有価証券報告書-第30期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
経営成績等の概要
(1)経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により著しく経済活動が停滞するなど、先行きが見えない極めて厳しい事業環境が続きました。感染拡大沈静化に向けたワクチン開発・接種開始への期待が集まる中、企業投資マインドは徐々に改善を見せつつある一方で、第三波の感染拡大が個人消費回復の足かせとなり消費低迷が継続するなど、小売・外食業界にとっては厳しい経営環境でありました。
このような状況下、当社グループにおきましては、従業員の体調チェックやマスク等の着用、定期的な手洗い、アルコール消毒液での手指や調理器具等の消毒など、お客様と従業員の安全を第一に心がけた衛生管理を徹底し、更に営業時間の短縮や店内の座席の間隔を空けるなど、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた店舗運営を継続して行ってまいりました。
築地銀だこ業態においては、既存店売上高の活性化を図るために、積極的な販促キャンペーンの再開、商品開発の強化・拡充、ドライブスルー業態の開発など、様々な取り組みを推進し、その結果、通期での既存店売上高前年比は92.9%となりました。9月から12月に実施した、TVアニメ 「鬼滅の刃」とのコラボレーションキャンペーンは、売上・集客の回復に大きく寄与いたしました。また、11月にはNintendo SwitchTM「プロ野球 ファミスタ 2020」とのコラボレーション施策、12月には「ハローキティ」とのコラボレーションパックの販売など、外部コンテンツとのコラボレーションを相次いで展開いたしました。また、在宅需要に向けたデリバリーサービス強化・拡充にも取り組み、対象となるエリア・店舗も拡大しております。
店舗展開においては、ロードサイド型の取り組みとして、9月にコンテナを活用した新コンセプトのドライブスルー店舗を立川に初出店、続けて11月に千葉北店、12月には駐車場を完備した相模原中央店をオープンし、いずれも好調な推移を見せております。酒場業態においては、10月にテイクアウト需要に対応した新しい酒場業態店舗である「銀だこ酒場」を初台にオープンし、好調を継続しています。「銀だこ酒場」は従前の酒場業態店舗よりもテイクアウトの売上構成比率を約50%と高く設定した酒場業態店舗で、昼はランチ・定食・弁当の販売、夜はアルコール需要も見込め、収益性の高い店舗モデルとなっています。今後、酒場業態においては、この「銀だこ酒場」を軸に出店を計画しております。一方で、不採算店舗の積極的な閉店や業態変更を引き続き実施いたしました。
製販事業では、冷凍たこ焼の卸販売商品のうち、専門店向け商品は一部減少いたしましたが、大手コンビニエンスストアの導入店舗数が増加していることから、事業全体としては売上増となりました。また、製造キャパシティも拡大しており、今後は「築地銀だこブランド」の更なる商品開発にも取り組んでまいります。
海外事業では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による店舗休業等の影響が大きく、引き続き厳しい状況となっております。
この結果、当社グループの当連結会計年度末の店舗数につきましては、出店64店舗(国内55店舗・海外9店舗)、退店78店舗(国内67店舗・海外11店舗)により、645店舗(国内581店舗・海外64店舗)となりました(業態変更による出退店は含んでおりません)。
以上の結果、当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症による影響等により、売上高は28,732百万円(前連結会計年度比11.4%減)、営業利益は1,132百万円(前連結会計年度比32.2%減)、経常利益は1,204百万円(前連結会計年度比24.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた緊急事態宣言の発令に伴う店舗の臨時休業等により発生した費用及び損失、酒場業態店舗等の退店等に伴う固定資産除売却損や店舗整理損失及び固定資産の減損等の特別損失の計上、一方で休業手当を支給したことによる雇用調整助成金の特別利益の計上、新型コロナウイルス感染症による影響等を受けたお好み焼飲食店「ごっつい」を展開する株式会社アイテムにおけるのれんの減損、海外事業における固定資産の減損、その他不採算店舗に関する固定資産の減損などにより、親会社株主に帰属する当期純損失は1,138百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益678百万円)となりました。
店舗数の推移は、以下のとおりであります。
(店舗数の推移)
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は216百万円減少し、2,068百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は693百万円であります。この増加は主に税金等調整前当期純損失656百万円、減価償却費1,220百万円、減損損失951百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1,653百万円であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が1,162百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は782百万円であります。この増加は長期借入金の返済による支出が1,000百万円
あった一方で、短期借入金の増加額が1,224百万円、長期借入れによる収入が1,041百万円あったことによるもので
あります。
生産、受注及び販売の実績
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績を契約形態ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りにあたりましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、財政状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針と見積りは、以下のとおりと考えております。
① 固定資産の減損処理の測定基準
