有価証券報告書-第61期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における日本国内の経済環境は、雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、原材料価格の高騰や円安に伴う物価上昇、不安定な国際情勢、深刻化する人手不足に伴う労務コストの上昇など、依然として先行き不透明な状況が続きました。
化粧品業界におきましては、外出機会の増加やインバウンド需要の回復により市場全体は活性化しているものの、消費者の価値観の多様化や購買行動の変化により、ブランド間の競争は一段と激しさを増しております。
こうした経営環境の中、当社グループの主力事業である直営店舗事業は、国内化粧品市場の回復もあり、売上高は増加傾向となりました。2024年3月期からスタートした中期経営計画の最終年度として、「製品価値向上」「サロン価値向上」「新しい価値の創造」の3つの重点課題に取り組み、売上高の向上及び顧客層の拡大に努めてまいりました。
また、2026年1月の創業記念日に開催した「60周年メディア発表会」において当社ブランドを広く発信するとともに、ブランディングに基づき、首都圏の大型店舗を中心とした戦略的な店舗改装を継続して実施した他、最高峰深層エイジングケア「シーボン ACシリーズ」の記念デザイン製品の投入や、主力製品「フェイシャリスト トリートメントマセ」等の「フェイシャリストシリーズ」の刷新により、ブランドプロモーションの強化と顧客体験価値の深化に努めてまいりました。
(売上高)
当連結会計年度における連結売上高は、9,267,050千円(前年同期比4.8%増)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、2,235,962千円(前年同期比6.7%増)となりました。その結果、売上総利益は7,031,087千円となり、売上高に対する売上総利益の比率は75.9%(前連結会計年度は76.3%)となりました。
(営業利益・経常利益)
販売費及び一般管理費は6,777,827千円(前年同期比3.1%増)となり、営業利益は253,259千円(前年同期比48.1%増)、経常利益は281,785千円(前年同期比63.5%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は213,614千円(前年同期比56.8%増)となりました。これは、主に店舗に関する固定資産除却損や減損損失を計上したことにより、特別損失は43,482千円の計上となりました。加えて、自己株式の取得により資本金等の額が減少したことで、住民税の税負担が当初想定を下回り抑制されたこと、業績の回復に伴い現時点での将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、回収可能性が見込まれる部分について法人税等調整額(益)が発生したことによるものであります。
<当連結会計年度における当社グループの主な取組み>重点課題①「製品価値向上」
素肌の美しさと健やかさ、そして人生に輝きと豊かさを提供するため、「肌と心を科学する」というR&Dパーパスのもと、当期においても研究開発および製品開発を強力に推進し、独自の製品・サービスの価値創造に努めてまいりました。
基礎研究におきましては、これまで深化させてきた肌・心・身体のつながりに着目した研究を軸に、科学的根拠に基づくアプローチの高度化を図りました。当期は、前期に引き続き心理状態が肌に及ぼす影響の解明を重点テーマとし、最新の科学的知見を取り入れた研究に注力いたしました。具体的には、生体内エクソソームに着目し、バイオインフォマティクスを用いた網羅的解析により、ストレスが皮膚遺伝子に与える影響や、次世代スキンケア開発の分子基盤となるメカニズムの解明を進めました。加えて、心理的因子であるオキシトシンおよびコルチゾールが真皮におけるヒアルロン酸合成機構に及ぼす影響を特定するなど、心と肌の相関性に関する知見を一層深化させております。
また、サービス面の研究においては、フェイシャルケアが心身に及ぼすポジティブな効果について客観的検証を進め、当社技術の科学的根拠の強化を図りました。
製剤研究においては、当社のロングセラー製品である「フェイシャリスト トリートメント マセ」に採用されている「持続性液晶構造」に着目し、その機能解明を進めました。その結果、「皮膚の健康」「皮膚の清潔」「触覚的心地よさ」という3要素の観点から、皮膚機能と心理的満足の両面に働きかける新たなスキンケアアプローチの可能性が示唆されました。
これらの研究成果は、当社の製品開発における機能的価値の裏付けとなるとともに、顧客一人ひとりの「肌と心」に寄り添う独自のビューティプログラムの進化に直結するものです。今後も、研究開発を起点とした高付加価値な製品・サービスを提供することで、ブランド価値のさらなる向上と持続的な成長を実現してまいります。
<2026年3月期の主な研究発表>幸福感とストレスが皮膚遺伝子に与える影響:オキシトシンおよびコルチゾールの作用解析
(2025年7月 第50回日本香粧品学会)
表皮細胞エクソソーム内miRNAのストレスホルモン応答解析は次世代スキンケア開発の分子基盤を提供する
(2025年7月 第50回日本香粧品学会)
オキシトシンおよびコルチゾールによるヒアルロン酸合成機構の解析
(2025年11月 第98回日本生化学会)
頭頸部への経穴刺激を含むフェイシャルケアが心身に与える効果
(2025年12月 第29回日本統合医療学会)
触覚コミュニケーションを活かした液晶型クリーム製剤による心身健康支援
(2026年3月 第27回日本健康支援学会)
重点課題②「サロン価値向上」
ブランディング戦略に基づいた、店舗の改装や移設を実施したほか、店舗スタッフの専門知識、施術技術、および接客スキルの向上を目的とした教育研修を強化いたしました。人材基盤を強固なものとして、サロンでのアフターサービスを「パーソナライズされた美容体験」へと深化させることで、顧客満足度の向上に努めました。
