有価証券報告書-第12期(2024/08/01-2025/07/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、急激な為替変動や物価上昇、米国の関税政策に関する影響懸念等により、景気の先行きは依然として不透明な状況にて推移いたしました。
このような経済環境の中、中核セグメントの総合建設コンサルタント事業では、防災・減災対策や老朽化した社会インフラの維持・管理等の国土強靭化の必要性から公共事業関係費が安定的に推移しており、外部環境は堅調に推移しております。
一方で、スポーツ施設運営事業および水族館運営事業のセグメントにおきましては、燃料費等の資源価格の高騰が業績に影響を及ぼしております。
当社グループでは、前連結会計年度である2024年7月期を初年度とする「第一次中期経営計画2024-2026」を策定しております。第一次中期経営計画では、事業基盤の再構築を行う期間と位置づけ、事業課題に対する人材戦略、技術戦略、市場戦略を定め、各セグメントにおける主要KPIの目標達成に向けて取組んでおります。
これらの結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は、水族館運営事業における来館者数が減衰推移したことにより減収したものの、主力事業である総合建設コンサルタント事業が堅調に推移し増収に寄与したことにより、161億1千4百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。
損益面では、従業員の賃上げ等処遇改善や人的資本投資により、販売費及び一般管理費が前連結会計年度に比べ8千3百万円の増加したものの、総合建設コンサルタント事業において、大型業務の受託や熟練した技術者による生産効率化により売上原価率が73.4%と前連結会計年度に比べ0.2ポイント減少したことにより、営業利益は9億8千7百万円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。売上高に対する営業利益率については前連結会計年度から0.1ポイント上昇し6.1%となりました。営業外収益では、前連結会計年度に設計瑕疵対応費用に係る一過性の「受取保険金」を計上していたこともあり2億5千3百万円(前連結会計年度比20.4%減)となりました。営業外費用では、「投資有価証券売却損」が2百万円減少したこと等により2千5百万円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。これらの結果、経常利益は12億1千5百万円(前連結会計年度比1.1%減)となり、売上高に対する経常利益率は前連結会計年度から0.3ポイント減少し7.5%となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失として事務所移転に伴う保有資産売却により「減損損失」を計上した一方、賃上げ促進税制の適用により税金費用が5千1百万円減少した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7億7千4百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(総合建設コンサルタント事業)
当社グループの主力事業である総合建設コンサルタント事業におきましては、政府による国土強靭化を背景に、外部環境は引き続き堅調に推移いたしました。
当該セグメントの売上高は、豊富な繰越業務を背景に生産消化も堅調に推移し、138億3千5百万円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。
事業分野別では、防災・環境事業、水環境デザイン、社会基盤デザイン事業等、幅広い分野において増収しており、地域別では主力である中国・関西地方での受注生産が堅調に推移したことや、事業領域の拡大を進める関東地方や、四国地方においても大型業務の受注増により増収となりました。発注者別では、戦略的に国関連の受注を目指していることや、補償調査部門において表彰を獲得したことにより、国関連の受注・生産が増収したことや、民間においても大型点検業務や能登の災害業務を受注したことが売上に寄与いたしました。
損益面におきましては、大型業務を多数受注できたことに加え、熟練した技術者が現場対応にあたったことにより生産性の効率化が図れたことや、生産人員不足地域への短期出向による生産力強化等の適正な人員配置や工程管理による外注費の削減、ならびに成果品の照査等を徹底し、エラークレームの減少に努めたこと等から原価率を抑えることができたことにより営業利益は、10億9千2百万円(前連結会計年度比0.7%増)となりました。
受注高は、137億8千2百万円(前連結会計年度比2.7%増)、受注残高は、77億9千6百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。
なお、当社グループの主力事業である総合建設コンサルタント事業の売上高の定量分析は以下のとおりです。
(単位:千円)
(注) 1.当社グループ間取引は消去しております。
2.都市地域デザイン:造園、都市計画等
社会基盤デザイン:道路、鋼構造コンクリート、トンネル、建設機械、電力土木等
防災・環境:河川、港湾、農業土木、森林土木、地質、土質、建設環境等
水環境デザイン:上水道、下水道、廃棄物等
空間情報デザイン:一般測量、航空測量、補償コンサルタント等
施工管理:施工管理
(単位:千円)
(注) 当社グループ間取引は消去しております。
(スポーツ施設運営事業)
スポーツ施設運営事業においては、外部環境に大きな変化はありませんが、経済活動の正常化により新型コロナウイルス感染症の及ぼした影響からは、緩やかに回復基調にあります。
当該セグメントの売上高は、一部指定管理事業からの撤退や24時間フィットネスにおける競合店の出店等により、7億5千9百万円(前連結会計年度比1.3%減)となりました。
損益面におきましては、営業利益は7百万円(前連結会計年度比24.3%増)となりました。
(水族館運営事業)