当社グループは、店舗、工場及び賃貸物件など多くの固定資産を有しております。これら固定資産につきまして減損の認識が必要とされた場合の回収可能価額は、「固定資産の減損に係る会計基準」等に従い合理的に算定しておりますが、前提が異なることとなった場合には、将来追加で減損処理が発生する可能性があります。
② 繰延税金資産の計上基準
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、その実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(2)財政状態に関する分析
資産、負債および純資産の状況は下記のとおりであります。
(資産) 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して436百万円増加し18,166百万円となりました。その主な要因は、製販事業におけるコンビニエンスストア向けの冷凍たこ焼の販売が増加したことと当連結会計年度において株式会社ファンインターナショナルを子会社化したこと等により、受取手形及び売掛金が190百万円、原材料及び貯蔵品が439百万円増加した一方、新型コロナウイルス感染症の影響等により有形固定資産が445百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,655百万円増加し11,631百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が1,224百万円、長期借入金が343百万円増加したこと等によるものであります。
これは、新型コロナウイルス感染症に関連する制度融資等によるものであります。
(純資産) 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して1,219百万円減少し、6,534百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上と剰余金の配当に伴い利益剰余金が1,246百万円減少したこと等によるものであります。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、本報告書の「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(1)経営成績」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。
①「築地銀だこ」の既存店舗における売上高の推移
当連結会計年度の上半期におきましては特に酒場業態において新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、下半期は、積極的な販促キャンペーンの再開や外部コンテンツとのキャンペーン等により、売上高と営業利益が回復に向かいました。
その結果、「築地銀だこ」事業の既存店舗における売上高は前年比92.9%(築地銀だこ業態:前年比94.7%、酒場業態:前年比81.8%)となりました。
②製販事業
製販事業においては、冷凍たこ焼の卸販売商品のうち、専門店向け商品は一部減少したものの、大手コンビニエンスストア向けの販売が大幅に増加しました。
③海外事業
海外事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたこと等により売上高が大幅に減少しました。
④特別損失の計上
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、2,051百万円の特別損失を計上しました。
その内訳は、減損損失951百万円、固定資産除売却損454百万円、臨時休業等による損失315百万円、店舗整理損失285百万円等であります。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は下記のとおりとなりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は28,732百万円となり、前連結会計年度に比べ11.4%の減少となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は1,132百万円となり、前連結会計年度に比べ32.2%の減少となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は1,204百万円となり、前連結会計年度に比べ24.7%の減少となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は1,138百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益678百万円)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は216百万円減少し、2,068百万円となりました。
その要因は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、臨時休業を行ったこと、新規出店の抑制を行ったこと、新型コロナウイルス感染症に関連する制度融資の資金調達を行ったこと等によるものです。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は693百万円であります。この増加は主に税金等調整前当期純損失656百万円、減価償却費1,220百万円、減損損失951百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1,653百万円であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が1,162百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は782百万円であります。この増加は長期借入金の返済による支出が1,000百万円あった一方で、短期借入金の増加額が1,224百万円、長期借入れによる収入が1,041百万円あったことによるものであります。
(5)キャッシュ・フローの状況についての分析に基づく資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、本報告書の第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(4)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。
