有価証券報告書-第57期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/31 15:50
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当社グループは、前連結会計年度より連結財務諸表を作成しておりますが、連結子会社の株式のみなし取得日を前連結会計年度の末日としているため、前連結会計年度の連結業績に連結子会社の業績は含まれません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にありますが、持ち直しの動きが見られます。今後の先行きにつきましては、感染拡大の防止策を講じるなかで、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、国内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があります。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
当社グループの主要顧客である流通食品小売業におきましては、感染症の影響が続くなか、様々な対策を講じながら事業継続が図られ、国民生活を支える重要産業としての役割が果たされております。また、これに伴い、流通食品小売業の事業基盤の一端を担うITサービスの社会的意義も増大しております。他方、中長期的な視点に立てば、流通食品小売業は、人口減少に伴う市場縮小の脅威にさらされていることに加え、共働き世帯や単身世帯の増加といったライフスタイルの多様化を背景に、コンビニエンスストア、ドラッグストア、インターネット販売事業者など他業態との競争激化、さらには、キャッシュレス決済普及への対応、人手不足や最低賃金の引き上げによる人件費の高止まりといった問題に直面しております。このように厳しさを増す経営環境を打開するためには、DXの推進等により、店舗運営の効率化や、卸売業及び製造業とのビジネスコミュニケーションの円滑化を図るなど、生産性向上に向けた取組が不可欠となっております。
官公庁におきましては、菅政権発足とともに成長戦略の柱としてデジタル庁の設置が掲げられ、感染症に対応する中で明らかになったわが国のデジタル化の遅れを取り戻し、行政手続や商慣行におけるデジタル化を飛躍的に推し進める機運が高まっております。各種行政手続の迅速化のみならず企業活動を含む社会全体のデジタルインフラとしての潜在力を持つ「マイナンバーカード」の普及促進や、紙・対面に基づく様々なやりとりをサイバー空間において実現するためのデータ流通基盤となる「トラストサービス」の整備、すべての小中学生を対象に1人1台のパソコンを配備する「GIGAスクール」構想に基づく教育ネットワークの充実といった具体的な取組が既に推し進められているところです。一方、近年わが国においては大規模な自然災害が頻発しており、国民の間で、防災・減災への関心が高まっております。いかなる状況においても、住民が、必要な情報を速やかに受け取ることができる仕組みの整備など、安全安心を確保するための取組が求められております。
このような状況のもと、当社グループは「LINK Smart~もたず、つながる時代へ~」をブランドコンセプトとして定め、「シェアクラウド(共同利用型クラウド)」による安心、安全、低価格で高品質かつ高機能なクラウドサービスの提案を積極的に進めてまいりました。
携帯電話販売市場におきましては、2020年4月から5月にかけて、緊急事態宣言の発出に伴いドコモショップの業務を縮小する措置が講ぜられるなど感染症の影響が及んでおります。また、端末価格と通話・通信サービスの利用料を分離する「分離プラン」への移行、通信キャリアの新規参入、日本電信電話株式会社による株式会社NTTドコモの完全子会社化、各通信キャリアによる格安の大容量プラン投入など、環境変化が非常に激しくなっております。加えて、MVNO事業者(注)の動向や、オンラインでの端末購入の普及に伴うドコモショップの役割の変化などにも注意を払う必要があります。市場環境の厳しさが増す中、5Gサービスの開始による新たな需要の創出や、2026年3月に予定されている3Gサービス終了に向けた端末買い替え需要の喚起など、機会をとらえた事業展開に取り組んでいく必要があります。
このような状況のもと、当社グループは、応対品質の維持・向上に努め、顧客ロイヤルティを高める取組に注力してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高12,777,704千円(前期比22.3%増)、営業利益924,620千円(前期比105.5%増)、経常利益951,544千円(前期比106.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益644,720千円(前期比130.0%増)となり過去最高益を達成しました。
「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループは定常収入を経営上の重要指標と位置づけております。当連結会計年度における定常収入は、サービス提供の拡大により223,713千円増加したことに加え、当連結会計年度より連結子会社の業績が含まれることとなった影響により1,480,814千円増加し、6,424,312千円(前期比36.1%増)となり、順調に推移しました。
