有価証券報告書-第13期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(業績等の概要)
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、自然災害による一時的な下押し圧力はありましたが、雇用・所得環境の改善傾向が続き、全体として緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米中の通商問題の動向、英国の欧州連合(EU)離脱の動向等、世界経済の不確実性が高く、依然として先行き不透明な状況が続いています。人材サービス市場においては、有効求人倍率は1.6倍と高水準が続いており、人手不足、働き方改革の推進、外国人労働者の増加等を背景として多くの需要が寄せられました。
このような状況の下、当社グループは「個と組織をポジティブに変革するチェンジエージェント・グループ」をミッションとして掲げ、各事業において専門性の追求による顧客満足の向上と差別化を図ることで、インストアシェア(特定の顧客における派遣・請負スタッフ数のうち、自社の派遣・請負スタッフが占める割合)の拡大及び事業展開地域の拡大に努めました。また、注力3事業である介護分野における人材派遣・人材紹介、海外における人材サービス、インターネット・IoT分野における人材サービスの業容拡大に注力しました。加えて、M&Aによる事業の拡大として、国内では建設業界における事業成長を企図して建設技術者派遣・紹介事業を営むC4株式会社を連結子会社化(2018年6月)、海外ではオーストラリア政府機関への人材サービスに強みを持つQuay Appointments Pty Ltd他2社を連結子会社化(2018年9月)、シンガポールを中心にHR領域に特化した人材紹介、コンサルティング事業を展開するThe Chapman Consulting Group Pte.Ltd.他6社を連結子会社化(2019年1月)しました。
(IFRSの適用開始)
当社グループは当連結会計年度期首より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っています。なお、IFRSにおいて開示が求められている調整表については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 28.初度適用」をご参照ください。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益103,300百万円(前連結会計年度比30.3%増)、営業利益2,979百万円(同14.7%増)、税引前利益2,898百万円(同15.5%増)、当期利益1,750百万円(同1.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,554百万円(同7.1%増)、及びEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+減損損失)は4,570百万円(同27.7%増)となりました。
セグメント別の業績は、次の通りです。
(セールスアウトソーシング事業)
株式会社セントメディアが提供する店頭販売員等の人材サービスについては、販売スタッフの需要は引き続き底堅く、既存顧客のインストアシェア拡大及び業務請負の拡大に注力しました。主力の通信分野においては、スマートフォンの国内出荷台数の減少、顧客の販促費抑制等の影響に伴う事業環境の停滞が見られたものの、アパレル業界における人材派遣等の営業展開地域の拡大により、通信分野以外において順調に拡大しました。株式会社クリエイティブバンクが提供するセールスプロモーションサービスにおいても、大手IT企業からのリテールサポートや各種キャンペーン、法人向けのプライベートセミナーや展示会等、大手ディストリビュータ(IT専門商社)との協業施策等が堅調に推移しました。
利益面においては、通信分野のインセンティブ収入の減少、外注費用の増加等による売上総利益率の低下、通信分野以外の拡大に向けた営業拠点の増加に伴う人件費の増加等により、減益となりました。
以上の結果、セールスアウトソーシング事業は、売上収益22,207百万円(前連結会計年度比2.6%増)、セグメント利益1,537百万円(同12.1%減)となりました。
(コールセンターアウトソーシング事業)
株式会社セントメディアが提供するコールセンター、オフィス向けの人材サービスについては、企業の人手不足や業務の効率化を背景にアウトソーシング需要が拡大しています。その中でも、収益性の高い金融機関、インハウス案件の受注の拡大に注力しました。また、採用面においてはシニア層の採用に注力しました。
利益面においては、稼働スタッフ数の減少により減収となりましたが、生産性の向上による販売費及び一般管理費の減少により増益となりました。
以上の結果、コールセンターアウトソーシング事業は、売上収益15,724百万円(前連結会計年度比6.4%減)、セグメント利益833百万円(同1.6%増)となりました。
(ファクトリーアウトソーシング事業)
株式会社エフエージェイが提供する製造業等への人材サービスについては、惣菜、コンビニエンスストア向けスイーツ、弁当の中食等の需要が堅調に推移する中、食品製造業を中心とする顧客との取引拡大、営業展開地域の拡大(新規に7支店を開設)、2017年9月に連結子会社化した株式会社リトルシーズサービスが期首から業績寄与したことにより順調に拡大しました。また、化粧品分野等食品分野以外の領域拡大にも積極的に取り組みました。採用面においては、引き続き外国人の採用を強化するとともに、外国人フィールドサポーター(当社常駐正社員)を増員し、外国人スタッフの定着率改善に取り組みました。
利益面においては、営業展開地域の拡大に伴い人件費等が増加しましたが、増収によりこれらを吸収し、増益となりました。
以上の結果、ファクトリーアウトソーシング事業は、売上収益20,885百万円(前連結会計年度比22.9%増)、セグメント利益1,038百万円(同16.5%増)となりました。
(介護ビジネス支援事業)
株式会社セントメディアが提供する介護分野における人材サービスについては、引き続き積極的な拠点の拡大(新規に6支店を開設)により、日本国内47支店の体制となりました。採用面においては、未経験、業務経験の浅いスタッフや、フルタイム以外の勤務を希望するスタッフでも活躍いただけるよう、就業サポート、顧客企業に対する多様な働き方の提案等を強化し、稼働スタッフ数の増加に注力しました。また、取引先との契約条件の見直しや、収益性の高い介護職向け人材紹介を拡大する等、売上総利益率の改善に注力しました。また、介護施設においてニーズの高まっている外国人労働者(技能実習生、特定技能)の管理業務の受託開始に向けて取り組みました。
利益面においては、支店開設費用等の先行投資が増加しましたが、収益性の高い人材紹介売上高の増加等による売上総利益率の改善、収益本格化の分岐である開設後3年以上経過拠点数の増加により、増益となりました。
以上の結果、介護ビジネス支援事業は、売上収益9,310百万円(前連結会計年度比30.4%増)、セグメント利益182百万円(前連結会計年度は16百万円の損失)となりました。
(海外HR事業)