新たな顧客の開拓に関しましては、ブランディング戦略に基づいたイベント出展ブースのデザイン刷新により視認性を高めるとともに、出展ごとの費用対効果を検証し、ターゲット層が集まる会場を選定し、質の高い顧客獲得を狙う等、効率的なチャネルでの集客に注力いたしました。これらの取り組みが奏功し、新規顧客の来店数は前年同期比109.4%と前連結会計年度に引き続き当連結会計年度も堅調に推移いたしました。加えて、質の高い顧客獲得が進んだことと、教育研修の強化による店舗スタッフの接客の質の向上により、新規顧客の購入単価は前年同期比104.0%へと向上し、これに伴い新規顧客による売上高は前年同期比119.6%と大きく増加いたしました。
ロイヤル顧客の醸成に関しましては、2024年3月期に開設した「ロイヤルカスタマー専用デスク」において、お客様の声を直接収集し、サービス改善へフィードバックする体制を構築しております。本社とお客様との直接的な接点を持つことで、顧客ロイヤルティの向上を図ってまいりました。サロンにおいても、ロイヤル顧客へ日頃の感謝を伝える「ロイヤルデー」を継続的に開催し、特別感のある体験価値を提供しております。これら継続的な施策の結果、当連結会計年度におけるロイヤルカスタマー数は、目標として定めていた12,000人を突破し、現在も順調に増加傾向にあります。
しかしながら、店舗スタッフにおける採用難等も影響し、直営店舗での接客数が横ばい傾向にあるため、既存顧客の継続数※は前年同期比100.5%と微増となり、継続顧客への売上高は前年同期比3.4%増となりました。
重点課題③「新しい価値の創造」
持続的な成長基盤の構築に向け、主力事業である直営店舗事業以外の領域における「新しい価値の創造」を推進し、「ヘア事業の拡大」「海外販路の拡大」「子会社の再拡大」に注力いたしました。
ヘア事業に関しましては、ヘアサロン「neaf」での評価制度改定に伴う意識改革が定着し、生産性の向上により売上高・利益ともに堅調に推移いたしました。特に、フェイシャリストサロンとの併設店舗であるneaf蒲田店では、相互送客モデルが軌道に乗ったことや、常時1名のスタイリストで運営していることでのマンツーマンの個室接客が功を奏し、neaf六本木店、neaf恵比寿店を上回る顧客単価となりました。また、neaf六本木店では世界に誇る日本の美容師、美容室を表彰する『KAMI CHARISMA 2026 アワード』にて、カミカリスマサロン トリートメント&スパ部門を受賞いたしました。
海外販路の拡大に関しましては、中国偏重の販路拡大を見直し、アジア圏や欧州等の企業との接点拡大を進めてまいりました。展示会等での接点からの着実な販路拡大に動いていたものの、世界情勢の緊迫化により、出荷に遅れが生じる等の様々な問題もあり、不安定な状況となりました。
子会社の再拡大に関しましては、売上高向上及び利益率の改善が一段と進捗しました。利益率の高い製品の販売に注力し、BtoB仕入プラットフォームの活用による新販路拡大や、直取引の販路の拡大を推進したことにより、売上高は前年同期比120.1%となりました。
※継続数:1ヵ月に1回以上来店のあるお客様ののべ人数
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が238,302千円となり、売上高の拡大に伴う当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ362,523千円増加し、当連結会計年度末には3,016,160千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果獲得した資金は763,099千円となりました。これは主に、契約負債の減少152,624千円、法人税等の支払額74,292千円があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上238,302千円、減価償却費216,321千円、棚卸資産の減少104,363千円、未払消費税等の増加250,175千円の計上があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は159,994千円となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入58,513千円があった一方で、有形固定資産の取得による支出209,217千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は240,686千円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出154,867千円、配当金の支払額85,819千円によるものであります
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント別ではなく、以下の区分に分け記載しております。
①生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は、販売単価によっております。
2.上記区分のベーシック及びスペシャルの品目構成は、以下のとおりです。
ベーシック:洗顔料・クレンジング・化粧水・乳液等の基礎化粧品
スペシャル:美容液・クリーム・パック等の化粧品
②仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
③受注実績
当社グループ製品については受注生産を行っておりません。なお、OEM等による受注生産を一部実施しているものの、金額は僅少です。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.上記区分のベーシック及びスペシャルの品目構成は、以下のとおりです。
ベーシック:洗顔料・クレンジング・化粧水・乳液等の基礎化粧品
スペシャル:美容液・クリーム・パック等の化粧品
