有価証券報告書-第11期(2025/03/01-2026/02/28)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における国内経済は、雇用や所得環境の改善が進んだ一方で、それを上回る物価上昇が継続し、コストプッシュ型インフレが消費マインドに大きく影響を及ぼしました。特に食料品やエネルギー価格の上昇が家計を圧迫し消費抑制の傾向が顕著にあらわれております。今後も原材料の高騰や労務費の上昇が続くことに加え、日銀の利上げによる金利上昇の影響、円安の継続、そして米国の通商政策や中東情勢の不透明さなど、景気の先行きが見通せない状況は続くものと考えられます。このため消費者の生活防衛意識は更に強まり、購買行動も大きな変化が生じることが予想されます。このような環境下において、当社は抜本的な変革が必要であると認識しております。特に労働集約型経営からの脱却に向けた生産性の向上と人員適正化の両立は喫緊の経営課題であります。また、首都圏内でも地域特性の多様化が進む中、地域ごとの市場環境を的確に捉え迅速に対応する「地域適応力」が強く求められております。このため、当社グループでは、店舗をエリア特性に応じ、「ダウンタウン(東京23区、横浜市、川崎市)」「アーバン(多摩東部地域、埼玉外環、大宮地域、京葉・東葛地域)」「ルーラル(国道16号沿い及び北側エリア)」の3つの地域に区分し、各地域の特性に即した品揃え・売場構成・サービス・ポイント施策等の最適化を図ることで、お客さまの多様なニーズにお応えしてまいります。
当社グループは、2025年度をスタートとする第4次中期経営計画を策定し、「真の顧客起点を絶対の価値観とし、経営構造の変革に挑み続ける」をスローガンに掲げ、持続的成長と競争優位性の確立に取り組んでおります。本計画の実現に向け、2026年3月1日付で機構改革を実施し、イオングループのネットワークとアセットを最大限に活用しながら、グループ各社の強みを活かす経営体制への転換を推進しております。具体的には、事業会社においては、地域特性や顧客ニーズに即した店舗運営に集中し、個社の持つ強みを最大限に発揮できる体制を以下のように整備してまいります。
①規模を活かした商品仕入集中購買体制・商品企画開発機能の強化
②グループ共通販促・営業施策の統括管理機能の強化
③間接部門の統合による機能強化及び業務効率の向上
④情報・物流の統合によるイオン株式会社との共通基盤の整備及びスピード経営の推進
⑤店舗開発機能の横断的連携によるグループエリア戦略推進体制の整備
当社グループは引き続き、「顧客起点経営」と「グループ適正化による構造改革」を両輪としながら、競争力強化と企業価値の向上を実現してまいります。
また、2026年3月には、当社グループ傘下のマックスバリュ関東株式会社と、株式会社ダイエーの関東事業及びイオンマーケット株式会社を統合し、新会社「株式会社イオンフードスタイル」を設立しました。これにより、当社グループは食品小売で売上高1兆円超、かつ首都圏において圧倒的シェアの獲得を目指し、シナジー効果を最大化するための機能統合やシステム統合等を推進して、スケールメリットを活かした競争優位性を確立し、既存店舗への投資を加速させることで、更なるグループの成長につなげてまいります。
当連結会計年度における当社グループの業績は、既存店の客数増加と統合した株式会社いなげやの業績が寄与し、営業収益は前年同期比118.8%となりました。売上総利益も前年同期比117.4%と堅調でしたが、物価上昇や競争激化の対応のため、加工食品を中心に価格施策、販促施策の強化を継続したことで、売上総利益率は前年同期に対し0.4%低下しました。また労務費・光熱費・物流費の上昇を受け、販売費及び一般管理費は前年同期比117.8%と、売上総利益高の伸長を上回りました。この結果、営業利益は前年同期比84.5%、経常利益は前年同期比80.0%となりました。また、前期に対しては統合等に伴う特別利益が減少したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は前年同期差で3,995百万円の減益となりました。
主要子会社の業績については以下のとおりとなります。
株式会社マルエツは来店客数・客単価ともに前年同期を上回り営業収益は増収となりましたが、価格施策の強化により売上総利益率が低下し、営業利益及び経常利益は前年同期に対して減益となりました。
株式会社カスミは、客数の回復に加え客単価が前年同期を上回り営業収益は増収となりましたが、価格施策等の強化を継続したことにより売上総利益率は前年同期を下回りました。しかし、販管費の抑制により営業利益及び経常利益は増益となりました。
マックスバリュ関東株式会社は、客数増加により営業収益は増収となりましたが、価格施策の強化により売上総利益率が前年同期を下回り、更に販管費も前年同期を上回ったことから、営業赤字及び経常赤字を計上しております。
