有価証券報告書-第39期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/18 13:40
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日まで。以下、当期)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のまん延、そして、二度に渡り発出された緊急事態宣言により、経済活動の停滞や社会生活の混乱などが生じた結果、大きなマイナス影響を受けました。
産業界では、対面サービスが基本となる、外食産業や観光産業などが大打撃を受ける一方、外出禁止・自粛により非対面でモノやサービスの提供を行わざるを得なくなったことで、ネットショップなどの電子商取引、そして、その際に活用される情報関連企業が提供するサービス需要が伸長しました。また、コロナ禍は、企業において、これまでの働き方を大きく変容させるトリガーとなり、働き方の変容実現のために、ICT(情報通信技術)の役割がクローズアップされるとともに、この潮流はますます勢いを増しています。
当社は、このように大きな変容を伴う環境下において重要なことは、お客様が求める真の価値とは何かをしっかり見据えることだと考えます。そして、企業のミッションとして「Create Your Business Value~真のデジタル変革パートナーを目指し、新しいお客様と共に~」を掲げ、事業を推進してまいりました。加えて、未曾有の環境であるからこそ、当社のステークホルダー(お客様、パートナー、従業員、採用予定者等)との信頼関係を損ねないことが大切であると考えて、それを基本方針としています。
当社では、2019年度より働き方変革プロジェクトを立ち上げ、BYOD、テレワーク、裁量労働時間制、サテライトオフィス、有給取得の推進などの取り組みを進めてきました。このような取り組みを活かし、今回の変化対応にあたっては、お客様接点のデジタル化、社内業務処理の電子化、テレワーク主体の勤務環境整備、在宅勤務手当の支給などに関する追加投資を行い機動的に対応することができました。
当期は、「2018年度から2020年度の中期経営計画(当中計)」の最終年度でした。当中計では、「事業・製品のサービス化シフトによる事業構造の変革」に向け、事業に取り組んでまいりました。以下は、当中計期間における事業構造変革に関係する成果の概要です。
「お客様のビジネスを支援するクラウドサービス開発と同事業の黒字化」
・自社開発クラウドサービス「LMIS(エルミス)」及び「Digital Workforce(デジタルワークフォース)」は、DX推進にあたり強化が必要となるサービスデスク業務やテレワークの生産性・セキュリティ向上のニーズを取り込み、クラウド事業の主力サービスとして成長し、単年度損益の黒字化を実現しました。なお、2020年末に「LMIS」は、総務省が後援する一般社団法人 ASP・SaaS・AI/IoTクラウド産業協会主催のクラウドアワード2020において、「ベスト社会貢献賞」を受賞し、市場からの認知度も向上しました。また、クラウド事業の主力サービスである、人材派遣業界向け勤怠管理サービス「DigiSheet(デジシート)」、交通費精算管理サービス「らくらくBOSS」もすでに黒字化しており、計画通りクラウド事業全体として黒字化を達成しました。
「主要プロダクトのサービス化によるマーケット対応力の強化」
・多数の企業への導入実績がある当社のプロダクト群をクラウド上で稼働させて、ニーズの高い機能を汎用的なサービスとして提供開始しました。さらに、質の高い運用サービスを付加することで、情報システム部門から事業部門に至るお客様へのサービス提供拡大へとつなげました。本サービスのネーミングである「まるっと」には、構築、運用・保守までを含めて、ユニリタに「まるっとお任せください」という想いを込めています。
・本サービスのラインナップは、①「データ活用に関する業務をクラウドでアウトソーシングできるサービス」、②「帳票の出力業務をクラウド化し、帳票データのデジタル化によるWeb配信に加え、印刷から配送業務まで、一連の帳票出力業務に対応するサービス」、③「セキュアな環境下で情報の共有化と双方向コミュニケーションを実現し、働き方改革、リモートワークを支援するサービス」の領域別に揃えています。
「社会課題解決に向けた事業化の取り組み」
・当社グループは、デジタル技術を活かした社会課題解決の取り組みとして、地方の二次交通であるバス事業の抱える課題解決を通じて「地方創生」を、一次産業の中では、農業の抱える課題解決として「農業×IT」に取り組んでいます。
・子会社の㈱ユニ・トランドは、バス業界初となる、バスの運行データと乗降データの収集と解析に基づくコンパクトシティ実現とバス事業者の経営改善化提案のモデルケースづくりとなる実証実験を石川県小松市と日野自動車㈱との三者により実施しました。この実験は、バス車内に設置された専用車載器および乗降カメラセンサーを活用したデータ収集システムの運用ならびにそのデータをもとに当社のデータサイエンティストがデータを解析し、バス事業者の経営改善を支援するものです。