なお、当社グループの事業活動における運転資金の需要の主なものは、生産に必要な運転資金(原材料・人件費及び外注費)、従業員給与等の販売費及び一般管理費があります。また、設備資金需要としましては、海外子会社を含む新規店舗の出店及び既存店舗の改装およびМ&A等があります。
これらの事業活動に必要な資金は、内部資金の活用を基本としておりますが、必要に応じて資本市場からの資金調達及び金融機関からの借入による資金調達も行っております。十分な手元流動性資金と金融機関の借入枠を有しているため、今後の運転資金及び投資資金需要にも十分対処できる状況であります。
(6)経営戦略の現状と見通し
外食市場におきましては、消費者の低価格志向や節約志向に加え、中食需要の拡大や新型コロナウイルス感染症の感染拡大等もあり、大変厳しい環境となっており、新規出店により売上増加を図る傾向から、既存店でいかに売上を維持し、あるいは伸ばしていくかが課題となってきております。
このような状況において、当社グループの店舗へのお客様の支持を獲得し続けていくために、当社グループは本来食事の持つ「おいしさ」、「あたたかさ」、「楽しさ」を大切にし、安全で美味しい商品を提供し続けてまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により著しく経済活動が停滞するなど、先行きが見えない極めて厳しい事業環境が続いております。感染拡大沈静化に向けたワクチン開発・接種開始への期待が集まる中、企業投資マインドは徐々に改善を見せつつある一方で、第三波の感染拡大が個人消費回復の足かせとなり消費低迷が継続するなど、小売・外食業界にとっては厳しい経営環境であります。当社はこのような時代だからこそ「企業個性」を磨き、さらに強く発揮することが最も重要であると考えております。
当社は、創業以来、挑戦と失敗を繰り返し、その失敗から学び、成長を遂げてまいりました。その中で培った個性が「自由な発想力」、「行動力」、「スピード感」、「現場力」、そして、何よりも大切にしているものは「人を想う心」です。これらの「企業個性」には、時代や環境の変化への「対応力」があると信じております。
また、世界のマーケットでは、「和食」は日本の重要輸出品目であり、健康食としての和食ブームは今後もますます拡大していくことと考えております。
「人を想う心」を持った人材を育て上げ、日本の良き「共食」文化を世界に広げてまいります。
(1)経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により著しく経済活動が停滞するなど、先行きが見えない極めて厳しい事業環境が続きました。感染拡大沈静化に向けたワクチン開発・接種開始への期待が集まる中、企業投資マインドは徐々に改善を見せつつある一方で、第三波の感染拡大が個人消費回復の足かせとなり消費低迷が継続するなど、小売・外食業界にとっては厳しい経営環境でありました。
このような状況下、当社グループにおきましては、従業員の体調チェックやマスク等の着用、定期的な手洗い、アルコール消毒液での手指や調理器具等の消毒など、お客様と従業員の安全を第一に心がけた衛生管理を徹底し、更に営業時間の短縮や店内の座席の間隔を空けるなど、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた店舗運営を継続して行ってまいりました。
築地銀だこ業態においては、既存店売上高の活性化を図るために、積極的な販促キャンペーンの再開、商品開発の強化・拡充、ドライブスルー業態の開発など、様々な取り組みを推進し、その結果、通期での既存店売上高前年比は92.9%となりました。9月から12月に実施した、TVアニメ 「鬼滅の刃」とのコラボレーションキャンペーンは、売上・集客の回復に大きく寄与いたしました。また、11月にはNintendo SwitchTM「プロ野球 ファミスタ 2020」とのコラボレーション施策、12月には「ハローキティ」とのコラボレーションパックの販売など、外部コンテンツとのコラボレーションを相次いで展開いたしました。また、在宅需要に向けたデリバリーサービス強化・拡充にも取り組み、対象となるエリア・店舗も拡大しております。
店舗展開においては、ロードサイド型の取り組みとして、9月にコンテナを活用した新コンセプトのドライブスルー店舗を立川に初出店、続けて11月に千葉北店、12月には駐車場を完備した相模原中央店をオープンし、いずれも好調な推移を見せております。酒場業態においては、10月にテイクアウト需要に対応した新しい酒場業態店舗である「銀だこ酒場」を初台にオープンし、好調を継続しています。「銀だこ酒場」は従前の酒場業態店舗よりもテイクアウトの売上構成比率を約50%と高く設定した酒場業態店舗で、昼はランチ・定食・弁当の販売、夜はアルコール需要も見込め、収益性の高い店舗モデルとなっています。今後、酒場業態においては、この「銀だこ酒場」を軸に出店を計画しております。一方で、不採算店舗の積極的な閉店や業態変更を引き続き実施いたしました。
製販事業では、冷凍たこ焼の卸販売商品のうち、専門店向け商品は一部減少いたしましたが、大手コンビニエンスストアの導入店舗数が増加していることから、事業全体としては売上増となりました。また、製造キャパシティも拡大しており、今後は「築地銀だこブランド」の更なる商品開発にも取り組んでまいります。
海外事業では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による店舗休業等の影響が大きく、引き続き厳しい状況となっております。
この結果、当社グループの当連結会計年度末の店舗数につきましては、出店64店舗(国内55店舗・海外9店舗)、退店78店舗(国内67店舗・海外11店舗)により、645店舗(国内581店舗・海外64店舗)となりました(業態変更による出退店は含んでおりません)。
以上の結果、当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症による影響等により、売上高は28,732百万円(前連結会計年度比11.4%減)、営業利益は1,132百万円(前連結会計年度比32.2%減)、経常利益は1,204百万円(前連結会計年度比24.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた緊急事態宣言の発令に伴う店舗の臨時休業等により発生した費用及び損失、酒場業態店舗等の退店等に伴う固定資産除売却損や店舗整理損失及び固定資産の減損等の特別損失の計上、一方で休業手当を支給したことによる雇用調整助成金の特別利益の計上、新型コロナウイルス感染症による影響等を受けたお好み焼飲食店「ごっつい」を展開する株式会社アイテムにおけるのれんの減損、海外事業における固定資産の減損、その他不採算店舗に関する固定資産の減損などにより、親会社株主に帰属する当期純損失は1,138百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益678百万円)となりました。
