訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/12/17 15:00
【資料】
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【項目】
81項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
(2)財政状態の分析
第15期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
①資産
当事業年度末における総資産につきましては、543,301千円となり、前事業年度末に対して13,613千円減少しました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、434,676千円となり、前事業年度末残高436,151千円と比較して、1,474千円減少しました。これは、主に法人税等の支払い等により現金及び預金32,871千円減少し、売上高の増加により売掛金が6,650千円、前払の営業費用の増加により前払費用5,146千円、未収還付法人税等21,645千円増加したことによります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、108,624千円となり、前事業年度末残高120,763千円と比較して、12,139千円減少しました。これは、主に社内インフラ整備等により工具、器具及び備品9,717千円、無形固定資産の減損処理に伴う将来減算一時差異の増加等により繰延税金資産7,893千円増加し、ネット医局システムの減損処理によりソフトウエア8,602千円、保険契約の解約により保険積立金21,005千円減少したことによります。
②負債
当事業年度末における負債につきましては、305,334千円となり、前事業年度末に対して19,892千円減少しました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、193,142千円となり、前事業年度末217,001千円と比較して23,859千円減少しました。これは、主に社内インフラ投資等により未払金20,025千円、訴訟関連費用引当金14,497千円増加し、未払法人税等58,422千円減少したことによります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、112,191千円となり、前事業年度末残高108,224千円と比較して3,967千円増加しました。これは、主に退職給付引当金が3,651千円増加したことによります。
③純資産
当事業年度末における純資産につきましては、237,966千円となり、前事業年度末に対して6,278千円増加しました。これは、当期純利益を6,278千円計上したことによります。
第16期第2四半期累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年9月30日)
①資産
当第2四半期会計期間末における総資産につきましては、666,823千円で前事業年度末に対して123,522千円増加しました。
(流動資産)
当第2四半期会計期間末における流動資産の残高は、563,002千円となり、前事業年度末残高434,676千円と比較して128,326千円増加しました。これは、主に現金及び預金140,956千円、外勤紹介件数の増加による売掛金16,683千円増加、法人税等の還付により流動資産のその他28,060千円減少したことによります。
(固定資産)
当第2四半期会計期間末における固定資産の残高は、103,820千円となり、前事業年度末残高108,624千円と比較して4,803千円減少しました。これは、主に減価償却費を計上したことにより無形固定資産5,686千円減少したことによります。
②負債
当第2四半期会計期間末における負債につきましては、337,563千円で前事業年度末に対して32,229千円増加しました。
(流動負債)
当第2四半期会計期間末における流動負債の残高は、223,263千円となり、前事業年度末残高193,142千円と比較して30,121千円増加しました。これは、主に未払法人税等を55,367千円計上したことによります。
(固定負債)
当第2四半期会計期間末における固定負債の残高は、114,300千円となり、前事業年度末残高112,191千円と比較して2,108千円増加しました。これは、主に退職給付引当金3,016千円増加したことによります。
③純資産
当第2四半期会計期間末における純資産につきましては、329,260千円で前事業年度末に対して91,293千円増加しました。これは、四半期純利益91,293千円を計上したことによります。
(3)経営成績の分析
第15期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
①売上高
当事業年度においては、学会への参加及び紹介キャンペーン等による営業活動により医師会員登録数が順調に増加し、医師ネット紹介売上が前年同期比5.7%増の増収になりました。
この結果、当事業年度における売上高は、728,149千円(前年同期比2.4%増)となりました。
②売上原価、売上総利益
当事業年度における売上原価は、121,829千円(前年同期比24.0%増)となりました。これは、医師ネット紹介売上高の拡大を見据えた人員増による人件費の増加等によるものであります。
この結果、当事業年度における売上総利益は、606,319千円(同1.1%減)となりました。
③販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度における販売費及び一般管理費は、550,816千円(前年同期比40.9%増)となりました。これは、営業並びに管理体制強化等に伴う人員増による人件費及び採用費の増加、一都三県及び関西を中心に新規医療機関獲得に係る業務委託費、医師ネット紹介システムの運用及びメンテナンスにかかる外注費の増加等によるものであります。
この結果、当事業年度における営業利益は、55,502千円(同75.0%減)となりました。
④営業外損益、経常利益
当事業年度の営業外損益では、保険解約返戻金13,009千円を主な要因とした営業外収益13,377千円、支払利息178千円を主な要因とした営業外費用187千円を計上しました。
