有価証券報告書-第18期(2024/06/01-2025/05/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
①当期の経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しが継続し、企業収益及び雇用情勢も改善が続いたことから景気は緩やかに回復しました。一方で、下期にかけては物価上昇や米国の関税政策の動向により、景気の先行きに不透明感がみられるようになりました。
当社事業を取り巻く環境は、景気回復を背景に人材需要が堅調に推移したほか、企業の構造改革やAI等のデジタルテクノロジーを活用したDX(デジタル・トランスフォーメーション)が加速したことから、BPOサービスの需要は底堅く推移しました。またインバウンドを含む観光客数が増加したことで観光需要も回復が続きました。
こうした中、当社グループにおいては、前期に連結子会社の株式を売却したことにより、当連結会計年度の期首よりアウトソーシングセグメントを廃止したことに加えて、BPOソリューションにおいて大型受託案件がピークアウトしたことから、連結売上高は前期から減収となりました。一方、BPOソリューションではデジタルテクノロジーを活用したX-TECH BPOを推進するなど、粗利率の改善に取り組みました。アウトソーシングセグメントを除いたベースでは、売上総利益は粗利率の改善により増加しましたが、アウトソーシングセグメントのマイナスを埋めるには至らず、連結全体では売上総利益が減益となり、販管費も減少したものの、連結営業利益は赤字となりました。
これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は309,240百万円(前期比13.3%減)となり、売上総利益は67,958百万円(前期比19.9%減)となりました。営業損失は1,237百万円(前期は営業利益6,794百万円)、経常損失は460百万円(前期は経常利益7,152百万円)となりました。
また当社は、2025年大阪・関西万博にパビリオン「PASONA NATUREVERSE」を出展し、身体・心・社会的な健康を実現するWell-beingな社会、そして誰もが心豊かにイキイキと活躍する真に豊かな社会のあり方を世界に向けて発信しております。当社パビリオンは開幕以来、人気のパビリオンとしてこれまで100万人を超えるご来場者にお越しいただいており、多くのマスメディアにも連日取り上げられるなど、ブランド価値の向上に大きく寄与しております。
閉会後は、当社パビリオンを兵庫県淡路島に移設することを予定しており、閉会後の移設及び使用が見込まれないもの等、臨時的に発生した費用について、中間期に万博出展関連費用として2,571百万円を特別損失に計上いたしました。また当下期においては、中間期以降に発生した施設関連、運営関連等の費用を精査し、臨時的な費用を特別損失に計上することとなり、当連結会計年度においては合計で4,821百万円の万博出展関連費用を特別損失として計上いたしました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は8,658百万円(前期は連結子会社の株式を売却したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は95,891百万円)となりました。
■連結業績
※前期末の業績からアウトソーシングセグメントを除いた場合
②事業別の状況(セグメント間取引消去前)
※当社グループの報告セグメントの区分は、前連結会計年度において「エキスパートサービス」「BPOサービス」「HRコンサルティング、教育・研修、その他」「グローバルソーシング」「キャリアソリューション」「アウトソーシング」「ライフソリューション」「地方創生ソリューション」としておりましたが、当連結会計年度の期首より「BPOソリューション」「エキスパートソリューション」「キャリアソリューション」「グローバルソリューション」「ライフソリューション」「地方創生・観光ソリューション」に変更しております。また、前連結会計年度の数値は、変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。
HRソリューション 売上高 286,552百万円 営業利益 14,808百万円
[BPOソリューション(委託・請負)] 売上高 137,236百万円
当該事業では、顧客から煩雑な事務作業を集約し効率化する総務・庶務や、繁閑に応じた経費精算等に対応する経理・財務をはじめ、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算、教育・研修などの業務を当社が受託しBPOサービスを提供しています。加えて、フリーランスや上場企業の元役員などのプロフェッショナル人材によるコンサルティングや経営支援を行う顧問コンサルティング事業など、企業の経営課題に対する多様なBPOソリューション事業を展開しています。
BPOソリューションは、企業の構造改革やAI等のデジタルテクノロジーを活用したDX推進に係るBPO需要が底堅く推移しており、X-TECH BPOの領域でクラウド導入やローコード・ノーコード導入などのDX支援の受託が増加したほか、人材不足による採用支援や人事労務業務、給与計算等も拡大しました。また、AIエージェントを組み合わせたBPOサービス「AIO(AI BPOの略称)」や、次世代経営者育成を支援する「プロシェアメンター」など付加価値の高い新たなBPOサービスの提供も拡大しました。
しかしながら、大型受託案件のピークアウト影響に加え、一部子会社で特定の企業との取引が縮小した影響を埋めるには至らず、売上高は137,236百万円(前期比7.0%減)となりました。
[エキスパートソリューション(人材派遣)] 売上高 134,807百万円
当該事業では、オフィスワークを中心に事務職から高度な専門スキルを備えた人材やエンジニア、営業・販売職、また若年層からシニアまで幅広い世代、職種の人材派遣事業を展開しています。
景気回復と雇用情勢の改善により企業の人材不足の状況が続いたことから、人材派遣の受注は商社やメーカー、サービス業など幅広い業種で増加しました。当社グループにおいては、コロナ禍で対応した派遣業務が終了したことに加え、一部企業で派遣契約が縮小された影響により、前期比で派遣稼働者数の減少が続きましたが、2025年4月以降は派遣稼働者数が前年を上回っており、回復基調にあります。また当期は、派遣スタッフの処遇向上とともに派遣料金の単価も上昇しました。
