有価証券報告書-第18期(2023/04/01-2024/03/31)
(業績等の概要)
(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、各国におけるウィズコロナ政策の浸透によるコロナ禍からの経済正常化や供給制約の緩和、インフレ率の鈍化により、緩やかな回復が続いているものの、各国での金融政策の変動、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化、中国経済の景気減速等、依然として先行き不透明な状況が続いています。
わが国経済においては、新型コロナウイルスの5類感染症移行や感染リスクの低下に伴う経済活動の正常化が一段と進む中、個人消費やインバウンド需要の回復、雇用・所得環境の改善、日経平均株価の上昇が見られる等、緩やかな回復が続いています。しかしながら、海外景気の下振れリスク、エネルギー・原材料価格の上昇や、為替相場変動などに注視する必要があります。
このような状況の下、当社グループは、2026年3月期を最終年度とした中期経営計画「WILL-being 2026」(以下、「本中計」という。)の基本方針である国内Working事業の再成長に向け、建設技術者領域の拡大、正社員派遣、外国人管理受託の拡大等に取り組みました。
国内においては、セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域において新規案件開拓が伸び悩んでいるものの、最も注力している建設技術者領域は堅調に推移しました。また、国内における採用力強化を目的に、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、2023年7月より西日本エリアを中心に初のTVCMを実施しました。プロモーション実施後のWILLOFの指名検索数は増加傾向にあり、オウンドメディア経由の採用数増加が期待されることから、継続して実施しています。
海外においては、オーストラリアで一部顧客における採用抑制に伴う派遣稼働人数の減少により、人材派遣売上が減少しました。また、前年度におけるポストコロナの急激な人材紹介需要が一巡し、人材紹介売上も減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益138,227百万円(前連結会計年度比4.0%減)、営業利益4,525百万円(同14.9%減)、税引前利益4,417百万円(同14.2%減)、当期利益2,878百万円(同16.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,778百万円(同14.1%減)、及びEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+減損損失)は6,810百万円(同8.7%減)となりました。
セグメント別の業績は、次の通りです。
①国内Working事業
国内におけるセールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域、建設技術者領域等カテゴリーに特化した人材派遣、人材紹介及び業務請負を行う国内Working事業については、セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域において新規案件開拓が伸び悩んでいるものの、最も注力している建設技術者領域は順調に推移しました。本中計の重点戦略としている建設技術者領域以外の正社員派遣、外国人管理受託の拡大については、計画より遅れているものの、建設技術者領域については、当連結会計年度において、新卒を含め1,200名以上が入社したことで、稼働人数が増加しました。また、既存顧客とのチャージアップに加え、新規決定時の単価交渉に注力したことで、収益性も改善しました。
利益面においては、建設技術者領域、セールスアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域における採用費、外国人管理受託における営業人員の増員、ブランドプロモーション等の先行投資を実施しました。なお、第1四半期連結会計期間に株式会社ボーダーリンクの株式譲渡により786百万円を、当第4四半期連結会計期間にフォースタートアップス株式会社の株式売却により1,277百万円を、その他収益として計上し、両社を連結範囲から除外しています。
以上の結果、国内Working事業は、外部収益82,528百万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益5,038百万円(同13.2%増)となりました。
②海外Working事業
主にシンガポール、オーストラリアにおいて展開している海外Working事業については、人材紹介ではシンガポール、オーストラリアともに前年度におけるポストコロナの急激な人材紹介需要が一巡し、顧客の採用意欲が減速したことから、前年同期と比較して、売上収益が減少しました。人材派遣では、オーストラリアで金融業界を中心とした一部顧客における採用抑制に伴う派遣稼働人数が減少したことで、売上収益が減少しました。また、利益面においては、人材紹介売上の減少による売上総利益の縮小、人件費等の増加により減益となりました。
以上の結果、海外Working事業は、外部収益55,432百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益1,946百万円(同42.9%減)となりました。
③その他
その他については、前連結会計年度末にハイブリィド株式会社の株式譲渡を行い、同社を連結範囲から除外したことにより減収となった一方、2024年3月に外国人雇用管理サポートサービス事業を吸収分割の方法により他社に承継しました。
以上の結果、その他は、外部収益266百万円(前年同期比88.2%減)、セグメント損失225百万円(前年同期は296百万円の損失)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社グループの主たる事業は人材サービスの提供であり、その性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しています。
(2)受注状況