ASEAN及びオセアニア地域で展開している海外HR事業は、シンガポール及びオーストラリアの連結子会社の業績が順調に拡大したことに加え、2018年1月に連結子会社化した、オーストラリアで事務職やコールセンター関連職の人材サービスを提供するDFP Recruitment Holdings Pty Ltdが期首から業績寄与したことに加え、2018年9月に連結子会社化したQuay Appointments Pty Ltd他2社及び2019年1月に連結子会社化したThe Chapman Consulting Group Pte.Ltd.他6社が業績寄与しました。
以上の結果、海外HR事業は、売上収益26,275百万円(前連結会計年度比99.5%増)、セグメント利益428百万円(同20.2%増)となりました。
(スタートアップ人材支援事業)
スタートアップ企業を取り巻く環境は、「J-Startup」に代表される国を挙げての支援や、ベンチャーキャピタルによる出資額の増加等により活性化しています。加えて、スタートアップ企業においては、人材確保が重要な経営課題であることから、多くの人材需要が寄せられました。そのような状況の下、人材紹介人数の拡大に向け、期首よりコンサルタントの増員に注力したほか、マッチング精度向上施策ならびに生産性向上施策を実行しました。また、日々進化する成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」を公開しました。
利益面においては、業容拡大により増益となりました。
以上の結果、スタートアップ人材支援事業は、売上収益1,049百万円(前連結会計年度比43.5%増)、セグメント利益269百万円(同29.0%増)となりました。
(その他)
ALT(外国語指導助手)派遣、保育士の派遣・紹介サービス等が順調に拡大した他、外国人アルバイト紹介メディア「Joboty」、在留カード管理システム「ビザマネ」等、新たな事業の開発投資も積極的に実施しました。また、2018年6月に連結子会社化した建設技術者派遣・紹介事業を営むC4株式会社が業績寄与しました。
利益面においては、ALT派遣、保育士派遣・紹介の業容拡大、赤字事業からの撤退により増益となりました。
以上の結果、その他は、売上収益8,151百万円(前連結会計年度比200.5%増)、セグメント利益143百万円(前連結会計年度は77百万円の損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,807百万円の収入(前連結会計年度は4,462百万円の収入)となりました。これは主に、営業債権の増加1,613百万円、法人税等の支払1,142百万円があったものの、税引前利益の計上2,898百万円、減価償却費及び償却費1,558百万円、営業債務の増加973百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,635百万円の支出(前連結会計年度は2,331百万円の支出)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4,267百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出770百万円、投資有価証券の取得による支出644百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、564百万円の収入(前連結会計年度は3,247百万円の収入)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出3,206百万円、短期借入金の純減額1,778百万円及び長期借入金の返済による支出1,701百万円があったものの、長期借入れによる収入8,518百万円があったことによるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社グループの主たる事業は人材サービスの提供であり、その性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しています。
(2)受注状況
生産実績と同様の理由により、記載していません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
(注1)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載の通りです。なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれていますが、これらは、当連結会計年度末現在における当社グループの判断によるものです。このような将来に対する見積り等は、過去の実績や趨勢に基づき可能な限り合理的に判断したものですが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、結果とは異なる可能性があります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は22,536百万円となり、前連結会計年度末に比べ897百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が2,297百万円減少した一方、営業債権及びその他の債権が2,893百万円、その他の流動資産が289百万円増加したことによるものです。
非流動資産は19,750百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,788百万円増加しました。これは主に、企業結合に係るのれんが3,592百万円、取得原価の配分等により無形資産が1,294百万円及びITインフラ基盤への設備投資等により有形固定資産が358百万円それぞれ増加したことによるものです。
以上の結果、総資産は42,287百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,686百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は20,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,107百万円増加しました。これは主に、その他の金融負債が488百万円減少した一方、営業債務及びその他の債務が2,107百万円、その他の流動負債が331百万円増加したことによるものです。
非流動負債は16,679百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,009百万円増加しました。これは主に、借入金が5,112百万円、その他の金融負債が2,443百万円増加したことによるものです。
以上の結果、負債合計は37,221百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,117百万円増加しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は5,066百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,430百万円減少しました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により利益剰余金が1,143百万円増加した一方、関係会社株式の追加取得等により資本剰余金が3,667百万円、非支配持分が571百万円減少したことによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は9.9%(前連結会計年度末19.8%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概
