有価証券報告書-第13期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)

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2020/08/21 15:30
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
①当期の経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、概ね上半期においては緩やかな雇用・所得環境の改善が続いたものの、輸出が弱含むなかで製造業を中心に慎重さが増し、消費税増税による個人消費の低下や米中貿易摩擦に伴う世界経済の減速が見られるなか、期末にかけて新型コロナウイルス感染症の発生・拡大、緊急事態宣言による活動自粛等の一連の影響により経済環境は急速に悪化いたしました。当社グループを取り巻く事業環境としては、前期に影響を受けた労働者派遣法改正への対応が一巡するものの、主に第4四半期連結会計期間において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を各事業で受けることとなりました。一方で、企業での働き方改革の推進や生産性向上への意識の高まりも後押しとなり、業務の一部を外部に委託するBPOサービス活用へのニーズが拡大を続けました。また現在、雇用・労働環境や社会のあり方自体が大きく変化するなか、企業や人々が直面する課題の解決に向けて当社グループが果たすべき役割はますます高まるものと認識しております。
こうした環境のなか、当社グループは「HRソリューションの事業領域拡大」、「多様化する働き方の推進」、「持続可能な地方創生の実現」という当期の重点戦略のもと、グループの事業拡大及び雇用機会の創出に努めてまいりました。働く人々の価値観やライフスタイルが多様化するなかで一人ひとりに合った働き方として、独立個人事業主や複業を支援する「パソナJOB HUB」、経験豊富な専門人材を企業の顧問や社外役員としてマッチングする「パソナ顧問ネットワーク」、定年退職したアクティブ・ミドル人材の活躍機会を広げる「エルダーシャイン制度」や「マスターズ派遣制度」の展開など、「人生100年時代」を見据えた就労機会の拡大に取り組みました。また地方創生にも注力し、地域観光の核となるアミューズメント施設や飲食、宿泊施設など特色ある施設の開設によって交流人口の拡大と地域雇用の創出に取り組みました。
以上の結果、当期は、企業の働き方改革の推進や生産性向上への意識の高まりも後押しとなり、業務の一部を外部に委託するBPOサービス(委託・請負)や福利厚生代行のアウトソーシングなどが売上を伸ばした一方、前期に法改正の影響を受けたエキスパートサービス(人材派遣)の回復の遅れや、第4四半期に新型コロナウイルス感染症が各事業に与えた影響もあり、売上高は324,984百万円(前期比0.6%減)と減収となりました。
しかしながら、売上総利益についてはBPOサービス及びアウトソーシングの増収効果に加え、エキスパートサービスの粗利率改善もあり76,689百万円(前期比2.6%増)と増加しました。販管費も、システム関連費用や東京オリンピック・パラリンピック関連費用、地方創生事業における新規施設の初期費用等により増加したものの、オペレーションの効率化によるコスト抑制が進んだ結果、営業利益は10,577百万円(前期比11.8%増)と増益となりました。
第1四半期に子会社株式の一部売却に伴う支払手数料を営業外費用に計上したことから経常利益は10,236百万円(前期比10.8%増)、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた地方創生事業について今後の事業計画の見直しを実施し、期末に一部の固定資産について減損損失を計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は594百万円(前期比69.9%減)となりました。
■連結業績
2019年5月期2020年5月期増減率
売上高326,984百万円324,984百万円△0.6%
営業利益9,465百万円10,577百万円+11.8%
経常利益9,237百万円10,236百万円+10.8%
親会社株主に帰属する当期純利益1,975百万円594百万円△69.9%


②事業別の状況(セグメント間取引消去前)
※当連結会計年度より、一部のセグメント名称及び一部子会社のセグメント区分を変更しております。また、「グローバルソーシング」の営業利益を個別開示しております。前期比については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
HRソリューション
エキスパートサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)他
売上高 267,043百万円 営業利益 9,139百万円
[エキスパートサービス] 売上高 151,450百万円