しかしながら、当連結会計年度は前期比で営業日数が少ない影響もあり、売上高は134,807百万円(前期比1.7%減)となりました。
以上のBPOソリューション、エキスパートソリューションの売上高は272,044百万円(前期比4.4%減)となり、BPOの粗利率は前期から改善しているものの、売上高の減収に伴い売上総利益が減益となり、社員の賃金上昇等により人件費等の販管費が増加したことから、営業利益は9,759百万円(前期比15.7%減)となりました。
[キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)] 売上高 14,507百万円 営業利益 5,048百万円
当該事業は、企業の中途採用活動を支援し、転職希望者とのマッチングを行う人材紹介事業と、企業の人事戦略に 基づいて転身を支援する再就職支援事業を提供しています。
人材紹介事業では、戦略的に注力するハイキャリア領域で安定した需要が継続し、紹介手数料の平均単価が上昇しました。また、人員の増員や業務の生産性向上、新規メンバーの戦力化も進みました。一方で、関税政策の動向により先行きに不透明さが増したことで、採用を一時的に停止する企業や、中途採用の開始時期を遅らせる企業も一部で見受けられました。当社では、これまで培ったノウハウと企業とのつながりを生かした女性管理職の紹介や、アルムナイ採用などの新たなサービスの立ち上げを進めております。
再就職支援事業では、2024年から市場規模が大きく拡大し、2025年も引き続き好調に推移しています。こうした環境の中、当社への依頼は増加しており、前期を上回る売上高となりました。また、人的資本経営の高まりを受けて、従業員の自律的なキャリア形成を支援する「セーフプレースメント・トータルサービス」の需要も堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は14,507百万円(前期比11.1%増)、営業利益は5,048百万円(前期比24.9%増)と増収増益となりました。
以上の事業から構成されるセグメントの売上高は286,552百万円(前期比3.7%減)となりました。利益面では、キャリアソリューションセグメントは増益であったものの、BPOソリューション、エキスパートソリューションの減収による減益を埋めるには至らず、HRソリューションセグメント全体の営業利益は14,808百万円(前期比5.2%減)となりました。
グローバルソリューション(海外人材サービス) 売上高 11,407百万円 営業利益 401百万円
当該事業では、海外において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修などのフルラインの人材関連サービスを提供しています。
北米地域では、事業ポートフォリオの見直しを進め、経理処理・給与計算などを行うBPOサービスや、注力してきた人事制度設計等のHRコンサルティングサービスが拡大したほか、人材紹介も伸長しました。アジア地域では、特に台湾で半導体等の製造業が堅調に推移し人材紹介が拡大したほか、HRコンサルティング分野も伸長しました。インドでは人材派遣及び人材紹介が、シンガポールでも人材紹介が増収となりました。一方で、価格競争の激しいインドネシアでは人材派遣が減収となりました。
これらの結果、利益率の高い人材紹介とHRコンサルティングの事業比率が高まったことにより、売上高は11,407百万円(前期比3.5%増)、営業利益は401百万円(前期比48.3%増)となりました。
ライフソリューション(子育て支援、介護等) 売上高 8,623百万円 営業利益 △26百万円
当該事業では、認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育施設の運営、児童教育などの子育て支援事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業、家事代行などのライフサポート事業を行っています。
子育て支援事業では、大都市圏を中心に市場は堅調に推移しており、前期と比べて小規模な学童クラブの運営施設数は減少しましたが、受入れ可能人数の多い施設の開設や公定価格に基づく補助金収入の増加などにより増収となりました。一方、費用面では、増員及び保育士の処遇向上による人件費の増加に加え、システム投資や品質管理強化のための費用及び保育事業に係る一時的な費用が増加しました。
ライフサポート事業では、一部のデイサービス介護施設を閉鎖したため介護事業は減収となりましたが、都市部の自治体を中心に各種の子育て支援サービスが拡充されており、家事代行サービスや介護事業者向け・家族介護者向けの介護研修など、自治体からの受託事業の獲得が好調に推移しました。
これらの結果、売上高は8,623百万円(前期比10.7%増)、営業利益は△26百万円(前期は128百万円)となりました。
地方創生・観光ソリューション 売上高 7,083百万円 営業利益 △1,900百万円
当該事業では、地域住民や地域企業、地方自治体と協力、連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生・観光事業に取り組んでいます。
ニジゲンノモリ アニメ淡路島公園(2025年5月20日より、兵庫県立淡路島公園のネーミングスポンサーを獲得)では、当期は猛暑や台風等の悪天候の影響があったものの、インバウンド客が年間6万人に到達しました。「NARUTO&BORUTO 忍里」や「ゴジラ迎撃作戦~国立ゴジラ淡路島研究センター~」のアトラクション中心に欧米からの来場が増加した結果、年間売上で過去最高を更新しました。レストラン等の飲食施設では、世界中で人気の高いハローキティの世界観が楽しめる「ハローキティスマイル」や「ハローキティ ショーボックス」で女性客やインバウンドを中心に来場者が増加しました。費用面では減価償却費の減少などもありましたが、一部施設でリニューアルのための休業期間が生じたほか、原材料の高騰による原価率のアップに加え、人件費も増加しました。
