有価証券報告書-第33期(2023/01/01-2023/12/31)
経営成績等の概要
(1)経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和、さらに5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されるなど、社会経済活動の正常化・活発化に向けた動きが見られるものの、ウクライナ情勢の長期化による資源や原材料価格の高騰など、景気の動向は依然として不透明な状況が続いております。また、外食産業におきましては、行動制限のない社会生活を取り戻し、店内飲食への抵抗感も減少し、客数も順調に回復しておりますが、仕入価格の高騰や人件費・光熱費等の上昇など、引き続き厳しい経営環境が続いております。
このような状況下、当社グループは、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画を策定し、株式会社ホットランドをベースの収益基盤として、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等で安定と成長を目指してまいります。
「築地銀だこ」事業においては、第4四半期連結会計期間では、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、11月17日から“ぜったいお得”な『秋の回数券』を数量限定で販売したほか、12月6日から12月10日までの5日間、日頃からご愛顧いただいている皆様へ1年間の感謝を込めた、『年末感謝祭』を開催いたしました。12月6日から8日までの3日間は、創業以来1番人気!“ぜったいうまい!!たこ焼(ソース・8個入り)”を、税込価格より100円引きでご提供し、同月8日から10日までの3日間は、スタンプが貯まるとたこ焼が無料でもらえる“銀だこ スタンプカード”のスタンプ2倍を実施いたしました。また、11月14日から12月4日、12月18日から12月31日までの期間、株式会社MIXIが展開する人気スマホゲーム「ことば」で闘う新感覚RPG「共闘ことば RPG コトダマン」と、初のコラボレーションを実施したほか、12月12日から1月31日までの期間、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、TVアニメ「推しの子」とのコラボレーションを実施いたしました。また商品関連では、11月8日より<プレミアム明太シリーズ>『焦がし醤油 もちチーズ明太』を期間限定で販売するなど、自社キャンペーン・コラボレーション・新商品と積極的な販売促進活動を実施いたしました。デリバリーサービスについては、導入可能な店舗にはほぼ導入が完了したことから、次の施策としてサービス自体の認知拡大と併せ1店舗あたりのデリバリー売上拡大に取り組んでおります。こうした取り組みにより、当連結会計年度における既存店売上高前年比は115.1%となりました。出店については、2月に「マーサ21店」、3月に「エスコンフィールド店」、「あべのキューズモール店」、「大岡山店」、4月に「手稲店」、「アル・プラザ草津店」、「ジョイホンパーク吉岡店」、6月に「Mav行徳店」、10月に「学芸大学駅前店」及び「草加ヴァリエ店」、11月に「那覇メインプレイス店」及び「イオンモール広島府中3F店」、12月に「あまがさきキューズモール店」の13店舗をオープンしたほか、「築地銀だこ」と「コールド・ストーン・クリーマリー」の併設型店舗の「多摩境店」を3月に、「船橋店」を7月にオープンし、6月にはコールド・ストーン・クリーマリーの新たな旗艦店となる「コールド・ストーン・クリーマリー 原宿店」をオープンいたしました。なお、昨今の円安や原材料価格の高騰、人件費・物流費・光熱費の上昇等を企業努力だけで吸収することが難しい状況となったことから、3月1日より商品価格の改定をいたしましたが、売上は継続して堅調に推移しております。また、子会社のHERO-SARLのモーリタニアたこ工場は、従来の生産能力を倍増すべく、工場の近代化及び増築工事を進めております。同工場はBRC認証を取得していますが、より安定した品質を追求すべく、2024年8月完工予定の冷凍加工・保管設備を中心に近代化改装及び増築工事を進めております。
酒場事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり国内外の人流が活発になってきたことから、各業態ともに引き続き好調に推移いたしました。「銀だこハイボール酒場」については、「銀だこハイボール横丁 秋葉原店」を4月に、「門前仲町店」を9月に直営店で出店したほか、フランチャイズによる地方出店にも積極的に取り組み、3月に「春日部店」、4月に「佐賀駅店」、9月に「吉塚店」、10月に「新潟駅前店」及び「高松店」をオープンいたしました。また、「銀だこハイボール酒場」業態以外の出店も加速し、2月に「おでん屋たけし」の「新横浜店」及び「千葉駅東口店」、3月に「渋谷店」、4月に「八重仲ダイニング店」、8月に「西五反田店」、11月に「渋谷宮益坂店」をそれぞれ出店し、「もつやき処 い志井」は3月に「中目黒店」を、「日本再生酒場」は7月に「築地本店」を出店いたしました。さらに、新業態として“日常の生活の中で気軽に立ち寄れ、お酒も楽しめる街のレストラン”をコンセプトに誕生した「大衆ビストロ コタロー」の1号店(調布店)を5月に、2号店となる「五反田店」を7月に出店したほか、12月にはトビウオを使用した“あご出汁”と、濃厚な“鶏出汁”が決め手!の創作もんじゃ「古民家もんじゃ だしもん」の「池袋南口店」をオープンいたしました。