当期は景気の先行きに不透明感が出始めたことから、主にメーカー等での人材派遣の需要が減少し、第4四半期にかけては新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、新規の派遣需要及び新規派遣契約のスタート数が減少しました。政府の緊急事態宣言下では、派遣登録時の面談や企業への営業活動にオンラインを活用し、就業中の派遣スタッフにおいても企業に応じて在宅勤務を積極的に推奨するなど新型コロナウイルス感染症拡大の予防に努めました。また、2020年4月より施行された「同一労働同一賃金」の対応については、派遣スタッフの処遇向上のため企業との交渉を進め、概ねご理解をいただきました。
これらの結果、当期の売上高は151,450百万円(前期比4.5%減)と減収となりました。
[BPOサービス](旧インソーシング) 売上高 99,781百万円
業務の効率化や外部人材を活用したアウトソーシングニーズの拡大により、BPOサービスは堅調に成長を続けました。コンタクトセンターを運営するビーウィズ株式会社は、新規案件を新たに獲得したほか、オペレーターの応対品質の向上を目指して大学と連携するなど、サービスレベルの向上に取り組みました。また多様な働き方が広がる中で、株式会社パソナJOB HUBではフリーランスや複業希望者のプラットフォームとしての利用が拡大しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言を受けて、コンタクトセンター等の一部のBPOサービスでは一時的に稼働率が低下するなどの影響を受けましたが、引き続き社員の安全に配慮しながらサービスの継続的な提供に努めました。
これらの結果、当期の売上高は99,781百万円(前期比2.7%増)と増収となりました。
[HRコンサルティング、教育・研修、その他] 売上高 8,015百万円
教育・研修事業を展開するキャプラン株式会社で前期寄与した大型案件が終了したことに加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大後は、対面・集合型研修やワイン教室などが開講できず減収となりました。現在は研修のオンライン化を急速に進めており、ウェビナーの開催などを行っています。また当期は、エキスパートサービスで前期に増加した派遣スタッフの派遣先企業への直接雇用化に伴う紹介手数料が減少したことから、売上高は8,015百万円(前期比11.8%減)と減収となりました。
[グローバルソーシング(海外人材サービス)] 売上高 7,796百万円 営業利益 197百万円
海外ではインドネシアの PT. Dutagriya Sarana (デュータグリヤサラナ)やタイで、それぞれ人材派遣と人材紹介が好調に推移し増収となりました。一方、前期好調だった北米やベトナムでは大型案件の終了があったほか、中国と香港では政治・経済情勢の影響を受け、台湾では労働関係法の改正影響を受けて減収となりました。加えて、当期は体制強化のための採用・研修等による販管費の増加や為替のマイナス影響もあったため、売上高は7,796百万円(前期比2.1%減)、営業利益は197百万円(前期比70.1%減)と減収減益となりました。
以上の事業から構成されるセグメントの売上高は267,043百万円(前期比2.1%減)と減収ながらも、粗利率の改善と販管費抑制等により、営業利益は9,139百万円(前期比24.3%増)と増益となりました。
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援) 売上高 15,371百万円 営業利益 3,549百万円
人材紹介事業は一部業種での採用控えや採用基準の高まりはありますが、経験豊富な専門人材に対する需要は強く、なかでも株式会社パソナ顧問ネットワークが大幅に伸長したほか、エグゼクティブ人材に特化した転職支援サービスの株式会社パソナフォーチュンでも紹介実績が伸びました。また現在、コンサルタント育成強化に取り組む株式会社パソナでは転職エージェントとして2年連続で顧客満足度総合第1位※という外部評価をいただき、引き続き質のよいサービス提供と生産性向上に注力してまいります。
一方、再就職支援事業においては、雇用調整を実施する企業が前年より増加し下期は好調に推移したものの、前期の大型案件の終了の影響もあり売上は前年並みとなりました。新型コロナウイルス感染症の広がりなど不安定な経済環境のもと、足元では案件は増加傾向にあるため、拡大するニーズに対応する支援体制の強化を図っています。
これらの結果、当セグメントの売上高は15,371百万円(前期比1.5%増)、営業利益は上期のマイナスをカバーできず3,549百万円(前期比0.4%減)となりました。
※2020年、転職エージェントのオリコン顧客満足度ランキングにて、株式会社パソナのパソナキャリアが2年連続で総合第1位。
アウトソーシング 売上高 37,271百万円 営業利益 8,375百万円
当社子会社で福利厚生アウトソーシングサービスを手がける株式会社ベネフィット・ワンでは、働き方改革や同一労働同一賃金などの動きをうけた従業員のエンゲージメント向上や生産性向上、健康サポートへの社会的関心の高まりが追い風となりました。福利厚生事業において新規獲得企業の入会時期が翌期にずれ込むなどで計画に対し未達ながらも、引き合いは堅調で取引が拡大したほか、ヘルスケア事業・インセンティブ事業も業績を牽引しました。一方、個人会員向けに割引サービスを提供するパーソナル事業では新規会員獲得の遅れにより減収となりました。これらの結果、売上高は37,271百万円(前期比8.2%増)、営業利益は8,375百万円(前期比9.6%増)と増収増益となりました。
ライフソリューション 売上高 6,250百万円 営業利益 224百万円