2.最近2連結会計年度の主要な販路及び販路別売上高及び割合は、次のとおりであります。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注2)キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注3)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注4)2025年3月期及び2026年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率については、有利子負債が存在しないため、記載しておりません。
(注5)2025年3月期におけるインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのた
め、2026年3月期につきましては、利払いがないため記載しておりません。
①資本の財源と資金の流動性について
資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは安定した収益と成長性を確保するために将来必要な運転資金及び直営店舗の工事費用等の設備投資に必要な資金は、内部留保による手元資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としております。そのため、流動性の観点から基本的には当座預金及び普通預金にて運用しております。それらの資金を確保した上で、発生する余剰資金については、元本返還の確実性が高く、市場価格の変動が少なく、かつ可能な限り高い運用益が得られる方法で運用を行う方針であります。
なお、運転資金については、十分な内部留保資金を確保しておりますが、前連結会計年度末までは、不測の事態に備えるため、運転資金の効率的な調達手段として、取引銀行2行とコミットメントライン契約を締結しておりました。当連結会計年度末におきましては、取引銀行2行とのコミットメントライン契約を解除しております。
②財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は4,803,294千円となり、前連結会計年度末に比べ189,402千円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金の増加(前連結会計年度末比362,523千円増)によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は3,798,323千円となり、前連結会計年度末に比べ110,776千円減少いたしました。その主な要因は、建物及び構築物の減少(前連結会計年度末比78,806千円減)と敷金及び保証金の減少(前連結会計年度末比49,654千円減)によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は2,570,974千円となり、前連結会計年度末に比べ80,060千円増加いたしました。その主な要因は、契約負債の減少(前連結会計年度末比152,624千円減)、その他流動負債の増加(前連結会計年度末比262,309千円増)によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は342,484千円となり、前連結会計年度末に比べ13,514千円増加いたしました。その主な要因は、資産除去債務の増加(前連結会計年度末比19,489千円増)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は5,688,159千円となり、前連結会計年度末に比べ14,949千円減少いたしました。その主な要因は、利益剰余金の増加(前連結会計年度末比128,004千円増)があった一方で、自己株式の取得(前連結会計年度末比154,561千円増)を行ったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は66.1%(前連結会計年度末は66.9%)となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(1)経営成績の状況
| 指標 | 2025年3月期 (前年実績) | 2026年3月期 (計画) | 2026年3月期 (実績) | 前年比 | 計画比 |
| 売上高 | 8,838,895千円 | 9,123,659千円 | 9,267,050千円 | 104.8% | 101.6% |
| 営業利益 | 171,019千円 | 201,949千円 | 253,259千円 | 148.1% | 125.4% |
| 経常利益 | 172,344千円 | 209,994千円 | 281,785千円 | 163.5% | 134.2% |
| 経常利益率 | 1.9% | 2.3% | 3.0% | - | - |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 136,272千円 | 74,680千円 | 213,614千円 | 156.8% | 286.0% |
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における日本国内の経済環境は、雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、原材料価格の高騰や円安に伴う物価上昇、不安定な国際情勢、深刻化する人手不足に伴う労務コストの上昇など、依然として先行き不透明な状況が続きました。
化粧品業界におきましては、外出機会の増加やインバウンド需要の回復により市場全体は活性化しているものの、消費者の価値観の多様化や購買行動の変化により、ブランド間の競争は一段と激しさを増しております。
こうした経営環境の中、当社グループの主力事業である直営店舗事業は、国内化粧品市場の回復もあり、売上高は増加傾向となりました。2024年3月期からスタートした中期経営計画の最終年度として、「製品価値向上」「サロン価値向上」「新しい価値の創造」の3つの重点課題に取り組み、売上高の向上及び顧客層の拡大に努めてまいりました。