これらの結果、売上高は7,083百万円(前期比7.2%増)となり、営業利益は△1,900百万円(前期は△2,671百万円)と、前期よりも赤字幅は縮小しました。
消去又は全社 売上高 △4,425百万円 営業利益 △14,519百万円
グループ間取引消去とグループシナジーの最大化のためのコストや新規事業のインキュベーションコスト、持株会社としての管理コストが含まれています。
当期は、処遇向上による人件費の上昇や新規事業の立ち上げに伴う人材採用等の先行投資のほか、グループ全体のDXを推進するIT関連費用が増加しました。
これらの結果、グループ間取引消去の売上高は△4,425百万円(前期は△5,372百万円)、営業利益は△14,519百万円(前期は△14,174百万円)となりました。
■セグメント別業績
※前連結会計年度末に連結子会社であった株式会社ベネフィット・ワンの株式を売却したことから、当連結会計年度の期首よりアウトソーシングセグメントを廃止しておりますので、参考情報としてアウトソーシングを除く合計を記載しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループは、BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション(海外人材サービス)、ライフソリューション(子育て支援、介護等)、地方創生・観光ソリューションなどの事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
②受注実績
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
上記に記載した当連結会計年度における売上高を地域別に示すと、次のとおりとなります。
(3)財政状態
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産及び負債には、当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」が35,319百万円(前連結会計年度末54,975百万円)計上されております。
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて36,052百万円減少(12.0%減)し、265,038百万円となりました。資金運用により有価証券が14,500百万円増加、地方創生事業等の有形固定資産が11,677百万円増加、Well-being領域等においてシナジーが見込まれるベンチャー企業への投資や資金運用等により投資その他資産が4,370百万円増加した一方で、上記の「預り金」の減少や、固定資産の取得及び借入金の返済などにより現金及び預金が67,510百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて22,508百万円減少(15.4%減)し、123,904百万円となりました。上記の受託案件等による預り金が17,632百万円減少、借入金の返済により長期借入金が5,756百万円減少したことなどによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて13,543百万円減少(8.8%減)し、141,134百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失が8,658百万円、配当金の支払いが3,018百万円あったことにより利益剰余金が11,677百万円減少したことなどによるものであります。また、自己株式については、2025年1月より買付けを進めている一方で、2025年4月30日付で150万株を消却したため、大きな変動はありません。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、50.9%(前連結会計年度末49.3%)となりました。なお、受託案件に係る「預り金」に伴う「現金及び預金」を控除した総資産は、229,719百万円(同246,115百万円)であり、自己資本比率は58.7%(同60.3%)となります。
(4)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて、58,382百万円減少し、78,664百万円となりました。なお、「資金」には、受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」に見合う「現金及び預金」は含まれておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は4,327百万円(前連結会計年度7,397百万円の増加)となりました。
資金増加の主な内訳は、減価償却費2,756百万円(同5,569百万円)、売上債権及び契約資産の減少2,244百万円(同4,177百万円)、期末日が休日による預り金の増加2,094百万円(同1,281百万円の減少)、契約負債の増加976百万円(同909百万円の減少)等によるものであります。
資金減少の主な内訳は、税金等調整前当期純損失5,826百万円(同純利益106,251百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は47,600百万円(前連結会計年度94,252百万円の増加)となりました。
資金減少の主な内訳は、定期預金の預け入れ10,536百万円(同60百万円の増加)、有形固定資産の取得14,909百万円(同15,244百万円)、有価証券の取得14,500百万円(前連結会計年度は発生なし)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は15,055百万円(前連結会計年度12,879百万円の減少)となりました。
資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済9,099百万円(同10,325百万円)、自己株式の取得1,731百万円(同597百万円)、配当金の支払3,417百万円(同4,568百万円)等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
