有価証券報告書-第19期(2024/04/01-2025/03/31)
(業績等の概要)
当連結会計年度における世界経済は、各国におけるインフレ率の鎮静化を背景に、緩やかな成長を持続しているものの、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化、米国の通商政策による影響など、依然として先行き不透明な状況が続いており、これらの影響を引き続き注視していく必要があります。
日本経済は、賃上げや企業の設備投資意欲が継続するなど景気に前向きな動きはありましたが、物価上昇による個人消費の陰り等が影響し、緩やかな回復にとどまりました。また、米国政府が打ち出した関税政策を巡る懸念から、世界経済の先行き不透明感が強まり、日本経済を下押しするリスクが高まりました。
このような状況の下、当社グループは、2026年3月期を最終年度とした中期経営計画「WILL-being 2026」(以下、「本中計」という。)の基本方針である国内Working事業の再成長に向け、建設技術者領域の拡大、正社員派遣、外国人雇用支援の拡大等に取り組みました。
国内においては、コールセンターアウトソーシング領域を除き堅調に推移しました。特に、戦略投資領域である建設技術者領域は順調に拡大し収益化を達成しました。また、国内における採用力強化を目的に、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、当社の最大商圏である関東エリアを含む18都府県でテレビCMを実施したことに加え、ウェブCM、SNS等を利用したプロモーション戦略を展開しました。
海外においては、ポストコロナの急激な人材需要が一巡して以降、インフレ圧力による影響も加わり、主要顧客の採用抑制が長期化していることから、継続的な利益体質の強化に向けたコストコントロールを実施し、人材需要が低迷している状況下において持続的な収益の確保に向けた対策を継続しています。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益139,705百万円(前連結会計年度比1.1%増)、営業利益2,338百万円(同48.3%減)、税引前利益2,177百万円(同50.7%減)、当期利益1,141百万円(同60.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,155百万円(同58.4%減)、及びEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+減損損失)は4,896百万円(同28.1%減)となりました。
セグメント別の業績は、以下の通りです。
(1)国内Working事業
国内におけるセールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域、建設技術者領域等カテゴリーに特化した人材派遣、人材紹介及び業務請負を行う国内Working事業については、コールセンターアウトソーシング領域の低迷が続いているものの、それ以外の領域は堅調に推移しました。特に、最も注力している建設技術者領域のKPI(重要業績評価指標)のうち「年間採用人数」については、当連結会計年度において、新卒を含め過去最高の1,700名以上(計画比142%)の入社を達成し、稼働人数の積み上がりが国内Working事業の売上収益の増加に寄与しました。また、旺盛な人材需要を背景に契約単価の交渉も順調に進展しています。
利益面においては、前連結会計年度に含まれる子会社株式売却益がはく落したこと、連結除外の影響により減益となりました。
以上の結果、国内Working事業は、外部収益83,099百万円(前年同期比0.7%増)、セグメント利益3,251百万円(同35.5%減)となりました。
(2)海外Working事業
主にシンガポール、オーストラリアにおいて展開している海外Working事業については、主要顧客において採用を抑制する傾向が継続している一方、為替レートが前年同期比で円安に推移したこと等により増収となりました。
利益面においては、売上総利益の低下を為替変動の影響、シンガポールの政府補助金収入及び市況悪化の長期化に備えた継続的なコストコントロールにより補いましたが、オーストラリアの連結子会社に係るのれんの減損損失473百万円を計上したこと等により減益となりました。
以上の結果、海外Working事業は、外部収益56,448百万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益1,432百万円(同26.4%減)となりました。
(3)その他
その他については、前連結会計年度に外国人雇用管理システム「ビザマネ」、当連結会計年度に外国人向けモバイル通信事業「ENPORT mobile」の事業譲渡を行ったほか、不動産の売却を行ったことにより、外部収益157百万円(前年同期比40.7%減)、セグメント損失223百万円(前年同期は225百万円の損失)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社グループの主たる事業は人材サービスの提供であり、その性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しています。
(2)受注状況
生産実績と同様の理由により、記載していません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下の通りです。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎、3.重要性がある会計方針」に記載の通りです。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は26,551百万円となり、前連結会計年度末に比べ421百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が169百万円減少した一方、営業債権及びその他の債権が623百万円増加したこと等によるものです。
