有価証券報告書-第20期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)財政状態及び経営成績の概要
①財政状態
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて376,701千円増加し、1,622,187千円となりました。これは、現金及び預金が395,794千円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて26,485千円減少し、184,270千円となりました。これは、有形固定資産が29,113千円減少したことなどによります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて350,215千円増加し、1,806,457千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて9,637千円増加し、120,084千円となりました。これは、買掛金が4,548千円減少した一方で、未払金が7,755千円、未払法人税等が7,470千円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて160,000千円増加し、160,000千円となりました。これは、長期借入金が160,000千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて169,637千円増加し、280,084千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて180,578千円増加し、1,526,373千円となりまし
た。これは、親会社株主に帰属する当期純損失を783,860千円計上した一方で、新株予約権の発行およびその一部の行使による株式の発行により資本金が475,951千円、資本剰余金が475,951千円増加したことなどによります。
②経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済及び世界経済は、世界的大流行となった新型コロナウイルス感染症の影響により世界各地で経済活動の制限が行われたことから、極めて厳しい状況となりました。日本においても2020年3月に緊急事態宣言が発出され、医療活動、経済活動へ大きな影響が出ました。さらに2020年11月ごろから新型コロナウイルス感染症の3回目の感染拡大が進んでおり、2021年1月には再び緊急事態宣言が発出されるに至るなど、経済活動の停滞や景気後退懸念が払しょくされず、先行きが不透明な状況が継続しております。
当社グループはこのような環境の下、全社員の健康と安全を確保するため、在宅勤務を原則とする勤務体制を実施するなどの対策により感染拡大防止に努めつつ再生医療支援事業及び細胞シート再生医療事業における活動を推進いたしました。
この結果、当連結会計年度における売上高は199,466千円(前連結会計年度比76,357千円の減少)、営業損失は719,521千円(前連結会計年度比61,275千円の減少)、経常損失は744,701千円(前連結会計年度比41,532千円の減少)、親会社株主に帰属する当期純損失は783,860千円(前連結会計年度比1,462千円の増加)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(再生医療支援事業)培養器材事業、製造受託など
再生医療支援事業では、将来に向け更なる器材事業の成長を目指し、引き続き新製品の研究開発に取り組みました。販売面におきましては、新型コロナウイルスをはじめとした様々な感染症やがん疾患などの予防法や治療法を開発するための研究用細胞の大量培養を目的とした新たな市場へ製品供給を開始し、更には器材製品の拡販に向けた既存代理店との更なる協業強化及び積極的な販売促進活動を引き続きおこなった結果、当連結会計会計年度において、特に海外売上が順調に伸び、前連結会計年度に続き過去最高の売上を達成することが出来ました。
当社細胞培養センターを活かした再生医療を支援する再生医療受託事業については、共同研究先である東海大学で自己軟骨再生シートの先進医療Bの治療が開始されております。当社は東海大学から製造を受託し、新型コロナウイルスの感染拡大により手術の延期等の影響により当初の売上計画は未達であったものの、年間で3症例の売上を計上することが出来ました。
以上のような結果、当連結会計年度における売上高は147,314千円(前連結会計年度比30,179千円の増加)、営業損失は38,901千円(前連結会計年度比5,043千円の減少)となりました。
(細胞シート再生医療事業)
細胞シート再生医療事業では、食道再生上皮シート及び軟骨再生シートの細胞シート再生医療等製品パイプラインの自社開発を中心とした研究開発を推進しております。
食道再生シートパイプラインでは、追加治験の開始に注力して参りました。
2016年8月より進めて参りました治験については2018年4月までに治験実施施設での症例登録を終了しましたが、本製品の安全性は確認できたものの、有効性を証明するには十分なデータであるとは言い切れず、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)からは、追加治験を実施する必要がある旨の回答がありました。
その後、食道癌の内視鏡治療後の食道狭窄予防に安価な治療方法としてステロイド投与が認知されてきたことから、追加治験はステロイド投与にリスクがある患者を対象にし、必要な症例数等を含め、PMDAと継続して協議を行ってきた結果、2020年7月には追加治験を実施することを決定し同年10月には治験届を提出いたしました。
このような経緯から対象患者をステロイド投与にリスクがある患者に限定したこと、PMDAから当初の治験よりも多い症例数を求められていることから、製造販売承認申請の時期を2025年に予定していますが、治験施設の追加など、治験期間の短縮に向けて、引き続き検討を重ねて参ります。