生産実績と同様の理由により、記載していません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎、3.重要性がある会計方針」に記載の通りです。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は26,129百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,537百万円減少しました。これは主に、その他の流動資産が329百万円増加した一方、現金及び現金同等物が2,484百万円、営業債権及びその他の債権が415百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
非流動資産は25,413百万円となり、前連結会計年度末に比べ858百万円減少しました。これは主に、円安による為替換算の影響を受けたことによりのれんが616百万円、有形固定資産が135百万円それぞれ増加した一方、使用権資産が1,278百万円、その他の金融資産が316百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、総資産は51,543百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,396百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は24,533百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,880百万円減少しました。これは主に、その他の金融負債が751百万円、営業債務及びその他の債務が334百万円それぞれ増加した一方、借入金が4,271百万円、その他の流動負債が672百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
非流動負債は9,490百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,157百万円減少しました。これは主に、借入金が55百万円増加した一方、その他の金融負債が1,113百万円、繰延税金負債が121百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、負債合計は34,024百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,037百万円減少しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は17,518百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,640百万円増加しました。これは主に、非支配持分が1,228百万円減少した一方、利益剰余金が1,769百万円、その他の資本の構成要素のうち、在外営業活動体の換算差額が1,164百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は34.0%(前連結会計年度末26.6%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,828百万円の収入(前連結会計年度は4,816百万円の収入)となりました。これは主に、営業活動その他の支出2,489百万円、法人所得税の支払額1,565百万円等があった一方、税引前利益の計上4,417百万円、減価償却費及び償却費2,285百万円、営業債務の増加1,031百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、575百万円の支出(前連結会計年度は1,761百万円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入811百万円等があった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出802百万円、投資活動その他による支出584百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,232百万円の支出(前連結会計年度は2,783百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,500百万円等があった一方、短期借入金の純減3,245百万円、長期借入金の返済による支出2,470百万円、リース負債の返済による支出1,335百万円、配当金の支払1,008百万円等があったことによるものです。
(4)重要な経営指標の分析
国内においては、セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域において新規案件開拓が伸び悩んでいるものの、最も注力している建設技術者領域は堅調に推移しました。また、国内における採用力強化を目的に、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、2023年7月より西日本エリアを中心に初のTVCMを実施しました。プロモーション実施後のWILLOFの指名検索数は増加傾向にあり、オウンドメディア経由の採用数増加が期待されることから、継続して実施しています。
海外においては、オーストラリアで一部顧客における採用抑制に伴う派遣稼働人数の減少により、人材派遣売上が減少しました。また、前年度におけるポストコロナの急激な人材紹介需要が一巡し、人材紹介売上も減少しました。
当連結会計年度における実績及び主な要因は以下の通りです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は、138,227百万円となり、前連結会計年度に比べ4.0%減少しました。
売上収益が減少した主な要因は、海外Working事業において、一部顧客における採用抑制に伴う派遣稼働人数が減少したことに加え、前年度におけるポストコロナの急激な人材紹介需要が一巡し、人材派遣売上、人材紹介売上が減少したことによるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、30,446百万円となり、前連結会計年度に比べ4.1%減少しました。
売上総利益が減少した主な要因は、国内海外Working事業において、紹介市場の低迷に伴う顧客の採用抑制等により、紹介売上が減少したことによるものです。
その結果、売上総利益率は22.0%となり、前連結会計年度より0.1ポイント低下しました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、28,314百万円となり、前連結会計年度に比べ4.2%増加しました。
販管費比率は20.5%となり、前連結会計年度より1.6ポイント上昇しました。