なお、当社グループは、2016年に、当連結会計年度を最終年度とする5ヵ年中期経営計画を策定し、「シェアクラウド」によるサービス展開を進めてまいりました。その結果、売上高は目標107億円に対して127.7億円、また、定常収入は目標49.5億円に対して64.2億円となり、それぞれ計画を大幅に上回る結果となりました。経常利益は、開発投資に係る償却負担が上振れたこと等により、目標11億円に対して9.5億円となり目標達成には至りませんでしたが、5ヵ年の間に、主力の流通食品小売業向け基幹業務クラウドサービス「@rms基幹」の次期バージョンをリリースし大規模小売業3社に導入したほか、企業間連携プラットフォーム「C2Platform」の開発への着手や、トラストサービス関連の認定取得など、今後の更なる成長に向けた取組を着実に進めることができました。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。
流通業向けクラウドサービス分野におきましては、当社グループの主力サービスである流通食品小売業向け基幹業務クラウドサービス「@rms基幹」や、卸売業向けのクラウド型EDIサービスなどの提供拡大により、定常収入が増加しました。一方、システム開発や機器販売といった定常収入以外の売上については、「@rms基幹」次期バージョンの導入や消費税制改正対応などを行った前連結会計年度に比べ相対的に減少しました。また、研究開発費は、流通業界における商談のDXを実現する企業間連携プラットフォーム「C2Platform」の新機能開発等の実施により増加し、これまで「@rms基幹」次期バージョンの開発に伴い増加が続いていたソフトウェア償却費は、同システムの一部機能の償却終了等により減少に転じました。また、のれん償却や顧客への補償費用の減少に加え、感染症の影響を受けてミーティングをオンライン化したことによる旅費交通費の減少、出展を予定していた展示会が中止されたことによる広告宣伝費の減少等により、販売費及び一般管理費が減少しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度を下回り、利益は前連結会計年度を大幅に上回りました。
官公庁向けクラウドサービス分野におきましては、防災行政無線デジタル化工事の需要が当連結会計年度にピークを迎えたことに加え、前連結会計年度に取得した連結子会社業績の寄与もあり、売上高、利益ともに前連結会計年度を大幅に上回りました。
また、2020年7月14日に、総務省及び経済産業省より「電子委任状取扱業務」(注)の認定を取得し、ペーパーレス、脱ハンコ等の促進による行政・民間サービスの利便性向上に向けた取組を本格化すべく準備を進めました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は10,015,159千円(前期比42.3%増)、セグメント利益(経常利益)は869,463千円(前期比183.4%増)となりました。
<モバイルネットワーク事業>モバイルネットワーク事業におきましては、緊急事態宣言の発出を受けて、2020年4月8日から同年5月31日までの間、ドコモショップの業務縮小等の措置を講じましたが、第3四半期以降は、いずれの月も通常通り営業いたしました。この結果、第3四半期及び第4四半期は端末販売台数が前年同期を上回りましたが、累計期間で見ると、第2四半期までの落ち込みを補うには至らず、前連結会計年度を下回りました。また、第4四半期は新型iPhoneがリリースされた影響もあり高価格帯モデルの売れ行きが好調となりましたが、2019年6月に「分離プラン」が開始されて以降、スマートフォンの売れ筋は低価格帯モデルにシフトする傾向が顕著であり、端末販売単価も前連結会計年度を下回りました。端末販売単価が低下した反面、端末一台あたりの粗利率が上昇したことや、経費削減により販売費及び一般管理費を抑制したこと等により利益率は上昇しましたが、売上高、利益ともに前連結会計年度を下回りました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,762,545千円(前期比19.1%減)、セグメント利益(経常利益)は349,119千円(前期比6.9%減)となりました。
(注)上記に用いられる用語は以下のとおりであります。
MVNO事業者:携帯電話などの物理的な移動体回線網を自社では持たないで、実際に保有する他の事業者から借りて(再販を受けて)、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のこと。
電子委任状取扱業務:「電子委任状」とは、法人の代表者等が従業員等に代理権を与えた旨を表示する電磁的記録のこと。「電子委任状取扱業務」とは、代理権授与を表示する目的で法人等の委託を受けて電子委任状を保管し、関係者に対し当該電子委任状を提示し又は提出する業務のこと。
なお、報告セグメントごとの当連結会計年度における個別業績と前事業年度における個別業績との対比は次のとおりであります。
(セグメント別売上高)
期 別