株式会社いなげやは、来店客数・客単価の伸長により、営業収益は前年同期を上回りました。また売上総利益率も前年同期水準を確保したことから、営業利益及び経常利益は増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、営業収益が9,637億62百万円(前期比18.8%増)、営業利益が50億50百万円(前期比15.5%減)、経常利益が49億11百万円(前期比20.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失が31億85百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益8億10百万円)となりました。
[店舗数]
当連結会計年度において、株式会社マルエツが6店舗、株式会社カスミが2店舗、マックスバリュ関東株式会社が1店舗、株式会社いなげやが3店舗を新設いたしました。一方、経営資源の効率化を図るため株式会社マルエツが4店舗、マックスバリュ関東株式会社が1店舗、株式会社いなげやが2店舗を閉鎖した結果、当社グループの当連結会計年度末の店舗数は665店舗となりました。
[主要子会社]
株式会社マルエツは、一橋学園店を含む6店舗を新規出店し、既存店では3店舗の大型改装を含む合計34店舗において活性化を行いました。商品面において、加工食品・日配食品の中から、需要の高い商品約100品目の販売価格適正化を図るとともに、イオングループのプライベートブランドであるトップバリュ・トップバリュベストプライスの取扱いを拡大し価格競争力の強化を行いました。さらに、前期に開設した草加デリカセンターからグループ各社へ供給を拡大し、当連結会計年度からは株式会社いなげやへの供給も開始いたしました。サービス面では、「WAON POINT」を導入し、マルエツチラシアプリでのクーポン配布などを通じて顧客サービスの拡充を図りました。生産性向上と従業員の働きやすさ向上を図るため、全店に電子棚札を導入いたしました。また、休憩室の改装を推進し、プライバシーに配慮した新しい名札を全店で導入するなど、従業員がより働きやすい環境整備を推進しました。
株式会社カスミは、東京都北区に都内4店舗となる「カスミ赤羽神谷店」を新規出店いたしました。赤羽神谷店では、新フォーマット(新スーパーマーケットモデル)店舗の強みである低価格な日常品の品揃えとローコストオペレーションをベースとしております。商品面では、商圏内構成の高い20代から40代の単身世帯やシニア世帯をターゲットとした商品を付加することで幅広く支持を得ることを目指しております。また、この新フォーマット店舗のノウハウを活かし、生産性向上を支える省力化設備の導入と柔軟な人員配置を推進することで、フードスクエア業態の新たな標準モデル構築に取り組んでおります。新フォーマット店舗としては、千葉県印西市の「原山店」、群馬県桐生市の「桐生相生店」をリニューアルオープンし、9店舗へと拡大しました。これらの取り組みを通じて既存店への同フォーマットの展開を進め、収益改善を図ってまいります。
マックスバリュ関東株式会社は、2026年1月にマックスバリュエクスプレス相模大野店を新規出店いたしました。また、既存店において「農産、水産を中心に生鮮食品の鮮度強化」「市場が伸長している惣菜部門の強化」「商品の絞込みによるお買得品の拡大」の実現に向け、7店舗で店舗活性化を実施いたしました。商品面では、お客さまの生活防衛意識の高まりに対応し、特にお客さまの生活に欠かせない日常品を中心としたNB商品の価格訴求強化と併せて、販促内容の見直しを行うことで、地域のお客さまにより便利に、よりお得にお買物いただけるお店づくりに取り組んでまいりました。
株式会社いなげやは、リニューアルオープンの川崎中野島店(神奈川県川崎市)を含む3店舗を新規出店し、大里江南店(埼玉県熊谷市)など11店舗の活性化を実施しました。商品面では、生鮮3品と惣菜の強化を目的に産地直送比率の拡大や商品開発の体制見直し等を行い、お客さまのニーズを迅速に捉えられるよう取り組みました。また、移動スーパー「とくし丸」を新たに3ルート(綾瀬市・藤沢市・海老名市ルート等)開設し、計33台体制としました。引き続き、地域のお役立ち業の実現に向け、事業を推進してまいります。
[環境・社会貢献]
当社グループは、脱炭素・循環型社会実現に向けて、①エネルギー効率化と再生可能エネルギー転換、②冷媒フロンの自然冷媒化による地球温暖化係数(GWP)低減、③需給管理適正化によるフードロス削減、④顧客との連携によるリサイクル推進等に取り組みました。社会貢献としては、災害復興支援募金、自治体との包括連携協定、移動スーパー運行、フードバンクやフードドライブによる食料支援など、各事業会社にて地域課題解決・信頼関係構築を進めております。これらの取り組みについては2025年7月開示「統合報告書2024」に取りまとめており、今後もマテリアリティに基づき、具体的なロードマップで持続可能な企業価値向上へ取り組んでまいります。