要)(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(4)重要な経営指標の分析
当社グループは、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画「Will Vision 2020」を策定し、2020年3月期の経営目標として売上高1,000億円、営業利益40億円の目標を掲げています。売上高ついては、海外を中心としたM&Aによる業績寄与により1年前倒しで達成しましたが、2020年3月期は営業利益40億円達成に向けて取り組みます。当連結会計年度における実績及び主な要因は以下の通りです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は103,300百万円となり、前連結会計年度に比べ30.3%増加しました。
売上収益増加の主な要因は、海外を中心としたM&Aによる業績寄与及びファクトリーアウトソーシング事業並びに介護ビジネス支援事業の拡大によるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は20,305百万円となり、前連結会計年度に比べ27.3%増加しました。
売上総利益率は19.7%となり、前連結会計年度より0.4ポイント低下いたしました。売上総利益率の高いセールスアウトソーシング事業の通信分野が減収であったこと、海外HR事業において人材派遣売上の比率が増加したこととにより、収益性の高い人材紹介売上の比率が低下したことによります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、17,385百万円となり、前連結会計年度に比べ29.6%増加しました。販管比率は16.8%となり、前連結会計年度より0.1ポイント低下いたしました。
販売費及び一般管理費が増加した主な要因は、将来を見据えたIT・拠点開設・採用の先行投資等を行ったことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は2,979百万円となり、前連結会計年度に比べ14.7%増加し、営業利益率は2.9%となり、前連結会計年度より0.4ポイント低下いたしました。営業利益率が低下した主な要因は、売上総利益率の低下によるものです。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ102百万円増加の1,554百万円となりました。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)経営戦略と今後の見通し
当社グループは、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画「Will Vision 2020」を策定し、その実現に取り組んでまいりました。中期経営計画の経営目標である売上高1,000億円については、海外を中心としたM&Aによる業績寄与により1年前倒しで達成しましたので、2020年3月期は営業利益40億円達成に向けて取り組みます。
中期経営計画策定時点と比較して、主要3事業のうち成熟市場であるセールスアウトソーシング事業、コールセンターアウトソーシング事業は、事業環境の変化によりスタッフの採用環境が厳しくなる一方で、注力3事業及びその他新領域の事業が順調に伸長すると見込んでおり、営業利益40億円を達成するために取り組みます。
課題となる国内のスタッフの採用においては、2019年10月に国内主要子会社におけるサービスブランドを「WILLOF(ウィルオブ)」に統一し、国内の認知度向上、サービスの向上を目指します。自社ホームページからの採用数の向上、スタッフからの紹介による採用に重点を置くことで、独自採用ルートを強固なものとし、採用力の強化を図ります。
セグメント別の戦略については以下の通りです。
セールスアウトソーシング事業においては、通信料金引下げによる影響及び国内のスマートフォンの出荷台数の伸びは見込めず、通信分野の先行きは不透明な事業環境です。これを踏まえ、当事業は、通信分野では当社常駐正社員比率を高めることでの販売実績向上、運営力向上による利益率向上に努め、アパレル分野での人材派遣、業務請負拡大の他、営業代行サービス等の分野拡大による売上向上に努めます。これらにより、当事業の安定収益力の強化を図ります。
コールセンターアウトソーシング事業においては、引き続きアウトソーシング需要の増加が見込まれるため、当社の強みであるハイブリッド派遣を活かし、人材派遣から業務請負への切り替え、新規業務請負案件の開拓に注力します。また、収益性の高い受注案件の獲得に努め、当事業の安定収益力の強化を図ります。
ファクトリーアウトソーシング事業においては、弁当等の中食といった堅調な食品製造業との取引増加に向けた拠点展開を引き続き行うとともに、食品以外の新たな分野の拡大を行います。また、引き続き外国人の採用を強化するとともに、外国人技術者の人材紹介の拡大、特定技能外国人の登録支援業務の拡大に取り組み、当事業の業容拡大を図ります。
介護ビジネス支援事業においては、拠点展開は概ね完了したため、収益力の向上に注力します。また、全国展開した拠点網を活かした収益性の高い人材紹介売上の拡大や、外国人介護スタッフの雇用を希望する施設に対する支援等により、新たな事業の柱として市場競争力を高めます。
海外HR事業においては、引き続きASEAN及びオセアニア地域を中心に、M&Aによって取得した各企業のさらなる成長と、各海外子会社間で相互に顧客を紹介する等のシナジーを創出することで業容の拡大を図ります。
スタートアップ人材支援事業においては、引き続きコンサルタントを増員することでの拡大に加え、企業と求職者のマッチング自動化等、テクノロジーを活用したオペレーションの改善による生産性向上に取り組むとともに、成長産業領域に特化した情報プラットフォームの拡充を図ります。
その他の事業において、建設技術者派遣・紹介事業、保育士の派遣・紹介事業、外国人のアルバイト紹介等の既存事業を拡大するとともに、コーポレートベンチャーキャピタルにより、有望ベンチャー企業への投資・支援、新たな収益基盤の確立・創出に積極的に取り組む等、積極的に事業分野の開拓に取り組みます。
これらの取り組みにより、2020年3月期の通期連結業績につきましては、売上収益120,000百万円、営業利益4,000百万円、税引前利益3,800百万円、当期利益2,300百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,970百万円、EBITDAは5,700百万円を見込んでいます。2020年3月期の業績予想に当たっては、1シンガポールドル77円、1オーストラリアドル79円を前提として策定しています。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して2,297百万円減少し、6,862百万円(前連結会計年度末比25.5%減少)となりました。
当社グループは、さらなる成長・拡大に向け積極的にM&Aを推進していきますが、資金需要につきましては主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等にて対応していくこととしています。