主食事業においては、2月に「野郎めし」の「つくば店」、3月に「本庄店」及び「高崎店」、4月に「白岡店」及び「桶川店」、8月に「松戸店」、9月に「野田店」を出店したほか、6月には初の都市型店舗として「蒲田東口店」を東京23区内に出店いたしました。また、3月に「東京油組総本店 <油そば>」の「錦糸町組」及び「相模原組」、4月に「手稲組」、6月に「天神組」及び「天台組」、7月に「宇都宮組」及び「五反田組」、8月に「大街道組」、9月に「茨木組」、10月に「つくば谷田部組」、12月に「土浦組」を出店いたしました。なお、「相模原組」・「天台組」・「つくば谷田部組」は、「築地銀だこ」のロードサイド型店舗である「相模原中央店」・「天台ドライブイン店」・「つくば谷田部ドライブイン店」を改装し、「築地銀だこ」と「東京油組総本店 <油そば>」の併設型店舗として出店した新しい出店形態となります。さらに新業態として、注文が入ってからひと釜ずつ丁寧に炊き上げた釜めしと、厳選した蕎麦を提供する「釜めしと蕎麦 かまど」の「鹿沼店」を12月に出店いたしました。
製販事業においては、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し、引き続き好調に推移いたしました。また冷凍たこ焼については、現在海外販路の開拓にも積極的に取り組んでおります。
海外事業においては、アセアンでは新型コロナウイルス感染症に関わる各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進んでおり、タイに4店舗、インドネシアに3店舗、シンガポールに1店舗のフランチャイズによる出店をいたしました。また、香港では新型コロナウイルス感染症の影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗は営業黒字を維持している店舗も多く、7店舗の出店をいたしました。引き続き商機を吟味しつつ出店してまいります。なお、米国における貿易事業も開始し、主に国産水産物の輸出が進捗しております。
観光地に店舗を多く有する株式会社ファンインターナショナルの運営店舗は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり海外からの入国制限が緩和されたことにより引き続き堅調に推移いたしました。出店については、昭和初期に建築された歴史ある京町屋の古き良き部分や和の趣を残しながら現代的なモダンさを取り入れた炉端焼きが味わえる新業態「炭炉まん(すみろまん)」京都四条烏丸を5月に、8月には地元食材をふんだんに使った群馬名物の釜めし・郷土料理のお切込み・ひもかわうどん・手間ひまかけた自慢の炭焼(串&炉端)等をご堪能いただける「草津湯畑 まんてん」を草津温泉 湯畑の目の前の絶好のロケーションに直営店でオープンいたしました。
また、炭火を使ってみんなで「つくる・食べる・楽しむ」をコンセプトに、今までのバーベキューや焼肉とは異なる新たな食体験ができると人気を博している全天候型のインドアバーベキュー施設「スミテラス」1号店の猪名川店に続き、9月に新業態のカフェ「シカモア」と併設する形で群馬県桐生市黒保根町水沼に2号店目をオープンいたしました。
この結果、当社グループの当連結会計年度末の店舗数につきましては、出店74店舗(国内58店舗・海外16店舗)、退店36店舗(国内24店舗・海外12店舗)により、732店舗(国内644店舗・海外88店舗)となりました(業態変更による出退店及び店舗集約による退店3店舗は含んでおりません)。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は38,710百万円(前期比20.4%増)、営業利益は2,235百万円(前期比28.2%増)となりました。また、為替予約の時価評価による為替差益等の計上により、経常利益は2,635百万円(前期比1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、国内及び海外店舗に関する閉店店舗の固定資産除却損及び店舗整理損失並びに不採算店舗に関する固定資産の減損などの損失の計上などにより、1,021百万円(前期比24.8%減)となりました。
店舗数の推移は、以下のとおりであります。
(店舗数の推移)
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は485百万円減少し、2,729百万
円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は2,938百万円(前期は2,896百万円の増加)であります。この増加は主に税金等調整前当期純利益1,651百万円、減価償却費1,408百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は2,684百万円(前期は1,835百万円の減少)であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が2,179百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は740百万円(前期は909百万円の減少)であります。この減少は主に長期借入れによる収入が252百万円、短期借入金の純増加額が1,802百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が1,477百万円、自己株式の取得による支出が785百万円あったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は仕入価格によっております。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績を契約形態ごとに示すと、次のとおりであります。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りにあたりましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、財政状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針と見積りは、以下のとおりと考えております。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」記載されております。