販売費及び一般管理費が増加した主な要因は、本中計の重点戦略としている正社員派遣、外国人管理受託の拡大に向けて、採用費、営業人員、コンサルタント人員増員等の先行投資を実施したこと、国内における採用力強化を目的として、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションを実施したことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、4,525百万円となり、前連結会計年度に比べ14.9%減少しました。
営業利益が減少した主な要因は、連結子会社2社の株式売却益を計上した一方、海外紹介売上の減少、正社員派遣、外国人管理受託の拡大に向けての先行投資、ブランドプロモーションを実施したことによるものです。
その結果、営業利益率は3.3%となり、前連結会計年度より0.4ポイント低下しました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDAは、6,810百万円となり、前連結会計年度に比べ8.7%減少しました。
EBITDAが減少した主な要因は、営業利益が減少したことによるものです。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減少により、前連結会計年度に比べ457百万円減少の2,778百万円となりました。
(ROIC)
当連結会計年度のROICは、営業利益率の低下に伴い税引後営業利益率が低下したことにより、13.4%(前連結会計年度は16.6%)となり、3.3ポイント低下しました。
ROIC計算式:(営業利益×(1-税率))-非支配持分に帰属する当期利益)÷(前期:(親会社所有者帰属持分+長期借入金)+当期:(親会社所有者帰属持分+長期借入金)÷2)
(総還元性向)
当連結会計年度の総還元性向は、36.4%となりました。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)経営戦略と今後の見通し
今後の見通しについては、国内及び海外経済は緩やかに成長していく一方で、世界的な物価上昇や引き締め的な金融政策運営の長期化リスク、ウクライナや中東情勢等の地政学リスクなど、先行き不透明な状況です。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、コロナ禍の大規模な景気刺激策実施後のインフレや金利上昇等の景況感の悪化に加えて、コロナ後に急激に採用を増やした企業で人員過剰の状態になっており、こうした顧客が採用を抑制する動きが長期化することが懸念されます。
このような状況の下、国内Working事業では、本中計の重点戦略として掲げている、建設技術者領域の拡大、外国人管理受託、正社員派遣の拡大に取り組みます。建設技術者領域の拡大は、未経験者の採用をさらに強化するとともに、定着率の維持・改善に向けた取り組み、契約単価上昇に向けた取り組みを実施します。正社員派遣の拡大については、採用環境の厳しさを踏まえ、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションの継続など採用力の強化施策を実施し、稼働人数の維持・拡大に取り組みます。外国人管理受託については、引き続きファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域において顧客からの受注及び現地での採用を拡大していきます。2025年3月期は本中計シナリオ実現のために、建設技術者の採用、営業人員の採用等の先行投資を実施する予定です。
海外Working事業では、各国経済の下振れリスクと人材派遣、人材紹介ともに低調な市況が長期化する懸念がある状況においても、優秀なコンサルタント人員の確保など、事業価値を毀損しない範囲での戦略的なコストマネジメントを実施し、人材紹介、人材派遣ともに需要回復後の拡大に備える取組みをしていきます。
なお、当連結会計年度の営業利益には、株式会社ボーダーリンク及びフォースタートアップス株式会社の、一過性の子会社株式売却益2,063百万円が含まれるほか、フォースタートアップス株式会社の売上収益3,420百万円(当期実績)、営業利益543百万円(当期実績)がはく落する影響があります。
これらにより、2025年3月期の通期連結業績予想は、売上収益140,400百万円(当連結会計年度比1.6%増)、営業利益2,290百万円(同49.4%減)、税引前利益2,190百万円(同50.4%減)、当期利益1,640百万円(同43.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,640百万円(同41.0%減)、EBITDAは4,232百万円(同37.9%減)を見込んでいます。上記の当連結会計年度に含まれる一過性の利益等を除外した場合の対前期増減率は、売上収益で4.1%増、営業利益で19.4%増です。
(ご参考)業績予想で前提としている為替レートは、1シンガポールドル104円(前期は94円)、1オーストラリアドル91円(前期は86円)です。
*上記業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。引き続き当社グループの事業への影響を慎重に見極め、今後修正の必要が生じた場合には速やかに開示します。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して2,484百万円減少し、7,106百万円(前連結会計年度末比25.9%減少)となりました。
当社グループは、財務の健全性を図りながら戦略投資を行っていきますが、資金需要については、その性質に合わせて主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等を優先して対応していくこととしています。
当社グループの資金の流動性は、連結子会社では、支払サイトが締め後20日、入金サイトが締め後30日となっています。一方、当社では、支払サイトが締め後30日、入金サイトが締め後30日となっています。連結子会社で資金需要が発生した場合には、当社の資金及び取引銀行と契約している当座貸越を使用し、連結子会社に貸し付けています。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3)キャッシュ・フローの分析」に記載の通りです。