この結果、当事業年度における経常利益は、68,692千円(前年同期比69.3%減)となりました。
⑤特別損益、当期純利益
当事業年度の特別損益では、情報セキュリティ対策費用引当金戻入額による特別利益2,294千円、無形固定資産の減損損失32,974千円及び「4.事業等のリスク 3.その他のリスクについて(2)訴訟等について」に係る訴訟関連費用24,000千円を主な要因とした特別損失57,632千円を計上しました。
また、当事業年度の法人税等合計は、7,075千円となり、税引前当期純利益の減少(前年同期比89.8%減)に伴い、前事業年度より47,567千円減少しました。
この結果、当事業年度における当期純利益は、6,278千円(同91.8%減)となりました。
第16期第2四半期累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年9月30日)
①売上高
当第2四半期累計期間においては、経営資源を医師ネット紹介に集中したことにより、「その他」売上高は前事業年度と比較して減少しております。しかしながら、学会への参加及び紹介キャンペーンにより医師会員登録数が堅調に伸び、さらに前事業年度の増員等の効果もあり非常勤医師紹介件数が堅調に伸びたことで、医師ネット紹介売上高は増加しました。
この結果、当第2四半期累計期間における売上高は、452,800千円となりました。
②売上原価、売上総利益
当第2四半期累計期間における売上原価は、業務効率を改善することにより前事業年度末の人員体制を維持した結果、77,773千円となりました。
この結果、当第2四半期累計期間における売上総利益は、375,027千円となりました。
③販売費及び一般管理費、営業利益
当第2四半期累計期間における販売費及び一般管理費は、学会への参加及び医師向けキャンペーンなど医師会員登録数を伸ばすための営業促進活動などを行った結果、229,193千円となりました。
この結果、当第2四半期累計期間における営業利益は、145,833千円となりました。
④営業外損益、経常利益
当第2四半期累計期間の営業外損益では、受取利息を主な要因とした営業外収益40千円、株式公開費用を主な要因とした営業外費用2,095千円を計上しました。
この結果、当第2四半期累計期間における経常利益は、143,777円となりました。
⑤四半期純利益
当第2四半期累計期間の税引前四半期純利益は、143,777千円となり、法人税等が52,484千円となりました。
この結果、当第2四半期累計期間における四半期純利益は、91,293千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
第15期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ32,871千円減少し、283,945千円となりました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は16,911千円となりました。これは、主に税引前当期純利益13,354千円、減価償却費27,932千円及び減損損失32,974千円の計上等による収入がありましたが、法人税等の支払額93,173千円等による支出があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は14,240千円となりました。これは、無形固定資産の取得による支出43,264千円、保険積立金の払戻による収入34,015千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は1,719千円となりました。これは、リース債務の返済による支出によるものであります。
第16期第2四半期累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年9月30日)
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ140,956千円増加し、424,902千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間において営業活動の結果得られた資金は154,776千円となりました。これは、主に税引前四半期純利益143,777千円の計上、法人税等の還付額26,257千円等による収入がありましたが、訴訟関連費用引当金22,665千円及び未払金26,171千円等の減少による支出があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間において投資活動の結果使用した資金は12,939千円となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出10,818千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間において財務活動の結果使用した資金は880千円となりました。これは、リース債務の返済による支出によるものであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社は現役の医師により設立された会社であり、当社母体となる医師の互助組織として発足以来の経験・ノウハウの蓄積により確立した医療分野の人材ネットワークを強みとしており、この強みを最大限に活用することが第一の戦略でありますが、その戦略は医師会員数が着実に増えていることからも順調に進展していると認識しております。
当社の経営戦略の構成は以下のとおりであります。
(企業理念)
・医療を想い、社会に貢献する。
(企業ビジョン)
・医師とITを通じて、豊かな医療を創造する。
(企業戦略)
・「ネット医局」等による医療人材紹介事業の強化
・新規事業確立のための複数年単位での基盤整備
(事業戦略)
・医局単位での医師囲い込み
・医療人材紹介事業の効率的な全国展開
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、「3 対処すべき課題」に記載のとおり、MRTブランドの浸透、医師会員数及び登録医療機関数の増加、医局への取り組みが当社の経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。そのため、当社は、MRTの知名度の向上と医師会員及び登録医療機関の獲得のためにサービスの拡充を図ってまいります。