水族館運営事業におきましては、引き続き香川県の四国水族館、兵庫県のアトアの主要大型施設を中心に事業を展開しておりますが、団体観光需要、インバウンド需要等も乏しく、いずれの施設もオープン効果の薄まりや競合施設の影響により来館者が減衰しております。このような状況の中、アトアおよび四国水族館共に集客のための魅力的な企画展示やイベントを実施する等引き続き集客対策の強化や知名度向上に努めております。
これらの結果、当連結会計年度における四国水族館およびアトアの合計来館者数は、1,045,205名(前連結会計年度比12.9%減)となり、水族館運営事業の売上高は、12億5千万円(前連結会計年度比12.9%減)となりました。
損益面におきましては、営業利益は8千6百万円(前連結会計年度比14.6%増)となりました。
(2)受注及び販売の実績
a.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) スポーツ施設運営事業および水族館運営事業の受注実績は、受注生産ではないため省略しております。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(3)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度に比べ4億8千2百万円増加し、212億4千2百万円となりました。
流動資産については、業務入金等により「現金及び預金」が4億3千3百万円、受注高の増加等により「契約資産」が2億8千9百万円それぞれ増加した一方、「受取手形及び完成業務未収入金」が5千5百万円、「その他」に含めております「仮払金」が9千4百万円それぞれ減少しております。結果として、流動資産合計では前連結会計年度に比べ5億9千2百万円増加となりました。
固定資産については、一部社屋について売却の意思決定を行ったことに伴い、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上したことにより「有形固定資産」が1億4千1百万円減少しております。
投資その他の資産については、匿名組合出資に伴う損益の分配等により「その他」に含めております「出資金」が3千5百万円減少した一方、同じく「その他」に含めております「繰延税金資産」が6千7百万円増加しております。結果として、固定資産合計では前連結会計年度に比べ1億1千万円の減少となりました。
(負債の部)
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ4億4百万円増加し、49億8千6百万円となりました。
流動負債については、決算賞与等の計上により「未払金」が1億2千5百万円、また「未成業務受入金」が1億6千4百万円それぞれ増加した一方、一部連結子会社にて賃上げ促進税制を適用したことにより「未払法人税等」が1千1百万円減少しております。結果として、流動負債合計では前連結会計年度に比べ3億9千5百万円増加しております。
固定負債については、投資有価証券の時価評価額の増加により「繰延税金負債」が3千万円増加した一方、「リース債務」が2千4百万円減少しております。結果として、固定負債合計では前連結会計年度に比べ8百万円増加しております。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ7千8百万円増加し、162億5千5百万円となりました。これは、「利益剰余金」が剰余金の配当により3億1千4百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により7億7千4百万円増加したことに加え、自己株式の消却等により「資本剰余金」が7億1千4百万円、「自己株式」が2億8千7百万円それぞれ減少したことによるものです。この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.4ポイント減少し、76.5%となりました。
(4) 中期経営計画の進捗状況
当社グループは、10年後を見据えた目標達成に向けた通過点として、前連結会計年度である2024年7月期を初年度とする「第一次中期経営計画2024-2026」を、2023年10月に策定いたしました。
詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略および経営指標」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における第一次中期経営計画の達成状況は以下のとおりであります。
(5)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億3千3百万円増加し、95億6千7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は11億7千6百万円(前連結会計年度比4億3千8百万円の収入増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益11億8千3百万円や、減価償却費2億7千1百万円を計上した一方で、契約資産の増加額2億8千9百万円、四国水族館等に係る匿名組合投資損益6千万円を計上したためです。
また、前連結会計年度比で営業活動によるキャッシュ・フローが増加した要因は、未成業務受入金の増加額が3億2百万円、仕入債務の増加額が1億5千4百万円それぞれ増加した一方で、業務完成納品が増加したことにより契約資産が1億8千万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、増加した資金は3千7百万円(前連結会計年度比4億5千1百万円の収入減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入7億1千5百万円、投資有価証券の取得による支出7億4百万円、有形固定資産の取得による支出1億2千万円、出資金の分配による収入6千9百万円等によるものであります。