当社グループの資金の流動性は、連結子会社では、支払サイトが締め後20日となっており、入金が30日サイトとなっています。一方、当社では、支払が締め後45日、入金が30日サイトとなっています。連結子会社で資金需要が発生した場合には、当社の資金及び取引銀行と契約している当座貸越を使用し、連結子会社に貸し付けています。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載の通りです。
(並行開示情報)
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表は、以下の通りです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
(1)要約連結貸借対照表(日本基準)
(2)要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
(3)要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(4)要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(5)連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い等の適用)
「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」(実務対応報告第36号2018年1月12日。以下「実務対応報告第36号」という。)等を2018年4月1日以後適用し、従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引については、「ストック・オプション等に関する会計基準」(企業会計基準第8号2005年12月27日)等に準拠した会計処理を行うこととしました。
ただし、実務対応報告第36号の適用については、実務対応報告第36号第10項(3)に定める経過的な取扱いに従っており、実務対応報告第36号の適用日より前に従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与した取引については、従来採用していた会計処理を継続しています。
(有形固定資産の減価償却方法の変更)
当社及び一部の連結子会社は、従来、有形固定資産の減価償却方法について、定率法(ただし、当社及び国内連結子会社が、2016年4月1日以降に取得した建物及び構築物については定額法)を採用していましたが、当連結会計年度より定額法に変更しています。
この変更は、当社グループが海外子会社が増えてきたことを契機に、グループ会計方針の統一と適正な期間損益計算を図るために有形固定資産の使用実態を検討したものです。
当社グループの有形固定資産は使用期間にわたり安定的な稼働が見込まれることから、使用可能期間にわたり均等に費用配分を行うことが当社グループの有形固定資産の使用実態をより適切に反映できるとともに、収益と費用の対応の観点からも、当社の経営成績をより適切に反映できるものと判断し、当連結会計年度より有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法へ変更することにしました。
この結果、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ64百万円増加しています。
(表示方法の変更)
(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用に伴う変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号2018年2月16日)に伴う、「会社法施
行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」(法務省令第5号2018年3月26日)を当連結会計年度から適
用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更
しました。
この結果、前連結会計年度において「流動資産」に区分していた「繰延税金資産」(前連結会計年度451百万
円)は、当連結会計年度において「投資その他の資産」の「繰延税金資産」602百万円に含めて表示していま
す。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下の通りです。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 28.初度適用」に記載の通りです。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では20年以内の合理的な年数で均等償却していましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が696百万円減少しています。
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、自然災害による一時的な下押し圧力はありましたが、雇用・所得環境の改善傾向が続き、全体として緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米中の通商問題の動向、英国の欧州連合(EU)離脱の動向等、世界経済の不確実性が高く、依然として先行き不透明な状況が続いています。人材サービス市場においては、有効求人倍率は1.6倍と高水準が続いており、人手不足、働き方改革の推進、外国人労働者の増加等を背景として多くの需要が寄せられました。
このような状況の下、当社グループは「個と組織をポジティブに変革するチェンジエージェント・グループ」をミッションとして掲げ、各事業において専門性の追求による顧客満足の向上と差別化を図ることで、インストアシェア(特定の顧客における派遣・請負スタッフ数のうち、自社の派遣・請負スタッフが占める割合)の拡大及び事業展開地域の拡大に努めました。また、注力3事業である介護分野における人材派遣・人材紹介、海外における人材サービス、インターネット・IoT分野における人材サービスの業容拡大に注力しました。加えて、M&Aによる事業の拡大として、国内では建設業界における事業成長を企図して建設技術者派遣・紹介事業を営むC4株式会社を連結子会社化(2018年6月)、海外ではオーストラリア政府機関への人材サービスに強みを持つQuay Appointments Pty Ltd他2社を連結子会社化(2018年9月)、シンガポールを中心にHR領域に特化した人材紹介、コンサルティング事業を展開するThe Chapman Consulting Group Pte.Ltd.他6社を連結子会社化(2019年1月)しました。
(IFRSの適用開始)
当社グループは当連結会計年度期首より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っています。なお、IFRSにおいて開示が求められている調整表については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 28.初度適用」をご参照ください。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益103,300百万円(前連結会計年度比30.3%増)、営業利益2,979百万円(同14.7%増)、税引前利益2,898百万円(同15.5%増)、当期利益1,750百万円(同1.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,554百万円(同7.1%増)、及びEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+減損損失)は4,570百万円(同27.7%増)となりました。