なお、当社スウェーデン子会社を拠点とする、欧州における食道再生上皮シートに関する開発につきましては、内視鏡治療の欧州での普及が当初想定したよりも進んでいないこと、上記の日本における製造販売承認の取得に注力するため、中止することを決定いたしました。
軟骨再生シート再生医療等製品パイプラインでは、同種細胞をストックするためのセルストックを構築するための仕組みづくりを模索してまいりました。
しかしながら商業利用を前提としたセルストック構築には、各種医療機関・行政における細胞を採取・保管・供給するための仕組み作りに未整備な点が見受けられ、企業として組織の入手が困難であったため、まずは研究用途に限った軟骨細胞を成育研から入手して、研究開発を行っておりました。
2020年12月には成育研の倫理審査委員会から、多指(趾)症(生まれつき指の数が5本より多い疾患)患者から採取した軟骨組織の提供等について承認を取得し、ようやく商業利用可能な軟骨組織を安定的に入手することができるようになったことから、今後は同種軟骨細胞シートの治験及び製造販売承認に向けての研究開発を加速させて参ります。
海外展開におきましては、2020年11月に三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対して5,000万円の売上を計上いたしました。
当該売上は、三顧股份有限公司(MetaTech(AP) Inc.)と細胞シート再生医療事業(食道再生上皮シート・軟骨再生シート)の台湾での独占的な開発・製造・販売権を付与する契約を2017年4月に締結しており、この契約において軟骨再生シートによる治療を開始し、10 症例の治療完了時には、5,000 万円のマイルストーン収入(目標達成報奨金)を受領することになっていたものによるものです。
今後も引き続き三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対して食道再生上皮シート及び軟骨再生シート事業にかかる支援を行って参ります。
以上のような活動の結果、当連結会計年度における売上高は52,152千円(前連結会計年度比106,537千円の減少)、営業損失は390,492千円(前連結会計年度比33,755千円の減少)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて395,794千円増加し、1,460,867千円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は700,678千円(前連結会計年度比123,166千円の支出増)となりました。これは、税金等調整前当期純損失を780,060千円計上したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は12,615千円(前連結会計年度比120,658千円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出6,450千円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は1,102,928千円(前連結会計年度比381,680千円の収入増)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入938,683千円,長期借入れによる収入160,000千円などによるものです。
④生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(b)受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度の主要な輸出先及び輸出販売高並びに割合は、次のとおりであります。
なお、( )内は販売実績に対する輸出高の割合であります。
3 最近2連結会計年度の主要な販売先及び販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、将来に関する事項は当連結会計年度末日現在において判断したものであり、リスクや不確実性を含んでいます。将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。
①財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて376,701千円増加し、1,622,187千円となりました。これは、現金及び預金が395,794千円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて26,485千円減少し、184,270千円となりました。これは、有形固定資産が29,113千円減少したことなどによります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて350,215千円増加し、1,806,457千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて9,637千円増加し、120,084千円となりました。これは、買掛金が4,548千円減少した一方で、未払金が7,755千円、未払法人税等が7,470千円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて160,000千円増加し、160,000千円となりました。これは、長期借入金が160,000千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて169,637千円増加し、280,084千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて180,578千円増加し、1,526,373千円となりまし
た。これは、親会社株主に帰属する当期純損失を783,860千円計上した一方で、新株予約権の発行およびその一部の行使による株式の発行により資本金が475,951千円、資本剰余金が475,951千円増加したことなどによります。