また、前連結会計年度比で投資活動によるキャッシュ・フローが減少した要因は、収入面で投資有価証券の売却による収入が7百万円増加したことに加え、支出面で有形固定資産の取得による支出が4千8百万円減少した一方で、投資有価証券の償還による収入が1億円減少したことに加え、支出面で余剰資金の運用等を目的とした投資有価証券の取得による支出が4億3百万円増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は7億7千9百万円(前連結会計年度比1億6千万円の支出増加)となりました。これは主に、配当金の支払額3億1千3百万円、自己株式の取得による支出4億2千6百万円等によるものであります。
(フリー・キャッシュ・フロー)
当社は、フリー・キャッシュ・フローを営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計として定義しております。
当社の経営者は、当該指標を安定した事業活動および健全な財務体質を維持し、企業価値向上に資する成長投資と株主還元を行うために有用な指標と考えており、以下の表のとおりフリー・キャッシュ・フローを算出しております。
当連結会計年度においては、フリー・キャッシュ・フローが12億1千3百万円(前連結会計年度比1千3百万円の減少)となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度に比べ4億3千8百万円増加した一方で、投資有価証券の取得による支出の増加や投資有価証券の償還による収入の減少などで投資活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度に比べ4億5千1百万円減少したことによるものです。
当社グループでは、引き続き事業規模に比し安定した資金を確保し、無借金経営を継続することで健全な財務体質を維持してまいります。
(6)キャッシュ資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.資金調達の基本方針
当社の経営者は、当連結会計年度の自己資本比率は76.5%であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は95億6千7百万円となっており、リスク耐性および財務体質の健全性は引き続き高い水準にあると認識しております。当該状況に鑑み、当面は事業の運転資金および設備投資や企業価値向上に資する利益成長が見込める分野への投資は、フリー・キャッシュ・フローの創出を基本とし、手元流動性を確保しつつ、自己資金の範囲内で進めることを基本方針としております。
100%子会社については原則的には外部からの資金調達を行わず、持株会社が管理し資金効率化、流動性の確保を図っております。
b.資本の財源
当社は、事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持し、グループ内では資金の効率化を目指し、企業価値向上に資する利益成長が見込める分野への投資の継続と株主還元のため、資金調達基本方針に従い会計年度に発生するフリー・キャッシュ・フローの創出を基本としております。その創出されたフリー・キャッシュ・フローを主な財源として、成長投資や株主還元を行ってまいります。
(1) 成長投資
新規事業や既存事業での競争力強化のための技術力向上および新規技術開発のための研究開発投資を行い、将来の成長を見据えた人材の確保・育成・活用を積極的に行ってまいります。
(2) 株主還元
企業体質の強化と将来の事業展開に備えるための内部留保に意を用いつつ、当社グループの業績に応じた利益配分を安定かつ継続的に行ってまいります。翌連結会計年度以降につきましては、配当政策を最重要事項として位置づけ、フリー・キャッシュ・フローを基本的な財源とすることに加え、一過性の要因で業績が悪化した場合においてもDOE(株主資本配当率)に留意した安定的な配当の維持を図り、配当性向については40%を目安に配当を実施することといたします。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、総合建設コンサルタント事業の受注業務遂行のための製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは従業員給料および賞与、法定福利費などの人件費であります。投資を目的とした資金需要は、主に総合建設コンサルタント事業における3次元計測機器等の設備投資および水族館運営事業への中長期的な成長に向けた出資によるものです。
c.資金の流動性
当社は無借金経営を継続しており、フリー・キャッシュ・フローおよび内部留保により流動性を維持しておりますが、主要取引銀行との間で当座貸越契約を締結することにより手元流動性も確保しております。
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に、次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産を回収可能と考えられる金額まで減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を検討するにあたっては、将来の課税所得見込みおよびタックスプランニングを検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産を取崩し、費用として計上いたします。
b.固定資産の減損会計
当社グループは、資産を用途により事業用資産、賃貸用資産および遊休資産に分類しております。また、管理会計上の区分を基準に、事業用資産は各社に属する支社・支店等の独立した会計単位、賃貸用資産および遊休資産は物件単位にグルーピングしております。
減損の対象となった固定資産は、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った差額を減損損失としております。回収可能価額は、資産グループの時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方を採用しております。
c.投資有価証券の評価
その他有価証券で市場価格のない株式等以外のものについては、期末日の時価が取得原価に比べて著しく下落したものを減損の対象としております。
今後の株式相場が変動した場合には、投資有価証券評価損の計上が必要となる可能性があります。