6 当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」を控除した自己資本比率は、前項「(3) 財政状態 資産、負債及び純資産の状況」に記載のとおりであり、また、時価ベースの自己資本比率は、38.1%(前連結会計年度末34.8%)となります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
①財務戦略の考え方
当社グループは、財務体質の強化と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値の向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。HRソリューション領域における業務プロセス最適化のためのIT関連投資、地方創生・観光ソリューションの収益力向上に資する設備投資、DX人材の育成等の人的資本投資など、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
②資金調達の基本方針
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的、かつ機動的に確保するため、内部資金及び外部資金の有効活用に努めております。月中の短期運転資金需要に対しては、金融機関との間に設定しているコミットメントラインや当座借越枠を機動的に活用しています。長期借入については、約定返済額や投資計画等を勘案しながら、年度の資金調達計画を策定し、取引金融機関からの調達を実施しています。資金調達にあたっては、財務体質や資本コストにも留意しながら、その可否を判断しています。自己資本比率やEBITDA有利子負債倍率等を見据えつつ、銀行借入、社債をはじめとした負債を有効に活用することで、資本コストの低減及び資本効率の向上に努めております。
③資金配分についての考え方
当社グループ全体として得られた資金は、成長投資、株主還元、手元資金に振り分けています。成長投資については、経営戦略を踏まえたグループとしての投資意義や、投資資金の回収可能性や期待されるリターン等を吟味し、投資の可否を判断しています。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、連結配当性向40%を目途に継続的かつ安定的な配当の維持に努めてまいります。さらに2030年5月期までの「PASONA GROUP VISION 2030」の期間中は、一時的な業績変動に左右されることなく、1株当たり75円を下限とした配当維持または増配を実施する累進配当を導入いたします。手元資金については、金融機関との間に設定しているコミットメントライン等を活用することで、グループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、85ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、88ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
①当期の経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しが継続し、企業収益及び雇用情勢も改善が続いたことから景気は緩やかに回復しました。一方で、下期にかけては物価上昇や米国の関税政策の動向により、景気の先行きに不透明感がみられるようになりました。
当社事業を取り巻く環境は、景気回復を背景に人材需要が堅調に推移したほか、企業の構造改革やAI等のデジタルテクノロジーを活用したDX(デジタル・トランスフォーメーション)が加速したことから、BPOサービスの需要は底堅く推移しました。またインバウンドを含む観光客数が増加したことで観光需要も回復が続きました。
こうした中、当社グループにおいては、前期に連結子会社の株式を売却したことにより、当連結会計年度の期首よりアウトソーシングセグメントを廃止したことに加えて、BPOソリューションにおいて大型受託案件がピークアウトしたことから、連結売上高は前期から減収となりました。一方、BPOソリューションではデジタルテクノロジーを活用したX-TECH BPOを推進するなど、粗利率の改善に取り組みました。アウトソーシングセグメントを除いたベースでは、売上総利益は粗利率の改善により増加しましたが、アウトソーシングセグメントのマイナスを埋めるには至らず、連結全体では売上総利益が減益となり、販管費も減少したものの、連結営業利益は赤字となりました。
これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は309,240百万円(前期比13.3%減)となり、売上総利益は67,958百万円(前期比19.9%減)となりました。営業損失は1,237百万円(前期は営業利益6,794百万円)、経常損失は460百万円(前期は経常利益7,152百万円)となりました。
また当社は、2025年大阪・関西万博にパビリオン「PASONA NATUREVERSE」を出展し、身体・心・社会的な健康を実現するWell-beingな社会、そして誰もが心豊かにイキイキと活躍する真に豊かな社会のあり方を世界に向けて発信しております。当社パビリオンは開幕以来、人気のパビリオンとしてこれまで100万人を超えるご来場者にお越しいただいており、多くのマスメディアにも連日取り上げられるなど、ブランド価値の向上に大きく寄与しております。
閉会後は、当社パビリオンを兵庫県淡路島に移設することを予定しており、閉会後の移設及び使用が見込まれないもの等、臨時的に発生した費用について、中間期に万博出展関連費用として2,571百万円を特別損失に計上いたしました。また当下期においては、中間期以降に発生した施設関連、運営関連等の費用を精査し、臨時的な費用を特別損失に計上することとなり、当連結会計年度においては合計で4,821百万円の万博出展関連費用を特別損失として計上いたしました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は8,658百万円(前期は連結子会社の株式を売却したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は95,891百万円)となりました。
■連結業績
| 2024年5月期 | 2025年5月期 | 増減率 | ||||
