益3億2百万円(同21.1%減)となりました。
本セグメントは、旧セグメントの「データ活用事業」「システム運用事業」「その他事業」に含まれていた「製品」「保守」を集約したものです。
既存製品の領域では、コモディティ化が進む中、製品の単品販売という売り方から、付加価値を向上させるためにお客様が抱える課題解決のためのソリューション営業へのシフトを進めました。この活動は、当期下期に向けて成果となり、既存製品を核にした業務ソリューション化による帳票、BI製品販売での案件の大型化やパートナー企業との協業モデル化の進展につながりました。しかしながら、収益面では、既存のETL製品では、前期にあった大型案件の反動減、自動化製品でのソリューション化の遅れ等により当期上期の売上計画未達分のリカバリーに至らなかったこと、また、移動体向けIoTビジネスにおいて拡販に伴うIoT機器の仕入れ販売が増加したことなどが減益要因となりました。
ソリューション事業
当期の業績は、売上高17億48百万円(前期比1.1%減)、営業利益2億19百万円(同5.8%減)となりました。
本セグメントは、旧セグメントの「データ活用事業」「システム運用事業」「その他事業」に含まれていた「データマネジメントならびにシステム運用コンサルティング」「技術支援サービス」「アウトソーシング」を集約したものです。当ソリューション事業の位置付けは、クラウド、プロダクト両事業を伸長させるための前後の工程になります。
当社グループの強みであるシステム運用コンサルティングでは、お客様のデジタルビジネス領域への好調な投資ニーズを受け、事業部IT向けにシステム運用ノウハウとクラウド型の当社製品を組み合わせたコンサルティング活動が奏功しました。また、アウトソーシングに加え、技術支援サービスでは、Be.cloud、BI、ITSM等も伸長しました。しかしながら、BPMやデータマネジメントコンサルティングでは、前期あった大型案件の反動減の影響を受け減収となりました。
メインフレーム事業
当期の業績は、売上高22億31百万円(前期比1.3%減)、営業利益11億78百万円(同2.2%減)となりました。
本セグメントは、旧セグメントの「メインフレーム事業」と同様であり、同事業に関する製品、技術支援サービス、保守を含みます。
お客様のシステムおよびホストコンピュータ機器更改を見据えた提案や、データセンターの統合や移転などのリスク管理を当社のノウハウをもとにソリューション化した協働提案活動が奏功しました。
<ご参考:新旧セグメント比較>(脚注)
デジタル変革 (デジタルトランスフォーメーション/DX)
企業が第3のプラットフォーム(クラウドコンピューティング)や新たなデジタル技術を活用し、新しい製品やサービス、ビジネスモデル、価値を創出すること。
IoT(インターネット・オブ・シングス)
コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在するさまざまなものに通信機能を持たせ、インターネットに接続し相互に通信することにより自動認識や自動制御、遠隔計測等を行うこと。
AI(人工知能)
人間の脳が行っている知的な作業をコンピュータで模倣したソフトウェアやシステム。具体的には、人間の使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムなどのことをいう。
システムライフサイクル
システムを安定して稼働させるための体制を作る一連の流れをシステムのライフサイクルといい、企画、設計、開発、導入、運用、再設計、再構築のフェーズがある。
ITSM(ITサービスマネジメント)
ビジネス部門が必要とするITサービスの安定的な提供とITサービスの継続的な改善を管理するための仕組み。ビジネスITが多様化する現在、組織のIT部門は、従来役割に加え、ITの立場からビジネスを理解し、ビジネスの発展に貢献するITサービスマネジメントの視点が欠かせなくなっている。
ETL(エクストラクト・トランスフォーム・ロード)
企業の基幹システムなどに蓄積されたデータを抽出(extract)し、データウェアハウスなどで利用しやすい形に加工(transform)し、対象となるデータベースに書き出す(load)こと。また、これら一連の処理を支援するソフトウェア。
BI(ビジネス・インテリジェンス)
企業に蓄積された大量なデータを収集して分析し、その結果を可視化する仕組み。BIを導入することで専門家でないユーザーでも手軽に情報や分析結果を活用できるという特徴がある。
SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)
これまでパッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、インターネット経由でサービスとして提供・利用する形態のこと。
BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)
企業の全社的な業務の流れ(ビジネスプロセス)を把握・分析し、情報システムを用いて継続的に管理・改善・最適化していくこと。
BCP(ビジネス・コンティニュイティ・プラン)
災害や不祥事などの緊急事態が発生した際、特定の重要な事業(業務)を中断しないこと、または万一活動が中断した場合でも事業の中断によるロスを最小化するために策定される計画。
データアナリティクス
ある目的に基づいて、さまざまな分析手法やソフトウェアベースのアルゴリズムを駆使しながら、特定のパターンや相関関係などの知見を抽出しビジネス課題を解決するためのアプローチのこと。
RPA(Robotic Process Automation)
AIや機械学習といった高性能な認知技術を用いることによって実現する、業務の自動化や効率化に向けた取り組みやソフトウェアロボットを指す言葉。
ブロックチェーン
インターネットなどオープンなネットワーク上で、高い信頼性が求められる金融取引や重要データのやりとりなどを可能にする「分散型台帳技術」。
エコシステム
経営・IT分野の新語。複数の企業が商品開発や事業活動などでパートナーシップを組み、互いの技術や資本を生かしながら、開発業者・代理店・販売店・宣伝媒体、業界の枠や国境を超えて広く共存共栄していく仕組み。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下、資金)は前期末と比較して1億89百万円増加(前期比86.2%減)し、93億36百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は10億28百万円(前期比47.4%減)となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上14億27百万円(同7.4%減)及び減価償却費1億16百万円(同18.4%増)であり、主な資金減少要因は法人税等の支払額5億35百万円(同971.9%増)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は4億48百万円(前期比197.1%増)となりました。主な資金減少要因は、無形固定資産の取得による支出1億19百万円(同60.5%増)、投資有価証券の取得による支出1億34百万円(同438.4%増)及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1億62百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は3億92百万円(前期比8.2%減)となりました。支出の主な内容は、配当金の支払額3億86百万円(同8.0%減)であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前年同期比(%) |
