有価証券報告書-第31期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
① 全般的事業の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い停滞しましたが、ワクチン開発や米国の追加経済対策等への期待感による世界経済の好転に連動して輸出・生産が回復傾向へ転じ、自動車に続き鉄鋼、非鉄金属、電気機械等の分野でも改善基調となり、製造業では6四半期ぶりに景況感(業況判断指数:DI)がプラス圏の水準へ回復しております。しかしながら、緊急事態宣言の再発令による宿泊・飲食サービスや娯楽業等の分野の悪化に伴い、非製造業の景況感の改善は小幅に留まりました。また、変異種を含む感染の再拡大は尚も顕在化しており、引き続き経済の下振れリスクが大きい、先行きの極めて不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの事業領域である人材ビジネス市場の状況は、2021年2月の完全失業率(季節調整値)は2.9%(前年同月2.4%、前月2.9%)、有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍(前年同月1.45倍、前月1.10倍)、新規求人倍率(季節調整値)は1.88倍(前年同月2.22倍、前月2.03倍)の国内雇用状況であり、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う経済活動の停滞の影響を受けて大幅に下降しましたが、昨秋に底打ちし、1月度の緊急事態宣言の再発令に伴う若干の落ち込みはありますが、緩やかな上昇傾向にあります。
このような環境の下でも、求人企業と求職者に最適なマッチング機会を提供する人材ビジネスの社会的意義は引き続き極めて高いものと認識しております。当社グループは、「WORKS for your dreams!(楽しく活き活きと働き、夢を実現できる社会を)」というビジョンの下、「人と企業の可能性を具現化し、幸せを追求する。」という新たなるミッションを掲げて事業を運営してまいりました。
なお、当連結会計年度においても、「持続的成長のための構造改革」に継続して取り組むと共に、コロナ禍の収束後の事業環境の変化に合わせた事業体質の強化を鑑み、「事業構造改革」に取り組んでおります。
主力事業であるメディア&ソリューション事業におきましては、当社内での各種検討に際しての状況認識から大きな乖離は無く、短期的には主要顧客群である自動車産業を中心とした製造業のコロナ禍の停滞からの改善基調を受けて回復傾向にあるものの、過年度からの自動車産業を中心とした製造業の経済的な落ち込み、及び新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う経済活動の停滞の影響を受け、減収減益となりました。
人材紹介事業におきましては、当社内での各種検討に際しての状況認識から大きな乖離は無く、また当社グループの他の事業に比して新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う経済活動の停滞による影響は比較的軽微ではあったものの、労働市場の停滞と採用活動の延期等の反転が緩やかに進んだ事を受け、減収減益となりました。
採用支援事業におきましては、当社内での各種検討に際しての状況認識よりも悪化し、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、新卒採用市場におけるイベントの開催自粛、オンライン化の進展、顧客の採用活動予算の圧縮などの事業環境の変化が顕在化しております。これに対し、採用活動のオンライン化に伴う新しいニーズへの営業活動を推進し、また適宜適切な費用投下による経費節減を図ってまいりましたが、主要顧客の大型プロジェクトの終了等による減収を補うには至らず、減収減益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,766,493千円(前年同期比 43.9%減)、営業損失360,603千円(前年同期は、営業利益124,394千円)、経常損失307,932千円(前年同期は、経常利益122,088千円)、親会社株主に帰属する当期純損失334,115千円(前年同期は、親会社株主に帰属する当期純利益45,854千円)となりました。
② 事業部門の営業概況
(イ)メディア&ソリューション事業
主力事業であるメディア&ソリューション事業におきましては、当社内での各種検討に際しての状況認識から大きな乖離は無く、短期的には主要顧客群である自動車産業を中心とした製造業のコロナ禍の停滞からの改善基調を受けて回復傾向にあるものの、過年度からの自動車産業を中心とした製造業の経済的な落ち込み、及び新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う経済活動の停滞の影響を受け、これを反映する結果となりました。これに伴い、主力サービスである「工場WORKS」における期中の引き合いが大幅に減少しました。
これに対し、中長期的な事業の効率化やサービスのセキュリティー強化を目的とした新基盤(システムプラットフォーム)への開発投資等の戦略的投資は継続しつつも、適宜適切な費用投下による経費節減を図ってまいりましたが、それを補うには至りませんでした。
なお、顧客へ向けてのサービスプランの展開により取引顧客数を増加させており、経済活動の回復の局面における受注の回復及び拡大を継続的に図っております。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の業績は、売上高769,351千円(前年同期比45.2%減)、セグメント損失256,669千円(前年同期は、セグメント利益64,663千円)となりました。
なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております(以下同様)。
(ロ)人材紹介事業
人材紹介事業におきましては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、有効求人倍率の下落等に現れた労働市場の停滞、及び採用活動の延期等の長期化により、成約に至る求職者の最終面談や入社日が遅延する傾向が顕著となりましたが、反転が緩やかに進んでおります。
これに対し、適宜適切な費用投下による経費節減を図ってまいりましたが、これらの影響を補うには至りませんでした。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の業績は、売上高599,425千円(前年同期比35.5%減)、セグメント損失362千円(前年同期は、セグメント利益75,077千円)となりました。