②経営成績の分析
再生医療支援事業では、将来に向け更なる器材事業の成長を目指し、引き続き新製品の研究開発に取り組みました。販売面におきましては、新型コロナウイルスをはじめとした様々な感染症やがん疾患などの予防法や治療法を開発するための研究用細胞の大量培養を目的とした新たな市場へ製品供給を開始し、更には器材製品の拡販に向けた既存代理店との更なる協業強化及び積極的な販売促進活動を引き続きおこなった結果、当連結会計会計年度において、特に海外売上が順調に伸び、前連結会計年度に続き過去最高の売上を達成することが出来ました。
当社細胞培養センターを活かした再生医療を支援する再生医療受託事業については、共同研究先である東海大学で自己軟骨再生シートの先進医療Bの治療が開始されております。当社は東海大学から製造を受託し、新型コロナウイルスの感染拡大により手術の延期等の影響により当初の売上計画は未達であったものの、年間で3症例の売上を計上することが出来ました。
以上のような結果、当連結会計年度における売上高は147,314千円(前連結会計年度比30,179千円の増加)、営業損失は38,901千円(前連結会計年度比5,043千円の減少)となりました。
細胞シート再生医療事業では、食道再生上皮シート及び軟骨再生シートの細胞シート再生医療等製品パイプラインの自社開発を中心とした研究開発を推進しております。
食道再生シートパイプラインでは、追加治験の開始に注力して参りました。
2016年8月より進めて参りました治験については2018年4月までに治験実施施設での症例登録を終了しましたが、本製品の安全性は確認できたものの、有効性を証明するには十分なデータであるとは言い切れず、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)からは、追加治験を実施する必要がある旨の回答がありました。
その後、食道癌の内視鏡治療後の食道狭窄予防に安価な治療方法としてステロイド投与が認知されてきたことから、追加治験はステロイド投与にリスクがある患者を対象にし、必要な症例数等を含め、PMDAと継続して協議を行ってきた結果、2020年7月には追加治験を実施することを決定し同年10月には治験届を提出いたしました。
このような経緯から対象患者をステロイド投与にリスクがある患者に限定したこと、PMDAから当初の治験よりも多い症例数を求められていることから、製造販売承認申請の時期を2025年に予定していますが、治験施設の追加など、治験期間の短縮に向けて、引き続き検討を重ねて参ります。
なお、当社スウェーデン子会社を拠点とする、欧州における食道再生上皮シートに関する開発につきましては、内視鏡治療の欧州での普及が当初想定したよりも進んでいないこと、上記の日本における製造販売承認の取得に注力するため、中止することを決定いたしました。
軟骨再生シート再生医療等製品パイプラインでは、同種細胞をストックするためのセルストックを構築するための仕組みづくりを模索してまいりました。
しかしながら商業利用を前提としたセルストック構築には、各種医療機関・行政における細胞を採取・保管・供給するための仕組み作りに未整備な点が見受けられ、企業として組織の入手が困難であったため、まずは研究用途に限った軟骨細胞を成育研から入手して、研究開発を行っておりました。
2020年12月には成育研の倫理審査委員会から、多指(趾)症(生まれつき指の数が5本より多い疾患)患者から採取した軟骨組織の提供等について承認を取得し、ようやく商業利用可能な軟骨組織を安定的に入手することができるようになったことから、今後は同種軟骨細胞シートの治験及び製造販売承認に向けての研究開発を加速させて参ります。
海外展開におきましては、2020年11月に三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対して5,000万円の売上を計上いたしました。
当該売上は、三顧股份有限公司(MetaTech(AP) Inc.)と細胞シート再生医療事業(食道再生上皮シート・軟骨再生シート)の台湾での独占的な開発・製造・販売権を付与する契約を2017年4月に締結しており、この契約において軟骨再生シートによる治療を開始し、10 症例の治療完了時には、5,000 万円のマイルストーン収入(目標達成報奨金)を受領することになっていたものによるものです。
今後も引き続き三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対して食道再生上皮シート及び軟骨再生シート事業にかかる支援を行って参ります。
以上のような活動の結果、当連結会計年度における売上高は52,152千円(前連結会計年度比106,537千円の減少)、営業損失は390,492千円(前連結会計年度比33,755千円の減少)となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて395,794千円増加し、1,460,867千円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は700,678千円(前連結会計年度比123,166千円の支出増)となりました。これは、税金等調整前当期純損失を780,060千円計上したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は12,615千円(前連結会計年度比120,658千円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出6,450千円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は1,102,928千円(前連結会計年度比381,680千円の収入増)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入938,683千円,長期借入による収入160,000千円などによるものです。