セグメント別の業績は、次の通りです。
(セールスアウトソーシング事業)
株式会社セントメディアが提供する店頭販売員等の人材サービスについては、販売スタッフの需要は引き続き底堅く、既存顧客のインストアシェア拡大及び業務請負の拡大に注力しました。主力の通信分野においては、スマートフォンの国内出荷台数の減少、顧客の販促費抑制等の影響に伴う事業環境の停滞が見られたものの、アパレル業界における人材派遣等の営業展開地域の拡大により、通信分野以外において順調に拡大しました。株式会社クリエイティブバンクが提供するセールスプロモーションサービスにおいても、大手IT企業からのリテールサポートや各種キャンペーン、法人向けのプライベートセミナーや展示会等、大手ディストリビュータ(IT専門商社)との協業施策等が堅調に推移しました。
利益面においては、通信分野のインセンティブ収入の減少、外注費用の増加等による売上総利益率の低下、通信分野以外の拡大に向けた営業拠点の増加に伴う人件費の増加等により、減益となりました。
以上の結果、セールスアウトソーシング事業は、売上収益22,207百万円(前連結会計年度比2.6%増)、セグメント利益1,537百万円(同12.1%減)となりました。
(コールセンターアウトソーシング事業)
株式会社セントメディアが提供するコールセンター、オフィス向けの人材サービスについては、企業の人手不足や業務の効率化を背景にアウトソーシング需要が拡大しています。その中でも、収益性の高い金融機関、インハウス案件の受注の拡大に注力しました。また、採用面においてはシニア層の採用に注力しました。
利益面においては、稼働スタッフ数の減少により減収となりましたが、生産性の向上による販売費及び一般管理費の減少により増益となりました。
以上の結果、コールセンターアウトソーシング事業は、売上収益15,724百万円(前連結会計年度比6.4%減)、セグメント利益833百万円(同1.6%増)となりました。
(ファクトリーアウトソーシング事業)
株式会社エフエージェイが提供する製造業等への人材サービスについては、惣菜、コンビニエンスストア向けスイーツ、弁当の中食等の需要が堅調に推移する中、食品製造業を中心とする顧客との取引拡大、営業展開地域の拡大(新規に7支店を開設)、2017年9月に連結子会社化した株式会社リトルシーズサービスが期首から業績寄与したことにより順調に拡大しました。また、化粧品分野等食品分野以外の領域拡大にも積極的に取り組みました。採用面においては、引き続き外国人の採用を強化するとともに、外国人フィールドサポーター(当社常駐正社員)を増員し、外国人スタッフの定着率改善に取り組みました。
利益面においては、営業展開地域の拡大に伴い人件費等が増加しましたが、増収によりこれらを吸収し、増益となりました。
以上の結果、ファクトリーアウトソーシング事業は、売上収益20,885百万円(前連結会計年度比22.9%増)、セグメント利益1,038百万円(同16.5%増)となりました。
(介護ビジネス支援事業)
株式会社セントメディアが提供する介護分野における人材サービスについては、引き続き積極的な拠点の拡大(新規に6支店を開設)により、日本国内47支店の体制となりました。採用面においては、未経験、業務経験の浅いスタッフや、フルタイム以外の勤務を希望するスタッフでも活躍いただけるよう、就業サポート、顧客企業に対する多様な働き方の提案等を強化し、稼働スタッフ数の増加に注力しました。また、取引先との契約条件の見直しや、収益性の高い介護職向け人材紹介を拡大する等、売上総利益率の改善に注力しました。また、介護施設においてニーズの高まっている外国人労働者(技能実習生、特定技能)の管理業務の受託開始に向けて取り組みました。
利益面においては、支店開設費用等の先行投資が増加しましたが、収益性の高い人材紹介売上高の増加等による売上総利益率の改善、収益本格化の分岐である開設後3年以上経過拠点数の増加により、増益となりました。
以上の結果、介護ビジネス支援事業は、売上収益9,310百万円(前連結会計年度比30.4%増)、セグメント利益182百万円(前連結会計年度は16百万円の損失)となりました。
(海外HR事業)
ASEAN及びオセアニア地域で展開している海外HR事業は、シンガポール及びオーストラリアの連結子会社の業績が順調に拡大したことに加え、2018年1月に連結子会社化した、オーストラリアで事務職やコールセンター関連職の人材サービスを提供するDFP Recruitment Holdings Pty Ltdが期首から業績寄与したことに加え、2018年9月に連結子会社化したQuay Appointments Pty Ltd他2社及び2019年1月に連結子会社化したThe Chapman Consulting Group Pte.Ltd.他6社が業績寄与しました。
以上の結果、海外HR事業は、売上収益26,275百万円(前連結会計年度比99.5%増)、セグメント利益428百万円(同20.2%増)となりました。
(スタートアップ人材支援事業)
スタートアップ企業を取り巻く環境は、「J-Startup」に代表される国を挙げての支援や、ベンチャーキャピタルによる出資額の増加等により活性化しています。加えて、スタートアップ企業においては、人材確保が重要な経営課題であることから、多くの人材需要が寄せられました。そのような状況の下、人材紹介人数の拡大に向け、期首よりコンサルタントの増員に注力したほか、マッチング精度向上施策ならびに生産性向上施策を実行しました。また、日々進化する成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」を公開しました。
利益面においては、業容拡大により増益となりました。
以上の結果、スタートアップ人材支援事業は、売上収益1,049百万円(前連結会計年度比43.5%増)、セグメント利益269百万円(同29.0%増)となりました。
(その他)
ALT(外国語指導助手)派遣、保育士の派遣・紹介サービス等が順調に拡大した他、外国人アルバイト紹介メディア「Joboty」、在留カード管理システム「ビザマネ」等、新たな事業の開発投資も積極的に実施しました。また、2018年6月に連結子会社化した建設技術者派遣・紹介事業を営むC4株式会社が業績寄与しました。
利益面においては、ALT派遣、保育士派遣・紹介の業容拡大、赤字事業からの撤退により増益となりました。