(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、各国におけるウィズコロナ政策の浸透によるコロナ禍からの経済正常化や供給制約の緩和、インフレ率の鈍化により、緩やかな回復が続いているものの、各国での金融政策の変動、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化、中国経済の景気減速等、依然として先行き不透明な状況が続いています。
わが国経済においては、新型コロナウイルスの5類感染症移行や感染リスクの低下に伴う経済活動の正常化が一段と進む中、個人消費やインバウンド需要の回復、雇用・所得環境の改善、日経平均株価の上昇が見られる等、緩やかな回復が続いています。しかしながら、海外景気の下振れリスク、エネルギー・原材料価格の上昇や、為替相場変動などに注視する必要があります。
このような状況の下、当社グループは、2026年3月期を最終年度とした中期経営計画「WILL-being 2026」(以下、「本中計」という。)の基本方針である国内Working事業の再成長に向け、建設技術者領域の拡大、正社員派遣、外国人管理受託の拡大等に取り組みました。
国内においては、セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域において新規案件開拓が伸び悩んでいるものの、最も注力している建設技術者領域は堅調に推移しました。また、国内における採用力強化を目的に、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、2023年7月より西日本エリアを中心に初のTVCMを実施しました。プロモーション実施後のWILLOFの指名検索数は増加傾向にあり、オウンドメディア経由の採用数増加が期待されることから、継続して実施しています。
海外においては、オーストラリアで一部顧客における採用抑制に伴う派遣稼働人数の減少により、人材派遣売上が減少しました。また、前年度におけるポストコロナの急激な人材紹介需要が一巡し、人材紹介売上も減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益138,227百万円(前連結会計年度比4.0%減)、営業利益4,525百万円(同14.9%減)、税引前利益4,417百万円(同14.2%減)、当期利益2,878百万円(同16.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,778百万円(同14.1%減)、及びEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+減損損失)は6,810百万円(同8.7%減)となりました。
セグメント別の業績は、次の通りです。
①国内Working事業
国内におけるセールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域、建設技術者領域等カテゴリーに特化した人材派遣、人材紹介及び業務請負を行う国内Working事業については、セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域において新規案件開拓が伸び悩んでいるものの、最も注力している建設技術者領域は順調に推移しました。本中計の重点戦略としている建設技術者領域以外の正社員派遣、外国人管理受託の拡大については、計画より遅れているものの、建設技術者領域については、当連結会計年度において、新卒を含め1,200名以上が入社したことで、稼働人数が増加しました。また、既存顧客とのチャージアップに加え、新規決定時の単価交渉に注力したことで、収益性も改善しました。
利益面においては、建設技術者領域、セールスアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域における採用費、外国人管理受託における営業人員の増員、ブランドプロモーション等の先行投資を実施しました。なお、第1四半期連結会計期間に株式会社ボーダーリンクの株式譲渡により786百万円を、当第4四半期連結会計期間にフォースタートアップス株式会社の株式売却により1,277百万円を、その他収益として計上し、両社を連結範囲から除外しています。
以上の結果、国内Working事業は、外部収益82,528百万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益5,038百万円(同13.2%増)となりました。
②海外Working事業
主にシンガポール、オーストラリアにおいて展開している海外Working事業については、人材紹介ではシンガポール、オーストラリアともに前年度におけるポストコロナの急激な人材紹介需要が一巡し、顧客の採用意欲が減速したことから、前年同期と比較して、売上収益が減少しました。人材派遣では、オーストラリアで金融業界を中心とした一部顧客における採用抑制に伴う派遣稼働人数が減少したことで、売上収益が減少しました。また、利益面においては、人材紹介売上の減少による売上総利益の縮小、人件費等の増加により減益となりました。
以上の結果、海外Working事業は、外部収益55,432百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益1,946百万円(同42.9%減)となりました。
③その他
その他については、前連結会計年度末にハイブリィド株式会社の株式譲渡を行い、同社を連結範囲から除外したことにより減収となった一方、2024年3月に外国人雇用管理サポートサービス事業を吸収分割の方法により他社に承継しました。
以上の結果、その他は、外部収益266百万円(前年同期比88.2%減)、セグメント損失225百万円(前年同期は296百万円の損失)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社グループの主たる事業は人材サービスの提供であり、その性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しています。
(2)受注状況
生産実績と同様の理由により、記載していません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
| (単位:百万円) | ||
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内Working事業 | 82,528 | 98.1 |
| 海外Working事業 | 55,432 | 96.3 |
| 報告セグメント計 | 137,961 | 97.4 |
| その他 | 266 | 11.8 |