④資本の財源及び資金の流動性
当社は引き続き細胞シート再生医療の実現に向けた研究開発投資を推進する予定であります。そのために必要となる今後の資金については、現有手許資金を充当する他、公的助成・補助の活用、エクイティ・ファイナンスを含めた金融的手法など様々な手段を活用して機動的に手当てを行う方針です。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、細胞シート工学という日本発の革新的再生医療技術を基盤として様々な細胞シート再生医療等製品を開発し、その世界普及を目指しております。
当社の基盤技術である細胞シート工学は、バラバラの細胞から生体組織・臓器の基本単位となる「細胞シート」を生体外で人工的に作製することができる再生医療基盤技術です。
細胞シート再生医療については既に様々な組織の再生に関する臨床研究が実施されており、実際にヒト患者治療における基本的な安全性・有効性を示唆する科学的エビデンスが示され始めています。
また2014年11月に「医薬品医療機器法」並びに「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が施行され、日本における再生医療を取り巻く環境が大きく変化し、再生医療等製品の産業化が進みつつあります。この日本における大きな外部環境の変化を活かしつつ、上記概要の通り計画を推進して参ります。
⑥経営戦略の現状・問題認識と今後の方針について
上述⑤のような状況の中、この日本における大きな外部環境の変化を活かすべく、下記概要の通り計画を推進して参ります。
●日本で早期の食道再生上皮シートの製造販売承認申請を目指す
●自己軟骨再生シートは東海大学より先進医療に係る製造を受託。先進医療を見据えて治験実施
●日本発の細胞シート工学の世界展開のために事業提携を積極的に推進し収益の拡大を目指す。
●台湾における再生医療ビジネスへの投資拡大を見据え、台湾・三顧股份有限公司(MetaTech(AP) Inc.)及び台湾合弁会社(日生細胞生技股份有限公司(Up Cell Biomedical Co.))との協業を強化し、更なる収益機会獲得を目指す。
●再生医療支援製品の新製品開発及び研究用細胞の大量培養を目的とした新たな市場への製品供給並びに海外売上の拡大による需要増加に対応した生産体制・能力を充実、拡大し、更なる収益機会の拡大を目指す。
●受託製造、コンサルティング事業を推進し、更なる収益機会獲得を目指す。
①財政状態
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて376,701千円増加し、1,622,187千円となりました。これは、現金及び預金が395,794千円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて26,485千円減少し、184,270千円となりました。これは、有形固定資産が29,113千円減少したことなどによります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて350,215千円増加し、1,806,457千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて9,637千円増加し、120,084千円となりました。これは、買掛金が4,548千円減少した一方で、未払金が7,755千円、未払法人税等が7,470千円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて160,000千円増加し、160,000千円となりました。これは、長期借入金が160,000千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて169,637千円増加し、280,084千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて180,578千円増加し、1,526,373千円となりまし
た。これは、親会社株主に帰属する当期純損失を783,860千円計上した一方で、新株予約権の発行およびその一部の行使による株式の発行により資本金が475,951千円、資本剰余金が475,951千円増加したことなどによります。
②経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済及び世界経済は、世界的大流行となった新型コロナウイルス感染症の影響により世界各地で経済活動の制限が行われたことから、極めて厳しい状況となりました。日本においても2020年3月に緊急事態宣言が発出され、医療活動、経済活動へ大きな影響が出ました。さらに2020年11月ごろから新型コロナウイルス感染症の3回目の感染拡大が進んでおり、2021年1月には再び緊急事態宣言が発出されるに至るなど、経済活動の停滞や景気後退懸念が払しょくされず、先行きが不透明な状況が継続しております。
当社グループはこのような環境の下、全社員の健康と安全を確保するため、在宅勤務を原則とする勤務体制を実施するなどの対策により感染拡大防止に努めつつ再生医療支援事業及び細胞シート再生医療事業における活動を推進いたしました。
この結果、当連結会計年度における売上高は199,466千円(前連結会計年度比76,357千円の減少)、営業損失は719,521千円(前連結会計年度比61,275千円の減少)、経常損失は744,701千円(前連結会計年度比41,532千円の減少)、親会社株主に帰属する当期純損失は783,860千円(前連結会計年度比1,462千円の増加)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(再生医療支援事業)培養器材事業、製造受託など