店舗数の推移は、以下のとおりであります。
(店舗数の推移)
区分 | ブランド | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
国内 | 築地銀だこ | 433 | 429 |
銀だこハイボール酒場・銀だこ酒場・ギンダコハイボール横丁 | 67 | 63 | |
銀のあん | 20 | 16 | |
油そば(東京油組総本店) | 6 | 13 | |
大釜屋 | 12 | 9 | |
日本橋からり | 6 | 5 | |
COLD STONE CREAMERY | 16 | 7 | |
The Coffee Bean & Tea Leaf | 4 | 2 | |
おでん屋たけし | 3 | 5 | |
ごっつい | 15 | 11 | |
その他 | 11 | 21 | |
小計 | 593 | 581 | |
海外 | 築地銀だこ | 44 | 41 |
銀カレー | 14 | 14 | |
銀のあん | 2 | 2 | |
銀だこハイボール酒場 | 1 | 1 | |
その他 | 5 | 6 | |
小計 | 66 | 64 | |
合計 | 659 | 645 |
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は216百万円減少し、2,068百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は693百万円であります。この増加は主に税金等調整前当期純損失656百万円、減価償却費1,220百万円、減損損失951百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1,653百万円であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が1,162百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は782百万円であります。この増加は長期借入金の返済による支出が1,000百万円
あった一方で、短期借入金の増加額が1,224百万円、長期借入れによる収入が1,041百万円あったことによるもので
あります。
生産、受注及び販売の実績
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
飲食事業 | 11,214,392 | 90.6 |
合計 | 11,214,392 | 90.6 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度の販売実績を契約形態ごとに示すと、次のとおりであります。
契約形態 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
国内 | 直営・PC | 21,140,133 | 83.6 |
FC | 3,902,839 | 89.5 | |
その他 | 1,922,908 | 143.6 | |
小計 | 26,965,881 | 87.0 | |
海外 | 直営 | 1,583,562 | 126.9 |
FC | 132,342 | 98.0 | |
その他 | 50,773 | 87.1 | |
小計 | 1,766,678 | 122.6 | |
合計 | 28,732,560 | 88.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りにあたりましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、財政状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針と見積りは、以下のとおりと考えております。
① 固定資産の減損処理の測定基準
当社グループは、店舗、工場及び賃貸物件など多くの固定資産を有しております。これら固定資産につきまして減損の認識が必要とされた場合の回収可能価額は、「固定資産の減損に係る会計基準」等に従い合理的に算定しておりますが、前提が異なることとなった場合には、将来追加で減損処理が発生する可能性があります。
② 繰延税金資産の計上基準
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、その実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(2)財政状態に関する分析
資産、負債および純資産の状況は下記のとおりであります。
(資産) 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して436百万円増加し18,166百万円となりました。その主な要因は、製販事業におけるコンビニエンスストア向けの冷凍たこ焼の販売が増加したことと当連結会計年度において株式会社ファンインターナショナルを子会社化したこと等により、受取手形及び売掛金が190百万円、原材料及び貯蔵品が439百万円増加した一方、新型コロナウイルス感染症の影響等により有形固定資産が445百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,655百万円増加し11,631百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が1,224百万円、長期借入金が343百万円増加したこと等によるものであります。
これは、新型コロナウイルス感染症に関連する制度融資等によるものであります。
(純資産) 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して1,219百万円減少し、6,534百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上と剰余金の配当に伴い利益剰余金が1,246百万円減少したこと等によるものであります。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、本報告書の「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(1)経営成績」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。
