有価証券報告書-第46期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 10:35
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(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
製薬会社や研究者は、新型コロナウイルス感染拡大という新たな危機と対峙する現在、治療薬開発の早期実現という社会的要請を受けその取組を急ピッチで進めており、新薬開発市場はかつてないほど注目されております。国内製薬市場においては、当社の主要顧客は、新薬開発への社会的期待と同時に薬価の改定が一段と進んだことを受け、従来の医薬品と併せて再生医療等製品、免疫療法、遺伝子治療、ワクチン等へ経営資源の集中を進めており、試験受託機関(Contract Research Organization:以下「CRO」と言います。)間の競争は厳しくなっております。
また海外市場では、アジア各国の健康戦略や経済戦略により医薬品開発市場は着実に成長を続けております。このような中、当社は顧客から新たな手法の掘り起こしのパートナーとして信頼されるCROの期待に応えるべく、バイオ医薬品関連の高度分析機器や病理サービス強化のための機器投資を積極的に実施し、医薬品開発分野での対応可能領域の拡充を図ってまいりました。また海外を重要市場ととらえ現地営業代理会社との関係強化に努め、現地セミナー開催や顧客との相互訪問等を実施してまいりました。従来より注力しておりますSEND(米国食品医薬局(FDA)への新薬申請時に義務化されている非臨床試験データ標準フォーマット:Standard for Exchange of NonclinicalData)の変換対応サービスについては、先行して取得したノウハウによる差別化で、国内外を含め顧客数は着実に増加し環境事業に次ぐ第3の事業へと成長しつつあります。
当期より開始いたしました、国内には無い特色を持つ欧州、米国のCROとの代理店事業では、国内企業への紹介営業を重ね取扱高は順調に増加し、さらに当社の試験サービスとのシナジー効果も出ており、代理店収入とともに試験受注にもつながっております。なお内1社の米国Southern Research Institute(サザンリサーチ・インスティテュート)は感染症対応可能CROであることが世界的に知られており時下一段と高い関心が寄せられております。さらに、当社の試験サービスの顧客増加を目的に、台湾、シンガポールにて現地の非臨床関連会社との代理店契約を締結し同エリアでの宣伝活動を開始いたしました。
また、国立研究開発法人日本医療開発機構(AMED)の支援のもと、国立大学法人信州大学が推進する「遺伝子・細胞治療研究開発基盤事業(遺伝子改変T細胞(CAR-T細胞)の医薬品化に向けた研究基盤整備)」のための研究拠点が当社施設内に設けられました。今後AMED並びに国立大学法人信州大学のもと安全性評価方法の確立に協力・貢献し、アカデミアや企業等からの試験受託にもつなげてまいります。
受託試験事業におきましては、活発な営業活動の成果により受注は好調に推移し、当会計期間を通じて稼働率は高い水準を維持し売上高及び受注残高ともに前事業年度を上回りました。しかしながら利益については、業務量増加による人員増加に伴う人件費増加、働き方改革に備え環境や機器の整備、戦略的な研究開発投資さらに営業代理店への支払手数料の増額の影響により下回りました。
環境事業におきましては、大学・民間企業の動物関連施設の多くが更新時期を迎えることで、理化学機器販売会社等と連携し大型工事の取り込みを図りましたところ、複数の大型公共工事の発注が発注者都合により遅れたため完成引渡が当事業年度に間に合わずに翌事業年度となったため、売上高、利益ともに前事業年度を下回りました。
なお、第4四半期会計期間において、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が生じましたが、受託試験事業及び環境事業の受注動向、試験等の実施、資材の調達等の当社の事業活動に影響はなく、業績に与える影響はありませんでした。
また、当期においては、海外関係会社の清算が完了したことに伴って発生した関係会社清算益9,612千円を特別利益に計上しております。
以上の結果、当事業年度末の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産は前事業年度末と比較し、65,304千円増加の1,919,893千円となりました。これは主に、売掛金の回収による145,484千円減少があった一方で、現金及び預金の増加81,452千円、受注残高の増加に伴う原材料及び貯蔵品の増加100,534千円が生じたこと等によるものであります。
当事業年度末における固定資産は前事業年度末と比較し、159,189千円増加の1,546,784千円となりました。これは主に、試験機器等への投資により有形固定資産が157,426千円増加したこと、ソフトウェア等の増加により無形固定資産が10,729千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度末における総資産は3,466,677千円となり、前事業年度末と比較し、224,493千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は前事業年度末と比較し、196,053千円増加の1,639,738千円となりました。これは主に、受注残高の増加に伴い前受金が222,886千円増加した一方で、年度末にかけての仕入減により、支払手形、買掛金及び電子記録債務の合計額が86,651千円減少したこと等によるものです。
当事業年度末における固定負債は前事業年度末と比較し、8,159千円減少の1,028,399千円となりました。これは主に、長期借入金の1年内振替により100,000千円減少した一方で、試験機器等への投資によるリース債務残高が83,728千円増加したこと等によるものであります。
この結果、当事業年度末における負債合計は2,668,138千円となり、前事業年度末と比較し、187,893千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は前事業年度末と比較し、36,600千円増加の798,539千円となりました。これは、当期純利益36,600千円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前事業年度末の23.5%から23.0%となりました。
b.経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高は2,862,443千円(前期比10.7%増)、営業利益は61,801千円(前期比33.9%減)、経常利益は30,254千円(前期比50.0%減)、当期純利益は36,600千円(同35.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
(受託試験)
当事業部門におきましては、国内及びアジアを中心とする海外で積極的な営業展開を進めた他、他社に先行するSEND対応サービスへの増員、研究設備投資による拡充を進めた結果、受注は増加し当事業年度を通じて高い稼働率を維持しましたが、人件費及び海外代理店への支払手数料の増加等の影響もあり、売上高は2,707,782(前期比16.8%増)千円、営業利益は57,541千円(前期比20.4%減)となりました。
(環境)
当事業分野におきましては、複数の国立大学等の動物関連施設更新工事の発注が、当初見込みより遅延し完成引渡が翌期となり、売上高は154,661千円(前期比41.8%減)、営業利益は4,259千円(前期比79.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物(以下「資金」と言います。)は、前事業年度と比較して81,452千円増加し463,751千円とな
りました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は270,758千円の増加(前期は93,125千円の減少)となりました。主な内訳は減価償却費112,252千円、売上債権の減少額160,084千円、たな卸資産の増加額90,671千円、前受金の増加額222,886千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は39,342千円の減少(前期は37,241千円の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出47,414千円、子会社の清算による収入17,148千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は149,963千円の減少(前期は365,862千円の減少)となりました。内訳は長期借入金の返済による支出100,000千円、リース債務の返済による支出49,963千円であります。
2018年3月期2019年3月期2020年3月期
自己資本比率(%)20.723.523.0
時価ベースの自己資本比率(%)122.064.249.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.4-4.5
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)15.9-9.6

