有価証券報告書-第29期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
① 全般的事業の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産面に海外経済の減速の影響が見られるものの、底堅い国内自動車販売や災害復興及びオリンピックに関連する建設等の内需に支えられながら、景気は減速しつつも緩やかな回復基調を維持しています。しかしながら、世界的なIT需要の低迷や中国経済の減速により、景況感は更に悪化しています。景気後退の分岐点の到達までにはまだ幅があるとされながらも、海外経済動向や消費税率引き上げの影響次第では、景気後退への動きが強まる可能性が懸念される、先行きの不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの事業領域である人材ビジネス市場の状況は、平成31年3月の完全失業率(季節調整値)は2.5%(前年同月2.5%、前月2.3%)、有効求人倍率(季節調整値)は1.63倍(前年同月1.59倍、前月1.63倍)、新規求人倍率(季節調整値)は2.42倍(前年同月2.41倍、前月2.50倍)の国内雇用状況であり、労働市場の逼迫の状況が継続しております。
このような環境の中、求人企業と求職者に最適のマッチング機会を提供する人材ビジネスの社会的期待は継続して高いものと認識しております。当社グループは「WORKS for your dreams!(楽しく活き活きと働き、夢を実現できる社会を)」のスローガンの下で、「“一人でも多くの求職者に仕事を提供すること”、“一社でも多くの企業に良い求職者を紹介すること”を常に意識し、“人と組織の強い繋がりの輪”を広げること」を基本方針として、事業を展開してまいりました。
なお、当連結会計年度においても、昨年度より取り組んでいる「持続的成長のための構造改革」に継続して取り組んでおります。
主力事業であるメディア&ソリューション事業におきましては、「工場WORKS」が事業全体の業績を引き続き牽引しており、持続的な成長の戦略に沿って、「工場WORKS」への経営資源の集中を継続し、サービス拡充のための成長投資を行った結果、増収減益となりました。
また、人材紹介事業におきましては、持続的な成長の戦略に沿って増員してきたコンサルタントが順調に成長しており、KPIマネジメントの徹底による生産性向上と相まって、増収増益となりました。
他方、採用支援事業におきましては、採用アウトソーシングからHR-Technologyへの事業構造改革の推進に最注力してまいりました。しかしながら、新卒採用需要の早期縮小に対応するインターンへの対応遅れ、及びHR-Technologyサービスへの顧客啓蒙から受注への転換が想定よりも遅れたことにより繁忙期の受注獲得に至らず、計画通りに売上を伸ばすことができませんでした。
また、HR-Technologyサービスが新しいサービス業態であることから、従来型の契約内容を見直したこと等により、結果として、当期に計上予定であったHR-Technologyサービスの売上の一部が翌期に計上されることとなり、従来型の採用アウトソーシングのリストラクチャリングを実施したことと相まって、減収減益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,969,607千円(前年同期比0.0%増)、営業利益は526,898千円(前年同期比18.2%減)、経常利益は533,246千円(前年同期比17.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は339,624千円(前年同期比21.1%減)となりました。
② 事業部門の営業概況
(イ)メディア&ソリューション事業
メディア&ソリューション事業におきましては、製造業界に特化した求人メディアである「工場WORKS」が事業全体の業績を牽引しており、引き続き経営資源の集中を図っております。主力である「工場WORKS」におきましては、前年同期比7.7%増と堅調な増収を果たしており、応募数も戦略投資の効果により売上高の成長率以上に伸長しております。これに伴い事業としても増収を果たしております。
なお、持続的成長のための戦略投資を引き続き行っており、潜在的求職者層へのアプローチを行う「工場タイムズ」(コンテンツメディア)、プロドライバー向けのメディアである「ドライバータイムズ」への継続投資及び新基盤(システムプラットフォーム)への開発投資等を行い、システム強化に伴いエンジニア数を前年度よりも増やしております。
なお、継続投資を続けてまいりました「ドライバータイムズ」において、ドライバー系求人に特化した専門求人サイト「ドライバーワークス」を開設し、平成31年4月よりサービスインしております。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,949,732千円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益466,134千円(前年同期比5.8%減)となりました。
なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております(以下同様)。
(ロ)人材紹介事業
人材紹介事業におきましては、持続的成長のための戦略投資に基づき増員したコンサルタントが順調に成長を果たし、生産性向上によって成約単価を伸長しつつ成約件数を増やすことにより増収増益を果たしております。
継続してまいりましたコンサルタントの増員と早期戦力化、KPIマネジメントとスモールチーム戦略の徹底に加えて、業務の仕組化による分業体制を構築することで増収増益基調を継続していきます。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,081,083千円(前年同期比19.9%増)、セグメント利益129,189千円(前年同期比28.3%増)となりました。
(ハ)採用支援事業
採用支援事業におきましては、引き続き事業構造改革を更にドライブを掛けて推し進め、従来型の採用アウトソーシングの売上高を減らし、HR-Technologyサービスの受注に最注力を図っています。HR-Technology型アウトソーサーへの事業構造改革がよりいっそう進展しております。
