有価証券報告書-第28期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の状況
① 全般的事業の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、円高の進行や株価の乱高下の影響を受けつつも、外需と内需、民需と公需といった複数の柱に支えられながら、世界経済の回復を背景として輸出が主導する形で、デフレ脱却には至っておらずも緩やかな景気の回復基調を維持しました。しかしながら、中国や新興国経済の成長の鈍化懸念や東アジアや中東等の地政学的リスクの増大に加えて、米国と中国の貿易戦争懸念や米国の保護貿易の顕在化等により、先行きの不透明感が増してきております。
当社グループの事業領域である人材ビジネス市場の状況は、平成30年3月の完全失業率(季節調整値)は2.5%(前年同月2.8%)、有効求人倍率(季節調整値)は1.59倍(前年同月1.45倍)、新規求人倍率(季節調整値)は2.41倍(前年同月2.13倍)の国内雇用状況であり、労働市場の逼迫の状況が依然として継続しております。
このような環境の中、求人企業と求職者に最適のマッチング機会を提供する人材ビジネスの社会的期待はますます高まっているものと認識しております。当社グループは「“一人でも多くの求職者に仕事を提供すること”
“一社でも多くの企業に良い求職者を紹介すること”を常に意識し、“人と組織の強い繋がりの輪”を広げること」を基本方針として、事業を展開してまいりました。
なお、当連結会計年度は、持続的成長のための構造改革にも取り組みました。
主力事業であるメディア&ソリューション事業におきましては、「工場WORKS」が事業全体の業績を引き続き牽引しておりますが、「工場WORKS」へ経営資源を集中し、かつサービス拡充のための成長投資を行った結果、増収減益となりました。
また人材紹介事業は、当該第3四半期において当期採用したコンサルタントの成約の成果が出始めておりますが、新戦力が増収に貢献したのが第4四半期以降となったため減収減益となっております。
採用支援事業においては、労働集約型からIT活用型のアウトソーシングサービスへの移行を推進し、HR-Technologyサービスへの成長投資を行った結果、減収減益となりました。
また、当期は、中長期的成長のための戦略投資予算として1.3億円を計上しておりましたが、概ね計画通り実行しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,968,844千円(前年同期比0.8%減)、営業利益は643,807千円(前年同期比26.9%減)、経常利益は645,520千円(前年同期比26.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は430,603千円(前年同期比26.2%減)となりました。
② 事業部門の営業概況
(イ)メディア&ソリューション事業
メディア&ソリューション事業におきましては、製造業界に特化した求人メディアである「工場WORKS」が事業全体の業績を牽引しており、主力の「工場WORKS」へ引き続き経営資源を集中しております。直雇用領域の営業力強化を行うとともに、WEBマーケティング手法の積極的な取り組みと強化で、一定の成果を得ることができました。
今後のより一層の中長期的なサービス強化を実現するべく、ITインフラ再構築の調査も行いました。
また顧客ニーズの多様化と、潜在的求職者層へのアプローチも可能とする工場タイムズ(メディアコンテンツ)の強化を行うことで、持続的成長を可能とするサービス構築にも取り組み始めました。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,907,206千円(前年同期比0.8%増)、セグメント利益494,944千円(前年同期比16.3%減)となりました。
(ロ)人材紹介事業
人材紹介事業におきましては、「ミドル・エグゼクティブならびに専門職」の求人ニーズの高まりを受け、その環境に対応すべく、コンサルタントの採用強化ならびに早期戦力化のため教育支援への投資を行いました。また並行して、業務システムの入れ替えを含む「仕組化」を推進することにより、一人当たりの生産性を高める取り組みを行いました。
しかしながら、増員したコンサルタントの売上貢献のタイミングが当初想定していた第3四半期ではなく第4四半期以降にずれこんだことにより、通期の業績が減収減益となっております。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の業績は、売上高901,507千円(前年同期比2.1%減)、セグメント利益100,697千円(前年同期比56.0%減)となりました。
(ハ)採用支援事業
採用支援事業におきましては、当期から適性検査、母集団形成支援、採用ツールといった採用プロセス全般に対して支援できるHR-Technologyを活用した高付加価値サービスの領域へ事業構造の大幅な転換を行っております。
当事業において、HR-Technologyサービスによる新規契約社数の拡大が最重要な成長課題と捉えていることから販売促進費、広告宣伝費の投資を行った結果、当連結会計年度におきましては、HR-Technologyサービスにおける新規契約社数71社、同商材への問い合わせ、及び獲得リード社数1,081社となりました。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,160,130千円(前年同期比2.4%減)、セグメント利益48,099千円(前年同期比21.4%減)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度における総資産は3,236,073千円となり、前連結会計年度末に比べて85,764千円増加いたしました。これは主として、保険契約により保険積立金が99,973千円増加したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度における総負債は534,907千円となり、前連結会計年度末に比べて87,037千円減少いたしました。これは主として、年度末日の休日に伴う社会保険料納付のズレ等により未払金が39,226千円増加、課税所得の減少により未払法人税等が133,989千円減少したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度における純資産は2,701,166千円となり、前連結会計年度末に比べて172,801千円増加いたしました。これは主として、経営成績の結果と配当金の支払により利益剰余金が174,113千円増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は2,306,455千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果として得られた資金は432,339千円(前年同期比379,530千円の減少)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益620,686千円と法人税等の支払額319,675千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果として使用した資金は188,217千円(前年同期比79,072千円の増加)となりました。これは主として、保険積立金の積立による支出100,000千円と無形固定資産の取得による支出79,316千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は258,285千円(前年同期比21,097千円の増加)となりました。これは主として、配当金の支払額256,366千円によるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指数の推移