(ハ)採用支援事業
採用支援事業におきましては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、新卒採用市場におけるイベントの開催自粛、オンライン化の進展、顧客の採用活動予算の圧縮などの事業環境の変化が顕在化し、引き合いが大幅に減少しました。
これに対し、採用活動のオンライン化に伴う新しいニーズへの営業活動を推進し、また適宜適切な費用投下による経費節減を図ってまいりましたが、主要顧客の大型プロジェクトの終了等による減収を補うには至りませんでした。
尚、コロナ禍の収束後の事業環境の変化に合わせた事業体質の強化を鑑み、「事業構造改革」に取り組んでおります。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の業績は、売上高397,716千円(前年同期比51.2%減)、セグメント損失103,725千円(前年同期は、セグメント損失15,380千円)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて671,334千円減少し、2,099,869千円となりました。(前年同期比24.2%減)これは主として、配当金の支払、法人税等の納付、経営成績を反映した結果、現金及び預金が471,621千円減少、持続的成長投資に伴う開発と事業構造改革に伴う除却等が相殺され無形固定資産が97,454千円増加、保有株式銘柄の売却、積立保険の解約や税効果を反映して投資その他の資産が160,905千円減少したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度に比べて73,388千円減少し、177,378千円(前年同期比29.3%減)となりました。これは主として、支払や経営成績を反映した結果、買掛金が37,618千円減少、その他流動負債が29,878千円減少したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて597,946千円減少し、1,922,490千円(前年同期比23.7%減)となりました。これは主として、譲渡制限付株式報酬(RS)の割当に伴う自己株式の処分により資本剰余金が22,338千円増加、配当金の支払と経営成績を反映して利益剰余金が625,708千円減少したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて471,621千円減少し、1,121,363千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は220,393千円(前年同期は、得られた資金18,278千円)となりました。主な増加要因は、売上債権の減少45,589千円、法人税等の還付額57,564千円によるものです。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失361,664千円、仕入債務の減少37,618千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、得られた資金は37,962千円(前年同期は、使用した資金200,779千円)となりました。主な増加要因は、保険積立金の払戻による収入101,717千円、投資有価証券売却による収入147,194千円によるものです。主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出199,399千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は289,190千円(前年同期比1,505千円の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払額289,189千円によるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指数の推移
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 自己資本比率 | 84.6% | 91.0% | 91.6% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 212.7% | 135.0% | 189.4% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | - | - | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | - | - | - |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、有利子負債が存在しないため記載しておりません。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況」の「注記事項」(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(5)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループは、生産に該当する事項がないため、記載する事項はありません。
② 受注実績
当社グループは、提供するサービスの関係上、受注実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比 (%) |
| メディア&ソリューション事業(千円) | 769,351 | △45.2 |
| 人材紹介事業(千円) | 599,425 | △35.5 |
| 採用支援事業(千円) | 397,716 | △51.2 |
| 合計(千円) | 1,766,493 | △43.9 |
(注)1.金額は、外部顧客への売上高を示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(6)経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。具体的には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前年同期に比べて1,381,183千円減少し、1,766,493千円(前年同期比43.9%減)となりました。