非流動資産は23,371百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,042百万円減少しました。これは主に、持分法適用除外に伴う振替、貸付の実施及び投資有価証券の取得等によりその他金融資産が1,002百万円増加した一方、使用権資産が679百万円、その他の非流動資産が655百万円、その他の無形資産が504百万円、減損及び為替影響等によりのれんが571百万円、持分法で会計処理されている投資が431百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、総資産は49,923百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,620百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は25,208百万円となり、前連結会計年度末に比べ674百万円増加しました。これは主に、その他の金融負債が689百万円、未払法人所得税が482百万円それぞれ減少した一方、借入金が1,513百万円、営業債務及びその他の債務が471百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
非流動負債は7,354百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,135百万円減少しました。これは主に、その他の金融負債が1,200百万円、借入金が838百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、負債合計は32,563百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,461百万円減少しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は17,359百万円となり、前連結会計年度末に比べ158百万円減少しました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上1,155百万円及び配当金の支払1,011百万円により利益剰余金が143百万円、その他の資本性金融商品が132百万円それぞれ増加した一方、在外営業活動体の換算差額が388百万円、非支配持分が42百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は34.8%(前連結会計年度末34.0%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,806百万円の収入(前連結会計年度は3,828百万円の収入)となりました。これは主に、法人所得税の支払額1,800百万円、営業債務の減少額615百万円、営業債権の増加額591百万円等があった
一方、税引前利益の計上2,177百万円、減価償却費及び償却費2,084百万円、減損損失473百万円等があったことによる
ものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、695百万円の支出(前連結会計年度は575百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出361百万円、貸付金の貸付による支出300百万円、投資有価証券の取得による支出299百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,233百万円の支出(前連結会計年度は6,232百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増額1,365百万円、長期借入れによる収入800百万円等があった一方、長期借入金の返済による支出1,566百万円、リース負債の返済による支出1,324百万円、配当金の支払額1,011百万円等があったことによるものです。
(4)重要な経営指標の分析
当連結会計年度における実績及び主な要因は以下の通りです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は、139,705百万円となり、前連結会計年度に比べ1.1%増加しました。
売上収益が増加した主な要因は、国内Working事業において、戦略投資領域である建設技術者領域が順調に拡大し収益化を達成したことに加え、海外Working事業において、為替レートが前連結会計年度比で円安に推移したことによるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、29,383百万円となり、前連結会計年度に比べ3.5%減少しました。
売上総利益が減少した主な要因は、海外Working事業において、ポストコロナの急激な人材需要が一巡して以降、インフレ圧力による影響も加わり、主要顧客の採用抑制が長期化し、主に紹介売上が減少したことによるものです。
その結果、売上総利益率は21.0%となり、前連結会計年度より1.0ポイント低下しました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、27,270百万円となり、前連結会計年度に比べ3.7%減少しました。
販管費比率は19.5%となり、前連結会計年度より1.0ポイント低下しました。
販売費及び一般管理費が減少した主な要因は、本中計の重点戦略としている正社員派遣、外国人雇用支援の拡大に向けて、採用費、営業人員、コンサルタント人員増員等の先行投資を実施、国内における採用力強化を目的として、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションを実施等により販売費及び一般管理費が増加したものの、子会社の連結除外による販売費及び一般管理費の減少影響が大きかったことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、2,338百万円となり、前連結会計年度に比べ48.3%減少しました。