・スキーリゾート地において国内有数の利用者数を擁するスマホアプリ「yukiyama」を提供する㈱ユキヤマと資本業務提携を行いました。当社グループが掲げるITによる社会課題解決の一つである「地方創生」への取り組みとして、㈱ユキヤマのアプリ事業と当社のデータサイエンス事業の協業を通じ、スキーリゾート地のDX化支援のノウハウ蓄積を図っていく予定です。
・当社グループの持つ、データ活用とシステム運用の自動化技術をベースに、IT技術を使った農業の課題解決のために「スマート農業」への取り組みを開始しました。2018年度から3年間、経済産業省の推進する「福島イノベーション・コースト構想」(福島県浜通りにおいて、失われた産業基盤を再構築し、新たな町造りを進めるための構想)の一環であるプロジェクトに参画しました。当社は、連携企業とともに、AIによる果樹農業支援サービスや各種センサー開発などの実証実験を行いました。今後は、これらで培ったノウハウをもとに、「農業×IT」に取り組んでまいります。
当期における事業構造の変革に向けた主な事業トピックスは、以下のとおりです。
クラウド事業
当期の業績は、売上高11億60百万円(前年同期比29.0%増)、営業利益29百万円(前年同期は33百万円の営業損
失)となりました。
クラウドサービス利用ニーズが高まる中、当社の強みを活かした、サービスマネジメント、リモートワーク基盤構
築、バックオフィス業務効率化などの主力サービスが堅調に推移しました。また、カスタマーサクセスを支援するサ
ービスとして「Growwwing(グローウィング)」を開発し、提供を開始しました。
プロダクト事業
当期の業績は、売上高28億36百万円(前年同期比7.0%減)、営業利益1億61百万円(同47.1%減)となりまし
た。
帳票系大型案件の反動減およびコロナ禍で人の移動が制限されるなか地方交通事業者向けのIoTサービス事業の不
振による影響により減収減益となりましたが、ストック型収入である保守サービス売上は堅調に推移しました。
ソリューション事業
当期の業績は、売上高24億12百万円(前年同期比10.3%増)、営業損失5百万円(前年同期は76百万円の営業利
益)となりました。
大型案件の受注により売上は伸長したものの、利益面では、コロナ禍の影響を受けたプロジェクト日程の長期化に
加え、不採算案件の発生により減益となりました。なお、不採算案件については、現状、追加費用の発生見込みはあ
りません。
メインフレーム事業
当期の業績は、売上高21億13百万円(前年同期比4.9%減)、営業利益11億22百万円(同1.7%減)となりました。
前期にあった大型案件の反動減の影響を受けたものの、金融業などをはじめとする大手のお客様のシステム更新ニー
ズを確実に捉え、堅調に推移しました。
システムインテグレーション事業
当期の業績は、売上高15億38百万円(前年同期比13.5%減)、営業利益61百万円(同20.8%増)となりました。
受注面では、お客様のIT投資抑制の影響を受けたものの、利益面では、コアパートナーとの連携強化や選別受注に
より利益率が向上しました。
(注)
BYOD
Bring Your Own Deviceの略。「自分のデバイスを持ち込む」という意味。社員が個人で所有しているスマートフォ
ンやタブレット、ノートパソコンなどの端末を企業内に持ち込み、業務に活用する仕組み。
セキュア
安全な、安心な、頑丈な、堅牢な、などの意味を持つ英単語。ITの分野では、情報やシステム、通信路などが保護さ
れて安全な状態にあることを「セキュアな」と表現する。名詞形は「セキュリティ」(security)。
カスタマーサクセス
「顧客が自社の課題を解決し、成功することを導く」サービスを指す。企業側から見たとき、“カスタマーサポー
ト”がエンドユーザからの問い合わせに受動的に対応するサービスであるのに対し、“カスタマーサクセス”はエン
ドユーザのサービス利用状況に応じて能動的にアプローチする姿勢を指している。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下、資金)は前期末と比較して5百万円減少し、73億32百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は5億86百万円となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上12億96百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は95百万円となりました。主な資金増加要因は、投資有価証券の売却による収入5億85百万円であり、主な資金減少要因は、投資有価証券の取得による支出3億16百万円及び無形固定資産の取得による支出4億36百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は5億2百万円となりました。支出の主な内容は、配当金の支払額4億98百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
クラウド(千円)--
プロダクト(千円)--
ソリューション(千円)2,407,476114.4
メインフレーム(千円)42,52253.7
システムインテグレーション(千円)1,537,38986.2
合計(千円)3,987,388100.5