d.総合建設コンサルタント事業の請負業務に係る実行予算の見積り
総合建設コンサルタント事業においては、測量・調査・設計等の請負業務に関する収益の計上に際して、一定の期間にわたり履行義務が充足される契約については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、一定の期間にわたり収益を認識しております。当該収益認識に係る進捗度の見積り方法は、実行予算に対する実際原価の割合(インプット法)で算出しております。実行予算の見積りは、対象となる請負業務ごとに内容や工期が異なるため個別性が強く、また、進行途上において当初想定していなかった事象の発生により業務内容の変更が行われる等の特徴があるため、今後、想定していなかった状況の変化等により実行予算の見積りの見直しが改めて必要となった場合は、売上高および売上原価に影響を与える可能性があります。
e.受注損失引当金の計上額
受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注のうち、発生する原価の見積額が受注額を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を計上しております。
損失見込額の見積りは、受注契約ごとに策定した実行予算に基づき算定しております。また実行予算は、専門的な知識と経験を有する業務担当者が、個々の請負業務の特有な状況を踏まえて作業工数や外注費等を見積り、業務担当の管理者が、実行予算表を査閲、承認することで決定しております。業務の進行途上において業務内容の変更等が行われる場合には適宜実行予算の見直しを行っておりますが、今後想定していなかった状況の変化等により実行予算の見積りの見直しが改めて必要となった場合は、引当金の金額が増減する可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、急激な為替変動や物価上昇、米国の関税政策に関する影響懸念等により、景気の先行きは依然として不透明な状況にて推移いたしました。
このような経済環境の中、中核セグメントの総合建設コンサルタント事業では、防災・減災対策や老朽化した社会インフラの維持・管理等の国土強靭化の必要性から公共事業関係費が安定的に推移しており、外部環境は堅調に推移しております。
一方で、スポーツ施設運営事業および水族館運営事業のセグメントにおきましては、燃料費等の資源価格の高騰が業績に影響を及ぼしております。
当社グループでは、前連結会計年度である2024年7月期を初年度とする「第一次中期経営計画2024-2026」を策定しております。第一次中期経営計画では、事業基盤の再構築を行う期間と位置づけ、事業課題に対する人材戦略、技術戦略、市場戦略を定め、各セグメントにおける主要KPIの目標達成に向けて取組んでおります。
これらの結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は、水族館運営事業における来館者数が減衰推移したことにより減収したものの、主力事業である総合建設コンサルタント事業が堅調に推移し増収に寄与したことにより、161億1千4百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。
損益面では、従業員の賃上げ等処遇改善や人的資本投資により、販売費及び一般管理費が前連結会計年度に比べ8千3百万円の増加したものの、総合建設コンサルタント事業において、大型業務の受託や熟練した技術者による生産効率化により売上原価率が73.4%と前連結会計年度に比べ0.2ポイント減少したことにより、営業利益は9億8千7百万円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。売上高に対する営業利益率については前連結会計年度から0.1ポイント上昇し6.1%となりました。営業外収益では、前連結会計年度に設計瑕疵対応費用に係る一過性の「受取保険金」を計上していたこともあり2億5千3百万円(前連結会計年度比20.4%減)となりました。営業外費用では、「投資有価証券売却損」が2百万円減少したこと等により2千5百万円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。これらの結果、経常利益は12億1千5百万円(前連結会計年度比1.1%減)となり、売上高に対する経常利益率は前連結会計年度から0.3ポイント減少し7.5%となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失として事務所移転に伴う保有資産売却により「減損損失」を計上した一方、賃上げ促進税制の適用により税金費用が5千1百万円減少した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7億7千4百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(総合建設コンサルタント事業)
当社グループの主力事業である総合建設コンサルタント事業におきましては、政府による国土強靭化を背景に、外部環境は引き続き堅調に推移いたしました。
当該セグメントの売上高は、豊富な繰越業務を背景に生産消化も堅調に推移し、138億3千5百万円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。
事業分野別では、防災・環境事業、水環境デザイン、社会基盤デザイン事業等、幅広い分野において増収しており、地域別では主力である中国・関西地方での受注生産が堅調に推移したことや、事業領域の拡大を進める関東地方や、四国地方においても大型業務の受注増により増収となりました。発注者別では、戦略的に国関連の受注を目指していることや、補償調査部門において表彰を獲得したことにより、国関連の受注・生産が増収したことや、民間においても大型点検業務や能登の災害業務を受注したことが売上に寄与いたしました。