営業利益が減少した主な要因は、前連結会計年度に含まれる子会社株式売却益がはく落したこと、子会社の連結除外による営業利益の減少影響及び、オーストラリアの連結子会社に係るのれんの減損損失473百万円を計上したこと等によるものです。
その結果、営業利益率は1.7%となり、前連結会計年度より1.6ポイント低下しました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDAは、4,896百万円となり、前連結会計年度に比べ28.1%減少しました。
EBITDAが減少した主な要因は、営業利益が減少したことによるものです。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減少により、前連結会計年度に比べ1,623百万円減少の1,155百万円となりました。
(ROIC)
当連結会計年度のROICは、営業利益の減少に伴う税引後営業利益率の低下により、5.7%(前連結会計年度は13.4%)となり、7.7ポイント低下しました。
ROIC計算式:(営業利益×(1-税率))-非支配持分に帰属する当期利益)÷(前期:(親会社所有者帰属持分+長期借入金)+当期:(親会社所有者帰属持分+長期借入金)÷2)
(総還元性向)
当連結会計年度の総還元性向は、87.9%となりました。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)経営戦略と今後の見通し
今後の見通しについては、国内及び海外経済は緩やかに成長していく一方で、世界的な物価上昇や、ウクライナや中東情勢等の地政学リスク、各国の通商政策など、先行き不透明な状況です。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して、採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが主に事業展開を行っているシンガポール、オーストラリアにおいては、コロナ禍の大規模な景気刺激策実施後のインフレや金利上昇等の景況感の悪化に加えて、コロナ後に急激に採用を増やした企業で人員過剰の状態になっており、こうした顧客が採用を抑制する動きが長期化することが懸念されます。
このような状況の下、国内Working事業では、本中計の重点戦略として掲げている、建設技術者領域の拡大、外国人雇用支援、正社員派遣の拡大に取り組みます。建設技術者領域の拡大は、未経験者の採用をさらに強化するとともに、定着率の維持・改善に向けた取り組み、契約単価上昇に向けた取り組みを実施します。正社員派遣の拡大については、採用環境の厳しさを踏まえ、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションの継続など採用力の強化施策を実施し、稼働人数の維持・拡大に取り組みます。外国人雇用支援については、引き続きファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域において顧客からの受注及び現地での採用を拡大していきます。
海外Working事業では、各国経済の下振れリスクと人材派遣、人材紹介ともに低調な市況が長期化する懸念がある状況においても、優秀なコンサルタント人員の確保など、事業価値を毀損しない範囲での戦略的なコストマネジメントを実施し、人材派遣、人材紹介ともに需要回復後の拡大に備える取り組みをしていきます。
これらにより、2026年3月期の通期連結業績予想は、売上収益134,600百万円(当連結会計年度比3.7%減)、営業利益2,500百万円(同6.9%増)、税引前利益2,380百万円(同9.3%増)、当期利益1,550百万円(同35.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,560百万円(同35.0%増)、EBITDAは4,561百万円(同6.9%減)を見込んでいます。(ご参考)業績予想で前提としている為替レートは、1シンガポールドル104円(当期の実績は114円)、1オーストラリアドル91円(当期の実績は100円)です。
*上記業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。引き続き当社グループの事業への影響を慎重に見極め、今後修正の必要が生じた場合には速やかに開示します。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して169百万円減少し、6,936百万円(前連結会計年度末比2.4%減少)となりました。
当社グループは、財務の健全性を図りながら戦略投資を行っていきますが、資金需要については、その性質に合わせて主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等を優先して対応していくこととしています。
当社グループの資金の流動性は、連結子会社では、支払サイトが締め後20日、入金サイトが締め後30日となっています。一方、当社では、支払サイトが締め後30日、入金サイトが締め後30日となっています。連結子会社で資金需要が発生した場合には、当社の資金及び取引銀行と契約している当座貸越を使用し、連結子会社に貸し付けています。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、前述「(3)キャッシュ・フローの分析」に記載の通りです。