① 固定資産の減損処理の測定基準
当社グループは、店舗、工場及び賃貸物件など多くの固定資産を有しております。これら固定資産につきまして減損の認識が必要とされた場合の回収可能価額は、「固定資産の減損に係る会計基準」等に従い合理的に算定しておりますが、前提が異なることとなった場合には、将来追加で減損処理が発生する可能性があります。
② 繰延税金資産の計上基準
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、その実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上が発生する可能性があります。
(2) 財政状態に関する分析
資産、負債および純資産の状況は下記のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1,649百万円増加し23,713百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が213百万円、有形固定資産が669百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,574百万円増加し12,957百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が1,802百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して75百万円増加し、10,756百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,021百万円を計上した一方、自己株式785百万円を取得したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、本報告書の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(1)経営成績」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。
①「築地銀だこ」の既存店舗における売上高の推移
当連結会計年度においては、自社キャンペーン・コラボレーション・新商品と積極的な販売促進活動を実施いたしました。デリバリーサービスについては、導入可能な店舗にはほぼ導入が完了したことから、次の施策としてサービス自体の認知拡大と併せ1店舗あたりのデリバリー売上拡大に取り組んでおります。
その結果、「築地銀だこ」事業の既存店舗における売上高は前年比115.1%(築地銀だこ業態:前年比114.1%、酒場業態:前年比122.1%)となりました。
②製販事業
製販事業においては、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し、引き続き好調に推移いたしました。また冷凍たこ焼については、現在海外販路の開拓にも積極的に取り組んでおります。
③海外事業
海外事業においては、アセアンでは新型コロナウイルス感染症に関わる各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進んでおります。また、香港では新型コロナウイルス感染症の影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗は営業黒字を維持している店舗も多く、引き続き商機を吟味しつつ出店してまいります。なお、米国における貿易事業も開始し、主に国産水産物の輸出が進捗しております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は下記のとおりとなりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は38,710百万円となり、前連結会計年度に比べ20.4%の増加となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は2,235百万円となり、前連結会計年度に比べ28.2%の増加となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は2,635百万円となり、前連結会計年度に比べ1.0%の増加となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,021百万円となり、前連結会計年度に比べ24.8%の減少となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は485百万円減少し、2,729百万
円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は2,938百万円(前期は2,896百万円の増加)であります。この増加は主に税金等調整前当期純利益1,651百万円、減価償却費1,408百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は2,684百万円(前期は1,835百万円の減少)であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が2,179百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は740百万円(前期は909百万円の減少)であります。この減少は主に長期借入れによる収入が252百万円、短期借入金の純増加額が1,802百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が1,477百万円、自己株式の取得による支出が785百万円あったことによるものであります。