以上の結果、その他は、売上収益8,151百万円(前連結会計年度比200.5%増)、セグメント利益143百万円(前連結会計年度は77百万円の損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,807百万円の収入(前連結会計年度は4,462百万円の収入)となりました。これは主に、営業債権の増加1,613百万円、法人税等の支払1,142百万円があったものの、税引前利益の計上2,898百万円、減価償却費及び償却費1,558百万円、営業債務の増加973百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,635百万円の支出(前連結会計年度は2,331百万円の支出)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4,267百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出770百万円、投資有価証券の取得による支出644百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、564百万円の収入(前連結会計年度は3,247百万円の収入)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出3,206百万円、短期借入金の純減額1,778百万円及び長期借入金の返済による支出1,701百万円があったものの、長期借入れによる収入8,518百万円があったことによるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社グループの主たる事業は人材サービスの提供であり、その性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しています。
(2)受注状況
生産実績と同様の理由により、記載していません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
| (単位:百万円) | ||
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| セールスアウトソーシング事業 | 22,207 | 102.6 |
| コールセンターアウトソーシング事業 | 15,724 | 93.6 |
| ファクトリーアウトソーシング事業 | 20,885 | 122.9 |
| 介護ビジネス支援事業 | 9,310 | 130.4 |
| 海外HR事業 | 26,275 | 199.5 |
| スタートアップ人材支援事業 | 1,049 | 143.5 |
| 報告セグメント計 | 95,451 | 124.8 |
| その他 | 8,151 | 300.5 |
| 合計 | 103,603 | 130.8 |
(注1)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載の通りです。なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれていますが、これらは、当連結会計年度末現在における当社グループの判断によるものです。このような将来に対する見積り等は、過去の実績や趨勢に基づき可能な限り合理的に判断したものですが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、結果とは異なる可能性があります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は22,536百万円となり、前連結会計年度末に比べ897百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が2,297百万円減少した一方、営業債権及びその他の債権が2,893百万円、その他の流動資産が289百万円増加したことによるものです。
非流動資産は19,750百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,788百万円増加しました。これは主に、企業結合に係るのれんが3,592百万円、取得原価の配分等により無形資産が1,294百万円及びITインフラ基盤への設備投資等により有形固定資産が358百万円それぞれ増加したことによるものです。
以上の結果、総資産は42,287百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,686百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は20,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,107百万円増加しました。これは主に、その他の金融負債が488百万円減少した一方、営業債務及びその他の債務が2,107百万円、その他の流動負債が331百万円増加したことによるものです。
非流動負債は16,679百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,009百万円増加しました。これは主に、借入金が5,112百万円、その他の金融負債が2,443百万円増加したことによるものです。
以上の結果、負債合計は37,221百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,117百万円増加しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は5,066百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,430百万円減少しました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により利益剰余金が1,143百万円増加した一方、関係会社株式の追加取得等により資本剰余金が3,667百万円、非支配持分が571百万円減少したことによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は9.9%(前連結会計年度末19.8%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概
要)(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(4)重要な経営指標の分析
当社グループは、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画「Will Vision 2020」を策定し、2020年3月期の経営目標として売上高1,000億円、営業利益40億円の目標を掲げています。売上高ついては、海外を中心としたM&Aによる業績寄与により1年前倒しで達成しましたが、2020年3月期は営業利益40億円達成に向けて取り組みます。当連結会計年度における実績及び主な要因は以下の通りです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は103,300百万円となり、前連結会計年度に比べ30.3%増加しました。
売上収益増加の主な要因は、海外を中心としたM&Aによる業績寄与及びファクトリーアウトソーシング事業並びに介護ビジネス支援事業の拡大によるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は20,305百万円となり、前連結会計年度に比べ27.3%増加しました。
売上総利益率は19.7%となり、前連結会計年度より0.4ポイント低下いたしました。売上総利益率の高いセールスアウトソーシング事業の通信分野が減収であったこと、海外HR事業において人材派遣売上の比率が増加したこととにより、収益性の高い人材紹介売上の比率が低下したことによります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、17,385百万円となり、前連結会計年度に比べ29.6%増加しました。販管比率は16.8%となり、前連結会計年度より0.1ポイント低下いたしました。