| 売上高 | 356,733 | 百万円 | 309,240 | 百万円 | △13.3 | % |
| 営業利益又は営業損失(△) | 6,794 | 百万円 | △1,237 | 百万円 | - | |
| 経常利益又は経常損失(△) | 7,152 | 百万円 | △460 | 百万円 | - | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 95,891 | 百万円 | △8,658 | 百万円 | - | |
※前期末の業績からアウトソーシングセグメントを除いた場合
| 2024年5月期 | 2025年5月期 | 増減率 | |
| 売上高 | 318,301百万円 | 309,240百万円 | △2.8% |
| 営業損失(△) | △821百万円 | △1,237百万円 | - |
②事業別の状況(セグメント間取引消去前)
※当社グループの報告セグメントの区分は、前連結会計年度において「エキスパートサービス」「BPOサービス」「HRコンサルティング、教育・研修、その他」「グローバルソーシング」「キャリアソリューション」「アウトソーシング」「ライフソリューション」「地方創生ソリューション」としておりましたが、当連結会計年度の期首より「BPOソリューション」「エキスパートソリューション」「キャリアソリューション」「グローバルソリューション」「ライフソリューション」「地方創生・観光ソリューション」に変更しております。また、前連結会計年度の数値は、変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。
HRソリューション 売上高 286,552百万円 営業利益 14,808百万円
[BPOソリューション(委託・請負)] 売上高 137,236百万円
当該事業では、顧客から煩雑な事務作業を集約し効率化する総務・庶務や、繁閑に応じた経費精算等に対応する経理・財務をはじめ、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算、教育・研修などの業務を当社が受託しBPOサービスを提供しています。加えて、フリーランスや上場企業の元役員などのプロフェッショナル人材によるコンサルティングや経営支援を行う顧問コンサルティング事業など、企業の経営課題に対する多様なBPOソリューション事業を展開しています。
BPOソリューションは、企業の構造改革やAI等のデジタルテクノロジーを活用したDX推進に係るBPO需要が底堅く推移しており、X-TECH BPOの領域でクラウド導入やローコード・ノーコード導入などのDX支援の受託が増加したほか、人材不足による採用支援や人事労務業務、給与計算等も拡大しました。また、AIエージェントを組み合わせたBPOサービス「AIO(AI BPOの略称)」や、次世代経営者育成を支援する「プロシェアメンター」など付加価値の高い新たなBPOサービスの提供も拡大しました。
しかしながら、大型受託案件のピークアウト影響に加え、一部子会社で特定の企業との取引が縮小した影響を埋めるには至らず、売上高は137,236百万円(前期比7.0%減)となりました。
[エキスパートソリューション(人材派遣)] 売上高 134,807百万円
当該事業では、オフィスワークを中心に事務職から高度な専門スキルを備えた人材やエンジニア、営業・販売職、また若年層からシニアまで幅広い世代、職種の人材派遣事業を展開しています。
景気回復と雇用情勢の改善により企業の人材不足の状況が続いたことから、人材派遣の受注は商社やメーカー、サービス業など幅広い業種で増加しました。当社グループにおいては、コロナ禍で対応した派遣業務が終了したことに加え、一部企業で派遣契約が縮小された影響により、前期比で派遣稼働者数の減少が続きましたが、2025年4月以降は派遣稼働者数が前年を上回っており、回復基調にあります。また当期は、派遣スタッフの処遇向上とともに派遣料金の単価も上昇しました。
しかしながら、当連結会計年度は前期比で営業日数が少ない影響もあり、売上高は134,807百万円(前期比1.7%減)となりました。
以上のBPOソリューション、エキスパートソリューションの売上高は272,044百万円(前期比4.4%減)となり、BPOの粗利率は前期から改善しているものの、売上高の減収に伴い売上総利益が減益となり、社員の賃金上昇等により人件費等の販管費が増加したことから、営業利益は9,759百万円(前期比15.7%減)となりました。
[キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)] 売上高 14,507百万円 営業利益 5,048百万円
当該事業は、企業の中途採用活動を支援し、転職希望者とのマッチングを行う人材紹介事業と、企業の人事戦略に 基づいて転身を支援する再就職支援事業を提供しています。
人材紹介事業では、戦略的に注力するハイキャリア領域で安定した需要が継続し、紹介手数料の平均単価が上昇しました。また、人員の増員や業務の生産性向上、新規メンバーの戦力化も進みました。一方で、関税政策の動向により先行きに不透明さが増したことで、採用を一時的に停止する企業や、中途採用の開始時期を遅らせる企業も一部で見受けられました。当社では、これまで培ったノウハウと企業とのつながりを生かした女性管理職の紹介や、アルムナイ採用などの新たなサービスの立ち上げを進めております。
再就職支援事業では、2024年から市場規模が大きく拡大し、2025年も引き続き好調に推移しています。こうした環境の中、当社への依頼は増加しており、前期を上回る売上高となりました。また、人的資本経営の高まりを受けて、従業員の自律的なキャリア形成を支援する「セーフプレースメント・トータルサービス」の需要も堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は14,507百万円(前期比11.1%増)、営業利益は5,048百万円(前期比24.9%増)と増収増益となりました。
以上の事業から構成されるセグメントの売上高は286,552百万円(前期比3.7%減)となりました。利益面では、キャリアソリューションセグメントは増益であったものの、BPOソリューション、エキスパートソリューションの減収による減益を埋めるには至らず、HRソリューションセグメント全体の営業利益は14,808百万円(前期比5.2%減)となりました。