(5)キャッシュ・フローの状況についての分析に基づく資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。
なお、当社グループの事業活動における運転資金の需要の主なものは、生産に必要な運転資金(原材料・人件費及び外注費)、従業員給与等の販売費及び一般管理費があります。また、設備資金需要としましては、海外子会社を含む新規店舗の出店及び既存店舗の改装およびМ&A等があります。
これらの事業活動に必要な資金は、内部資金の活用を基本としておりますが、必要に応じて資本市場からの資金調達及び金融機関からの借入による資金調達も行っております。十分な手元流動性資金と金融機関の借入枠を有しているため、今後の運転資金及び投資資金需要にも十分対処できる状況であります。
(6)経営戦略の現状と見通し
外食市場におきましては、消費者の低価格志向・節約志向・中食需要の拡大等により大変厳しい環境となっておりますが、今後もコンビニや中食各社を含めた企業間競争の激化などもあり、厳しい状況は続くことが想定されます。
当社グループは、日本一のたこ焼チェーンから日本を代表する外食企業グループを目指して、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等を通じて、飛躍的な成長を目指してまいります。
具体的には、(ア)株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業において、積極的な販売施策の実施、デリバリー強化策、ロードサイド店の出店を、(イ)株式会社オールウェイズにおける酒場事業において、銀だこハイボール酒場、おでん屋たけし、もつ焼き処い志井・日本再生酒場の各店舗の積極的な出店を、(ウ)株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業において、野郎めし、東京油組総本店の積極的な出店と、新業態の開発を、(エ)株式会社ファンインターナショナルにおける飲食事業やクリエイティブ事業において、インバウンドに伴う観光地の飲食店舗出店、アウトドア用飲食マーケットの開拓、グループ内店舗の内装強化と外販を、(オ)海外において、米国におけるフラグシップ店舗の展開、冷凍たこ焼及び水産物の卸事業の拡大、アセアンを中心としたFC事業の拡大をそれぞれ進めてまいります。
2024年12月期につきましては、原材料価格の高騰、円安の進行、人件費や光熱費等の上昇なども踏まえ、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画に基づき、株式会社ホットランドをベースの収益基盤として、5本柱で成長を目指してまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和、さらに5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されるなど、社会経済活動の正常化・活発化に向けた動きが見られ、外食産業におきましても、行動制限のない社会生活を取り戻し、店内飲食への抵抗感も減少し、客数も順調に回復しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は日本のみならず全世界において膨大な損失を与え、また、国内外の人々の生活に甚大な影響を及ぼし、社会全体が大きく変わる可能性があります。当社はこのような時代だからこそ「企業個性」を磨き、さらに強く発揮することが最も重要であると考えております。
当社は、創業以来、挑戦と失敗を繰り返し、その失敗から学び、成長を遂げてまいりました。その中で培った個性が「自由な発想力」、「行動力」、「スピード感」、「現場力」、そして、何よりも大切にしているものは「人を想う心」です。これらの「企業個性」には、時代や環境の変化への「対応力」があると信じております。「人を想う心」を持った人材を育て上げ、日本の良き「共食」文化を世界に広げてまいります。
また、世界のマーケットでは、「和食」は日本の重要輸出品目であり、健康食としての和食ブームは今後もますます拡大していくことと考えております。
当社グループの店舗へのお客様の支持を獲得し続けていくために、当社グループは本来食事の持つ「おいしさ」、「あたたかさ」、「楽しさ」を大切にし、安全で美味しい商品を提供し続けてまいります。
(1)経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和、さらに5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されるなど、社会経済活動の正常化・活発化に向けた動きが見られるものの、ウクライナ情勢の長期化による資源や原材料価格の高騰など、景気の動向は依然として不透明な状況が続いております。また、外食産業におきましては、行動制限のない社会生活を取り戻し、店内飲食への抵抗感も減少し、客数も順調に回復しておりますが、仕入価格の高騰や人件費・光熱費等の上昇など、引き続き厳しい経営環境が続いております。
このような状況下、当社グループは、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画を策定し、株式会社ホットランドをベースの収益基盤として、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等で安定と成長を目指してまいります。
