有価証券報告書-第11期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 11:30
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴う影響については、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある事象が発生していないことから、軽微であると判断しております。
(1) 経営成績
2020年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、厳しい状況で推移いたしました。今後につきましても、ワクチンの普及による感染症の収束が期待されているものの、変異ウイルスが広がりをみせるなど、先行き不透明な状況が継続することが懸念されております。
当社グループを取り巻く事業環境については、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、活動自粛や工事部材の納入遅れなどにより、一部工事の進捗が遅れたほか、新規受注の獲得にも影響が生じました。しかしながら、中長期的には、第5世代移動通信システム(5G)の基地局整備計画が前倒しされるなど、5G関連サービス拡大への期待や、「新しい生活様式」のもと、オンライン授業やテレワークの浸透などに伴う新たなICTソリューションに対するニーズの高まり、さらには脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギー政策の推進が期待されております。
こうしたなか、当社グループは、「総合エンジニアリング&サービス会社」として人々の生活を支える社会インフラを構築するため、通信事業各社をはじめとするお客様と連携し、新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じながら事業活動を継続するとともに、時差出勤、在宅勤務、オフィス分散など、当社グループ自身の働き方改革の進展と事業運営の効率化にも取り組んでまいりました。
NTT事業においては、設備運営業務の増加やテレワークの拡大などに伴うアクセス工事の増加、高度無線環境整備推進事業の受注獲得に取り組むとともに、ベンチマーク方式による利益率の改善や事務所統合などによる効率化を図りました。
マルチキャリア事業においては、5Gの本格展開や楽天モバイル向け工事の受注獲得に取り組むとともに、固定通信設備とモバイル通信設備の工事・保守を複合的に行えるマルチスキル技術者を育成し、技術力・人材基盤の強化を推進いたしました。
環境・社会イノベーション事業においては、大型太陽光発電設備工事の減少により売上・受注は減少したものの、空調工事は増加いたしました。さらに、上下水道工事・土木工事のコスト競争力の強化を図ることを目的として、東海工営㈱と都建設㈱の合併(2021年4月1日実施)を決定いたしました。
ICTソリューション事業においては、国内LAN・Wi-Fi工事の増加や学校向けPC・サーバーやモバイル関連の工事部材等物販の増加などにより売上高の拡大を図りました。さらに、中長期的なグローバル事業拡大を目的として、シンガポールにおいて電気工事を営むYL Integrated Pte Ltd及び同社の子会社2社を連結子会社化するとともに、中国(上海市)を中心に通信タワーの建設及びシェアリングサービスの提供を営むShanghai Changling Communication Equipment Co.,Ltdを連結子会社化いたしました。
一方、当社及び連結子会社である㈱ミライト、㈱ミライト・テクノロジーズの3社の再編成・合併(目標:2022年度早期)に向けた検討を開始、さらには、㈱ミライトのグループ会社再編成にも取り組むなど、事業環境の変化に対応した事業構造の転換を加速しております。
また、株主還元の充実と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として、自己株式の取得(合計 600万株、95億7千万円)を実施いたしました。
以上の結果、当期の連結業績につきましては、受注高は4,749億8千4百万円(前期比6.4%増)、売上高は4,637億4千4百万円(前期比5.1%増)、営業利益は301億2千9百万円(前期比37.0%増)、経常利益は317億3千9百万円(前期比36.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、政策保有株式の売却もあり、242億5百万円(前期比59.0%増)となりました。なお、営業利益率は6.5%、ROEは11.0%となりました。
報告セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。
[ミライトの業績]
ミライトは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための緊急事態宣言発出に伴う活動自粛や感染対策に取り組むなか、5G関連工事や高度無線環境整備推進事業の案件受注、環境事業における空調工事等の増加やモバイル関連の工事部材等物販の増加により、受注高は2,296億6千4百万円(前期比6.2%増)、売上高は2,257億7千4百万円(前期比7.2%増)、営業利益は164億6千8百万円(前期比30.6%増)となりました。
[ミライト・テクノロジーズの業績]
ミライト・テクノロジーズは、高度無線環境整備推進事業の案件受注や携帯基地局工事の増加、電子棚札やGIGAスクール案件などの拡大に取り組んだものの、大型太陽光発電設備工事の減少もあり、受注高は1,175億2百万円(前期比1.7%減)、売上高は1,193億7千7百万円(前期比5.1%減)となりました。一方で、原価率改善に積極的に取り組み、営業利益は49億3千7百万円(前期比24.5%増)となりました。
[ラントロビジョンの業績]
ラントロビジョンは、M&A等を活用した事業領域の拡大に取り組み、受注高は191億7千6百万円(前期比4.7%増)となったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うロックダウン等の影響により、売上高は151億4千万円(前期比13%減)となりましたが、政府による雇用継続助成金等もあり、営業利益は6億5千6百万円(前期比72.3%増)となりました。
[TTKの業績]
TTKは、高度無線環境整備推進事業の案件受注、NCC系キャリア設備工事の増加、GIGAスクール案件等ICTソリューション事業の拡大により、受注高は386億6千1百万円(前期比6.2%増)、売上高は375億9千万円(前期比5.1%増)、営業利益は24億9千7百万円(前期比21.3%増)となりました。
[ソルコムの業績]
ソルコムは、高度無線環境整備推進事業の案件受注や設備運営業務の拡大に取り組むとともに、GIGAスクール案件や高速道路情報化工事、下水道管きょ更生工事等フロンティア事業の拡大により、受注高は462億9千1百万円(前期比11.1%増)、売上高は413億1百万円(前期比9.7%増)、営業利益は20億7千3百万円(前期比75.8%増)となりました。
[四国通建の業績]
四国通建は、NTT事業におけるコスト削減の取り組みに加え、携帯基地局工事の増加、GIGAスクール案件の大型受注などICTソリューション事業の拡大により、受注高は338億4千1百万円(前期比37.9%増)、売上高は342億8千6百万円(前期比42.1%増)、営業利益は34億5千3百万円(前期比95.4%増)となりました。