当連結会計年度における世界経済は、各国におけるインフレ率の鎮静化を背景に、緩やかな成長を持続しているものの、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化、米国の通商政策による影響など、依然として先行き不透明な状況が続いており、これらの影響を引き続き注視していく必要があります。
日本経済は、賃上げや企業の設備投資意欲が継続するなど景気に前向きな動きはありましたが、物価上昇による個人消費の陰り等が影響し、緩やかな回復にとどまりました。また、米国政府が打ち出した関税政策を巡る懸念から、世界経済の先行き不透明感が強まり、日本経済を下押しするリスクが高まりました。
このような状況の下、当社グループは、2026年3月期を最終年度とした中期経営計画「WILL-being 2026」(以下、「本中計」という。)の基本方針である国内Working事業の再成長に向け、建設技術者領域の拡大、正社員派遣、外国人雇用支援の拡大等に取り組みました。
国内においては、コールセンターアウトソーシング領域を除き堅調に推移しました。特に、戦略投資領域である建設技術者領域は順調に拡大し収益化を達成しました。また、国内における採用力強化を目的に、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、当社の最大商圏である関東エリアを含む18都府県でテレビCMを実施したことに加え、ウェブCM、SNS等を利用したプロモーション戦略を展開しました。
海外においては、ポストコロナの急激な人材需要が一巡して以降、インフレ圧力による影響も加わり、主要顧客の採用抑制が長期化していることから、継続的な利益体質の強化に向けたコストコントロールを実施し、人材需要が低迷している状況下において持続的な収益の確保に向けた対策を継続しています。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益139,705百万円(前連結会計年度比1.1%増)、営業利益2,338百万円(同48.3%減)、税引前利益2,177百万円(同50.7%減)、当期利益1,141百万円(同60.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,155百万円(同58.4%減)、及びEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+減損損失)は4,896百万円(同28.1%減)となりました。
セグメント別の業績は、以下の通りです。
(1)国内Working事業
国内におけるセールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域、建設技術者領域等カテゴリーに特化した人材派遣、人材紹介及び業務請負を行う国内Working事業については、コールセンターアウトソーシング領域の低迷が続いているものの、それ以外の領域は堅調に推移しました。特に、最も注力している建設技術者領域のKPI(重要業績評価指標)のうち「年間採用人数」については、当連結会計年度において、新卒を含め過去最高の1,700名以上(計画比142%)の入社を達成し、稼働人数の積み上がりが国内Working事業の売上収益の増加に寄与しました。また、旺盛な人材需要を背景に契約単価の交渉も順調に進展しています。
利益面においては、前連結会計年度に含まれる子会社株式売却益がはく落したこと、連結除外の影響により減益となりました。
以上の結果、国内Working事業は、外部収益83,099百万円(前年同期比0.7%増)、セグメント利益3,251百万円(同35.5%減)となりました。
(2)海外Working事業
主にシンガポール、オーストラリアにおいて展開している海外Working事業については、主要顧客において採用を抑制する傾向が継続している一方、為替レートが前年同期比で円安に推移したこと等により増収となりました。
利益面においては、売上総利益の低下を為替変動の影響、シンガポールの政府補助金収入及び市況悪化の長期化に備えた継続的なコストコントロールにより補いましたが、オーストラリアの連結子会社に係るのれんの減損損失473百万円を計上したこと等により減益となりました。
以上の結果、海外Working事業は、外部収益56,448百万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益1,432百万円(同26.4%減)となりました。
(3)その他
その他については、前連結会計年度に外国人雇用管理システム「ビザマネ」、当連結会計年度に外国人向けモバイル通信事業「ENPORT mobile」の事業譲渡を行ったほか、不動産の売却を行ったことにより、外部収益157百万円(前年同期比40.7%減)、セグメント損失223百万円(前年同期は225百万円の損失)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社グループの主たる事業は人材サービスの提供であり、その性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しています。
(2)受注状況
生産実績と同様の理由により、記載していません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下の通りです。
| (単位:百万円) | ||
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内Working事業 | 83,099 | 100.7 |
| 海外Working事業 | 56,448 | 101.8 |
| 報告セグメント計 | 139,547 | 101.1 |
| その他 | 157 | 59.3 |