再生医療支援事業では、将来に向け更なる器材事業の成長を目指し、引き続き新製品の研究開発に取り組みました。販売面におきましては、新型コロナウイルスをはじめとした様々な感染症やがん疾患などの予防法や治療法を開発するための研究用細胞の大量培養を目的とした新たな市場へ製品供給を開始し、更には器材製品の拡販に向けた既存代理店との更なる協業強化及び積極的な販売促進活動を引き続きおこなった結果、当連結会計会計年度において、特に海外売上が順調に伸び、前連結会計年度に続き過去最高の売上を達成することが出来ました。
当社細胞培養センターを活かした再生医療を支援する再生医療受託事業については、共同研究先である東海大学で自己軟骨再生シートの先進医療Bの治療が開始されております。当社は東海大学から製造を受託し、新型コロナウイルスの感染拡大により手術の延期等の影響により当初の売上計画は未達であったものの、年間で3症例の売上を計上することが出来ました。
以上のような結果、当連結会計年度における売上高は147,314千円(前連結会計年度比30,179千円の増加)、営業損失は38,901千円(前連結会計年度比5,043千円の減少)となりました。
(細胞シート再生医療事業)
細胞シート再生医療事業では、食道再生上皮シート及び軟骨再生シートの細胞シート再生医療等製品パイプラインの自社開発を中心とした研究開発を推進しております。
食道再生シートパイプラインでは、追加治験の開始に注力して参りました。
2016年8月より進めて参りました治験については2018年4月までに治験実施施設での症例登録を終了しましたが、本製品の安全性は確認できたものの、有効性を証明するには十分なデータであるとは言い切れず、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)からは、追加治験を実施する必要がある旨の回答がありました。
その後、食道癌の内視鏡治療後の食道狭窄予防に安価な治療方法としてステロイド投与が認知されてきたことから、追加治験はステロイド投与にリスクがある患者を対象にし、必要な症例数等を含め、PMDAと継続して協議を行ってきた結果、2020年7月には追加治験を実施することを決定し同年10月には治験届を提出いたしました。
このような経緯から対象患者をステロイド投与にリスクがある患者に限定したこと、PMDAから当初の治験よりも多い症例数を求められていることから、製造販売承認申請の時期を2025年に予定していますが、治験施設の追加など、治験期間の短縮に向けて、引き続き検討を重ねて参ります。
なお、当社スウェーデン子会社を拠点とする、欧州における食道再生上皮シートに関する開発につきましては、内視鏡治療の欧州での普及が当初想定したよりも進んでいないこと、上記の日本における製造販売承認の取得に注力するため、中止することを決定いたしました。
軟骨再生シート再生医療等製品パイプラインでは、同種細胞をストックするためのセルストックを構築するための仕組みづくりを模索してまいりました。
しかしながら商業利用を前提としたセルストック構築には、各種医療機関・行政における細胞を採取・保管・供給するための仕組み作りに未整備な点が見受けられ、企業として組織の入手が困難であったため、まずは研究用途に限った軟骨細胞を成育研から入手して、研究開発を行っておりました。
2020年12月には成育研の倫理審査委員会から、多指(趾)症(生まれつき指の数が5本より多い疾患)患者から採取した軟骨組織の提供等について承認を取得し、ようやく商業利用可能な軟骨組織を安定的に入手することができるようになったことから、今後は同種軟骨細胞シートの治験及び製造販売承認に向けての研究開発を加速させて参ります。
海外展開におきましては、2020年11月に三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対して5,000万円の売上を計上いたしました。
当該売上は、三顧股份有限公司(MetaTech(AP) Inc.)と細胞シート再生医療事業(食道再生上皮シート・軟骨再生シート)の台湾での独占的な開発・製造・販売権を付与する契約を2017年4月に締結しており、この契約において軟骨再生シートによる治療を開始し、10 症例の治療完了時には、5,000 万円のマイルストーン収入(目標達成報奨金)を受領することになっていたものによるものです。
今後も引き続き三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対して食道再生上皮シート及び軟骨再生シート事業にかかる支援を行って参ります。
以上のような活動の結果、当連結会計年度における売上高は52,152千円(前連結会計年度比106,537千円の減少)、営業損失は390,492千円(前連結会計年度比33,755千円の減少)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて395,794千円増加し、1,460,867千円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は700,678千円(前連結会計年度比123,166千円の支出増)となりました。これは、税金等調整前当期純損失を780,060千円計上したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は12,615千円(前連結会計年度比120,658千円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出6,450千円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は1,102,928千円(前連結会計年度比381,680千円の収入増)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入938,683千円,長期借入れによる収入160,000千円などによるものです。
④生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(b)受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 再生医療支援事業(千円) | 147,314 | 25.8 |