当社グループでは、事業会社ごとに地域社会の課題解決に向けて、地域の特性やニーズに合わせた社会貢献活動、お客さまと共に取り組む食品支援活動や募金活動、あるいは地域行政との包括連携協定、買物困難地域への移動スーパーの運行などの活動を通じて、地域とのつながりの強化に努めております。
今後、グループ全体で地域課題に寄り添った活動に注力してまいります。
[参考情報]
主要連結子会社では、当連結会計年度における株式会社マルエツ単体の営業収益は4,092億53百万円(前年同期比2.0%増)、株式会社カスミ単体の営業収益は2,807億48百万円(前年同期比2.1%増)、マックスバリュ関東株式会社単体の営業収益は454億22百万円(前年同期比1.5%増)、株式会社いなげや単体の営業収益は2,204億59百万円の結果となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
① 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
② 商品仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ33億93百万円減少し、3,792億11百万円となりました。
流動資産は、62億18百万円減少し、1,134億16百万円となりました。これは主に、未収入金19億51百万円、有価証券9億98百万円がそれぞれ増加した一方で、現金及び預金が43億23百万円減少したことによるものです。
固定資産は、28億36百万円増加し、2,657億68百万円となりました。これは主に、有形固定資産6億52百万円、投資その他の資産30億26百万円がそれぞれ増加した一方で、無形固定資産が8億41百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7億36百万円減少し、1,785億40百万円となりました。
流動負債は、33百万円減少し、1,153億99百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が32億96百万円増加した一方で、短期借入金30億円、1年内返済予定の長期借入金48億円がそれぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は、7億2百万円減少し、631億41百万円となりました。これは主に、資産除去債務が6億79百万円増加した一方で、長期借入金6億58百万円、店舗閉鎖損失引当金5億77百万円がそれぞれ減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ26億57百万円減少し、2,006億71百万円となりました。これは主に、退職給付に係る調整累計額が32億72百万円増加した一方で、利益剰余金が63億14百万円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ33億24百万円減少し、324億11百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失3億81百万円、減価償却費190億88百万円、減損損失51億99百万円、法人税等の支払53億70百万円、仕入債務の増加27億2百万円などにより、256億3百万円の収入(前年同期比111億17百万円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出198億41百万円、無形固定資産の取得による支出34億61百万円、短期貸付金の純減額55億4百万円などにより、166億32百万円の支出(前年同期比3億76百万円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減額30億円、長期借入れによる収入84億円、長期借入金の返済による支出138億58百万円、配当金の支払31億28百万円などにより、122億94百万円の支出(前年同期比192億38百万円の支出の増加)となりました。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの資金の源泉は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金となります。