| 合計 | 138,227 | 96.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎、3.重要性がある会計方針」に記載の通りです。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は26,129百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,537百万円減少しました。これは主に、その他の流動資産が329百万円増加した一方、現金及び現金同等物が2,484百万円、営業債権及びその他の債権が415百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
非流動資産は25,413百万円となり、前連結会計年度末に比べ858百万円減少しました。これは主に、円安による為替換算の影響を受けたことによりのれんが616百万円、有形固定資産が135百万円それぞれ増加した一方、使用権資産が1,278百万円、その他の金融資産が316百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、総資産は51,543百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,396百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は24,533百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,880百万円減少しました。これは主に、その他の金融負債が751百万円、営業債務及びその他の債務が334百万円それぞれ増加した一方、借入金が4,271百万円、その他の流動負債が672百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
非流動負債は9,490百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,157百万円減少しました。これは主に、借入金が55百万円増加した一方、その他の金融負債が1,113百万円、繰延税金負債が121百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
以上の結果、負債合計は34,024百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,037百万円減少しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は17,518百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,640百万円増加しました。これは主に、非支配持分が1,228百万円減少した一方、利益剰余金が1,769百万円、その他の資本の構成要素のうち、在外営業活動体の換算差額が1,164百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は34.0%(前連結会計年度末26.6%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,828百万円の収入(前連結会計年度は4,816百万円の収入)となりました。これは主に、営業活動その他の支出2,489百万円、法人所得税の支払額1,565百万円等があった一方、税引前利益の計上4,417百万円、減価償却費及び償却費2,285百万円、営業債務の増加1,031百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、575百万円の支出(前連結会計年度は1,761百万円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入811百万円等があった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出802百万円、投資活動その他による支出584百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,232百万円の支出(前連結会計年度は2,783百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,500百万円等があった一方、短期借入金の純減3,245百万円、長期借入金の返済による支出2,470百万円、リース負債の返済による支出1,335百万円、配当金の支払1,008百万円等があったことによるものです。
(4)重要な経営指標の分析
国内においては、セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域において新規案件開拓が伸び悩んでいるものの、最も注力している建設技術者領域は堅調に推移しました。また、国内における採用力強化を目的に、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、2023年7月より西日本エリアを中心に初のTVCMを実施しました。プロモーション実施後のWILLOFの指名検索数は増加傾向にあり、オウンドメディア経由の採用数増加が期待されることから、継続して実施しています。
海外においては、オーストラリアで一部顧客における採用抑制に伴う派遣稼働人数の減少により、人材派遣売上が減少しました。また、前年度におけるポストコロナの急激な人材紹介需要が一巡し、人材紹介売上も減少しました。
当連結会計年度における実績及び主な要因は以下の通りです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は、138,227百万円となり、前連結会計年度に比べ4.0%減少しました。
売上収益が減少した主な要因は、海外Working事業において、一部顧客における採用抑制に伴う派遣稼働人数が減少したことに加え、前年度におけるポストコロナの急激な人材紹介需要が一巡し、人材派遣売上、人材紹介売上が減少したことによるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、30,446百万円となり、前連結会計年度に比べ4.1%減少しました。
売上総利益が減少した主な要因は、国内海外Working事業において、紹介市場の低迷に伴う顧客の採用抑制等により、紹介売上が減少したことによるものです。
その結果、売上総利益率は22.0%となり、前連結会計年度より0.1ポイント低下しました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、28,314百万円となり、前連結会計年度に比べ4.2%増加しました。
