四半期報告書-第9期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/15 10:23
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。
1.財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大により市民生活や企業活動の停滞を余儀なくされた。その後の中国や米国における早期の経済活動回復に続き、他の地域でも回復の動きがみられるが、先行きの不透明感は継続している。わが国経済は停滞していた経済活動の再開により、自動車など回復の動きがみられる分野があるものの、予断を許さない状況が続いている。
このような環境下、当社グループにおいては、パソコンや日用品関連分野の需要は堅調に推移し続けており、自動車関連分野では二次合金分野などで販売が回復してきているものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全セグメントで売上高が前年同期を下回った。
当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績については、売上高は前年同期の3,496億51百万円に比べ366億49百万円(10.5%)減の3,130億2百万円となり、営業利益は前年同期の180億40百万円から24億81百万円(13.8%)減の155億59百万円、経常利益は前年同期の178億74百万円から27億81百万円(15.6%)減の150億93百万円となった。また、親会社株主に帰属する四半期純利益については、前年同期の116億90百万円から22億50百万円(19.2%)減の94億40百万円となった。
なお、当社グループでは、2020年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画で、①新商品・新ビジネスの創出、②成長に向けた資源投入、③経営基盤強化を基本方針とし、持続的成長と中長期的な企業価値向上を図っている。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
(アルミナ・化成品、地金)
アルミナ・化成品部門においては、主力の水酸化アルミニウム及びアルミナ関連製品で耐火物向けや自動車関連などの需要が落ち込み、化学品関連では凝集剤や無機塩化物などの販売減少により、売上高は前年同期を下回り、採算面でも前年同期に比べ減益となった。
地金部門においては、主力の自動車向け二次合金分野では自動車関連ビジネス全体が停滞した影響により、国内、海外ともに販売が大きく減少した。中国や米国に続き、日本やタイでも販売が回復してきているものの、売上高は前年同期を下回り、採算面でも前年同期に比べ減益となった。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間のアルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前年同期の783億39百万円に比べ138億29百万円(17.7%)減の645億10百万円、営業利益は前年同期の91億5百万円から22億27百万円(24.5%)減の68億78百万円となった。
(板、押出製品)
板製品部門においては、半導体・液晶製造装置向け厚板の販売量は前年同期を上回り、板加工製品はパソコン需要の好調継続により前年同期と比べ販売が増加したものの、自動車向けや建材向けなどの販売減少により、売上高は前年同期を下回った。採算面では板加工製品の販売増により、前年同期に比べ増益となった。
押出製品部門においては、自動車関連向けでの需要回復がみられるものの、建材関連などでの販売減少により、売上高は前年同期を下回り、採算面でも前年同期に比べ減益となった。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の板、押出製品セグメントの売上高は前年同期の776億65百万円に比べ73億18百万円(9.4%)減の703億47百万円となったが、営業利益は前年同期の27億98百万円から4億円(14.3%)増の31億98百万円となった。
(加工製品、関連事業)
輸送関連部門においては、トラック架装事業はトラック需要減少の影響に加え、トラックを含む自動車関連ビジネス全体での停滞があった影響もあり、売上高は前年同期を下回り、採算面でも前年同期と比べ減益となった。
パネルシステム部門においては、クリーンルーム分野では、5G(第5世代移動通信システム)関連などの電子部品工場向けや医療・医薬関連は堅調であったものの、冷凍・冷蔵分野では、食品加工工場や店舗向けの物件における計画延期の動きなどもあり、売上高は前年同期を下回った。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の加工製品、関連事業セグメントの売上高は前年同期の1,251億89百万円に比べ120億7百万円(9.6%)減の1,131億82百万円、営業利益は前年同期の61億59百万円から11億72百万円(19.0%)減の49億87百万円となった。
(箔、粉末製品)
箔部門におきましては、リチウムイオン電池外装用箔はパソコン需要の好調継続に加え自動車需要が回復してきていることもあり販売が増加し、日用品関連も巣ごもり需要を受け堅調に推移した。医薬向け加工箔での販売減少があったものの、部門全体の売上高は前年同期を上回った。
パウダー・ペースト部門においては、粉末製品では電子材アルミパウダーはパソコン需要の好調などにより堅調な販売となったが、ペースト製品は主力の自動車塗料向けの販売が減少したことから、部門全体の売上高は前年同期を下回った。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の箔、粉末製品セグメントの売上高は前年同期の684億58百万円に比べ34億95百万円(5.1%)減の649億63百万円となったが、営業利益は前年同期の26億69百万円から2億57百万円(9.6%)増の29億26百万円となった。
財政状態については、当第3四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末と比べ250億19百万円増の4,950億23百万円となった。
負債は、長期借入金の増加などにより、前連結会計年度末と比べ168億18百万円増の2,856億24百万円となった。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末と比べ82億1百万円増の2,093億99百万円となった。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の39.6%から39.2%となった。
2.経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はない。
3.事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はない。また、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)についても、変更はない。
4.研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の金額は4,603百万円である。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。