「築地銀だこ」事業においては、第4四半期連結会計期間では、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、11月17日から“ぜったいお得”な『秋の回数券』を数量限定で販売したほか、12月6日から12月10日までの5日間、日頃からご愛顧いただいている皆様へ1年間の感謝を込めた、『年末感謝祭』を開催いたしました。12月6日から8日までの3日間は、創業以来1番人気!“ぜったいうまい!!たこ焼(ソース・8個入り)”を、税込価格より100円引きでご提供し、同月8日から10日までの3日間は、スタンプが貯まるとたこ焼が無料でもらえる“銀だこ スタンプカード”のスタンプ2倍を実施いたしました。また、11月14日から12月4日、12月18日から12月31日までの期間、株式会社MIXIが展開する人気スマホゲーム「ことば」で闘う新感覚RPG「共闘ことば RPG コトダマン」と、初のコラボレーションを実施したほか、12月12日から1月31日までの期間、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、TVアニメ「推しの子」とのコラボレーションを実施いたしました。また商品関連では、11月8日より<プレミアム明太シリーズ>『焦がし醤油 もちチーズ明太』を期間限定で販売するなど、自社キャンペーン・コラボレーション・新商品と積極的な販売促進活動を実施いたしました。デリバリーサービスについては、導入可能な店舗にはほぼ導入が完了したことから、次の施策としてサービス自体の認知拡大と併せ1店舗あたりのデリバリー売上拡大に取り組んでおります。こうした取り組みにより、当連結会計年度における既存店売上高前年比は115.1%となりました。出店については、2月に「マーサ21店」、3月に「エスコンフィールド店」、「あべのキューズモール店」、「大岡山店」、4月に「手稲店」、「アル・プラザ草津店」、「ジョイホンパーク吉岡店」、6月に「Mav行徳店」、10月に「学芸大学駅前店」及び「草加ヴァリエ店」、11月に「那覇メインプレイス店」及び「イオンモール広島府中3F店」、12月に「あまがさきキューズモール店」の13店舗をオープンしたほか、「築地銀だこ」と「コールド・ストーン・クリーマリー」の併設型店舗の「多摩境店」を3月に、「船橋店」を7月にオープンし、6月にはコールド・ストーン・クリーマリーの新たな旗艦店となる「コールド・ストーン・クリーマリー 原宿店」をオープンいたしました。なお、昨今の円安や原材料価格の高騰、人件費・物流費・光熱費の上昇等を企業努力だけで吸収することが難しい状況となったことから、3月1日より商品価格の改定をいたしましたが、売上は継続して堅調に推移しております。また、子会社のHERO-SARLのモーリタニアたこ工場は、従来の生産能力を倍増すべく、工場の近代化及び増築工事を進めております。同工場はBRC認証を取得していますが、より安定した品質を追求すべく、2024年8月完工予定の冷凍加工・保管設備を中心に近代化改装及び増築工事を進めております。
酒場事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり国内外の人流が活発になってきたことから、各業態ともに引き続き好調に推移いたしました。「銀だこハイボール酒場」については、「銀だこハイボール横丁 秋葉原店」を4月に、「門前仲町店」を9月に直営店で出店したほか、フランチャイズによる地方出店にも積極的に取り組み、3月に「春日部店」、4月に「佐賀駅店」、9月に「吉塚店」、10月に「新潟駅前店」及び「高松店」をオープンいたしました。また、「銀だこハイボール酒場」業態以外の出店も加速し、2月に「おでん屋たけし」の「新横浜店」及び「千葉駅東口店」、3月に「渋谷店」、4月に「八重仲ダイニング店」、8月に「西五反田店」、11月に「渋谷宮益坂店」をそれぞれ出店し、「もつやき処 い志井」は3月に「中目黒店」を、「日本再生酒場」は7月に「築地本店」を出店いたしました。さらに、新業態として“日常の生活の中で気軽に立ち寄れ、お酒も楽しめる街のレストラン”をコンセプトに誕生した「大衆ビストロ コタロー」の1号店(調布店)を5月に、2号店となる「五反田店」を7月に出店したほか、12月にはトビウオを使用した“あご出汁”と、濃厚な“鶏出汁”が決め手!の創作もんじゃ「古民家もんじゃ だしもん」の「池袋南口店」をオープンいたしました。
主食事業においては、2月に「野郎めし」の「つくば店」、3月に「本庄店」及び「高崎店」、4月に「白岡店」及び「桶川店」、8月に「松戸店」、9月に「野田店」を出店したほか、6月には初の都市型店舗として「蒲田東口店」を東京23区内に出店いたしました。また、3月に「東京油組総本店 <油そば>」の「錦糸町組」及び「相模原組」、4月に「手稲組」、6月に「天神組」及び「天台組」、7月に「宇都宮組」及び「五反田組」、8月に「大街道組」、9月に「茨木組」、10月に「つくば谷田部組」、12月に「土浦組」を出店いたしました。なお、「相模原組」・「天台組」・「つくば谷田部組」は、「築地銀だこ」のロードサイド型店舗である「相模原中央店」・「天台ドライブイン店」・「つくば谷田部ドライブイン店」を改装し、「築地銀だこ」と「東京油組総本店 <油そば>」の併設型店舗として出店した新しい出店形態となります。さらに新業態として、注文が入ってからひと釜ずつ丁寧に炊き上げた釜めしと、厳選した蕎麦を提供する「釜めしと蕎麦 かまど」の「鹿沼店」を12月に出店いたしました。
製販事業においては、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し、引き続き好調に推移いたしました。また冷凍たこ焼については、現在海外販路の開拓にも積極的に取り組んでおります。