| 合計 | 139,705 | 101.1 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎、3.重要性がある会計方針」に記載の通りです。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は26,551百万円となり、前連結会計年度末に比べ421百万円増加しました。これは主に、現金及び現金同等物が169百万円減少した一方、営業債権及びその他の債権が623百万円増加したこと等によるものです。
非流動資産は23,371百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,042百万円減少しました。これは主に、持分法適用除外に伴う振替、貸付の実施及び投資有価証券の取得等によりその他金融資産が1,002百万円増加した一方、使用権資産が679百万円、その他の非流動資産が655百万円、その他の無形資産が504百万円、減損及び為替影響等によりのれんが571百万円、持分法で会計処理されている投資が431百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、総資産は49,923百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,620百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は25,208百万円となり、前連結会計年度末に比べ674百万円増加しました。これは主に、その他の金融負債が689百万円、未払法人所得税が482百万円それぞれ減少した一方、借入金が1,513百万円、営業債務及びその他の債務が471百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
非流動負債は7,354百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,135百万円減少しました。これは主に、その他の金融負債が1,200百万円、借入金が838百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、負債合計は32,563百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,461百万円減少しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は17,359百万円となり、前連結会計年度末に比べ158百万円減少しました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上1,155百万円及び配当金の支払1,011百万円により利益剰余金が143百万円、その他の資本性金融商品が132百万円それぞれ増加した一方、在外営業活動体の換算差額が388百万円、非支配持分が42百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は34.8%(前連結会計年度末34.0%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,806百万円の収入(前連結会計年度は3,828百万円の収入)となりました。これは主に、法人所得税の支払額1,800百万円、営業債務の減少額615百万円、営業債権の増加額591百万円等があった
一方、税引前利益の計上2,177百万円、減価償却費及び償却費2,084百万円、減損損失473百万円等があったことによる
ものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、695百万円の支出(前連結会計年度は575百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出361百万円、貸付金の貸付による支出300百万円、投資有価証券の取得による支出299百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,233百万円の支出(前連結会計年度は6,232百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増額1,365百万円、長期借入れによる収入800百万円等があった一方、長期借入金の返済による支出1,566百万円、リース負債の返済による支出1,324百万円、配当金の支払額1,011百万円等があったことによるものです。
(4)重要な経営指標の分析
当連結会計年度における実績及び主な要因は以下の通りです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は、139,705百万円となり、前連結会計年度に比べ1.1%増加しました。
売上収益が増加した主な要因は、国内Working事業において、戦略投資領域である建設技術者領域が順調に拡大し収益化を達成したことに加え、海外Working事業において、為替レートが前連結会計年度比で円安に推移したことによるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、29,383百万円となり、前連結会計年度に比べ3.5%減少しました。
売上総利益が減少した主な要因は、海外Working事業において、ポストコロナの急激な人材需要が一巡して以降、インフレ圧力による影響も加わり、主要顧客の採用抑制が長期化し、主に紹介売上が減少したことによるものです。
その結果、売上総利益率は21.0%となり、前連結会計年度より1.0ポイント低下しました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、27,270百万円となり、前連結会計年度に比べ3.7%減少しました。
販管費比率は19.5%となり、前連結会計年度より1.0ポイント低下しました。