(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
クラウド(千円)196,889108.8
プロダクト(千円)522,88599.7
ソリューション(千円)--
メインフレーム(千円)1,38845.4
システムインテグレーション(千円)--
合計(千円)721,163101.8

(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.仕入高は主にロイヤリティであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
クラウド----
プロダクト----
ソリューション2,471,765112.1248,327131.2
メインフレーム40,29748.71,77344.4
システムインテグレーション1,525,77785.9237,75595.0
合計4,037,84099.4487,856110.0

(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
クラウド(千円)1,160,940129.0
プロダクト(千円)2,836,11493.0
ソリューション(千円)2,412,773110.3
メインフレーム(千円)2,113,20095.1
システムインテグレーション(千円)1,538,17686.5
合計(千円)10,061,20599.2

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④新型コロナウイルス感染症の影響
コロナ禍に起因するお客様の投資動向の変化により、当社の事業活動も影響を受けました。期初に発出された緊急事態宣言の環境下では、多くの企業が、在宅勤務、テレワークへの急激な勤務体制の移行を余儀なくされました。そして、各企業では、そのためのシステム整備に伴う、セキュリティ基盤の整備、テレワークによるコミュニケーションの円滑化などのニーズが発生しました。当社では、それらのニーズを具現化させるための支援を通じ、各種クラウドサービスの販売が伸長しました。また、お客様との関係構築にあたって営業活動のデジタル化や働き方改革のための基盤整備などについても、追加投資を行いつつ対応することができました。
一方、マイナス面としては、当社の主要なお客様である情報システム部門における通常予算の執行抑制の影響です。情報システム部門では、在宅勤務などへの整備対応が最優先事項となり、定常業務の遂行に急ブレーキがかかり、当初の計画実行を先送りせざるを得ない状況になりました。そのため、当社では、上期を中心にプロダクト販売の不振、ならびにそれに伴うソリューション事業での役務提供型サービスが減少しました。
これらの結果、当期の業績は、売上高100億61百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益7億57百万円(同29.4%減)、経常利益8億87百万円(同23.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8億40百万円(同5.9%減)、となりました。
なお、特別利益として、投資有価証券の売却益5億19百万円を計上しました。本件は、コーポレートガバナンス・コードに基づく政策保有株式の見直しと資産の効率化を図るためのものです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.損益の状況
当連結会計年度(以下、「当期」)の損益の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.財政状態の分析
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当期末における資産は、前期末と比較して1億33百万円増加し148億65百万円となりました。これは主に、ソフトウェアが2億12百万円及び現金及び預金が94百万円増加した一方で、投資その他の資産・その他が2億円減少したことによるものであります。
負債は、前期末と比較して1億4百万円減少し35億86百万円となりました。これは主に、未払法人税等が39百万円、前受収益が35百万円及び賞与引当金が32百万円増加した一方で、買掛金が97百万円、流動負債・その他が46百万円及び長期未払金が47百万円減少したことによるものであります。
純資産は、前期末と比較して2億38百万円増加し112億79百万円となりました。これは主に、利益剰余金が3億42百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が1億9百万円減少したことによるものであります。利益剰余金については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により8億40百万円増加し、配当金の支払いにより4億98百万円減少しております。
この結果、当期末の自己資本比率は75.9%(前期末は74.9%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.契約債務
2021年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(千円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超
リース債務4,8693,5441,114209-

当社グループの第三者に対する保証は、ユニリタ共済会の金融機関からの借入金に対する債務保証であり、2021年3月31日現在の債務残高は、89,968千円であります。
c.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金につきましては、自己資金により資金調達することとしております。
また、金融機関との間で10億円のコミットメントライン契約を締結しておりますが、当連結会計年度末において当契約に係る借入れは実行されておりません(借入未実行残高10億円)。
d.資本政策
当連結会計年度においては、資本効率向上、株式流動性向上、などの観点から、次のような資本施策を実施しました。
<資本効率向上策>相互持合いをしている一部の保有株式について見直し解消を進め、2020年5月と2020年11月に、上場企業有価証券それぞれ1銘柄の売却を行い、その売却益5億19百万円を特別利益に計上しました。
<株式流動性向上策>大株主からの一定数量の保有株式売却の意向を受け、立会外分売を行いました。
③重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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