①「築地銀だこ」の既存店舗における売上高の推移
当連結会計年度の上半期におきましては特に酒場業態において新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、下半期は、積極的な販促キャンペーンの再開や外部コンテンツとのキャンペーン等により、売上高と営業利益が回復に向かいました。
その結果、「築地銀だこ」事業の既存店舗における売上高は前年比92.9%(築地銀だこ業態:前年比94.7%、酒場業態:前年比81.8%)となりました。
②製販事業
製販事業においては、冷凍たこ焼の卸販売商品のうち、専門店向け商品は一部減少したものの、大手コンビニエンスストア向けの販売が大幅に増加しました。
③海外事業
海外事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたこと等により売上高が大幅に減少しました。
④特別損失の計上
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、2,051百万円の特別損失を計上しました。
その内訳は、減損損失951百万円、固定資産除売却損454百万円、臨時休業等による損失315百万円、店舗整理損失285百万円等であります。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は下記のとおりとなりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は28,732百万円となり、前連結会計年度に比べ11.4%の減少となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は1,132百万円となり、前連結会計年度に比べ32.2%の減少となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は1,204百万円となり、前連結会計年度に比べ24.7%の減少となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は1,138百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益678百万円)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は216百万円減少し、2,068百万円となりました。
その要因は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、臨時休業を行ったこと、新規出店の抑制を行ったこと、新型コロナウイルス感染症に関連する制度融資の資金調達を行ったこと等によるものです。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は693百万円であります。この増加は主に税金等調整前当期純損失656百万円、減価償却費1,220百万円、減損損失951百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1,653百万円であります。この減少は主に有形固定資産の取得による支出が1,162百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は782百万円であります。この増加は長期借入金の返済による支出が1,000百万円あった一方で、短期借入金の増加額が1,224百万円、長期借入れによる収入が1,041百万円あったことによるものであります。
(5)キャッシュ・フローの状況についての分析に基づく資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、本報告書の第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要(4)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。
なお、当社グループの事業活動における運転資金の需要の主なものは、生産に必要な運転資金(原材料・人件費及び外注費)、従業員給与等の販売費及び一般管理費があります。また、設備資金需要としましては、海外子会社を含む新規店舗の出店及び既存店舗の改装およびМ&A等があります。
これらの事業活動に必要な資金は、内部資金の活用を基本としておりますが、必要に応じて資本市場からの資金調達及び金融機関からの借入による資金調達も行っております。十分な手元流動性資金と金融機関の借入枠を有しているため、今後の運転資金及び投資資金需要にも十分対処できる状況であります。
(6)経営戦略の現状と見通し
外食市場におきましては、消費者の低価格志向や節約志向に加え、中食需要の拡大や新型コロナウイルス感染症の感染拡大等もあり、大変厳しい環境となっており、新規出店により売上増加を図る傾向から、既存店でいかに売上を維持し、あるいは伸ばしていくかが課題となってきております。
このような状況において、当社グループの店舗へのお客様の支持を獲得し続けていくために、当社グループは本来食事の持つ「おいしさ」、「あたたかさ」、「楽しさ」を大切にし、安全で美味しい商品を提供し続けてまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により著しく経済活動が停滞するなど、先行きが見えない極めて厳しい事業環境が続いております。感染拡大沈静化に向けたワクチン開発・接種開始への期待が集まる中、企業投資マインドは徐々に改善を見せつつある一方で、第三波の感染拡大が個人消費回復の足かせとなり消費低迷が継続するなど、小売・外食業界にとっては厳しい経営環境であります。当社はこのような時代だからこそ「企業個性」を磨き、さらに強く発揮することが最も重要であると考えております。
当社は、創業以来、挑戦と失敗を繰り返し、その失敗から学び、成長を遂げてまいりました。その中で培った個性が「自由な発想力」、「行動力」、「スピード感」、「現場力」、そして、何よりも大切にしているものは「人を想う心」です。これらの「企業個性」には、時代や環境の変化への「対応力」があると信じております。
また、世界のマーケットでは、「和食」は日本の重要輸出品目であり、健康食としての和食ブームは今後もますます拡大していくことと考えております。
「人を想う心」を持った人材を育て上げ、日本の良き「共食」文化を世界に広げてまいります。