| クラウド(千円) | - | - |
| プロダクト(千円) | - | - |
| ソリューション(千円) | 1,761,625 | 101.0 |
| メインフレーム(千円) | 59,603 | 104.0 |
| システムインテグレーション(千円) | - | - |
| 合計(千円) | 1,821,229 | 101.1 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前年同期比(%) |
| クラウド(千円) | 97,605 | 117.4 |
| プロダクト(千円) | 498,796 | 129.1 |
| ソリューション(千円) | - | - |
| メインフレーム(千円) | 4,301 | 122.4 |
| システムインテグレーション(千円) | - | - |
| 合計(千円) | 600,702 | 127.0 |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.仕入高は主にロイヤリティであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| クラウド | - | - | - | - |
| プロダクト | - | - | - | - |
| ソリューション | 1,757,718 | 101.0 | 142,228 | 106.5 |
| メインフレーム | 77,277 | 157.7 | 17,673 | - |
| システムインテグレーション | - | - | 190,646 | - |
| 合計 | 1,834,995 | 102.5 | 350,548 | 262.6 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「システムインテグレーション」については、2018年3月31日をみなし取得日とした企業結合(株式会社無限の全株式取得)により新たに加わったセグメントであるため、受注残高のみ記載しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前年同期比(%) |
| クラウド(千円) | 513,747 | 122.1 |
| プロダクト(千円) | 2,562,353 | 102.8 |
| ソリューション(千円) | 1,748,990 | 98.9 |
| メインフレーム(千円) | 2,231,794 | 98.7 |
| システムインテグレーション(千円) | - | - |
| 合計(千円) | 7,056,886 | 101.7 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
当社グループは、税効果会計、固定資産の減損会計、引当金の計上などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額および収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.損益の状況
当連結会計年度(以下、「当期」)の損益の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.財政状態の分析
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当期末における総資産は、前期末と比較して18億93百万円増加し155億17百万円となりました。これは主に、現金及び預金が4億63百万円、売掛金が2億34百万円、のれんが5億35百万円、投資有価証券が3億31百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債合計は、前期末と比較して11億61百万円増加し40億85百万円となりました。これは主に、買掛金が2億54百万円、短期借入金が3億50百万円及びその他の流動負債が3億71百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前期末と比較して7億31百万円増加し114億32百万円となりました。これは主に、利益剰余金が5億78百万円、その他有価証券評価差額金が1億52百万円増加したことによるものであります。利益剰余金については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により9億65百万円増加し、配当金の支払いにより3億86百万円減少しております。
この結果、当期末の自己資本比率は73.7%(前期末は78.5%)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性について
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.契約債務
2018年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。なお、連結貸借対照表の1年内償還予定の社債は、社債に含めております。
| 年度別要支払額(千円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 350,000 | 350,000 | - | - | - |
| 社債 | 90,000 | 20,000 | 40,000 | 30,000 | - |
当社グループの第三者に対する保証は、ユニリタ共済会の金融機関からの借入金に対する債務保証であり、2018年3月31日現在の債務残高は、138,649千円であります。
c.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金につきましては、自己資金または借入金・社債により資金調達することとしております。このうち、借入金・社債による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資等の長期資金は社債で調達しております。
また、金融機関との間で1,000,000千円のコミットメントライン契約を締結しておりますが、当連結会計年度末において当契約に係る借入れは実行されておりません(借入未実行残高1,000,000千円)。