| 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| 自己資本比率 | 78.2% | 80.3% | 83.5% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 273.5% | 340.1% | 309.3% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 5.5% | 0.2% | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 1,480.4 | 7,843.2 | - |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としてお
ります。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(注5)平成30年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、有利子負債が存在しないため記載しておりません。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループは、生産に該当する事項がないため、記載する事項はありません。
② 受注実績
当社グループは、提供するサービスの関係上、受注実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比 (%) |
| メディア&ソリューション事業(千円) | 1,907,206 | 0.8 |
| 人材紹介事業(千円) | 901,507 | △2.1 |
| 採用支援事業(千円) | 1,160,130 | △2.4 |
| 合計(千円) | 3,968,844 | △0.8 |
(注)1.金額は、外部顧客への売上高を示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。具体的には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、3,968,844千円(前年同期比0.8%減)となり、前連結会計年度と比べて31,368千円減少いたしました。これは主に、メディア&ソリューション事業において、主力の「工場WORKS」へ経営資源を集中し、直雇用領域の営業力強化とWEBマーケティング手法の積極的な取り組みと強化により売上高1,907,206千円(前年同期比0.8%増)と増収となりましたが、人材紹介事業において、コンサルタントの採用強化ならびに早期戦力化のための教育支援や一人当たりの生産性を高める取り組みを行ったものの、増員したコンサルタントの売上貢献のタイミングが当初想定していた第3四半期ではなく第4四半期にずれこんだことにより売上高901,507千円(前年同期比2.1%減)、採用支援事業において、HR-Technologyを活用した高付加価値サービスの領域へ事業構造の大幅な転換を行ったものの、当連結会計年度末までに転換が完了しきれなかったことにより売上高1,160,130千円(前年同期比2.4%減)とそれぞれ減収となったことによるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は2,740,625千円(前年同期比0.4%減)となり、前連結会計年度と比べて11,966千円減少いたしました。売上総利益率は69.1%(前連結会計年度68.8%)となりました。これは主に、メディア&ソリューション事業や人材紹介事業において、外注や募集広告等の原価が増加したものの、採用支援事業において、HR-Technologyを活用した高付加価値サービスの領域へ事業構造の大幅な転換により原価が全般的に減少したことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、643,807千円(前年同期比26.9%減)となり、前連結会計年度と比べて237,274千円減少いたしました。営業利益率は16.2%(前連結会計年度22.0%)となりました。これは主に、持続的かつ中長期的成長のために戦略投資費用を投下したために販売費及び一般管理費が増加したことによるものです。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、645,520千円(前年同期比26.8%減)となり、前連結会計年度と比べて236,595千円減少いたしました。経常利益率は16.3%(前連結会計年度22.1%)となりました。これは主に、営業利益の減少によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、430,603千円(前年同期比26.2%減)となり、前連結会計年度と比べて152,931千円減少いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益率は10.8%(前連結会計年度14.6%)となりました。これは主に、経常利益の減少に加えて、当連結会計年度では固定資産除却損が少額であったこと、減損損失を計上したこと、課税所得の減少により法人税、住民税及び事業税が減少したことによるものです。
(収益性の分析)
当社グループでは、「目標とする経営指標」について利益目標(営業利益、経常利益、当期純利益)に加えて、株主資本の有効活用及び資産の効率的な活用を測る指標としてROE(自己資本当期純利益率)を重視しております。
ROE(自己資本当期純利益率)を指標として重視する意図は、当該指標が株主の持分に対する投資収益率を表し経営者が株主に対して果たすべき責務を表した指標と見ることができること、また、株主に帰属する配当可能利益の源泉となるものであり配当能力を測定する指標として使われること、これらのことから株式の投資尺度としても重要であると認識するからであります。
当連結会計年度のROE(自己資本当期純利益率)は、親会社株主に帰属する当期純利益の減少に伴い、16.5%(前連結会計年度24.9%、前年同期比8.4ポイント減)となりました。
なお、ROE(自己資本当期純利益率)は下記の計算式により算出しております。
| ROE(自己資本当期純利益率) = | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
| (期首自己資本 + 期末自己資本) ÷ 2 |
(6)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資本の財源
当社グループの主たる財源は営業キャッシュ・フローであり、当連結会計年度は432,339千円の資金を得ました。運転資金及び設備投資資金については、全額自己資金でまかなっており外部からの調達は行っておりません。
② 資金の流動性についての分析
当連結会計年度末現在、流動比率等の指標は下記のとおりであります。
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| 流動比率(%) | 463.6 | 537.9 |
| 固定比率(%) | 11.3 | 14.1 |
| 売上債権回転日数(日) | 43.6 | 44.4 |
流動比率 :流動資産/流動負債
固定比率 :固定資産/株主資本
売上債権回転日数:(売上債権/売上高)×365日
(注)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。