介護分野ではデイサービスや訪問介護の運営は前年並みでしたが、家事代行やハウスクリーニング、仕事と介護の両立支援サービスといった関連サービスが拡大しました。また保育分野でも企業内保育や学童等の子育て支援施設を前期末に8施設増設したことから増収となりました。新型コロナウイルス感染症の影響は、セミナー及びイベント託児が減少した一方で、仕事と介護の両立について学ぶeラーニングサービスを開始したほか、学童保育施設の預かり時間の延長ニーズが広がりました。これらの結果、売上高は6,250百万円(前期比10.4%増)、営業利益は224百万円(前期比33.6%増)と増収増益となりました。
地方創生ソリューション(旧パブリックソリューション) 売上高 2,990百万円 営業損失 1,876百万円
当期は、昨年4月に兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニジゲンノモリ」にてアトラクション「NARUTO&BORUTO 忍里」や、8月にハローキティの新施設「HELLO KITTY SHOW BOX」をオープンするなど、魅力的な観光スポットを開設しました。また丹後地域では、京の台所である京都錦市場商店街に丹後地域のアンテナショップ「丹後TABLE」を開設するなど地域商社として京野菜や果物の販促支援の活動を拡大し、全国各地において地方活性化と雇用創出に取り組みました。しかしながら、飲食・宿泊・アミューズメント施設の運営事業は第4四半期より新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けることとなり、売上高は2,990百万円(前期比16.7%増)と伸長ながらも計画に届かず、広告宣伝費など新施設の初期費用の増加もあり、営業損失1,876百万円(前期は営業損失1,254百万円)となりました。また感染症の影響なども踏まえ今後の事業計画について見直した結果、期末に一部の固定資産について減損損失を計上いたしました。
消去又は全社 売上高 △3,942百万円 営業利益 △8,834百万円
グループ間取引消去とグループシナジーの最大化のためのコストや新規事業のインキュベーションコスト、持株会社としての管理コストが含まれています。当期は東京オリンピック・パラリンピック関連費用のほか、新規事業の開発やシニアを中心とする新たな雇用創出への取組み、本部機能集約化に伴い当セグメントに計上される人件費等が増加しました。
■セグメント別業績
売上高2019年5月期2020年5月期増減率
HRソリューション322,405百万円319,686百万円△0.8%
エキスパートサービス(人材派遣)
BPOサービス(委託・請負)他
272,801百万円267,043百万円△2.1%
エキスパートサービス(人材派遣)158,597百万円151,450百万円△4.5%
BPOサービス(委託・請負)97,152百万円99,781百万円+2.7%
HRコンサルティング、教育・研修、その他9,086百万円8,015百万円△11.8%
グローバルソーシング(海外人材サービス)7,965百万円7,796百万円△2.1%
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)15,142百万円15,371百万円+1.5%
アウトソーシング34,461百万円37,271百万円+8.2%
ライフソリューション5,660百万円6,250百万円+10.4%
地方創生ソリューション2,561百万円2,990百万円+16.7%
消去又は全社△3,642百万円△3,942百万円
合計326,984百万円324,984百万円△0.6%

営業損益2019年5月期2020年5月期増減率
HRソリューション18,557百万円21,063百万円+13.5%
エキスパートサービス(人材派遣)
BPOサービス(委託・請負)他
7,353百万円9,139百万円+24.3%
エキスパートサービス(人材派遣)6,690百万円8,941百万円+33.6%
BPOサービス(委託・請負)
HRコンサルティング、教育・研修、その他
グローバルソーシング(海外人材サービス)662百万円197百万円△70.1%
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)3,562百万円3,549百万円△0.4%
アウトソーシング7,641百万円8,375百万円+9.6%
ライフソリューション168百万円224百万円+33.6%
地方創生ソリューション△1,254百万円△1,876百万円
消去又は全社△8,006百万円△8,834百万円
合計9,465百万円10,577百万円+11.8%

※当連結会計年度より、「インソーシング(委託・請負)」を「BPOサービス(委託・請負)」に、「パブリックソリューション」を「地方創生ソリューション」にセグメント名称を変更、あわせて一部子会社のセグメント区分を変更しております。また、「グローバルソーシング」の営業利益を個別開示しております。
前連結会計年度の数値は、変更後のセグメント区分に組み替えた数値を記載しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、福利厚生アウトソーシングなどの人材関連事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
②受注実績