また、2026年1月の創業記念日に開催した「60周年メディア発表会」において当社ブランドを広く発信するとともに、ブランディングに基づき、首都圏の大型店舗を中心とした戦略的な店舗改装を継続して実施した他、最高峰深層エイジングケア「シーボン ACシリーズ」の記念デザイン製品の投入や、主力製品「フェイシャリスト トリートメントマセ」等の「フェイシャリストシリーズ」の刷新により、ブランドプロモーションの強化と顧客体験価値の深化に努めてまいりました。
(売上高)
当連結会計年度における連結売上高は、9,267,050千円(前年同期比4.8%増)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、2,235,962千円(前年同期比6.7%増)となりました。その結果、売上総利益は7,031,087千円となり、売上高に対する売上総利益の比率は75.9%(前連結会計年度は76.3%)となりました。
(営業利益・経常利益)
販売費及び一般管理費は6,777,827千円(前年同期比3.1%増)となり、営業利益は253,259千円(前年同期比48.1%増)、経常利益は281,785千円(前年同期比63.5%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は213,614千円(前年同期比56.8%増)となりました。これは、主に店舗に関する固定資産除却損や減損損失を計上したことにより、特別損失は43,482千円の計上となりました。加えて、自己株式の取得により資本金等の額が減少したことで、住民税の税負担が当初想定を下回り抑制されたこと、業績の回復に伴い現時点での将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、回収可能性が見込まれる部分について法人税等調整額(益)が発生したことによるものであります。
<当連結会計年度における当社グループの主な取組み>重点課題①「製品価値向上」
素肌の美しさと健やかさ、そして人生に輝きと豊かさを提供するため、「肌と心を科学する」というR&Dパーパスのもと、当期においても研究開発および製品開発を強力に推進し、独自の製品・サービスの価値創造に努めてまいりました。
基礎研究におきましては、これまで深化させてきた肌・心・身体のつながりに着目した研究を軸に、科学的根拠に基づくアプローチの高度化を図りました。当期は、前期に引き続き心理状態が肌に及ぼす影響の解明を重点テーマとし、最新の科学的知見を取り入れた研究に注力いたしました。具体的には、生体内エクソソームに着目し、バイオインフォマティクスを用いた網羅的解析により、ストレスが皮膚遺伝子に与える影響や、次世代スキンケア開発の分子基盤となるメカニズムの解明を進めました。加えて、心理的因子であるオキシトシンおよびコルチゾールが真皮におけるヒアルロン酸合成機構に及ぼす影響を特定するなど、心と肌の相関性に関する知見を一層深化させております。
また、サービス面の研究においては、フェイシャルケアが心身に及ぼすポジティブな効果について客観的検証を進め、当社技術の科学的根拠の強化を図りました。
製剤研究においては、当社のロングセラー製品である「フェイシャリスト トリートメント マセ」に採用されている「持続性液晶構造」に着目し、その機能解明を進めました。その結果、「皮膚の健康」「皮膚の清潔」「触覚的心地よさ」という3要素の観点から、皮膚機能と心理的満足の両面に働きかける新たなスキンケアアプローチの可能性が示唆されました。
これらの研究成果は、当社の製品開発における機能的価値の裏付けとなるとともに、顧客一人ひとりの「肌と心」に寄り添う独自のビューティプログラムの進化に直結するものです。今後も、研究開発を起点とした高付加価値な製品・サービスを提供することで、ブランド価値のさらなる向上と持続的な成長を実現してまいります。
<2026年3月期の主な研究発表>幸福感とストレスが皮膚遺伝子に与える影響:オキシトシンおよびコルチゾールの作用解析
(2025年7月 第50回日本香粧品学会)
表皮細胞エクソソーム内miRNAのストレスホルモン応答解析は次世代スキンケア開発の分子基盤を提供する
(2025年7月 第50回日本香粧品学会)
オキシトシンおよびコルチゾールによるヒアルロン酸合成機構の解析
(2025年11月 第98回日本生化学会)
頭頸部への経穴刺激を含むフェイシャルケアが心身に与える効果
(2025年12月 第29回日本統合医療学会)
触覚コミュニケーションを活かした液晶型クリーム製剤による心身健康支援
(2026年3月 第27回日本健康支援学会)
重点課題②「サロン価値向上」
ブランディング戦略に基づいた、店舗の改装や移設を実施したほか、店舗スタッフの専門知識、施術技術、および接客スキルの向上を目的とした教育研修を強化いたしました。人材基盤を強固なものとして、サロンでのアフターサービスを「パーソナライズされた美容体験」へと深化させることで、顧客満足度の向上に努めました。
新たな顧客の開拓に関しましては、ブランディング戦略に基づいたイベント出展ブースのデザイン刷新により視認性を高めるとともに、出展ごとの費用対効果を検証し、ターゲット層が集まる会場を選定し、質の高い顧客獲得を狙う等、効率的なチャネルでの集客に注力いたしました。これらの取り組みが奏功し、新規顧客の来店数は前年同期比109.4%と前連結会計年度に引き続き当連結会計年度も堅調に推移いたしました。加えて、質の高い顧客獲得が進んだことと、教育研修の強化による店舗スタッフの接客の質の向上により、新規顧客の購入単価は前年同期比104.0%へと向上し、これに伴い新規顧客による売上高は前年同期比119.6%と大きく増加いたしました。