海外事業においては、アセアンでは新型コロナウイルス感染症に関わる各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進んでおり、タイに4店舗、インドネシアに3店舗、シンガポールに1店舗のフランチャイズによる出店をいたしました。また、香港では新型コロナウイルス感染症の影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗は営業黒字を維持している店舗も多く、7店舗の出店をいたしました。引き続き商機を吟味しつつ出店してまいります。なお、米国における貿易事業も開始し、主に国産水産物の輸出が進捗しております。
観光地に店舗を多く有する株式会社ファンインターナショナルの運営店舗は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり海外からの入国制限が緩和されたことにより引き続き堅調に推移いたしました。出店については、昭和初期に建築された歴史ある京町屋の古き良き部分や和の趣を残しながら現代的なモダンさを取り入れた炉端焼きが味わえる新業態「炭炉まん(すみろまん)」京都四条烏丸を5月に、8月には地元食材をふんだんに使った群馬名物の釜めし・郷土料理のお切込み・ひもかわうどん・手間ひまかけた自慢の炭焼(串&炉端)等をご堪能いただける「草津湯畑 まんてん」を草津温泉 湯畑の目の前の絶好のロケーションに直営店でオープンいたしました。
また、炭火を使ってみんなで「つくる・食べる・楽しむ」をコンセプトに、今までのバーベキューや焼肉とは異なる新たな食体験ができると人気を博している全天候型のインドアバーベキュー施設「スミテラス」1号店の猪名川店に続き、9月に新業態のカフェ「シカモア」と併設する形で群馬県桐生市黒保根町水沼に2号店目をオープンいたしました。
この結果、当社グループの当連結会計年度末の店舗数につきましては、出店74店舗(国内58店舗・海外16店舗)、退店36店舗(国内24店舗・海外12店舗)により、732店舗(国内644店舗・海外88店舗)となりました(業態変更による出退店及び店舗集約による退店3店舗は含んでおりません)。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は38,710百万円(前期比20.4%増)、営業利益は2,235百万円(前期比28.2%増)となりました。また、為替予約の時価評価による為替差益等の計上により、経常利益は2,635百万円(前期比1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、国内及び海外店舗に関する閉店店舗の固定資産除却損及び店舗整理損失並びに不採算店舗に関する固定資産の減損などの損失の計上などにより、1,021百万円(前期比24.8%減)となりました。
店舗数の推移は、以下のとおりであります。
(店舗数の推移)
区分 | ブランド | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
国内 | 築地銀だこ | 425 | 426 |
銀だこハイボール酒場等 | 64 | 69 | |
油そば(東京油組総本店) | 27 | 38 | |
おでん屋たけし | 12 | 18 | |
野郎めし | 11 | 16 | |
日本再生酒場・もつやき処い志井 | 15 | 14 | |
銀のあん | 11 | 10 | |
大釜屋 | 10 | 9 | |
ごっつい | 8 | 7 | |
米福 | 6 | 6 | |
満天 | 4 | 5 | |
コールドストーン | 2 | 5 | |
日本橋からり | 4 | 4 | |
その他 | 14 | 17 | |
小計 | 613 | 644 | |
海外 | 築地銀だこ | 57 | 59 |
銀カレー | 15 | 15 | |
銀のあん | 7 | 7 | |
銀だこハイボール酒場 | 1 | 1 | |
その他 | 4 | 6 | |
小計 | 84 | 88 | |
合計 | 697 | 732 |
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は485百万円減少し、2,729百万
円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は2,938百万円(前期は2,896百万円の増加)であります。この増加は主に税金等調整前当期純利益1,651百万円、減価償却費1,408百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は2,684百万円(前期は1,835百万円の減少)であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が2,179百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は740百万円(前期は909百万円の減少)であります。この減少は主に長期借入れによる収入が252百万円、短期借入金の純増加額が1,802百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が1,477百万円、自己株式の取得による支出が785百万円あったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
飲食事業 | 16,294,629 | 122.7 |
合計 | 16,294,629 | 122.7 |
(注)金額は仕入価格によっております。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績を契約形態ごとに示すと、次のとおりであります。
契約形態 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