| 細胞シート再生医療事業(千円) | 52,152 | △67.1 |
| 合計(千円) | 199,466 | △27.7 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度の主要な輸出先及び輸出販売高並びに割合は、次のとおりであります。
なお、( )内は販売実績に対する輸出高の割合であります。
| 輸出先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 欧州 | 48,725 | 22.8 | 53,591 | 40.3 |
| アジア | 164,552 | 77.0 | 79,248 | 59.7 |
| 米国 | 341 | 0.2 | - | - |
| 合計 | 213,619 (77.4%) | 100.0 | 132,839 (66.6%) | 100.0 |
3 最近2連結会計年度の主要な販売先及び販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| MetaTech(AP)INC. | 164,552 | 59.7 | 79,248 | 39.7 |
| Thermo Fisher Scientific Inc. | 48,725 | 17.7 | 53,591 | 26.9 |
| フナコシ(株) | 26,059 | 9.4 | 32,246 | 16.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、将来に関する事項は当連結会計年度末日現在において判断したものであり、リスクや不確実性を含んでいます。将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。
①財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて376,701千円増加し、1,622,187千円となりました。これは、現金及び預金が395,794千円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて26,485千円減少し、184,270千円となりました。これは、有形固定資産が29,113千円減少したことなどによります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて350,215千円増加し、1,806,457千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて9,637千円増加し、120,084千円となりました。これは、買掛金が4,548千円減少した一方で、未払金が7,755千円、未払法人税等が7,470千円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて160,000千円増加し、160,000千円となりました。これは、長期借入金が160,000千円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて169,637千円増加し、280,084千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて180,578千円増加し、1,526,373千円となりまし
た。これは、親会社株主に帰属する当期純損失を783,860千円計上した一方で、新株予約権の発行およびその一部の行使による株式の発行により資本金が475,951千円、資本剰余金が475,951千円増加したことなどによります。
②経営成績の分析
再生医療支援事業では、将来に向け更なる器材事業の成長を目指し、引き続き新製品の研究開発に取り組みました。販売面におきましては、新型コロナウイルスをはじめとした様々な感染症やがん疾患などの予防法や治療法を開発するための研究用細胞の大量培養を目的とした新たな市場へ製品供給を開始し、更には器材製品の拡販に向けた既存代理店との更なる協業強化及び積極的な販売促進活動を引き続きおこなった結果、当連結会計会計年度において、特に海外売上が順調に伸び、前連結会計年度に続き過去最高の売上を達成することが出来ました。
当社細胞培養センターを活かした再生医療を支援する再生医療受託事業については、共同研究先である東海大学で自己軟骨再生シートの先進医療Bの治療が開始されております。当社は東海大学から製造を受託し、新型コロナウイルスの感染拡大により手術の延期等の影響により当初の売上計画は未達であったものの、年間で3症例の売上を計上することが出来ました。
以上のような結果、当連結会計年度における売上高は147,314千円(前連結会計年度比30,179千円の増加)、営業損失は38,901千円(前連結会計年度比5,043千円の減少)となりました。
細胞シート再生医療事業では、食道再生上皮シート及び軟骨再生シートの細胞シート再生医療等製品パイプラインの自社開発を中心とした研究開発を推進しております。
食道再生シートパイプラインでは、追加治験の開始に注力して参りました。
2016年8月より進めて参りました治験については2018年4月までに治験実施施設での症例登録を終了しましたが、本製品の安全性は確認できたものの、有効性を証明するには十分なデータであるとは言い切れず、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)からは、追加治験を実施する必要がある旨の回答がありました。
その後、食道癌の内視鏡治療後の食道狭窄予防に安価な治療方法としてステロイド投与が認知されてきたことから、追加治験はステロイド投与にリスクがある患者を対象にし、必要な症例数等を含め、PMDAと継続して協議を行ってきた結果、2020年7月には追加治験を実施することを決定し同年10月には治験届を提出いたしました。