販売費及び一般管理費が増加した主な要因は、将来を見据えたIT・拠点開設・採用の先行投資等を行ったことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は2,979百万円となり、前連結会計年度に比べ14.7%増加し、営業利益率は2.9%となり、前連結会計年度より0.4ポイント低下いたしました。営業利益率が低下した主な要因は、売上総利益率の低下によるものです。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ102百万円増加の1,554百万円となりました。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)経営戦略と今後の見通し
当社グループは、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画「Will Vision 2020」を策定し、その実現に取り組んでまいりました。中期経営計画の経営目標である売上高1,000億円については、海外を中心としたM&Aによる業績寄与により1年前倒しで達成しましたので、2020年3月期は営業利益40億円達成に向けて取り組みます。
中期経営計画策定時点と比較して、主要3事業のうち成熟市場であるセールスアウトソーシング事業、コールセンターアウトソーシング事業は、事業環境の変化によりスタッフの採用環境が厳しくなる一方で、注力3事業及びその他新領域の事業が順調に伸長すると見込んでおり、営業利益40億円を達成するために取り組みます。
課題となる国内のスタッフの採用においては、2019年10月に国内主要子会社におけるサービスブランドを「WILLOF(ウィルオブ)」に統一し、国内の認知度向上、サービスの向上を目指します。自社ホームページからの採用数の向上、スタッフからの紹介による採用に重点を置くことで、独自採用ルートを強固なものとし、採用力の強化を図ります。
セグメント別の戦略については以下の通りです。
セールスアウトソーシング事業においては、通信料金引下げによる影響及び国内のスマートフォンの出荷台数の伸びは見込めず、通信分野の先行きは不透明な事業環境です。これを踏まえ、当事業は、通信分野では当社常駐正社員比率を高めることでの販売実績向上、運営力向上による利益率向上に努め、アパレル分野での人材派遣、業務請負拡大の他、営業代行サービス等の分野拡大による売上向上に努めます。これらにより、当事業の安定収益力の強化を図ります。
コールセンターアウトソーシング事業においては、引き続きアウトソーシング需要の増加が見込まれるため、当社の強みであるハイブリッド派遣を活かし、人材派遣から業務請負への切り替え、新規業務請負案件の開拓に注力します。また、収益性の高い受注案件の獲得に努め、当事業の安定収益力の強化を図ります。
ファクトリーアウトソーシング事業においては、弁当等の中食といった堅調な食品製造業との取引増加に向けた拠点展開を引き続き行うとともに、食品以外の新たな分野の拡大を行います。また、引き続き外国人の採用を強化するとともに、外国人技術者の人材紹介の拡大、特定技能外国人の登録支援業務の拡大に取り組み、当事業の業容拡大を図ります。
介護ビジネス支援事業においては、拠点展開は概ね完了したため、収益力の向上に注力します。また、全国展開した拠点網を活かした収益性の高い人材紹介売上の拡大や、外国人介護スタッフの雇用を希望する施設に対する支援等により、新たな事業の柱として市場競争力を高めます。
海外HR事業においては、引き続きASEAN及びオセアニア地域を中心に、M&Aによって取得した各企業のさらなる成長と、各海外子会社間で相互に顧客を紹介する等のシナジーを創出することで業容の拡大を図ります。
スタートアップ人材支援事業においては、引き続きコンサルタントを増員することでの拡大に加え、企業と求職者のマッチング自動化等、テクノロジーを活用したオペレーションの改善による生産性向上に取り組むとともに、成長産業領域に特化した情報プラットフォームの拡充を図ります。
その他の事業において、建設技術者派遣・紹介事業、保育士の派遣・紹介事業、外国人のアルバイト紹介等の既存事業を拡大するとともに、コーポレートベンチャーキャピタルにより、有望ベンチャー企業への投資・支援、新たな収益基盤の確立・創出に積極的に取り組む等、積極的に事業分野の開拓に取り組みます。
これらの取り組みにより、2020年3月期の通期連結業績につきましては、売上収益120,000百万円、営業利益4,000百万円、税引前利益3,800百万円、当期利益2,300百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,970百万円、EBITDAは5,700百万円を見込んでいます。2020年3月期の業績予想に当たっては、1シンガポールドル77円、1オーストラリアドル79円を前提として策定しています。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して2,297百万円減少し、6,862百万円(前連結会計年度末比25.5%減少)となりました。
当社グループは、さらなる成長・拡大に向け積極的にM&Aを推進していきますが、資金需要につきましては主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等にて対応していくこととしています。
当社グループの資金の流動性は、連結子会社では、支払サイトが締め後20日となっており、入金が30日サイトとなっています。一方、当社では、支払が締め後45日、入金が30日サイトとなっています。連結子会社で資金需要が発生した場合には、当社の資金及び取引銀行と契約している当座貸越を使用し、連結子会社に貸し付けています。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載の通りです。
(並行開示情報)
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表は、以下の通りです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
(1)要約連結貸借対照表(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2018年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年3月31日) | |
| 資産の部 | ||
| 流動資産 | 22,345 | 23,162 |
| 固定資産 | ||
| 有形固定資産 | 958 | 1,319 |
| 無形固定資産 | 3,365 | 7,650 |
| 投資その他の資産 | 1,426 | 2,083 |
| 固定資産合計 | 5,749 | 11,052 |
| 資産合計 | 28,095 | 34,214 |
| 負債の部 | ||
| 流動負債 | 15,541 | 18,028 |
| 固定負債 | 2,693 | 8,221 |
| 負債合計 | 18,234 | 26,249 |
| 純資産の部 | ||
| 株主資本 | 8,409 | 7,120 |
| その他の包括利益累計額 | △142 | △242 |
| 新株予約権 | 157 | 207 |
| 非支配株主持分 | 1,436 | 880 |