損益面におきましては、大型業務を多数受注できたことに加え、熟練した技術者が現場対応にあたったことにより生産性の効率化が図れたことや、生産人員不足地域への短期出向による生産力強化等の適正な人員配置や工程管理による外注費の削減、ならびに成果品の照査等を徹底し、エラークレームの減少に努めたこと等から原価率を抑えることができたことにより営業利益は、10億9千2百万円(前連結会計年度比0.7%増)となりました。
受注高は、137億8千2百万円(前連結会計年度比2.7%増)、受注残高は、77億9千6百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。
なお、当社グループの主力事業である総合建設コンサルタント事業の売上高の定量分析は以下のとおりです。
(単位:千円)
| 事業分野別・地域別売上高 | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増 減 | 主な増減要因 | |
| 都市地域デザイン(注)2 | 中国地方 | 263,619 | 291,715 | 28,096 | 中国・関西地方:未参入地域への展開で都市計画分野で増収 四国地方:造成関係の大型業務で増収 九州地方:新規受注減による減収 |
| 関西地方 | 444,266 | 515,650 | 71,384 | ||
| 四国地方 | 23,095 | 61,940 | 38,845 | ||
| 九州地方 | 153,038 | 92,401 | △ 60,637 | ||
| 関東地方 その他 | 56,990 | 51,964 | △ 5,026 | ||
| 小計 | 941,011 | 1,013,673 | 72,662 | ||
| 社会基盤デザイン(注)2 | 中国地方 | 2,135,207 | 2,179,681 | 44,474 | 中国地方:国交省業務で増収 関西地方:県・市町村業務で減収 関東地方:大型の砂防基礎調査で増収 |
| 関西地方 | 1,433,509 | 1,402,142 | △ 31,367 | ||
| 四国地方 | 284,676 | 288,186 | 3,510 | ||
| 九州地方 | 193,505 | 200,488 | 6,983 | ||
| 関東地方 その他 | 196,915 | 284,519 | 87,604 | ||
| 小計 | 4,243,813 | 4,355,018 | 111,205 | ||
| 防災・環境(注)2 | 中国地方 | 1,393,356 | 1,506,169 | 112,813 | 中国地方:路面下空洞調査等、県・市町村業務で増収 関西地方:地盤調査部門で災害調査業務や大規模盛土基礎調査で増収 |
| 関西地方 | 883,550 | 1,033,420 | 149,870 | ||
| 四国地方 | 371,635 | 384,118 | 12,483 | ||
| 九州地方 | 365,971 | 376,117 | 10,146 | ||
| 関東地方 その他 | 141,406 | 236,317 | 94,911 | ||
| 小計 | 3,155,919 | 3,536,144 | 380,225 | ||
| 水環境デザイン(注)2 | 中国地方 | 983,603 | 920,990 | △ 62,613 | 中国地方:大型業務の発注量減により減収四国地方:市町村発注の大型下水道業務により増収 |
| 関西地方 | 364,205 | 381,117 | 16,912 | ||
| 四国地方 | 118,250 | 197,213 | 78,963 | ||
| 九州地方 | 133,582 | 290,237 | 156,655 | ||
| 関東地方 その他 | 56,685 | 42,465 | △ 14,220 | ||
| 小計 | 1,656,328 | 1,832,024 | 175,696 | ||
| 空間情報(注)2 | 中国地方 | 1,103,147 | 1,079,244 | △ 23,903 | 四国地方:航空測量分野で砂防関係の大型業務や地上測量分野で大型業務の受託により増収 九州地方:前期の大型業務受託からの反動で減収 |
| 関西地方 | 381,167 | 338,730 | △ 42,437 | ||
| 四国地方 | 72,884 | 88,867 | 15,983 | ||
| 九州地方 | 148,951 | 94,401 | △ 54,550 | ||
| 関東地方 その他 | 408,937 | 380,363 | △ 28,574 | ||
| 小計 | 2,115,089 | 1,981,607 | △ 133,482 | ||
| 施工管理(注)2 | 中国地方 | 364,905 | 373,975 | 9,070 | 関西地方:前期まで市町村発注の大型業務を生産していたが、当期は受託なしのため減収 関東地方:民間の新規業務受託による増収 |
| 関西地方 | 440,183 | 408,298 | △ 31,885 | ||
| 四国地方 | 48,022 | 45,757 | △ 2,265 | ||
| 九州地方 | 64,449 | 62,378 | △ 2,071 | ||
| 関東地方 その他 | 180,370 | 227,040 | 46,670 | ||
| 小計 | 1,097,931 | 1,117,449 | 19,518 | ||
| 合計(注)1 | 13,210,093 | 13,835,917 | 625,824 | - | |
| 全体 | 中国地方 | 6,243,840 | 6,351,778 | 107,938 | - |
| 関西地方 | 3,946,883 | 4,079,359 | 132,476 | ||
| 四国地方 | 918,564 | 1,066,085 | 147,521 | ||
| 九州地方 | 1,059,499 | 1,116,024 | 56,525 | ||
| 関東地方 その他 | 1,041,305 | 1,222,669 | 181,364 | ||
(注) 1.当社グループ間取引は消去しております。
2.都市地域デザイン:造園、都市計画等
社会基盤デザイン:道路、鋼構造コンクリート、トンネル、建設機械、電力土木等