[当社(持株会社)の業績]
当社は、持株会社として、グループの経営戦略などの企画機能や、財務・IR・総務機能を担っていること等から、事業会社から経営管理料及び受取配当金を受領し、グループの経営管理や事業戦略の推進等を実施してまいりました。その結果、営業収益は139億2千8百万円(前期比63.0%増)、営業利益は121億6千7百万円(前期比81.0%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループが営んでいる事業の大部分を占める情報通信エンジニアリング事業においては生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
また、「受注実績」及び「売上実績」については、当社の連結での受注及び売上の状況をセグメント別に記載しております。
a. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)
ミライト228,4656.3
ミライト・テクノロジーズ108,857△2.2
ラントロビジョン19,1764.7
TTK38,5206.9
ソルコム46,22811.2
四国通建33,73738.1
その他--
合計474,9846.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称売上高(百万円)前年同期比(%)
ミライト224,6447.3
ミライト・テクノロジーズ111,262△5.3
ラントロビジョン15,140△13.0
TTK37,2885.7
ソルコム41,2399.9
四国通建34,16742.1
その他2△26.3
合計463,7445.1

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
売上高
(百万円)
割合(%)売上高
(百万円)
割合(%)
東日本電信電話株式会社87,36819.886,82818.7
西日本電信電話株式会社55,49612.662,10813.4
株式会社NTTドコモ44,16710.040,3798.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、3,587億5千1百万円で前連結会計年度末比66億1千7百万円の増加となりました。内訳は、流動資産で前連結会計年度末比77億8千2百万円増加し、固定資産で前連結会計年度末比11億6千5百万円減少しております。流動資産は債権回収が進んだことにより現金預金が増加しましたが、固定資産は設備投資に伴う建物及び構築物並びに建設仮勘定が増加したものの、政策保有株式の売却等により減少しております。
負債は、1,274億2千8百万円で前連結会計年度末比59億9千5百万円の減少となりました。内訳は、流動負債で前連結会計年度末比17億1千9百万円減少し、固定負債で前連結会計年度末比42億7千6百万円減少しております。主な要因は、工事未払金等の買掛債務の増加や未払法人税等の計上があったものの、短期借入金を返済したことによるものであります。
純資産は、2,313億2千3百万円で前連結会計年度末比126億1千3百万円の増加となりました。これは配当金の支払いや、自己株式の取得があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益242億5百万円の計上等により利益剰余金が196億9千3百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は63.1%(前連結会計年度末は61.2%)となり、1株当たり純資産は2,232.25円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して112億1千9百万円増加し、428億5千1百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額90億6千6百万円等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益362億4千2百万円を計上したこと等により、416億2百万円の増加(前連結会計年度は79億3千6百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出83億8千3百万円等の資金の減少があったものの、投資有価証券の売却による収入113億6千9百万円により、18億6千9百万円の増加(前連結会計年度は91億7千6百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済166億1千1百万円や自己株式の取得による支出95億7千4百万円、配当金の支払額45億7千9百万円等による資金の減少があったことにより322億円の減少(前連結会計年度は28億1千4百万円の減少)となりました。
(4) 資本の財源、資金の流動性に係る情報
①財務政策
当社グループは、安定した財務基盤と資本効率の両立を基本方針とし、新たな事業機会を創出するとともに事業構造の転換を加速させ、企業価値向上に努めます。そのため、健全な財務体質を維持しつつ資本コストを意識し、戦略的に経営資源を配分してまいります。また、株主還元については、安定的・継続的な配当の維持を前提に、総還元性向30%以上を目線に業績・資金状況等を勘案し総合的に判断してまいります。
②資金需要
当社グループの資金需要は、経常運転資金として工事に係る材料費・外注費及び労務費等があり、投資活動に関する支出として、事業用資産取得にかかる設備投資資金、今後の成長に向けたM&A等の投融資資金があります。
また、総還元性向30%以上を目線に、安定的・継続的な配当に加え機動的な資本政策として自己株式取得を行う等、株主還元にも当社グループのキャッシュフローを充当してまいります。
③資金調達の方法・状況
資金調達については、内部資金を基本としており、キャッシュマネジメントシステム(CMS)導入によってグループ資金の有効活用を図っておりますが、一時的な不足資金については、金融機関からの短期資金調達にて対応しております。また、緊急時やM&A等の成長投資に向けた資金需要に備え、適正な手元現預金の確保に努めるとともに、金融機関とのリレーションを維持強化し短期資金借入枠を設定しているほか、外部格付の取得を行う等、資金調達体制の構築に努めております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、損益又は資産の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(工事進行基準による完成工事高の計上及び工事損失引当金の計上)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積り)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響につきましては、現時点では収束時期が見通せない状況にあり、先行き不透明な時期が継続するものと予想されますが、翌期における当社グループの(中期)経営計画を推進する環境に与える影響は、現時点では軽微であると判断し、繰延税金資産の回収可能性やのれんの減損の判断等の会計上の見積りを行っております。

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