国内 | 直営 | 22,853,495 | 124.0 |
FC | 5,251,984 | 113.2 | |
PC | 7,284,133 | 122.9 | |
その他 | 925,212 | 68.7 | |
小計 | 36,314,827 | 119.7 | |
海外 | 直営 | 1,918,740 | 118.8 |
FC | 85,197 | 73.0 | |
PC | - | - | |
その他 | 391,605 | 441.1 | |
小計 | 2,395,543 | 131.6 | |
合計 | 38,710,370 | 120.4 |
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りにあたりましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、財政状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針と見積りは、以下のとおりと考えております。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」記載されております。
① 固定資産の減損処理の測定基準
当社グループは、店舗、工場及び賃貸物件など多くの固定資産を有しております。これら固定資産につきまして減損の認識が必要とされた場合の回収可能価額は、「固定資産の減損に係る会計基準」等に従い合理的に算定しておりますが、前提が異なることとなった場合には、将来追加で減損処理が発生する可能性があります。
② 繰延税金資産の計上基準
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、その実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上が発生する可能性があります。
(2) 財政状態に関する分析
資産、負債および純資産の状況は下記のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1,649百万円増加し23,713百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が213百万円、有形固定資産が669百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,574百万円増加し12,957百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が1,802百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して75百万円増加し、10,756百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,021百万円を計上した一方、自己株式785百万円を取得したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、本報告書の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(1)経営成績」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。
①「築地銀だこ」の既存店舗における売上高の推移
当連結会計年度においては、自社キャンペーン・コラボレーション・新商品と積極的な販売促進活動を実施いたしました。デリバリーサービスについては、導入可能な店舗にはほぼ導入が完了したことから、次の施策としてサービス自体の認知拡大と併せ1店舗あたりのデリバリー売上拡大に取り組んでおります。
その結果、「築地銀だこ」事業の既存店舗における売上高は前年比115.1%(築地銀だこ業態:前年比114.1%、酒場業態:前年比122.1%)となりました。
②製販事業
製販事業においては、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し、引き続き好調に推移いたしました。また冷凍たこ焼については、現在海外販路の開拓にも積極的に取り組んでおります。
③海外事業
海外事業においては、アセアンでは新型コロナウイルス感染症に関わる各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進んでおります。また、香港では新型コロナウイルス感染症の影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗は営業黒字を維持している店舗も多く、引き続き商機を吟味しつつ出店してまいります。なお、米国における貿易事業も開始し、主に国産水産物の輸出が進捗しております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は下記のとおりとなりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は38,710百万円となり、前連結会計年度に比べ20.4%の増加となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は2,235百万円となり、前連結会計年度に比べ28.2%の増加となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は2,635百万円となり、前連結会計年度に比べ1.0%の増加となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,021百万円となり、前連結会計年度に比べ24.8%の減少となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は485百万円減少し、2,729百万