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
セグメントの名称2020年5月期
売上高(百万円)構成比(%)前期比(%)
HRソリューション316,30797.399.0
エキスパートサービス(人材派遣)、
BPOサービス(委託・請負)他
264,39681.397.8
エキスパートサービス(人材派遣)150,86646.495.4
BPOサービス(委託・請負)98,85130.4102.6
HRコンサルティング、教育・研修、その他7,1172.288.5
グローバルソーシング(海外人材サービス)7,5612.396.8
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)15,3074.7101.6
アウトソーシング36,60311.3107.3
ライフソリューション6,0601.9110.1
地方創生ソリューション2,6160.8127.0
合計324,984100.099.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
上記に記載した当連結会計年度における売上高を地域別に示すと、次のとおりとなります。
区分2020年5月期
売上高(百万円)構成比(%)前期比(%)
北海道・東北12,6543.9101.5
関東(東京以外)34,31810.6104.7
東京150,67446.496.4
東海・北信越22,5726.995.0
関西64,35319.8102.8
中国・四国・九州32,3149.9104.4
海外8,0972.599.8
合計324,984100.099.4


(3)財政状態
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度は、長期運転資金の確保や新型コロナウイルス感染拡大時における緊急時の資金需要に備えるため資金調達を行い、手元流動性を確保した結果、前連結会計年度末に比べて現金及び預金は16,816百万円増加いたしました。また、第4四半期連結会計期間において、委託案件が増加したことから、受取手形及び売掛金が前連結会計年度末と比べて3,331百万円増加しております。結果、当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比べて20,981百万円増加(17.6%増)の140,441百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、消費税増税の影響等により未払消費税等が前連結会計年度末に比べて2,606百万円増加したことに加え、前述の資金調達で社債が2,194百万円増加、長期借入金が10,352百万円増加しており、前連結会計年度末に比べて18,918百万円増加(23.9%増)し、98,124百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、資本剰余金が子会社株式の一部売却により5,827百万円増加した一方で、子会社による当該子会社自己株式の取得により2,372百万円減少しており、前連結会計年度末に比べて2,063百万円増加(5.1%増)し、42,316百万円となりました。
また、資金調達を進めたことから、自己資本比率については、前連結会計年度末と比べて1.0ポイント減少し、22.7%となりました。
(4)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比して16,354百万円増加し、48,147百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、11,424百万円(前連結会計年度9,186百万円の増加)となり、前連結会計年度より2,238百万円の増加となりました。
資金増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,583百万円(同8,894百万円)、減価償却費4,013百万円(同4,303百万円)、減損損失2,202百万円(同214百万円)、消費税増税に伴う仮受消費税の増加による未払消費税等の増加2,803百万円(同162百万円の減少)等によるものであります。
資金減少の主な内訳は、期末にかけて委託案件が拡大したこと等による売上債権の増加3,536百万円(同737百万円の減少)、法人税等の支払額5,406百万円(同4,175百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、6,964百万円(前連結会計年度6,519百万円の減少)となり、前連結会計年度より445百万円の増加となりました。
資金減少の主な内訳は、地方創生事業における商業施設の開設等に伴う有形固定資産の取得による支出4,810百万円(同3,628百万円)、システム投資に伴う無形固定資産の取得による支出1,894百万円(同1,577百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、12,102百万円(前連結会計年度3,962百万円の増加)となり、前連結会計年度より8,139百万円の増加となりました。