このような経緯から対象患者をステロイド投与にリスクがある患者に限定したこと、PMDAから当初の治験よりも多い症例数を求められていることから、製造販売承認申請の時期を2025年に予定していますが、治験施設の追加など、治験期間の短縮に向けて、引き続き検討を重ねて参ります。
なお、当社スウェーデン子会社を拠点とする、欧州における食道再生上皮シートに関する開発につきましては、内視鏡治療の欧州での普及が当初想定したよりも進んでいないこと、上記の日本における製造販売承認の取得に注力するため、中止することを決定いたしました。
軟骨再生シート再生医療等製品パイプラインでは、同種細胞をストックするためのセルストックを構築するための仕組みづくりを模索してまいりました。
しかしながら商業利用を前提としたセルストック構築には、各種医療機関・行政における細胞を採取・保管・供給するための仕組み作りに未整備な点が見受けられ、企業として組織の入手が困難であったため、まずは研究用途に限った軟骨細胞を成育研から入手して、研究開発を行っておりました。
2020年12月には成育研の倫理審査委員会から、多指(趾)症(生まれつき指の数が5本より多い疾患)患者から採取した軟骨組織の提供等について承認を取得し、ようやく商業利用可能な軟骨組織を安定的に入手することができるようになったことから、今後は同種軟骨細胞シートの治験及び製造販売承認に向けての研究開発を加速させて参ります。
海外展開におきましては、2020年11月に三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対して5,000万円の売上を計上いたしました。
当該売上は、三顧股份有限公司(MetaTech(AP) Inc.)と細胞シート再生医療事業(食道再生上皮シート・軟骨再生シート)の台湾での独占的な開発・製造・販売権を付与する契約を2017年4月に締結しており、この契約において軟骨再生シートによる治療を開始し、10 症例の治療完了時には、5,000 万円のマイルストーン収入(目標達成報奨金)を受領することになっていたものによるものです。
今後も引き続き三顧股份有限公司(MetaTech(AP)Inc.)に対して食道再生上皮シート及び軟骨再生シート事業にかかる支援を行って参ります。
以上のような活動の結果、当連結会計年度における売上高は52,152千円(前連結会計年度比106,537千円の減少)、営業損失は390,492千円(前連結会計年度比33,755千円の減少)となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて395,794千円増加し、1,460,867千円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は700,678千円(前連結会計年度比123,166千円の支出増)となりました。これは、税金等調整前当期純損失を780,060千円計上したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は12,615千円(前連結会計年度比120,658千円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出6,450千円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は1,102,928千円(前連結会計年度比381,680千円の収入増)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入938,683千円,長期借入による収入160,000千円などによるものです。
④資本の財源及び資金の流動性
当社は引き続き細胞シート再生医療の実現に向けた研究開発投資を推進する予定であります。そのために必要となる今後の資金については、現有手許資金を充当する他、公的助成・補助の活用、エクイティ・ファイナンスを含めた金融的手法など様々な手段を活用して機動的に手当てを行う方針です。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、細胞シート工学という日本発の革新的再生医療技術を基盤として様々な細胞シート再生医療等製品を開発し、その世界普及を目指しております。
当社の基盤技術である細胞シート工学は、バラバラの細胞から生体組織・臓器の基本単位となる「細胞シート」を生体外で人工的に作製することができる再生医療基盤技術です。
細胞シート再生医療については既に様々な組織の再生に関する臨床研究が実施されており、実際にヒト患者治療における基本的な安全性・有効性を示唆する科学的エビデンスが示され始めています。
また2014年11月に「医薬品医療機器法」並びに「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が施行され、日本における再生医療を取り巻く環境が大きく変化し、再生医療等製品の産業化が進みつつあります。この日本における大きな外部環境の変化を活かしつつ、上記概要の通り計画を推進して参ります。
⑥経営戦略の現状・問題認識と今後の方針について
上述⑤のような状況の中、この日本における大きな外部環境の変化を活かすべく、下記概要の通り計画を推進して参ります。
●日本で早期の食道再生上皮シートの製造販売承認申請を目指す
●自己軟骨再生シートは東海大学より先進医療に係る製造を受託。先進医療を見据えて治験実施
●日本発の細胞シート工学の世界展開のために事業提携を積極的に推進し収益の拡大を目指す。
●台湾における再生医療ビジネスへの投資拡大を見据え、台湾・三顧股份有限公司(MetaTech(AP) Inc.)及び台湾合弁会社(日生細胞生技股份有限公司(Up Cell Biomedical Co.))との協業を強化し、更なる収益機会獲得を目指す。
●再生医療支援製品の新製品開発及び研究用細胞の大量培養を目的とした新たな市場への製品供給並びに海外売上の拡大による需要増加に対応した生産体制・能力を充実、拡大し、更なる収益機会の拡大を目指す。
●受託製造、コンサルティング事業を推進し、更なる収益機会獲得を目指す。