販売費及び一般管理費が減少した主な要因は、本中計の重点戦略としている正社員派遣、外国人雇用支援の拡大に向けて、採用費、営業人員、コンサルタント人員増員等の先行投資を実施、国内における採用力強化を目的として、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションを実施等により販売費及び一般管理費が増加したものの、子会社の連結除外による販売費及び一般管理費の減少影響が大きかったことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、2,338百万円となり、前連結会計年度に比べ48.3%減少しました。
営業利益が減少した主な要因は、前連結会計年度に含まれる子会社株式売却益がはく落したこと、子会社の連結除外による営業利益の減少影響及び、オーストラリアの連結子会社に係るのれんの減損損失473百万円を計上したこと等によるものです。
その結果、営業利益率は1.7%となり、前連結会計年度より1.6ポイント低下しました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDAは、4,896百万円となり、前連結会計年度に比べ28.1%減少しました。
EBITDAが減少した主な要因は、営業利益が減少したことによるものです。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減少により、前連結会計年度に比べ1,623百万円減少の1,155百万円となりました。
(ROIC)
当連結会計年度のROICは、営業利益の減少に伴う税引後営業利益率の低下により、5.7%(前連結会計年度は13.4%)となり、7.7ポイント低下しました。
ROIC計算式:(営業利益×(1-税率))-非支配持分に帰属する当期利益)÷(前期:(親会社所有者帰属持分+長期借入金)+当期:(親会社所有者帰属持分+長期借入金)÷2)
(総還元性向)
当連結会計年度の総還元性向は、87.9%となりました。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)経営戦略と今後の見通し
今後の見通しについては、国内及び海外経済は緩やかに成長していく一方で、世界的な物価上昇や、ウクライナや中東情勢等の地政学リスク、各国の通商政策など、先行き不透明な状況です。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して、採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが主に事業展開を行っているシンガポール、オーストラリアにおいては、コロナ禍の大規模な景気刺激策実施後のインフレや金利上昇等の景況感の悪化に加えて、コロナ後に急激に採用を増やした企業で人員過剰の状態になっており、こうした顧客が採用を抑制する動きが長期化することが懸念されます。
このような状況の下、国内Working事業では、本中計の重点戦略として掲げている、建設技術者領域の拡大、外国人雇用支援、正社員派遣の拡大に取り組みます。建設技術者領域の拡大は、未経験者の採用をさらに強化するとともに、定着率の維持・改善に向けた取り組み、契約単価上昇に向けた取り組みを実施します。正社員派遣の拡大については、採用環境の厳しさを踏まえ、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションの継続など採用力の強化施策を実施し、稼働人数の維持・拡大に取り組みます。外国人雇用支援については、引き続きファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域において顧客からの受注及び現地での採用を拡大していきます。
海外Working事業では、各国経済の下振れリスクと人材派遣、人材紹介ともに低調な市況が長期化する懸念がある状況においても、優秀なコンサルタント人員の確保など、事業価値を毀損しない範囲での戦略的なコストマネジメントを実施し、人材派遣、人材紹介ともに需要回復後の拡大に備える取り組みをしていきます。
これらにより、2026年3月期の通期連結業績予想は、売上収益134,600百万円(当連結会計年度比3.7%減)、営業利益2,500百万円(同6.9%増)、税引前利益2,380百万円(同9.3%増)、当期利益1,550百万円(同35.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,560百万円(同35.0%増)、EBITDAは4,561百万円(同6.9%減)を見込んでいます。(ご参考)業績予想で前提としている為替レートは、1シンガポールドル104円(当期の実績は114円)、1オーストラリアドル91円(当期の実績は100円)です。
*上記業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。引き続き当社グループの事業への影響を慎重に見極め、今後修正の必要が生じた場合には速やかに開示します。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して169百万円減少し、6,936百万円(前連結会計年度末比2.4%減少)となりました。
当社グループは、財務の健全性を図りながら戦略投資を行っていきますが、資金需要については、その性質に合わせて主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等を優先して対応していくこととしています。
当社グループの資金の流動性は、連結子会社では、支払サイトが締め後20日、入金サイトが締め後30日となっています。一方、当社では、支払サイトが締め後30日、入金サイトが締め後30日となっています。連結子会社で資金需要が発生した場合には、当社の資金及び取引銀行と契約している当座貸越を使用し、連結子会社に貸し付けています。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、前述「(3)キャッシュ・フローの分析」に記載の通りです。