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)2018年3月期は連結ベースの財務数値により計算しています。2019年3月期以降は連結財務諸表を作成していないため、単体ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は発行済株式数をベースに計算しています。なお、当社には自己株式はありませ
ん。
(注3)キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表(貸借対照表)に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)2019年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
受託試験(千円)2,747,59420.1
環境(千円)105,038△66.9
合計(千円)2,852,6329.5

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高前年同期比(%)受注残高前年同期比(%)
受託試験(千円)2,926,97417.11,880,98213.2
環境(千円)224,147△14.9140,74897.5
合計(千円)3,151,12114.12,021,73016.7

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
受託試験(千円)2,707,78216.8
環境(千円)154,661△41.8
合計(千円)2,862,44310.7

(注)1.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該割合が10%未満のため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は1,919,893千円となり、前事業年度末に比べ65,304千円増加しました。主な内訳は、現金及び預金81,452千円の増加、受取手形、電子記録債権及び売掛金160,084千円の減少、原材料及び貯蔵品100,534千円の増加であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,546,784千円となり、前事業年度末に比べ159,189千円増加しました。増加の主な要因は、有形固定資産及びソフトウエアの購入によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は1,639,738千円となり、前事業年度末に比べ196,053千円増加しました。主な内訳は、支払手形、電子記録債務及び買掛金86,651千円の減少、前受金222,886千円の増加であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は1,028,399千円となり、前事業年度末に比べ8,159千円減少しました。主な内訳は、長期借入金100,000千円の減少、リース債務83,728千円の増加であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、798,539千円となり、前事業年度末に比べ36,600千円増加しました。これは利益剰余金36,600千円の増加によるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、2,862,443千円となり、前事業年度に比べ277,395千円増加しました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
(売上原価)
当事業年度の売上原価は、2,078,704千円となり、前事業年度に比べ155,482千円増加しました。
この結果、当事業年度の売上総利益は783,738千円となり、前事業年度に比べ121,913千円増加しました。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、721,937千円となり、前事業年度に比べ153,554千円増加しました。
この結果、当事業年度の営業利益は61,801千円となり、前事業年度に比べ31,641千円減少しました。
(営業外損益)
当事業年度の営業外収益は4,000千円となり、前事業年度に比べ1,755千円減少しました。営業外費用は35,546千円で前事業年度に比べ3,140千円減少しました。
この結果、当事業年度の経常利益は30,254千円となり、前事業年度に比べ30,255千円減少しました。
(特別損益)
当事業年度においては、休眠中であった海外関係会社を清算したことに伴う関係会社清算益9,612千円の特別利益が発生しております。
以上の結果、税引前当期純利益は39,867千円となり、前事業年度に比べ20,643千円減少しました。当期純利益は36,600千円となり、前事業年度に比べ20,097千円減少しました。
c.当社の経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるリスク、受託試験事業固有のリスク、知的財産権、情報セキュリティ管理体制等、さまざまなリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、受託試験・環境事業に関する資材の仕入、試験研究センターの運営費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は、試験研究センターの試験機器等の取得・施設の改修等によるものであります。
これらの資金の財源につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに金融機関からの借入及びリースによる資金調達にて対応していくこととしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。その作成には、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定が必要となりますが、この判断及び見積りには決算日までに入手可能なすべての情報と過去の実績を勘案して、合理的な根拠に基づいて、継続的に評価しております。
このため、財務諸表作成時点で実施した見積り及び将来の予測には、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、見積りと異なる場合があります。なお、当社の財務諸表で採用する重要な見積りは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が当事業年度の上半期まで継続し、下半期から改善していくものと仮定し、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損等の会計上の見積りを行っております。

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