防災・環境:河川、港湾、農業土木、森林土木、地質、土質、建設環境等
水環境デザイン:上水道、下水道、廃棄物等
空間情報デザイン:一般測量、航空測量、補償コンサルタント等
施工管理:施工管理
(単位:千円)
| 発注機関別の売上高 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増 減 |
| 国(国土交通省ほか) | 2,693,139 | 3,095,362 | 402,223 |
| 都道府県 | 4,367,543 | 4,390,577 | 23,034 |
| 市区町村 | 4,836,727 | 4,844,203 | 7,475 |
| その他 | 1,312,683 | 1,505,774 | 193,090 |
| 合計(注) | 13,210,093 | 13,835,917 | 625,823 |
(注) 当社グループ間取引は消去しております。
(スポーツ施設運営事業)
スポーツ施設運営事業においては、外部環境に大きな変化はありませんが、経済活動の正常化により新型コロナウイルス感染症の及ぼした影響からは、緩やかに回復基調にあります。
当該セグメントの売上高は、一部指定管理事業からの撤退や24時間フィットネスにおける競合店の出店等により、7億5千9百万円(前連結会計年度比1.3%減)となりました。
損益面におきましては、営業利益は7百万円(前連結会計年度比24.3%増)となりました。
(水族館運営事業)
水族館運営事業におきましては、引き続き香川県の四国水族館、兵庫県のアトアの主要大型施設を中心に事業を展開しておりますが、団体観光需要、インバウンド需要等も乏しく、いずれの施設もオープン効果の薄まりや競合施設の影響により来館者が減衰しております。このような状況の中、アトアおよび四国水族館共に集客のための魅力的な企画展示やイベントを実施する等引き続き集客対策の強化や知名度向上に努めております。
これらの結果、当連結会計年度における四国水族館およびアトアの合計来館者数は、1,045,205名(前連結会計年度比12.9%減)となり、水族館運営事業の売上高は、12億5千万円(前連結会計年度比12.9%減)となりました。
損益面におきましては、営業利益は8千6百万円(前連結会計年度比14.6%増)となりました。
(2)受注及び販売の実績
a.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 総合建設コンサルタント事業 | 13,782,175 | 102.7 | 7,796,313 | 99.3 |
| 報告セグメント計 | 13,782,175 | 102.7 | 7,796,313 | 99.3 |
| その他 | 269,724 | 86.7 | - | - |
| 合計 | 14,051,900 | 102.4 | 7,796,313 | 99.3 |
(注) スポーツ施設運営事業および水族館運営事業の受注実績は、受注生産ではないため省略しております。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年8月1日 至 2025年7月31日) | 前年同期比(%) |
| 総合建設コンサルタント事業(千円) | 13,835,917 | 104.7 |
| スポーツ施設運営事業(千円) | 759,042 | 98.7 |
| 水族館運営事業(千円) | 1,250,125 | 87.1 |
| 報告セグメント計(千円) | 15,845,084 | 102.8 |
| その他(千円) | 269,724 | 86.7 |
| 合計(千円) | 16,114,809 | 102.5 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年8月1日 至 2025年7月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 国土交通省 | 2,006,240 | 12.76 | 2,328,560 | 14.45 |
(3)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度に比べ4億8千2百万円増加し、212億4千2百万円となりました。
流動資産については、業務入金等により「現金及び預金」が4億3千3百万円、受注高の増加等により「契約資産」が2億8千9百万円それぞれ増加した一方、「受取手形及び完成業務未収入金」が5千5百万円、「その他」に含めております「仮払金」が9千4百万円それぞれ減少しております。結果として、流動資産合計では前連結会計年度に比べ5億9千2百万円増加となりました。
固定資産については、一部社屋について売却の意思決定を行ったことに伴い、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上したことにより「有形固定資産」が1億4千1百万円減少しております。
投資その他の資産については、匿名組合出資に伴う損益の分配等により「その他」に含めております「出資金」が3千5百万円減少した一方、同じく「その他」に含めております「繰延税金資産」が6千7百万円増加しております。結果として、固定資産合計では前連結会計年度に比べ1億1千万円の減少となりました。
(負債の部)
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ4億4百万円増加し、49億8千6百万円となりました。
流動負債については、決算賞与等の計上により「未払金」が1億2千5百万円、また「未成業務受入金」が1億6千4百万円それぞれ増加した一方、一部連結子会社にて賃上げ促進税制を適用したことにより「未払法人税等」が1千1百万円減少しております。結果として、流動負債合計では前連結会計年度に比べ3億9千5百万円増加しております。