しかしながら、新卒採用需要の早期縮小に対応するインターンへの対応遅れ、及びHR-Technologyサービスへの顧客啓蒙から受注への転換が想定よりも遅れたことにより繁忙期の受注獲得に至らず、計画通りに売上を伸ばすことができませんでした。
また、HR-Technologyサービスが新しいサービス業態であることから、従来型の契約内容を見直したこと等により、結果として、当期に計上予定であったHR-Technologyサービスの売上の一部が翌期に計上されることとなり、従来型の採用アウトソーシングのリストラクチャリングを実施したことと相まって、当連結会計年度は減収減益となりました。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の業績は、売上高938,791千円(前年同期比19.1%減)、セグメント損失68,367千円(前年同期はセグメント利益48,099千円)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて18,386千円増加し、3,254,460千円となりました。これは主として、配当金の支払、法人税等の納付、設備投資等の支払及び投資有価証券の取得等の結果、現金及び預金が250,285千円減少、持続的成長投資等に伴い流動資産のその他が87,672千円増加、無形固定資産のソフトウェアが59,991千円増加、企業価値向上を目的とした投資有価証券の取得に伴い投資有価証券が100,014千円増加したことによるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日 企業会計基準委員会)等の適用により、当連結会計年度の期首に繰延税金資産を表示する区分の変更を行っており、この変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替を行っております。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、流動資産に表示しておりました繰延税金資産21,372千円は、投資その他の資産の繰延税金資産として組み替えております。
前述の(資産の部)の分析結果については、当該表示の組替後の連結財務諸表を用いております。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて32,873千円減少し、502,033千円となりました。これは主として、支払等に伴い未払金が45,441千円減少、経営成績を反映して未払法人税等が54,129千円増加、連結子会社の人事制度の変更に伴い賞与引当金が18,000千円減少したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて51,260千円増加し、2,752,426千円となりました。これは主として、配当金の支払と親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が49,260千円増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて240,273千円減少し、2,066,182千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は300,923千円(前年同期比131,415千円の減少)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益525,608千円によるものです。主な減少要因は、法人税等の支払額146,346千円、持続的成長のための戦略投資等に伴う営業キャッシュ・フローその他の減少額99,274千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は252,795千円(前年同期比64,578千円の増加)となりました。主な要因は、持続的成長のための戦略投資に伴う無形固定資産の取得による支出126,162千円、企業価値向上を目的とした投資有価証券の取得による支出100,014千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は288,401千円(前年同期比30,116千円の増加)となりました。これは主として、配当金の支払額290,401千円によるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指数の推移
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 平成31年3月期 | |
| 自己資本比率 | 80.3% | 83.5% | 84.6% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 340.1% | 309.3% | 212.7% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 0.2% | - | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 7843.2 | - | - |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としてお
ります。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(注5)平成30年3月期及び平成31年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、有利子負債が存在しないため記載しておりません。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループは、生産に該当する事項がないため、記載する事項はありません。
② 受注実績
当社グループは、提供するサービスの関係上、受注実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | 前年同期比 (%) |
| メディア&ソリューション事業(千円) | 1,949,732 | 2.2 |