設備投資等の長期資金需要は、自己資金又は金融機関からの長期借入金等により賄い、運転資金等の短期資金需要は、主に自己資金又は短期借入金により賄っております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は324億11百万円、有利子負債の残高は542億28百万円となっております。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、営業活動から生じる損益が継続してマイナスである物件及び環境の著しい悪化がみられる店舗において、資産グループから得られる将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、決算時点で入手可能な情報に基づき判断しておりますが、事業計画や店舗を取り巻く環境の変化等により、前提とした条件や仮定に変更が生じ回収可能価額が減少した場合、減損処理が発生する可能性があります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における国内経済は、雇用や所得環境の改善が進んだ一方で、それを上回る物価上昇が継続し、コストプッシュ型インフレが消費マインドに大きく影響を及ぼしました。特に食料品やエネルギー価格の上昇が家計を圧迫し消費抑制の傾向が顕著にあらわれております。今後も原材料の高騰や労務費の上昇が続くことに加え、日銀の利上げによる金利上昇の影響、円安の継続、そして米国の通商政策や中東情勢の不透明さなど、景気の先行きが見通せない状況は続くものと考えられます。このため消費者の生活防衛意識は更に強まり、購買行動も大きな変化が生じることが予想されます。このような環境下において、当社は抜本的な変革が必要であると認識しております。特に労働集約型経営からの脱却に向けた生産性の向上と人員適正化の両立は喫緊の経営課題であります。また、首都圏内でも地域特性の多様化が進む中、地域ごとの市場環境を的確に捉え迅速に対応する「地域適応力」が強く求められております。このため、当社グループでは、店舗をエリア特性に応じ、「ダウンタウン(東京23区、横浜市、川崎市)」「アーバン(多摩東部地域、埼玉外環、大宮地域、京葉・東葛地域)」「ルーラル(国道16号沿い及び北側エリア)」の3つの地域に区分し、各地域の特性に即した品揃え・売場構成・サービス・ポイント施策等の最適化を図ることで、お客さまの多様なニーズにお応えしてまいります。
当社グループは、2025年度をスタートとする第4次中期経営計画を策定し、「真の顧客起点を絶対の価値観とし、経営構造の変革に挑み続ける」をスローガンに掲げ、持続的成長と競争優位性の確立に取り組んでおります。本計画の実現に向け、2026年3月1日付で機構改革を実施し、イオングループのネットワークとアセットを最大限に活用しながら、グループ各社の強みを活かす経営体制への転換を推進しております。具体的には、事業会社においては、地域特性や顧客ニーズに即した店舗運営に集中し、個社の持つ強みを最大限に発揮できる体制を以下のように整備してまいります。
①規模を活かした商品仕入集中購買体制・商品企画開発機能の強化
②グループ共通販促・営業施策の統括管理機能の強化
③間接部門の統合による機能強化及び業務効率の向上
④情報・物流の統合によるイオン株式会社との共通基盤の整備及びスピード経営の推進
⑤店舗開発機能の横断的連携によるグループエリア戦略推進体制の整備
当社グループは引き続き、「顧客起点経営」と「グループ適正化による構造改革」を両輪としながら、競争力強化と企業価値の向上を実現してまいります。
また、2026年3月には、当社グループ傘下のマックスバリュ関東株式会社と、株式会社ダイエーの関東事業及びイオンマーケット株式会社を統合し、新会社「株式会社イオンフードスタイル」を設立しました。これにより、当社グループは食品小売で売上高1兆円超、かつ首都圏において圧倒的シェアの獲得を目指し、シナジー効果を最大化するための機能統合やシステム統合等を推進して、スケールメリットを活かした競争優位性を確立し、既存店舗への投資を加速させることで、更なるグループの成長につなげてまいります。
当連結会計年度における当社グループの業績は、既存店の客数増加と統合した株式会社いなげやの業績が寄与し、営業収益は前年同期比118.8%となりました。売上総利益も前年同期比117.4%と堅調でしたが、物価上昇や競争激化の対応のため、加工食品を中心に価格施策、販促施策の強化を継続したことで、売上総利益率は前年同期に対し0.4%低下しました。また労務費・光熱費・物流費の上昇を受け、販売費及び一般管理費は前年同期比117.8%と、売上総利益高の伸長を上回りました。この結果、営業利益は前年同期比84.5%、経常利益は前年同期比80.0%となりました。また、前期に対しては統合等に伴う特別利益が減少したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は前年同期差で3,995百万円の減益となりました。
主要子会社の業績については以下のとおりとなります。