固定負債については、投資有価証券の時価評価額の増加により「繰延税金負債」が3千万円増加した一方、「リース債務」が2千4百万円減少しております。結果として、固定負債合計では前連結会計年度に比べ8百万円増加しております。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ7千8百万円増加し、162億5千5百万円となりました。これは、「利益剰余金」が剰余金の配当により3億1千4百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により7億7千4百万円増加したことに加え、自己株式の消却等により「資本剰余金」が7億1千4百万円、「自己株式」が2億8千7百万円それぞれ減少したことによるものです。この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.4ポイント減少し、76.5%となりました。
(4) 中期経営計画の進捗状況
当社グループは、10年後を見据えた目標達成に向けた通過点として、前連結会計年度である2024年7月期を初年度とする「第一次中期経営計画2024-2026」を、2023年10月に策定いたしました。
詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略および経営指標」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における第一次中期経営計画の達成状況は以下のとおりであります。
| 2025年7月期 (計画) | 2025年7月期 (実績) | 2025年7月期 (計画比) | |
| 売上高 | 16,024百万円 | 16,114百万円 | 90百万円(+0.6%) |
| 営業利益 | 943百万円 | 987百万円 | 44百万円(+4.7%) |
| 営業利益率 | 5.9% | 6.1% | 0.2pt |
| 経常利益 | 1,126百万円 | 1,215百万円 | 89百万円(+7.9%) |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 675百万円 | 774百万円 | 99百万円(+14.7%) |
| ROE | - | 4.8% | - |
(5)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億3千3百万円増加し、95億6千7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は11億7千6百万円(前連結会計年度比4億3千8百万円の収入増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益11億8千3百万円や、減価償却費2億7千1百万円を計上した一方で、契約資産の増加額2億8千9百万円、四国水族館等に係る匿名組合投資損益6千万円を計上したためです。
また、前連結会計年度比で営業活動によるキャッシュ・フローが増加した要因は、未成業務受入金の増加額が3億2百万円、仕入債務の増加額が1億5千4百万円それぞれ増加した一方で、業務完成納品が増加したことにより契約資産が1億8千万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、増加した資金は3千7百万円(前連結会計年度比4億5千1百万円の収入減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入7億1千5百万円、投資有価証券の取得による支出7億4百万円、有形固定資産の取得による支出1億2千万円、出資金の分配による収入6千9百万円等によるものであります。
また、前連結会計年度比で投資活動によるキャッシュ・フローが減少した要因は、収入面で投資有価証券の売却による収入が7百万円増加したことに加え、支出面で有形固定資産の取得による支出が4千8百万円減少した一方で、投資有価証券の償還による収入が1億円減少したことに加え、支出面で余剰資金の運用等を目的とした投資有価証券の取得による支出が4億3百万円増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は7億7千9百万円(前連結会計年度比1億6千万円の支出増加)となりました。これは主に、配当金の支払額3億1千3百万円、自己株式の取得による支出4億2千6百万円等によるものであります。
(フリー・キャッシュ・フロー)
当社は、フリー・キャッシュ・フローを営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計として定義しております。
当社の経営者は、当該指標を安定した事業活動および健全な財務体質を維持し、企業価値向上に資する成長投資と株主還元を行うために有用な指標と考えており、以下の表のとおりフリー・キャッシュ・フローを算出しております。
| (単位:千円) | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 738,293 | 1,176,311 | 438,018 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 488,707 | 37,251 | △451,455 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 1,227,000 | 1,213,563 | △13,437 |
当連結会計年度においては、フリー・キャッシュ・フローが12億1千3百万円(前連結会計年度比1千3百万円の減少)となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度に比べ4億3千8百万円増加した一方で、投資有価証券の取得による支出の増加や投資有価証券の償還による収入の減少などで投資活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度に比べ4億5千1百万円減少したことによるものです。
当社グループでは、引き続き事業規模に比し安定した資金を確保し、無借金経営を継続することで健全な財務体質を維持してまいります。
(6)キャッシュ資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.資金調達の基本方針