円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は2,938百万円(前期は2,896百万円の増加)であります。この増加は主に税金等調整前当期純利益1,651百万円、減価償却費1,408百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は2,684百万円(前期は1,835百万円の減少)であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が2,179百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は740百万円(前期は909百万円の減少)であります。この減少は主に長期借入れによる収入が252百万円、短期借入金の純増加額が1,802百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が1,477百万円、自己株式の取得による支出が785百万円あったことによるものであります。
(5)キャッシュ・フローの状況についての分析に基づく資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。
なお、当社グループの事業活動における運転資金の需要の主なものは、生産に必要な運転資金(原材料・人件費及び外注費)、従業員給与等の販売費及び一般管理費があります。また、設備資金需要としましては、海外子会社を含む新規店舗の出店及び既存店舗の改装およびМ&A等があります。
これらの事業活動に必要な資金は、内部資金の活用を基本としておりますが、必要に応じて資本市場からの資金調達及び金融機関からの借入による資金調達も行っております。十分な手元流動性資金と金融機関の借入枠を有しているため、今後の運転資金及び投資資金需要にも十分対処できる状況であります。
(6)経営戦略の現状と見通し
外食市場におきましては、消費者の低価格志向・節約志向・中食需要の拡大等により大変厳しい環境となっておりますが、今後もコンビニや中食各社を含めた企業間競争の激化などもあり、厳しい状況は続くことが想定されます。
当社グループは、日本一のたこ焼チェーンから日本を代表する外食企業グループを目指して、5本柱の、株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業、株式会社オールウェイズにおける酒場事業、株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業、株式会社ファンインターナショナルにおける京都等の観光地における飲食事業やクリエイティブ事業(設計内装)、海外における事業展開等を通じて、飛躍的な成長を目指してまいります。
具体的には、(ア)株式会社ホットランドにおける「築地銀だこ」事業において、積極的な販売施策の実施、デリバリー強化策、ロードサイド店の出店を、(イ)株式会社オールウェイズにおける酒場事業において、銀だこハイボール酒場、おでん屋たけし、もつ焼き処い志井・日本再生酒場の各店舗の積極的な出店を、(ウ)株式会社ホットランドネクステージにおける主食事業において、野郎めし、東京油組総本店の積極的な出店と、新業態の開発を、(エ)株式会社ファンインターナショナルにおける飲食事業やクリエイティブ事業において、インバウンドに伴う観光地の飲食店舗出店、アウトドア用飲食マーケットの開拓、グループ内店舗の内装強化と外販を、(オ)海外において、米国におけるフラグシップ店舗の展開、冷凍たこ焼及び水産物の卸事業の拡大、アセアンを中心としたFC事業の拡大をそれぞれ進めてまいります。
2024年12月期につきましては、原材料価格の高騰、円安の進行、人件費や光熱費等の上昇なども踏まえ、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画に基づき、株式会社ホットランドをベースの収益基盤として、5本柱で成長を目指してまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染防止に伴う行動制限や海外からの入国制限の緩和、さらに5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されるなど、社会経済活動の正常化・活発化に向けた動きが見られ、外食産業におきましても、行動制限のない社会生活を取り戻し、店内飲食への抵抗感も減少し、客数も順調に回復しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は日本のみならず全世界において膨大な損失を与え、また、国内外の人々の生活に甚大な影響を及ぼし、社会全体が大きく変わる可能性があります。当社はこのような時代だからこそ「企業個性」を磨き、さらに強く発揮することが最も重要であると考えております。
当社は、創業以来、挑戦と失敗を繰り返し、その失敗から学び、成長を遂げてまいりました。その中で培った個性が「自由な発想力」、「行動力」、「スピード感」、「現場力」、そして、何よりも大切にしているものは「人を想う心」です。これらの「企業個性」には、時代や環境の変化への「対応力」があると信じております。「人を想う心」を持った人材を育て上げ、日本の良き「共食」文化を世界に広げてまいります。
また、世界のマーケットでは、「和食」は日本の重要輸出品目であり、健康食としての和食ブームは今後もますます拡大していくことと考えております。
当社グループの店舗へのお客様の支持を獲得し続けていくために、当社グループは本来食事の持つ「おいしさ」、「あたたかさ」、「楽しさ」を大切にし、安全で美味しい商品を提供し続けてまいります。