| 人材紹介事業(千円) | 1,081,083 | 19.9 |
| 採用支援事業(千円) | 938,791 | △19.1 |
| 合計(千円) | 3,969,607 | 0.0 |
(注)1.金額は、外部顧客への売上高を示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。具体的には「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前年同期に比べて概ね横ばいの、3,969,607千円(前年同期比0.0%増)となりました。これは主に、メディア&ソリューション事業において、主力の「工場WORKS」へ継続して経営資源を集中することにより売上高1,949,732千円(前年同期比2.2%増)となり、人材紹介事業において、持続的成長のための戦略投資に基づき増員したコンサルタントの成長及び生産性向上により売上高1,081,083千円(前年同期比19.9%増)となり、各々の事業で増収を果たしました。しかしながら、採用支援事業において、従来型の採用アウトソーシングからHR-Technologyサービスへと受注の注力度合を転じましたが、新卒採用需要の早期縮小に対応するインターンへの対応遅れ、及びHR-Technologyサービスへの顧客啓蒙から受注への転換が想定よりも遅れた事により繁忙期の受注獲得に至らず、計画通りに売上を伸ばすことができませんでした。また、HR-Technologyサービスが新しいサービス業態であることから、従来型の契約内容を見直した事等により、結果として、当期に計上予定であったHR-Technologyサービスの売上の一部が翌期に計上される事なり、従来型の採用アウトソーシングのリストラクチャリングを実施した事と相まって、売上高938,791千円(前年同期比19.1%減)と、事業構造改革の推進の遅れ等に起因しての減収となったことによるものです。
なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、前年同期に比べて26,127千円増加し、2,766,753千円(前年同期比1.0%増)となりました。売上総利益率は69.7%(前年同期69.1%)となりました。これは主に、売上高の伸長に伴い、外注や募集広告等の原価が増加したものの、採用支援事業における従来型の採用アウトソーシングのリストラクチャリングの原価抑制効果等が現出したものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前年同期に比べて116,909千円減少し、526,898千円(前年同期比18.2%減)となりました。営業利益率は13.3%(前年同期16.2%)となりました。これは主に、売上総利益の増加を果たしたものの、メディア&ソリューション事業において持続的成長のための戦略投資費用を投下したこと、紹介事業においてコンサルタント増員に伴い労務費が増加したこと、並びに採用支援事業において事業構造改革に伴う戦略投資費用を投下したことにより、販売費及び一般管理費が増加したことによるものです。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前年同期に比べて112,274千円減少し、533,246千円(前年同期比17.4%減)となりました。経常利益率は13.4%(前年同期16.3%)となりました。これは主に、営業利益が減少したこと及び助成金の収入が発生したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期と比べて90,978千円減少し、339,624千円(前年同期比21.1%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は8.6%(前年同期10.8%)となりました。これは主に、経常利益の減少によるものです。なお、前年同期と比べて減損損失の計上額が減少しております。
(収益性の分析)
当社グループでは、「目標とする経営指標」について利益目標(営業利益、経常利益、当期純利益)に加えて、株主資本の有効活用及び資産の効率的な活用を測る指標としてROE(自己資本当期純利益率)を重視しております。
ROE(自己資本当期純利益率)を指標として重視する意図は、当該指標が株主の持分に対する投資収益率を表し経営者が株主に対して果たすべき責務を表した指標と見ることができること、また、株主に帰属する配当可能利益の源泉となるものであり配当能力を測定する指標として使われること、これらのことから株式の投資尺度としても重要であると認識するからであります。
当連結会計年度のROE(自己資本当期純利益率)は、親会社株主に帰属する当期純利益の減少に伴い、12.5%(前連結会計年度16.5%、前年同期比4.0ポイント減)となりました。
なお、ROE(自己資本当期純利益率)は下記の計算式により算出しております。
| ROE(自己資本当期純利益率) = | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
| (期首自己資本 + 期末自己資本) ÷ 2 |
(6)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資本の財源
当社グループの主たる財源は営業キャッシュ・フローであり、当連結会計年度は300,923千円の資金を得ました。運転資金及び設備投資資金については、全額自己資金でまかなっており外部からの調達は行っておりません。
② 資金の流動性についての分析
当連結会計年度末現在、流動比率等の指標は下記のとおりであります。
| 平成30年3月期 | 平成31年3月期 | |
| 流動比率(%) | 533.9 | 536.9 |
| 固定比率(%) | 14.8 | 21.4 |
| 売上債権回転日数(日) | 44.4 | 43.8 |
流動比率 :流動資産/流動負債
固定比率 :固定資産/株主資本
売上債権回転日数:(売上債権/売上高)×365日
(注) いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、平成30年3月期の流動比率、固定比率についても遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。