セグメント別
前事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前 期
対 比
売上高構成比売上高構成比
千円%千円%%
ITクラウド事業7,035,74467.37,558,50273.2107.4
モバイルネットワーク事業3,413,95732.72,762,54526.880.9
合計10,449,702100.010,321,048100.098.8

(セグメント別利益)
期 別

セグメント別
前事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前 期
対 比
セグメント利益構成比セグメント利益構成比
千円%千円%%
ITクラウド事業306,79266.2776,58241.8253.1
モバイルネットワーク事業374,81180.9349,11918.893.1
調整額△218,391△47.1732,96039.4-
合計463,213100.01,858,663100.0401.3

※当事業年度の調整額には、連結子会社からの配当金収入1,000,000千円が含まれております。
当連結会計年度における生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
(生産実績)
当社グループは生産活動を行っていないため、記載すべき事項はありません。
(仕入実績)
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前期比(%)
ITクラウド事業2,479,757139.0
モバイルネットワーク事業1,604,36574.4
合計4,084,123103.6

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(受注実績)
当社グループは受注生産を行っていないため、受注実績の記載を省略しております。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
ITクラウド事業10,015,159142.3
モバイルネットワーク事業2,762,54580.9
合計12,777,704122.3

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
コネクシオ㈱3,147,18330.12,429,80619.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は10,053,700千円となり、前連結会計年度末に比べ415,192千円増加しました。
流動資産は、1,400,386千円の増加となりました。これは主に受取手形及び売掛金が852,741千円、現金及び預金が477,953千円、流動資産のその他に含まれる差入保証金が124,342千円、未収法人税等が66,460千円増加したことと、流動資産のその他に含まれる前払費用が70,674千円、リース債権及びリース投資資産が49,580千円減少したことによるものです。
固定資産は、985,193千円の減少となりました。これは主に保険解約等により投資その他の資産のその他に含まれる保険積立金が668,051千円、流動資産への振替等により敷金及び保証金が132,037千円、償却等によりソフトウエアが278,024千円、建物及び構築物が59,690千円減少したことと、建設仮勘定が114,794千円、有形固定資産のその他に含まれる工具、器具及び備品が44,184千円増加したことによるものです。
負債は、157,572千円の減少となりました。これは主に返済により長期借入金が304,200千円、短期借入金が200,000千円、流動負債のその他に含まれる未払金が134,038千円、繰延税金負債が75,821千円減少したことと、買掛金が221,771千円、流動負債のその他に含まれる設備未払金が129,456千円、預り金が106,719千円、受注損失引当金が36,757千円、固定負債のその他に含まれる長期前受収益が33,330千円増加したことによるものです。
純資産は、572,764千円の増加となりました。これは主に利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により644,720千円、新株予約権が17,251千円増加したことと、剰余金の配当により82,739千円減少したことによるものです。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ477,953千円増加し、1,863,331千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは740,026千円の資金の増加(前連結会計年度は、1,115,801千円の資金の増加)となりました。資金の増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益973,319千円、減価償却費640,172千円、仕入債務の増加額221,771千円となっております。資金の減少の主な要因は売上債権の増加額852,741千円、法人税等の支払額261,192千円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは333,817千円の資金の増加(前連結会計年度は、2,296,773千円の資金の減少)となりました。資金の増加の主な要因は、保険積立金の解約による収入701,927千円となっております。資金の減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出222,027千円、無形固定資産の取得による支出149,051千円となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは595,564千円の資金の減少(前連結会計年度は、2,156,240千円の資金の増加)となりました。資金の減少の主な要因は、長期借入金の返済による支出304,200千円、短期借入金の純減額200,000千円となっております。
当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料及び商品の仕入のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期資金需要は設備投資及びM&A投資であり、設備資金需要の主なものは、データセンター設備の増強のためのサーバー機器等への投資、ソフトウェア開発に係る費用などであります。
当社グループは、運転資金については自己資金より充当し、不足が生じた場合は金融機関からの短期借入で調達を行っております。また、長期資金については、自己資金で不足する場合は長期借入金等により調達を行っております。
当社グループの当連結会計年度末における設備の新設、改修等に係る投資予定金額とその資金調達の方法については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除去等の計画」に記載のとおりであります。
当社グループは複数の取引金融機関との間で当座貸越契約を締結し、資金需要を鑑み必要に応じて資金の借入を行える体制を整えております。これにより、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,394,560千円となっております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。なお、当該見積りは連結財務諸表作成時点の最善の見積りであり、見積りに用いた仮定の不確実性は高く、新型コロナウイルス感染症の収束時期及び経営環境への影響が変化した場合には、将来における当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

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