グローバルソリューション(海外人材サービス) 売上高 11,407百万円 営業利益 401百万円
当該事業では、海外において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修などのフルラインの人材関連サービスを提供しています。
北米地域では、事業ポートフォリオの見直しを進め、経理処理・給与計算などを行うBPOサービスや、注力してきた人事制度設計等のHRコンサルティングサービスが拡大したほか、人材紹介も伸長しました。アジア地域では、特に台湾で半導体等の製造業が堅調に推移し人材紹介が拡大したほか、HRコンサルティング分野も伸長しました。インドでは人材派遣及び人材紹介が、シンガポールでも人材紹介が増収となりました。一方で、価格競争の激しいインドネシアでは人材派遣が減収となりました。
これらの結果、利益率の高い人材紹介とHRコンサルティングの事業比率が高まったことにより、売上高は11,407百万円(前期比3.5%増)、営業利益は401百万円(前期比48.3%増)となりました。
ライフソリューション(子育て支援、介護等) 売上高 8,623百万円 営業利益 △26百万円
当該事業では、認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育施設の運営、児童教育などの子育て支援事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業、家事代行などのライフサポート事業を行っています。
子育て支援事業では、大都市圏を中心に市場は堅調に推移しており、前期と比べて小規模な学童クラブの運営施設数は減少しましたが、受入れ可能人数の多い施設の開設や公定価格に基づく補助金収入の増加などにより増収となりました。一方、費用面では、増員及び保育士の処遇向上による人件費の増加に加え、システム投資や品質管理強化のための費用及び保育事業に係る一時的な費用が増加しました。
ライフサポート事業では、一部のデイサービス介護施設を閉鎖したため介護事業は減収となりましたが、都市部の自治体を中心に各種の子育て支援サービスが拡充されており、家事代行サービスや介護事業者向け・家族介護者向けの介護研修など、自治体からの受託事業の獲得が好調に推移しました。
これらの結果、売上高は8,623百万円(前期比10.7%増)、営業利益は△26百万円(前期は128百万円)となりました。
地方創生・観光ソリューション 売上高 7,083百万円 営業利益 △1,900百万円
当該事業では、地域住民や地域企業、地方自治体と協力、連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生・観光事業に取り組んでいます。
ニジゲンノモリ アニメ淡路島公園(2025年5月20日より、兵庫県立淡路島公園のネーミングスポンサーを獲得)では、当期は猛暑や台風等の悪天候の影響があったものの、インバウンド客が年間6万人に到達しました。「NARUTO&BORUTO 忍里」や「ゴジラ迎撃作戦~国立ゴジラ淡路島研究センター~」のアトラクション中心に欧米からの来場が増加した結果、年間売上で過去最高を更新しました。レストラン等の飲食施設では、世界中で人気の高いハローキティの世界観が楽しめる「ハローキティスマイル」や「ハローキティ ショーボックス」で女性客やインバウンドを中心に来場者が増加しました。費用面では減価償却費の減少などもありましたが、一部施設でリニューアルのための休業期間が生じたほか、原材料の高騰による原価率のアップに加え、人件費も増加しました。
これらの結果、売上高は7,083百万円(前期比7.2%増)となり、営業利益は△1,900百万円(前期は△2,671百万円)と、前期よりも赤字幅は縮小しました。
消去又は全社 売上高 △4,425百万円 営業利益 △14,519百万円
グループ間取引消去とグループシナジーの最大化のためのコストや新規事業のインキュベーションコスト、持株会社としての管理コストが含まれています。
当期は、処遇向上による人件費の上昇や新規事業の立ち上げに伴う人材採用等の先行投資のほか、グループ全体のDXを推進するIT関連費用が増加しました。
これらの結果、グループ間取引消去の売上高は△4,425百万円(前期は△5,372百万円)、営業利益は△14,519百万円(前期は△14,174百万円)となりました。
■セグメント別業績
| 売上高 | 2024年5月期 | 2025年5月期 | 増減率 | |
| HRソリューション | 297,715百万円 | 286,552百万円 | △3.7% | |
| BPOソリューション(委託・請負) | 147,579百万円 | 137,236百万円 | △7.0% | |
| エキスパートソリューション(人材派遣) | 137,082百万円 | 134,807百万円 | △1.7% | |
| キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援) | 13,054百万円 | 14,507百万円 | +11.1% | |
| グローバルソリューション(海外人材サービス) | 11,024百万円 | 11,407百万円 | +3.5% | |
| アウトソーシング | 38,962百万円 | - | - | |
| ライフソリューション(子育て支援、介護等) | 7,792百万円 | 8,623百万円 | +10.7% | |
| 地方創生・観光ソリューション | 6,610百万円 | 7,083百万円 | +7.2% | |
| 消去又は全社 | △5,372百万円 | △4,425百万円 | - | |
| 合計 | 356,733百万円 | 309,240百万円 | △13.3% | |
| 合計(アウトソーシングを除く)※ | 318,301百万円 | 309,240百万円 | △2.8% | |
| 営業利益 | 2024年5月期 | 2025年5月期 | 増減率 | |
| HRソリューション | 15,625百万円 | 14,808百万円 | △5.2% | |
| BPOソリューション(委託・請負) | 11,582百万円 | 9,759百万円 | △15.7% | |
| エキスパートソリューション(人材派遣) | ||||
| キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援) | 4,042百万円 | 5,048百万円 | +24.9% | |
| グローバルソリューション(海外人材サービス) | 270百万円 | 401百万円 | +48.3% | |
| アウトソーシング | 7,615百万円 | - | - | |
| ライフソリューション(子育て支援、介護等) | 128百万円 | △26百万円 | - | |
| 地方創生・観光ソリューション | △2,671百万円 | △1,900百万円 | - | |
| 消去又は全社 | △14,174百万円 | △14,519百万円 | - | |
| 合計 | 6,794百万円 | △1,237百万円 | - | |
| 合計(アウトソーシングを除く)※ | △821百万円 | △1,237百万円 | - | |
※前連結会計年度末に連結子会社であった株式会社ベネフィット・ワンの株式を売却したことから、当連結会計年度の期首よりアウトソーシングセグメントを廃止しておりますので、参考情報としてアウトソーシングを除く合計を記載しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループは、BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション(海外人材サービス)、ライフソリューション(子育て支援、介護等)、地方創生・観光ソリューションなどの事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
②受注実績
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
| セグメントの名称 | 2025年5月期 | |||||
| 売上高(百万円) | 構成比(%) | 前期比(%) | ||||
| HRソリューション | 283,837 | 91.8 | 96.3 | |||
| BPOソリューション(委託・請負) エキスパートソリューション(人材派遣) | 269,349 | 87.1 | 95.7 | |||
| BPOソリューション(委託・請負) | 135,029 | 43.7 | 93.1 | |||
| エキスパートソリューション(人材派遣) | 134,320 | 43.4 | 98.4 | |||
| キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援) | 14,487 | 4.7 | 111.2 | |||
| グローバルソリューション(海外人材サービス) | 11,121 | 3.6 | 103.1 | |||
| ライフソリューション(子育て支援、介護等) | 8,105 | 2.6 | 112.1 | |||
| 地方創生・観光ソリューション | 6,176 | 2.0 | 108.6 | |||
| 合計 | 309,240 | 100.0 | 86.7 | |||
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
上記に記載した当連結会計年度における売上高を地域別に示すと、次のとおりとなります。
| 区分 | 2025年5月期 | ||
| 売上高(百万円) | 構成比(%) | 前期比(%) | |
| 北海道・東北 | 12,417 | 4.0 | 92.8 |
| 関東(東京以外) | 36,575 | 11.8 | 96.0 |
| 東京 | 127,519 | 41.3 | 75.7 |
| 東海・北信越 | 20,132 | 6.5 | 100.7 |
| 関西 | 69,905 | 22.6 | 96.0 |
| 中国・四国・九州 | 31,516 | 10.2 | 96.2 |
| 海外 | 11,173 | 3.6 | 98.9 |
| 合計 | 309,240 | 100.0 | 86.7 |
(3)財政状態
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産及び負債には、当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」が35,319百万円(前連結会計年度末54,975百万円)計上されております。
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて36,052百万円減少(12.0%減)し、265,038百万円となりました。資金運用により有価証券が14,500百万円増加、地方創生事業等の有形固定資産が11,677百万円増加、Well-being領域等においてシナジーが見込まれるベンチャー企業への投資や資金運用等により投資その他資産が4,370百万円増加した一方で、上記の「預り金」の減少や、固定資産の取得及び借入金の返済などにより現金及び預金が67,510百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて22,508百万円減少(15.4%減)し、123,904百万円となりました。上記の受託案件等による預り金が17,632百万円減少、借入金の返済により長期借入金が5,756百万円減少したことなどによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて13,543百万円減少(8.8%減)し、141,134百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失が8,658百万円、配当金の支払いが3,018百万円あったことにより利益剰余金が11,677百万円減少したことなどによるものであります。また、自己株式については、2025年1月より買付けを進めている一方で、2025年4月30日付で150万株を消却したため、大きな変動はありません。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、50.9%(前連結会計年度末49.3%)となりました。なお、受託案件に係る「預り金」に伴う「現金及び預金」を控除した総資産は、229,719百万円(同246,115百万円)であり、自己資本比率は58.7%(同60.3%)となります。
