四半期報告書-第11期第3四半期(令和2年1月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/05/14 12:11
【資料】
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【項目】
42項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における日本国内の経済環境は、雇用・所得環境に引き続き改善が見られ、緩やか な回復基調で推移しましたが、米国をはじめとする政策の変更、貿易摩擦の拡大等の世界経済の減速懸念に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内外の経済動向が停滞するなど先行き不透明な状況が継続しております。
医療業界におきましては、団塊世代が75歳以上となる2025年にかけて、今後、急速な医療・介護ニーズの増加 が見込まれることから、より効果的・効率的に医療・介護サービスを提供する体制を構築するため、「地域医療 構想の実現」に向けた取り組みが進められております。また一方では、「医師の働き方改革」、「医師偏在の解 消」といった施策への取り組みも厚生労働省から打ち出されており、業界全体がその対応を求められている中で、今般発生した新型コロナウイルス感染拡大への対応のため各医療機関は日夜尽力をしております。
当社グループの属する医療機器販売業界におきましては、診療報酬改定による医療材料の販売価格下落の影響 が強まる一方で、医療機関の経営改善や効率化に貢献しうる複合的なサービスの提供が求められる状況となって おり、こうした背景からM&Aや業務提携等による事業の拡大や強化を目指す動きが活発化しております。
このような経営環境の下、当社グループは当第3四半期より、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、医療機関の医療体制維持のため不足する製品の調達と供給を優先し、全社員で感染拡大防止に努めていく方針のもと、事業活動に取り組んでおります。新型コロナウイルス感染拡大による手術症例の減少の影響が出ているものの、全体としては症例数が増加したことで手術室関連の消耗品販売が増加しました。また、当第3四半期連結累計期間における消費税の増税前の駆け込み需要の影響もあることから売上高及び売上総利益は増加となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は160,300百万円(前年同四半期比7.4%増)、営業利益は 1,573百万円(同77.9%増)、経常利益は1,966百万円(同55.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,140百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失256百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①医療機器販売事業
医療機器販売事業における消耗品につきましては、当第3四半期において新型コロナウイルス感染拡大による手術症例の減少の影響があったものの、全体としては症例の増加及び新規獲得したSPD契約による販売増加により、売上高及び売上総利益は前年同四半期と比較して増加しました。備品につきましては、消費増税前の医療機関における予算執行の前倒しにより、内視鏡システム、画像診断装置、 超音波診断装置等の他、放射線機器等の高額備品の販売も増加しました。
この結果、売上高は156,520百万円(前年同四半期比7.5%増)、売上総利益は15,108百万円(同9.3%増)、セグメント利益(営業利益)は、5,651百万円(同20.7%増)となりました。
(注)SPD
Supply Processing & Distributionの略語で、病院が医療材料の物流管理を外注化し、病院所有の在庫の削減、病院側の物品管理作業の軽減を図るシステムのことであります。SPDの運用は、病院との契約により、医療機器販売会社又は専業の会社が行います。当社グループにおきましては、連結子会社である協和医科器械㈱・㈱栗原医療器械店・㈱秋田医科器械店・㈱ミタス及び持分法適用非連結子会社であるメディアスソリューション㈱並びに持分法非適用の関連会社である㈱エヌエイチエス静岡が行っております。
②介護・福祉事業
介護・福祉事業につきましては、介護機器のレンタル事業及び、備品販売が好調に推移し、前年同四半期と 比較して売上高は増加したものの、㈱ケアフォースにおいて、販売可能性の低い商品の廃棄損を計上した影響により売上総利益は減少となりました。
この結果、売上高は3,779百万円(前年同四半期比4.7%増)、売上総利益は1,406百万円(同0.5%減)、セグメント利益(営業利益)は、380百万円(同8.3%減)となりました。
(注)当社グループのセグメントは、次のとおりであります。
医療機器販売事業……(医療機器販売事業)
国内の医療機器メーカー・代理店・商社等より仕入れた医療機器(備品・消耗品)を、国内の病院等医療施設に販売しており、当社グループの基幹となる事業であります。
(医療機器の修理及びメンテナンス事業)
当社グループが病院等医療施設に販売した医療機器の修理及びアフターサービス、病院等医療施設との保守契約に基づく医療機器全般のメンテナンスを行っております。
介護・福祉事業……… 国内外の介護福祉機器メーカー・代理店・商社等より仕入れた介護福祉機器(備品・消耗品)を、国内の病院等医療施設及び介護施設並びに医療機器販売業者、一般個人に販売しております。また、介護福祉機器の一般個人へのレンタルを行っております。
(2) 財政状態の分析
①資産
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末から19,300百万円増加し、81,302百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末から16,317百万円増加し、68,616百万円となりました。これは主に現金及び預金が5,127百万円、受取手形及び売掛金が10,395百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末から2,983百万円増加し、12,685百万円となりました。これは有形固定資産が339百万円、無形固定資産が1,614百万円、投資その他の資産が1,029百万円それぞれ増加したことによるものであります。
②負債
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末から18,187百万円増加し、67,504百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末から14,720百万円増加し、61,034百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が9,039百万円、短期借入金が4,671百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末から3,467百万円増加し、6,470百万円となりました。これは主に長期借入金が3,146百万円、固定負債その他に含まれる繰延税金負債が145百万円それぞれ増加したことによるものであります。
③純資産
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末から1,112百万円増加し、13,797百万円となりました。これは主に資本剰余金が695百万円減少した一方で、利益剰余金が1,531百万円、その他有価証券評価差額金が263百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末に計画中でありました案件について、当第3四半期連結累計期間中に完了したものは以下とおりであります。
会社名事業所名
(所在地)
セグメントの名称設備の内容投資金額
(千円)
資金調達方法完了年月
協和医科器械㈱沼津支店
(静岡県沼津市)
医療機器
販売事業
事務所建物他872,743自己資金及び
借入金
2020年1月

(注)上記の金額には消費税は含まれておりません。