当社の経営者は、当連結会計年度の自己資本比率は76.5%であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は95億6千7百万円となっており、リスク耐性および財務体質の健全性は引き続き高い水準にあると認識しております。当該状況に鑑み、当面は事業の運転資金および設備投資や企業価値向上に資する利益成長が見込める分野への投資は、フリー・キャッシュ・フローの創出を基本とし、手元流動性を確保しつつ、自己資金の範囲内で進めることを基本方針としております。
100%子会社については原則的には外部からの資金調達を行わず、持株会社が管理し資金効率化、流動性の確保を図っております。
b.資本の財源
当社は、事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持し、グループ内では資金の効率化を目指し、企業価値向上に資する利益成長が見込める分野への投資の継続と株主還元のため、資金調達基本方針に従い会計年度に発生するフリー・キャッシュ・フローの創出を基本としております。その創出されたフリー・キャッシュ・フローを主な財源として、成長投資や株主還元を行ってまいります。
(1) 成長投資
新規事業や既存事業での競争力強化のための技術力向上および新規技術開発のための研究開発投資を行い、将来の成長を見据えた人材の確保・育成・活用を積極的に行ってまいります。
(2) 株主還元
企業体質の強化と将来の事業展開に備えるための内部留保に意を用いつつ、当社グループの業績に応じた利益配分を安定かつ継続的に行ってまいります。翌連結会計年度以降につきましては、配当政策を最重要事項として位置づけ、フリー・キャッシュ・フローを基本的な財源とすることに加え、一過性の要因で業績が悪化した場合においてもDOE(株主資本配当率)に留意した安定的な配当の維持を図り、配当性向については40%を目安に配当を実施することといたします。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、総合建設コンサルタント事業の受注業務遂行のための製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは従業員給料および賞与、法定福利費などの人件費であります。投資を目的とした資金需要は、主に総合建設コンサルタント事業における3次元計測機器等の設備投資および水族館運営事業への中長期的な成長に向けた出資によるものです。
c.資金の流動性
当社は無借金経営を継続しており、フリー・キャッシュ・フローおよび内部留保により流動性を維持しておりますが、主要取引銀行との間で当座貸越契約を締結することにより手元流動性も確保しております。
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に、次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産を回収可能と考えられる金額まで減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を検討するにあたっては、将来の課税所得見込みおよびタックスプランニングを検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産を取崩し、費用として計上いたします。
b.固定資産の減損会計
当社グループは、資産を用途により事業用資産、賃貸用資産および遊休資産に分類しております。また、管理会計上の区分を基準に、事業用資産は各社に属する支社・支店等の独立した会計単位、賃貸用資産および遊休資産は物件単位にグルーピングしております。
減損の対象となった固定資産は、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った差額を減損損失としております。回収可能価額は、資産グループの時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方を採用しております。
c.投資有価証券の評価
その他有価証券で市場価格のない株式等以外のものについては、期末日の時価が取得原価に比べて著しく下落したものを減損の対象としております。
今後の株式相場が変動した場合には、投資有価証券評価損の計上が必要となる可能性があります。
d.総合建設コンサルタント事業の請負業務に係る実行予算の見積り
総合建設コンサルタント事業においては、測量・調査・設計等の請負業務に関する収益の計上に際して、一定の期間にわたり履行義務が充足される契約については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、一定の期間にわたり収益を認識しております。当該収益認識に係る進捗度の見積り方法は、実行予算に対する実際原価の割合(インプット法)で算出しております。実行予算の見積りは、対象となる請負業務ごとに内容や工期が異なるため個別性が強く、また、進行途上において当初想定していなかった事象の発生により業務内容の変更が行われる等の特徴があるため、今後、想定していなかった状況の変化等により実行予算の見積りの見直しが改めて必要となった場合は、売上高および売上原価に影響を与える可能性があります。
e.受注損失引当金の計上額
受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注のうち、発生する原価の見積額が受注額を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を計上しております。
損失見込額の見積りは、受注契約ごとに策定した実行予算に基づき算定しております。また実行予算は、専門的な知識と経験を有する業務担当者が、個々の請負業務の特有な状況を踏まえて作業工数や外注費等を見積り、業務担当の管理者が、実行予算表を査閲、承認することで決定しております。業務の進行途上において業務内容の変更等が行われる場合には適宜実行予算の見直しを行っておりますが、今後想定していなかった状況の変化等により実行予算の見積りの見直しが改めて必要となった場合は、引当金の金額が増減する可能性があります。