(4)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて、58,382百万円減少し、78,664百万円となりました。なお、「資金」には、受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」に見合う「現金及び預金」は含まれておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は4,327百万円(前連結会計年度7,397百万円の増加)となりました。
資金増加の主な内訳は、減価償却費2,756百万円(同5,569百万円)、売上債権及び契約資産の減少2,244百万円(同4,177百万円)、期末日が休日による預り金の増加2,094百万円(同1,281百万円の減少)、契約負債の増加976百万円(同909百万円の減少)等によるものであります。
資金減少の主な内訳は、税金等調整前当期純損失5,826百万円(同純利益106,251百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は47,600百万円(前連結会計年度94,252百万円の増加)となりました。
資金減少の主な内訳は、定期預金の預け入れ10,536百万円(同60百万円の増加)、有形固定資産の取得14,909百万円(同15,244百万円)、有価証券の取得14,500百万円(前連結会計年度は発生なし)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は15,055百万円(前連結会計年度12,879百万円の減少)となりました。
資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済9,099百万円(同10,325百万円)、自己株式の取得1,731百万円(同597百万円)、配当金の支払3,417百万円(同4,568百万円)等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 項目 | 2021年 5月期 | 2022年 5月期 | 2023年 5月期 | 2024年 5月期 | 2025年 5月期 |
| 自己資本比率 | 25.2% | 24.5% | 19.6% | 49.3% | 50.9% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 49.0% | 40.3% | 24.7% | 28.4% | 33.0% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 1.8年 | 5.3年 | 9.9年 | 5.8年 | 7.7年 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 64.5 | 35.4 | 15.9 | 16.6 | 12.9 |
(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
6 当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」を控除した自己資本比率は、前項「(3) 財政状態 資産、負債及び純資産の状況」に記載のとおりであり、また、時価ベースの自己資本比率は、38.1%(前連結会計年度末34.8%)となります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
①財務戦略の考え方
当社グループは、財務体質の強化と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値の向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。HRソリューション領域における業務プロセス最適化のためのIT関連投資、地方創生・観光ソリューションの収益力向上に資する設備投資、DX人材の育成等の人的資本投資など、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
②資金調達の基本方針
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的、かつ機動的に確保するため、内部資金及び外部資金の有効活用に努めております。月中の短期運転資金需要に対しては、金融機関との間に設定しているコミットメントラインや当座借越枠を機動的に活用しています。長期借入については、約定返済額や投資計画等を勘案しながら、年度の資金調達計画を策定し、取引金融機関からの調達を実施しています。資金調達にあたっては、財務体質や資本コストにも留意しながら、その可否を判断しています。自己資本比率やEBITDA有利子負債倍率等を見据えつつ、銀行借入、社債をはじめとした負債を有効に活用することで、資本コストの低減及び資本効率の向上に努めております。
③資金配分についての考え方
当社グループ全体として得られた資金は、成長投資、株主還元、手元資金に振り分けています。成長投資については、経営戦略を踏まえたグループとしての投資意義や、投資資金の回収可能性や期待されるリターン等を吟味し、投資の可否を判断しています。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、連結配当性向40%を目途に継続的かつ安定的な配当の維持に努めてまいります。さらに2030年5月期までの「PASONA GROUP VISION 2030」の期間中は、一時的な業績変動に左右されることなく、1株当たり75円を下限とした配当維持または増配を実施する累進配当を導入いたします。手元資金については、金融機関との間に設定しているコミットメントライン等を活用することで、グループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、85ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、88ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。