株式会社マルエツは来店客数・客単価ともに前年同期を上回り営業収益は増収となりましたが、価格施策の強化により売上総利益率が低下し、営業利益及び経常利益は前年同期に対して減益となりました。
株式会社カスミは、客数の回復に加え客単価が前年同期を上回り営業収益は増収となりましたが、価格施策等の強化を継続したことにより売上総利益率は前年同期を下回りました。しかし、販管費の抑制により営業利益及び経常利益は増益となりました。
マックスバリュ関東株式会社は、客数増加により営業収益は増収となりましたが、価格施策の強化により売上総利益率が前年同期を下回り、更に販管費も前年同期を上回ったことから、営業赤字及び経常赤字を計上しております。
株式会社いなげやは、来店客数・客単価の伸長により、営業収益は前年同期を上回りました。また売上総利益率も前年同期水準を確保したことから、営業利益及び経常利益は増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、営業収益が9,637億62百万円(前期比18.8%増)、営業利益が50億50百万円(前期比15.5%減)、経常利益が49億11百万円(前期比20.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失が31億85百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益8億10百万円)となりました。
[店舗数]
当連結会計年度において、株式会社マルエツが6店舗、株式会社カスミが2店舗、マックスバリュ関東株式会社が1店舗、株式会社いなげやが3店舗を新設いたしました。一方、経営資源の効率化を図るため株式会社マルエツが4店舗、マックスバリュ関東株式会社が1店舗、株式会社いなげやが2店舗を閉鎖した結果、当社グループの当連結会計年度末の店舗数は665店舗となりました。
[主要子会社]
株式会社マルエツは、一橋学園店を含む6店舗を新規出店し、既存店では3店舗の大型改装を含む合計34店舗において活性化を行いました。商品面において、加工食品・日配食品の中から、需要の高い商品約100品目の販売価格適正化を図るとともに、イオングループのプライベートブランドであるトップバリュ・トップバリュベストプライスの取扱いを拡大し価格競争力の強化を行いました。さらに、前期に開設した草加デリカセンターからグループ各社へ供給を拡大し、当連結会計年度からは株式会社いなげやへの供給も開始いたしました。サービス面では、「WAON POINT」を導入し、マルエツチラシアプリでのクーポン配布などを通じて顧客サービスの拡充を図りました。生産性向上と従業員の働きやすさ向上を図るため、全店に電子棚札を導入いたしました。また、休憩室の改装を推進し、プライバシーに配慮した新しい名札を全店で導入するなど、従業員がより働きやすい環境整備を推進しました。
株式会社カスミは、東京都北区に都内4店舗となる「カスミ赤羽神谷店」を新規出店いたしました。赤羽神谷店では、新フォーマット(新スーパーマーケットモデル)店舗の強みである低価格な日常品の品揃えとローコストオペレーションをベースとしております。商品面では、商圏内構成の高い20代から40代の単身世帯やシニア世帯をターゲットとした商品を付加することで幅広く支持を得ることを目指しております。また、この新フォーマット店舗のノウハウを活かし、生産性向上を支える省力化設備の導入と柔軟な人員配置を推進することで、フードスクエア業態の新たな標準モデル構築に取り組んでおります。新フォーマット店舗としては、千葉県印西市の「原山店」、群馬県桐生市の「桐生相生店」をリニューアルオープンし、9店舗へと拡大しました。これらの取り組みを通じて既存店への同フォーマットの展開を進め、収益改善を図ってまいります。
マックスバリュ関東株式会社は、2026年1月にマックスバリュエクスプレス相模大野店を新規出店いたしました。また、既存店において「農産、水産を中心に生鮮食品の鮮度強化」「市場が伸長している惣菜部門の強化」「商品の絞込みによるお買得品の拡大」の実現に向け、7店舗で店舗活性化を実施いたしました。商品面では、お客さまの生活防衛意識の高まりに対応し、特にお客さまの生活に欠かせない日常品を中心としたNB商品の価格訴求強化と併せて、販促内容の見直しを行うことで、地域のお客さまにより便利に、よりお得にお買物いただけるお店づくりに取り組んでまいりました。
株式会社いなげやは、リニューアルオープンの川崎中野島店(神奈川県川崎市)を含む3店舗を新規出店し、大里江南店(埼玉県熊谷市)など11店舗の活性化を実施しました。商品面では、生鮮3品と惣菜の強化を目的に産地直送比率の拡大や商品開発の体制見直し等を行い、お客さまのニーズを迅速に捉えられるよう取り組みました。また、移動スーパー「とくし丸」を新たに3ルート(綾瀬市・藤沢市・海老名市ルート等)開設し、計33台体制としました。引き続き、地域のお役立ち業の実現に向け、事業を推進してまいります。