主力事業であるメディア&ソリューション事業におきましては、短期的には主要顧客群である自動車産業を中心とした製造業のコロナ禍の停滞からの改善基調を受けて回復傾向にあるものの、過年度からの自動車産業を中心とした製造業の経済的な落ち込み、及び新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う経済活動の停滞の影響を受け、これを反映する結果となりました。特に、製造業界に特化した求人メディアである「工場WORKS」の最大の顧客群である製造系の派遣会社は、自動車産業を主な顧客としており、需要動向や顧客(メーカー)の生産抑制に比例して採用を抑制する傾向が顕著である事から、これに伴い「工場WORKS」の期中の受注も大幅に減少し、売上高769,351千円(前年同期比45.2%減)と減収になりました。
人材紹介事業におきましては、緩やかに状況の反転が進みつつあるも、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う有効求人倍率の下落等に現れた労働市場の停滞、及び採用活動の延期等の長期化により、成約に至る求職者の最終面談や入社日が遅延する傾向が顕著となった影響を受け、売上高599,425千円(前年同期比35.5%減)と減収になりました。
採用支援事業におきましては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、新卒採用市場におけるイベントの開催自粛、オンライン化の進展、顧客の採用活動予算の圧縮などの事業環境の変化が顕在化し、引き合いが大幅に減少しました。これに対し、採用活動のオンライン化に伴う新しいニーズへの営業活動を推進いたしましたが、主要顧客の大型プロジェクトの終了等による減収を補うには至らず、売上高397,716千円(前年同期比51.2%減)と減収になりました。
なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、前年同期に比べて981,631千円減少し、1,114,088千円(前年同期比46.8%減)となりました。売上総利益率は63.1%(前年同期66.6%)となりました。これは主に、売上高の減少を受けて適宜適切な費用投下による原価抑制を図りましたが、労務費等の固定的な原価の存在により、原価が前年同期に比べて399,551千円減少の652,404千円(前年同期比38.0%減)と、売上高の減少に比べて抑制できた割合が小さかった事によるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前年同期に比べて484,998千円減少し、営業損失360,603千円(前年同期は、営業利益124,394千円)となりました。営業利益率は営業損失である事から記載しておりません(前年同期は、営業利益率4.0%)。これは主に、売上総利益が減少した事によるものです。原価とは異なり、販売費及び一般管理費は売上高の減少に伴う抑制が難しいですが、持続的成長のための戦略投資を引き続き行いつつも、適宜適切な費用管理を行う事により、前年度に比べて496,633千円減少の1,474,692千円(前年同期比25.2%減)と経費抑制を果たしております。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前年同期に比べて430,021千円減少し、経常損失307,932千円(前年同期は、経常利益122,088千円)となりました。経常利益率は経常損失である事から記載しておりません(前年同期は、経常利益率3.9%)。これは主に、営業損失となった事によるものであり、営業外収支での利益反映は主に助成金収入によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期と比べて379,970千円減少し、親会社株主に帰属する当期純損失334,115千円(前年同期は、親会社株主に帰属する当期純利益45,854千円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は親会社株主に帰属する当期純損失である事から記載しておりません(前年同期は、親会社株主に帰属する当期純利益率1.5%)。これは主に、経常損失となった事によるものです。なお、特別利益49,180千円の主なものは保有株式銘柄の売却に伴う投資有価証券売却益であり、特別損失102,911千円の主なものは事業の一部売却に伴う事業譲渡損及び減損損失、並びに子会社における事業構造改善費用、固定資産除却損、及び減損損失です。
(収益性の分析)
当社グループでは、「目標とする経営指標」について利益目標(営業利益、経常利益、当期純利益)に加えて、株主資本の有効活用及び資産の効率的な活用を測る指標としてROE(自己資本当期純利益率)を重視しております。
ROE(自己資本当期純利益率)を指標として重視する意図は、当該指標が株主の持分に対する投資収益率を表し経営者が株主に対して果たすべき責務を表した指標と見ることができること、また、株主に帰属する配当可能利益の源泉となるものであり配当能力を測定する指標として使われること、これらのことから株式の投資尺度としても重要であると認識するからであります。
当連結会計年度のROE(自己資本当期純利益率)は、親会社株主に帰属する当期純損失となった事に伴い、△15.0%(前連結会計年度1.7%、前年同期比16.7ポイント減)となりました。
なお、ROE(自己資本当期純利益率)は下記の計算式により算出しております。
| ROE(自己資本当期純利益率) = | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
| (期首自己資本 + 期末自己資本) ÷ 2 |
(7)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資本の財源
当社グループの主たる財源は営業キャッシュ・フローです。当連結会計年度は220,393千円の資金の使用となりましたが、運転資金及び設備投資資金については、全額自己資金でまかなっており外部からの調達は行っておりません。
尚、不測の事態に備えるため、主要な取引のある金融機関との間で当社事業規模を鑑みた当座貸越契約による借入枠を設定しております。
② 資金の流動性についての分析
当連結会計年度末現在、流動比率等の指標は下記のとおりであります。
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 流動比率(%) | 848.5 | 869.7 |
| 固定比率(%) | 27.3 | 32.1 |
| 売上債権回転日数(日) | 37.1 | 56.6 |
流動比率 :流動資産/流動負債
固定比率 :固定資産/株主資本
売上債権回転日数:(売上債権/売上高)×365日
(注) いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。