ロイヤル顧客の醸成に関しましては、2024年3月期に開設した「ロイヤルカスタマー専用デスク」において、お客様の声を直接収集し、サービス改善へフィードバックする体制を構築しております。本社とお客様との直接的な接点を持つことで、顧客ロイヤルティの向上を図ってまいりました。サロンにおいても、ロイヤル顧客へ日頃の感謝を伝える「ロイヤルデー」を継続的に開催し、特別感のある体験価値を提供しております。これら継続的な施策の結果、当連結会計年度におけるロイヤルカスタマー数は、目標として定めていた12,000人を突破し、現在も順調に増加傾向にあります。
しかしながら、店舗スタッフにおける採用難等も影響し、直営店舗での接客数が横ばい傾向にあるため、既存顧客の継続数※は前年同期比100.5%と微増となり、継続顧客への売上高は前年同期比3.4%増となりました。
重点課題③「新しい価値の創造」
持続的な成長基盤の構築に向け、主力事業である直営店舗事業以外の領域における「新しい価値の創造」を推進し、「ヘア事業の拡大」「海外販路の拡大」「子会社の再拡大」に注力いたしました。
ヘア事業に関しましては、ヘアサロン「neaf」での評価制度改定に伴う意識改革が定着し、生産性の向上により売上高・利益ともに堅調に推移いたしました。特に、フェイシャリストサロンとの併設店舗であるneaf蒲田店では、相互送客モデルが軌道に乗ったことや、常時1名のスタイリストで運営していることでのマンツーマンの個室接客が功を奏し、neaf六本木店、neaf恵比寿店を上回る顧客単価となりました。また、neaf六本木店では世界に誇る日本の美容師、美容室を表彰する『KAMI CHARISMA 2026 アワード』にて、カミカリスマサロン トリートメント&スパ部門を受賞いたしました。
海外販路の拡大に関しましては、中国偏重の販路拡大を見直し、アジア圏や欧州等の企業との接点拡大を進めてまいりました。展示会等での接点からの着実な販路拡大に動いていたものの、世界情勢の緊迫化により、出荷に遅れが生じる等の様々な問題もあり、不安定な状況となりました。
子会社の再拡大に関しましては、売上高向上及び利益率の改善が一段と進捗しました。利益率の高い製品の販売に注力し、BtoB仕入プラットフォームの活用による新販路拡大や、直取引の販路の拡大を推進したことにより、売上高は前年同期比120.1%となりました。
※継続数:1ヵ月に1回以上来店のあるお客様ののべ人数
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が238,302千円となり、売上高の拡大に伴う当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ362,523千円増加し、当連結会計年度末には3,016,160千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果獲得した資金は763,099千円となりました。これは主に、契約負債の減少152,624千円、法人税等の支払額74,292千円があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上238,302千円、減価償却費216,321千円、棚卸資産の減少104,363千円、未払消費税等の増加250,175千円の計上があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は159,994千円となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入58,513千円があった一方で、有形固定資産の取得による支出209,217千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は240,686千円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出154,867千円、配当金の支払額85,819千円によるものであります
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント別ではなく、以下の区分に分け記載しております。
①生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| スキンケア | ベーシック(千円) | 3,174,727 | 85.5 |
| スペシャル(千円) | 5,651,018 | 98.1 | |
| その他(千円) | 170,337 | 156.4 | |
| 合計(千円) | 8,996,083 | 93.9 | |
(注)1.上記金額は、販売単価によっております。
2.上記区分のベーシック及びスペシャルの品目構成は、以下のとおりです。
ベーシック:洗顔料・クレンジング・化粧水・乳液等の基礎化粧品
スペシャル:美容液・クリーム・パック等の化粧品
②仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 商品仕入(千円) | 118,187 | 139.9 |
| 原材料仕入(千円) | 768,599 | 103.7 |
| その他(千円) | 72,284 | 132.7 |
| 合計(千円) | 959,071 | 109.0 |
③受注実績
当社グループ製品については受注生産を行っておりません。なお、OEM等による受注生産を一部実施しているものの、金額は僅少です。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
| 製品 | スキンケア | ベーシック(千円) | 2,761,371 | 106.1 |
| スペシャル(千円) | 5,583,573 | 101.4 | ||
| その他(千円) | 35,922 | 114.0 | ||
| 小計(千円) | 8,380,866 | 103.0 | ||
| 商品 | 美容関係器具・小物(千円) | 164,699 | 211.2 | |
| その他(千円) | 159,101 | 138.3 | ||
