有価証券報告書-第14期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/07/01 14:27
【資料】
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【項目】
108項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当事業年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や金融政策の効果等による、企業収益や雇用情勢の改善傾向が続き、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国の経済政策運営の影響等による海外経済の不確実性や、消費税率引き上げによる景気悪化懸念等、先行きは不透明な状況にあります。
当社を取り巻くインターネット関連市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、インターネット利用人口普及率が高い水準を維持している中、2018年12月末時点の移動系通信の契約数は、1億7,778万回線(前期比0.9%増)と増加が続いております。(出所:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成30年度第3四半期(12月末))」)。
このような事業環境のもと、当社は、“専門家をもっと身近に”を経営理念として、法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」および税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」を通じた、インターネットメディア事業を運営してまいりました。
「弁護士ドットコム」では、ユーザーに向けた有益なコンテンツの提供やユーザビリティの向上に注力するとともに、身近な話題を弁護士が法的観点から解説するオウンドメディア「弁護士ドットコムニュース」の記事配信による認知度向上に努めた結果、2019年3月における月間サイト訪問者数は1,452万人(前年同月比32.6%増)となりました。これにより、当事業年度末時点の会員登録弁護士数が17,130人(前年同月比13.5%増)、そのうち、弁護士マーケティング支援サービスの有料会員登録弁護士数が4,476人(前年同月比17.0%増)となりました。また、「弁護士ドットコム」の有料会員サービスの有料会員数が174,324人(前年同月比31.0%増)となり、各サービスの会員数の増加が順調に推移しております。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高は3,132百万円(前年同期比35.1%増)、営業利益510百万円(前年同期比1.4%増)、経常利益511百万円(前年同期比1.2%増)、当期純利益333百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ138百万円増加し、当事業年度末には、1,395百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は299百万円(前事業年度は393百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前当期純利益503百万円の計上、減価償却費95百万円の計上、貸倒引当金の増加額6百万円、固定資産除却損8百万円の計上、未払金の増加額23百万円、未払費用の増加額16百万円、未払消費税等の増加額6百万円等があったものの、売上債権の増加額147百万円、前払費用の増加額24百万円、法人税等の支払額220百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は165百万円(前事業年度は139百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出20百万円、無形固定資産の取得による支出125百万円、敷金の差入による支出19百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得た資金は5百万円(前事業年度は28百万円の収入)となりました。主な要因は、ストックオプションの行使による収入5百万円があったこと等によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社の業務には生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(2) 受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(3) 販売実績
当事業年度における販売実績をサービスごとに示すと、次の通りであります。なお、当社の事業は単一セグメントでありセグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。
事業別当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
インターネットメディア事業3,132,51135.1
弁護士マーケティング支援
サービス
1,793,34315.4
有料会員サービス554,02930.9
税理士マーケティング支援
サービス
317,86167.6
広告その他サービス467,276209.3
合計3,132,51135.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
当事業年度末の総資産は2,253百万円となり、前事業年度末と比較して375百万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金および売掛金が増加したこと等によるものであります。
(流動資産)
当事業年度末の流動資産は、1,896百万円となり、前事業年度末と比較して306百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金が増加(前事業年度比138百万円増加)、売掛金が増加(前事業年度比147百万円増加)、前払費用が増加(前事業年度比24百万円増加)したこと等によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産は、357百万円となり、前事業年度末と比較して69百万円の増加となりました。これは主に建物が増加(前事業年度比9百万円増加)、ソフトウエアが増加(前事業年度比38百万円増加)、敷金及び保証金が増加(前事業年度比17百万円増加)、および繰延税金資産が増加(前事業年度比8百万円増加)したものの、工具、器具及び備品が減少(前事業年度比3百万円減少)したこと等によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末の流動負債は、384百万円となり、前事業年度末と比較して37百万円の増加となりました。これは主に未払金が増加(前事業年度比25百万円増加)、未払費用が増加(前事業年度比16百万円増加)、未払消費税等が増加(前事業年度比6百万円増加)、前受金が増加(前事業年度比16百万円増加)、および預り金が増加(前事業年度比14百万円増加)したものの、未払法人税等が減少(前事業年度比41百万円減少)したこと等によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債はありません。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、1,869百万円となり、前事業年度末と比較して338百万円の増加となりました。これは主に資本金が増加(前事業年度比2百万円増加)、資本剰余金が増加(前事業年度比2百万円増加)、および利益剰余金が増加(前事業年度比333百万円増加)したこと等によるものであります。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は3,132百万円(前年同期比35.1%増)となりました。これは主に、弁護士マーケティング支援サービスの有料会員登録弁護士数および有料会員サービスの有料会員数が順調に増加したためであります。
(売上総利益)
売上原価は464百万円(前年同期比60.9%増)となりました。これは主に、ソフトウエアの開発や制作に係る人件費や経費が増加した一方で、ソフトウエアの開発や制作の進行に伴いソフトウエア仮勘定への振替えを行ったこと等によるものであります。
この結果、売上総利益は2,668百万円(前年同期比31.4%増)となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は2,157百万円(前年同期比41.3%増)となりました。これは主に、従業員の増加に伴う人件費の増加および広告宣伝費の増加等によるものであります。
この結果、営業利益は510百万円(前年同期比1.4%増)となりました。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は、511百万円(前年同期比1.2%増)となりました。
(当期純利益)
法人税等は、170百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
この結果、当期純利益は333百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ138百万円増加し、当事業年度末には、1,395百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は299百万円(前事業年度は393百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前当期純利益503百万円の計上、減価償却費95百万円の計上、貸倒引当金の増加額6百万円、固定資産除却損8百万円の計上、未払金の増加額23百万円、未払費用の増加額16百万円、未払消費税等の増加額6百万円等があったものの、売上債権の増加額147百万円、前払費用の増加額24百万円、法人税等の支払額220百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は165百万円(前事業年度は139百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出20百万円、無形固定資産の取得による支出125百万円、敷金の差入による支出19百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得た資金は5百万円(前事業年度は28百万円の収入)となりました。主な要因は、ストックオプションの行使による収入5百万円があったこと等によるものであります。
(資金の財源及び資金の流動性に係る情報)
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2015年3月期2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期
自己資本比率(%)85.780.482.981.582.9
時価ベースの自己資本比率(%)1,911.61,426.11,283.12,397.44,331.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを利用しています。
(注2)キャッシュ・フロー対有利子負債比率については、有利子負債が存在しないため、記載しておりません。
(注3)インタレスト・カバレッジ・レシオについては、利払いがないため、記載しておりません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通り、事業環境、事業内容、事業運営体制、システムリスク、法的規制等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手および分析を行い、現在および将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。