資金増加の主な内訳は、長期運転資金の確保及び新型コロナウイルス感染拡大時における緊急時の資金需要に備えた手元流動性の確保を目的とした、長期借入れによる収入19,035百万円(同5,328百万円)及び社債の発行による収入2,309百万円(前連結会計年度は発生なし)、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入8,658百万円(同4,899百万円)等によるものであります。
資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済による支出6,429百万円(前連結会計年度6,541百万円)、子会社の自己株式の取得及び処分による支出4,908百万円(同325百万円)等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
項目2016年
5月期
2017年
5月期
2018年
5月期
2019年
5月期
2020年
5月期
自己資本比率22.2%20.1%21.0%23.7%22.7%
時価ベースの自己資本比率32.2%35.8%58.9%54.8%35.7%
キャッシュ・フロー対有利子負債比率32.3年2.9年2.5年2.7年3.2年
インタレスト・カバレッジ・レシオ3.043.051.141.957.9

(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
6 2016年5月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率は、他年度と比較して大きく変動しております。これは営業キャッシュ・フロー項目の未払消費税等の増減額が減少したことが主な要因となっております。2015年5月期末日において消費税率上昇により未払消費税残高が大きく増加しておりましたが、2016年5月期においてこれを納付したことにより、営業キャッシュ・フローは大きく減少しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
①財務戦略の考え方
当社グループは、財務体質の強化と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値の向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。当社グループの重点戦略として掲げている地方創生事業に対する設備投資や、HRソリューション領域におけるデジタル化推進のためのIT関連投資、拠点関連投資など、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
②資金調達の基本方針
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的、かつ機動的に確保するため、内部資金及び外部資金の有効活用に努めております。月中の短期運転資金需要に対しては、金融機関との間に設定しているコミットメントラインや当座借越枠を機動的に活用しています。長期借入については、約定返済額や投資計画等を勘案しながら、年度の資金調達計画を策定し、取引金融機関からの調達を実施しています。資金調達にあたっては、財務体質や資本コストにも留意しながら、その可否を判断しています。自己資本比率やEBITDA有利子負債倍率等を見据えつつ、銀行借入、社債をはじめとした負債を有効に活用することで、資本コストの低減及び資本効率の向上に努めております。
③資金配分についての考え方
当社グループ全体として得られた資金は、成長投資、株主還元、手元資金に振り分けています。成長投資については、経営戦略を踏まえたグループとしての投資意義や、投資資金の回収可能性や期待されるリターン等を吟味し、投資の可否を判断しています。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、連結配当性向30%を目途とするとともに、継続的かつ安定的な配当の維持にも努めてまいります。手元資金については、金融機関との間に設定しているコミットメントライン等を活用し、適切な水準に抑えることで、グループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは次のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響の仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりです。
①固定資産及びのれんの減損
当社グループは、固定資産及びのれんのうち減損の兆候がある資産または資産グループにつき、将来の収益性が著しく低下した場合には、固定資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。固定資産及びのれんにおける回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
②繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、慎重かつ実現性の高い継続的な事業計画に基づいて、将来の課税所得を合理的に見積り、実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、将来の税金費用に影響を及ぼす可能性があります。

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