| 小計(千円) | 323,801 | 167.7 | ||
| その他(千円) | 562,382 | 110.9 | ||
| 合計(千円) | 9,267,050 | 104.8 | ||
(注)1.上記区分のベーシック及びスペシャルの品目構成は、以下のとおりです。
ベーシック:洗顔料・クレンジング・化粧水・乳液等の基礎化粧品
スペシャル:美容液・クリーム・パック等の化粧品
2.最近2連結会計年度の主要な販路及び販路別売上高及び割合は、次のとおりであります。
| 販路別 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 直営店舗 | 8,304,749 | 93.9 | 8,693,057 | 93.8 |
| 通信販売 | 273,065 | 3.1 | 265,734 | 2.9 |
| 国内代理店 | 141,454 | 1.6 | 154,495 | 1.6 |
| 海外代理店 | 15,571 | 0.2 | 28,766 | 0.3 |
| その他 | 104,054 | 1.2 | 124,996 | 1.4 |
| 合計(千円) | 8,838,895 | 100.0 | 9,267,050 | 100.0 |
(4)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 64.2 | 66.9 | 66.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 71.2 | 55.9 | 60.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 0.0 | - | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 747.2 | - | - |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注2)キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注3)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注4)2025年3月期及び2026年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率については、有利子負債が存在しないため、記載しておりません。
(注5)2025年3月期におけるインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのた
め、2026年3月期につきましては、利払いがないため記載しておりません。
①資本の財源と資金の流動性について
資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは安定した収益と成長性を確保するために将来必要な運転資金及び直営店舗の工事費用等の設備投資に必要な資金は、内部留保による手元資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としております。そのため、流動性の観点から基本的には当座預金及び普通預金にて運用しております。それらの資金を確保した上で、発生する余剰資金については、元本返還の確実性が高く、市場価格の変動が少なく、かつ可能な限り高い運用益が得られる方法で運用を行う方針であります。
なお、運転資金については、十分な内部留保資金を確保しておりますが、前連結会計年度末までは、不測の事態に備えるため、運転資金の効率的な調達手段として、取引銀行2行とコミットメントライン契約を締結しておりました。当連結会計年度末におきましては、取引銀行2行とのコミットメントライン契約を解除しております。
②財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は4,803,294千円となり、前連結会計年度末に比べ189,402千円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金の増加(前連結会計年度末比362,523千円増)によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は3,798,323千円となり、前連結会計年度末に比べ110,776千円減少いたしました。その主な要因は、建物及び構築物の減少(前連結会計年度末比78,806千円減)と敷金及び保証金の減少(前連結会計年度末比49,654千円減)によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は2,570,974千円となり、前連結会計年度末に比べ80,060千円増加いたしました。その主な要因は、契約負債の減少(前連結会計年度末比152,624千円減)、その他流動負債の増加(前連結会計年度末比262,309千円増)によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は342,484千円となり、前連結会計年度末に比べ13,514千円増加いたしました。その主な要因は、資産除去債務の増加(前連結会計年度末比19,489千円増)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は5,688,159千円となり、前連結会計年度末に比べ14,949千円減少いたしました。その主な要因は、利益剰余金の増加(前連結会計年度末比128,004千円増)があった一方で、自己株式の取得(前連結会計年度末比154,561千円増)を行ったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は66.1%(前連結会計年度末は66.9%)となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。