四半期報告書-第10期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/08 15:07
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
1.財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により停滞していた経済活動の正常化が進み、持ち直しが継続しているものの、半導体の供給不足や原燃料価格の高騰、新型コロナウイルスの感染再拡大による今後への影響などが懸念されており、わが国経済も先行きの不透明な状況が続いています。
このような環境の下、当社グループにおきましては、アルミナ・化成品部門や自動車関連における二次合金分野などで販売量が増加し、電機電子関連の需要が堅調であったことから、売上高は前年同期を上回りました。
当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は前年同期の3,130億2百万円に比べ475億13百万円(15.2%)増の3,605億15百万円となり、営業利益は前年同期の155億59百万円から36億49百万円(23.5%)増の192億8百万円、経常利益は前年同期の150億93百万円から44億44百万円(29.4%)増の195億37百万円となりました。なお、当社連結子会社の株式会社東陽理化学研究所が保有する連結子会社の全持分を譲渡したことなどで生じた利益を特別利益に計上しております。また、当社連結子会社の日本フルハーフ株式会社が過去において製造した一部の製品に関し2021年12月17日付で国土交通省にリコール届出を行い、改修を開始いたしました。これにより、今後発生すると見込まれる対象製品の点検・改修等に関連する費用を特別損失に計上しております。これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、前年同期の94億40百万円から57億90百万円(61.3%)増の152億30百万円となりました。
先般、当社グループの一部の事業所において、製造するJISマークの表示製品について、鉱工業品及びその加工技術に係る日本産業規格への適合性の認証に関する省令に定める基準を満足していない製品にJISマークを表示して出荷していた事実が判明し、JISの認証機関である一般財団法人日本品質保証機構から、JIS認証の取消し等の通知を受けております。本事案につきましては、当社が設置した特別調査委員会による調査が継続中で、当社としましては、再発防止の徹底と一刻も早い信頼回復に努めております。なお、これらの事案による当第3四半期連結累計期間の業績への金額影響は軽微であります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(アルミナ・化成品、地金)
アルミナ・化成品部門におきましては、主力の水酸化アルミニウム及びアルミナ関連製品では耐火物向けや自動車関連、セラミックス向けで需要回復基調の継続により販売量が増加し、化学品関連でも無機塩化物を中心に販売が堅調であることから、売上高は前年同期を上回り、採算面では原料価格上昇の影響はあるものの、前年同期に比べ増益となりました。
地金部門におきましては、主力の自動車向け二次合金分野は、国内、海外ともに自動車減産による稼働停止の影響があったものの、販売の回復基調は続いていることから、売上高は前年同期を上回り、採算面でも前年同期と比べ増益となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間のアルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前年同期の645億10百万円に比べ274億4百万円(42.5%)増の919億14百万円となり、営業利益は前年同期の68億78百万円から38億50百万円(56.0%)増の107億28百万円となりました。
(板、押出製品)
板製品部門におきましては、半導体・液晶製造装置向け厚板において、堅調な需要により前年同期を上回る販売が続いていることから、売上高は前年同期を上回り、採算面でも前年同期と比べ増益となりました。
押出製品部門におきましては、自動車関連向けにおいて、日本、中国ともに半導体供給不足による自動車減産の影響があったものの、前年同期と比べ販売が増加したことから、売上高は前年同期を上回り、採算面でも前年同期と比べ増益となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の板、押出製品セグメントの売上高は前年同期の703億47百万円に比べ169億26百万円(24.1%)増の872億73百万円、営業利益は前年同期の31億98百万円から30億58百万円(95.6%)増の62億56百万円となりました。
(加工製品、関連事業)
輸送関連部門におきましては、トラック架装事業は、半導体を含むトラック部品の供給不足によるシャシーの生産減少の影響が継続し、トラックメーカー向けの完成車をはじめ販売が減少したことから、売上高は前年同期を下回りました。採算面でも販売減少に加え、アルミニウム地金価格高騰による材料価格上昇の影響などにより、前年同期に比べ減益となりました。
素形材製品事業は、自動車減産の影響が一部あったものの、鋳造品で主力のブレーキキャリパーや鍛造品における車載空調品の販売が好調に推移したことから、売上高は前年同期を上回りました。
パネルシステム部門におきましては、クリーンルーム分野では半導体工場向けや電子部品工場向けの需要が増加しているものの一部の物件では工期延期の影響もあったことから前年同期の販売を下回りました。また、冷凍・冷蔵分野では食品加工工場向けをはじめとする工期を延期していた大型物件で施工再開の動きがあったものの販売は前年同期を下回ったことから、部門全体の売上高は前年同期を下回りました。
炭素製品部門におきましては、鉄鋼業界向けカーボンブロックの需要が国内外ともに堅調に推移していることから、売上高は前年同期を上回りました。
以上の結果、当当第3四半期連結累計期間の加工製品、関連事業セグメントの売上高は前年同期の1,131億82百万円に比べ19百万円(0.0%)増の1,132億1百万円となりましたが、営業利益は前年同期の49億87百万円から27億94百万円(56.0%)減の21億93百万円となりました。
(箔、粉末製品)
箔部門におきましては、医薬向けや交通系ICカード回路向けなど加工箔の販売は減少したものの、リチウムイオン電池外装用箔や正極材用箔では、車載向けの需要が好調に推移したことから、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
パウダー・ペースト部門におきましては、粉末製品では放熱用途の電子材アルミパウダーや窒化アルミの販売が好調に推移しました。また、ペースト製品では、主力の自動車塗料向けは自動車減産の影響があったものの前年同期と比べ販売が増加したことから、部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
日用品部門におきましては、コンシューマー向けは巣ごもり需要の反動減があったもののハウスケア用品で好調な需要が継続していることもあり前年同期を上回る販売となりましたが、パッケージ用品向けは、外食店舗向けやコンビニエンスストア向けのアルミ容器類の販売が不調だったことから、部門全体の売上高は前年同期を下回りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の箔、粉末製品セグメントの売上高は前年同期の649億63百万円に比べ31億64百万円(4.9%)増の681億27百万円となりましたが、営業利益は前年同期の29億26百万円から2億39百万円(8.2%)減の26億87百万円となりました。
財政状態につきましては、当第3四半期連結会計期間末の総資産は、商品及び製品等の棚卸資産の増加などにより、前連結会計年度末と比べて164億22百万円増の5,233億77百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金の増加などにより、前連結会計年度末と比べて58億93百万円増の3,057億44百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末と比べて105億29百万円増の2,176億33百万円となりました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の37.6%から38.3%となりました。
2.経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
3.事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間及び本四半期報告書提出日(2022年2月8日)現在において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「対処すべき課題」につき、以下の追加すべき事項が生じております。
当社グループの一部の事業所において、製造するJISマークの表示製品について、鉱工業品及びその加工技術に係る日本産業規格への適合性の認証に関する省令に定める基準を満足していない製品にJISマークを表示して出荷していた事実が判明し、JISの認証機関である一般財団法人日本品質保証機構から、JIS認証の取消し等の通知を受けております。
当社としましては、JIS認証取消し等の原因となった不適切行為について、徹底した事実関係の確認と原因究明、再発防止策の提言等を行うため、2021年6月9日に特別調査委員会を設置しております。多くの関係先の皆様に多大なるご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申しあげるとともに、一刻も早い信頼回復に努めてまいります。
4.研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の金額は4,697百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。