販管費比率は20.5%となり、前連結会計年度より1.6ポイント上昇しました。
販売費及び一般管理費が増加した主な要因は、本中計の重点戦略としている正社員派遣、外国人管理受託の拡大に向けて、採用費、営業人員、コンサルタント人員増員等の先行投資を実施したこと、国内における採用力強化を目的として、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションを実施したことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、4,525百万円となり、前連結会計年度に比べ14.9%減少しました。
営業利益が減少した主な要因は、連結子会社2社の株式売却益を計上した一方、海外紹介売上の減少、正社員派遣、外国人管理受託の拡大に向けての先行投資、ブランドプロモーションを実施したことによるものです。
その結果、営業利益率は3.3%となり、前連結会計年度より0.4ポイント低下しました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDAは、6,810百万円となり、前連結会計年度に比べ8.7%減少しました。
EBITDAが減少した主な要因は、営業利益が減少したことによるものです。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減少により、前連結会計年度に比べ457百万円減少の2,778百万円となりました。
(ROIC)
当連結会計年度のROICは、営業利益率の低下に伴い税引後営業利益率が低下したことにより、13.4%(前連結会計年度は16.6%)となり、3.3ポイント低下しました。
ROIC計算式:(営業利益×(1-税率))-非支配持分に帰属する当期利益)÷(前期:(親会社所有者帰属持分+長期借入金)+当期:(親会社所有者帰属持分+長期借入金)÷2)
(総還元性向)
当連結会計年度の総還元性向は、36.4%となりました。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)経営戦略と今後の見通し
今後の見通しについては、国内及び海外経済は緩やかに成長していく一方で、世界的な物価上昇や引き締め的な金融政策運営の長期化リスク、ウクライナや中東情勢等の地政学リスクなど、先行き不透明な状況です。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、コロナ禍の大規模な景気刺激策実施後のインフレや金利上昇等の景況感の悪化に加えて、コロナ後に急激に採用を増やした企業で人員過剰の状態になっており、こうした顧客が採用を抑制する動きが長期化することが懸念されます。
このような状況の下、国内Working事業では、本中計の重点戦略として掲げている、建設技術者領域の拡大、外国人管理受託、正社員派遣の拡大に取り組みます。建設技術者領域の拡大は、未経験者の採用をさらに強化するとともに、定着率の維持・改善に向けた取り組み、契約単価上昇に向けた取り組みを実施します。正社員派遣の拡大については、採用環境の厳しさを踏まえ、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションの継続など採用力の強化施策を実施し、稼働人数の維持・拡大に取り組みます。外国人管理受託については、引き続きファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域において顧客からの受注及び現地での採用を拡大していきます。2025年3月期は本中計シナリオ実現のために、建設技術者の採用、営業人員の採用等の先行投資を実施する予定です。
海外Working事業では、各国経済の下振れリスクと人材派遣、人材紹介ともに低調な市況が長期化する懸念がある状況においても、優秀なコンサルタント人員の確保など、事業価値を毀損しない範囲での戦略的なコストマネジメントを実施し、人材紹介、人材派遣ともに需要回復後の拡大に備える取組みをしていきます。
なお、当連結会計年度の営業利益には、株式会社ボーダーリンク及びフォースタートアップス株式会社の、一過性の子会社株式売却益2,063百万円が含まれるほか、フォースタートアップス株式会社の売上収益3,420百万円(当期実績)、営業利益543百万円(当期実績)がはく落する影響があります。
これらにより、2025年3月期の通期連結業績予想は、売上収益140,400百万円(当連結会計年度比1.6%増)、営業利益2,290百万円(同49.4%減)、税引前利益2,190百万円(同50.4%減)、当期利益1,640百万円(同43.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,640百万円(同41.0%減)、EBITDAは4,232百万円(同37.9%減)を見込んでいます。上記の当連結会計年度に含まれる一過性の利益等を除外した場合の対前期増減率は、売上収益で4.1%増、営業利益で19.4%増です。
(ご参考)業績予想で前提としている為替レートは、1シンガポールドル104円(前期は94円)、1オーストラリアドル91円(前期は86円)です。
*上記業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。引き続き当社グループの事業への影響を慎重に見極め、今後修正の必要が生じた場合には速やかに開示します。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して2,484百万円減少し、7,106百万円(前連結会計年度末比25.9%減少)となりました。
当社グループは、財務の健全性を図りながら戦略投資を行っていきますが、資金需要については、その性質に合わせて主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等を優先して対応していくこととしています。
当社グループの資金の流動性は、連結子会社では、支払サイトが締め後20日、入金サイトが締め後30日となっています。一方、当社では、支払サイトが締め後30日、入金サイトが締め後30日となっています。連結子会社で資金需要が発生した場合には、当社の資金及び取引銀行と契約している当座貸越を使用し、連結子会社に貸し付けています。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3)キャッシュ・フローの分析」に記載の通りです。