| 純資産合計 | 9,860 | 7,964 |
| 負債純資産合計 | 28,095 | 34,214 |
(2)要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 売上高 | 79,197 | 103,603 |
| 売上原価 | 63,138 | 83,267 |
| 売上総利益 | 16,058 | 20,335 |
| 販売費及び一般管理費 | 13,636 | 17,787 |
| 営業利益 | 2,422 | 2,547 |
| 営業外収益 | 95 | 158 |
| 営業外費用 | 75 | 69 |
| 経常利益 | 2,441 | 2,636 |
| 特別利益 | 37 | 31 |
| 特別損失 | 62 | 43 |
| 税金等調整前当期純利益 | 2,416 | 2,625 |
| 法人税等合計 | 920 | 1,196 |
| 当期純利益 | 1,496 | 1,428 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | 273 | 196 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,222 | 1,231 |
要約連結包括利益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 当期純利益 | 1,496 | 1,428 |
| その他の包括利益合計 | △102 | △106 |
| 包括利益 | 1,393 | 1,322 |
| (内訳) | ||
| 親会社株主に係る包括利益 | 1,120 | 1,131 |
| 非支配株主に係る包括利益 | 272 | 191 |
(3)要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 4,073 | △39 | 108 | 875 | 5,018 |
| 当期変動額合計 | 4,335 | △102 | 48 | 561 | 4,842 |
| 当期末残高 | 8,409 | △142 | 157 | 1,436 | 9,860 |
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 8,409 | △142 | 157 | 1,436 | 9,860 |
| 当期変動額合計 | △1,288 | △100 | 50 | △556 | △1,895 |
| 当期末残高 | 7,120 | △242 | 207 | 880 | 7,964 |
(4)要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,503 | 2,079 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,095 | △5,715 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 3,971 | 1,372 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 153 | △34 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 5,532 | △2,297 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 3,627 | 9,159 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 9,159 | 6,862 |
(5)連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い等の適用)
「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」(実務対応報告第36号2018年1月12日。以下「実務対応報告第36号」という。)等を2018年4月1日以後適用し、従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引については、「ストック・オプション等に関する会計基準」(企業会計基準第8号2005年12月27日)等に準拠した会計処理を行うこととしました。
ただし、実務対応報告第36号の適用については、実務対応報告第36号第10項(3)に定める経過的な取扱いに従っており、実務対応報告第36号の適用日より前に従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与した取引については、従来採用していた会計処理を継続しています。
(有形固定資産の減価償却方法の変更)
当社及び一部の連結子会社は、従来、有形固定資産の減価償却方法について、定率法(ただし、当社及び国内連結子会社が、2016年4月1日以降に取得した建物及び構築物については定額法)を採用していましたが、当連結会計年度より定額法に変更しています。
この変更は、当社グループが海外子会社が増えてきたことを契機に、グループ会計方針の統一と適正な期間損益計算を図るために有形固定資産の使用実態を検討したものです。
当社グループの有形固定資産は使用期間にわたり安定的な稼働が見込まれることから、使用可能期間にわたり均等に費用配分を行うことが当社グループの有形固定資産の使用実態をより適切に反映できるとともに、収益と費用の対応の観点からも、当社の経営成績をより適切に反映できるものと判断し、当連結会計年度より有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法へ変更することにしました。
この結果、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ64百万円増加しています。
(表示方法の変更)
(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用に伴う変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号2018年2月16日)に伴う、「会社法施
行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」(法務省令第5号2018年3月26日)を当連結会計年度から適
用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更
しました。
この結果、前連結会計年度において「流動資産」に区分していた「繰延税金資産」(前連結会計年度451百万
円)は、当連結会計年度において「投資その他の資産」の「繰延税金資産」602百万円に含めて表示していま
す。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下の通りです。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 28.初度適用」に記載の通りです。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では20年以内の合理的な年数で均等償却していましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が696百万円減少しています。