[環境・社会貢献]
当社グループは、脱炭素・循環型社会実現に向けて、①エネルギー効率化と再生可能エネルギー転換、②冷媒フロンの自然冷媒化による地球温暖化係数(GWP)低減、③需給管理適正化によるフードロス削減、④顧客との連携によるリサイクル推進等に取り組みました。社会貢献としては、災害復興支援募金、自治体との包括連携協定、移動スーパー運行、フードバンクやフードドライブによる食料支援など、各事業会社にて地域課題解決・信頼関係構築を進めております。これらの取り組みについては2025年7月開示「統合報告書2024」に取りまとめており、今後もマテリアリティに基づき、具体的なロードマップで持続可能な企業価値向上へ取り組んでまいります。
当社グループでは、事業会社ごとに地域社会の課題解決に向けて、地域の特性やニーズに合わせた社会貢献活動、お客さまと共に取り組む食品支援活動や募金活動、あるいは地域行政との包括連携協定、買物困難地域への移動スーパーの運行などの活動を通じて、地域とのつながりの強化に努めております。
今後、グループ全体で地域課題に寄り添った活動に注力してまいります。
[参考情報]
主要連結子会社では、当連結会計年度における株式会社マルエツ単体の営業収益は4,092億53百万円(前年同期比2.0%増)、株式会社カスミ単体の営業収益は2,807億48百万円(前年同期比2.1%増)、マックスバリュ関東株式会社単体の営業収益は454億22百万円(前年同期比1.5%増)、株式会社いなげや単体の営業収益は2,204億59百万円の結果となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
① 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| スーパーマーケット事業 | 943,528 | 118.9 |
| その他の事業 | 896 | 190.2 |
| 合計 | 944,425 | 118.9 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
② 商品仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前期比(%) |
| スーパーマーケット事業 | 673,869 | 119.1 |
| その他の事業 | 871 | 145.2 |
| 合計 | 674,741 | 119.1 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ33億93百万円減少し、3,792億11百万円となりました。
流動資産は、62億18百万円減少し、1,134億16百万円となりました。これは主に、未収入金19億51百万円、有価証券9億98百万円がそれぞれ増加した一方で、現金及び預金が43億23百万円減少したことによるものです。
固定資産は、28億36百万円増加し、2,657億68百万円となりました。これは主に、有形固定資産6億52百万円、投資その他の資産30億26百万円がそれぞれ増加した一方で、無形固定資産が8億41百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7億36百万円減少し、1,785億40百万円となりました。
流動負債は、33百万円減少し、1,153億99百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が32億96百万円増加した一方で、短期借入金30億円、1年内返済予定の長期借入金48億円がそれぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は、7億2百万円減少し、631億41百万円となりました。これは主に、資産除去債務が6億79百万円増加した一方で、長期借入金6億58百万円、店舗閉鎖損失引当金5億77百万円がそれぞれ減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ26億57百万円減少し、2,006億71百万円となりました。これは主に、退職給付に係る調整累計額が32億72百万円増加した一方で、利益剰余金が63億14百万円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ33億24百万円減少し、324億11百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失3億81百万円、減価償却費190億88百万円、減損損失51億99百万円、法人税等の支払53億70百万円、仕入債務の増加27億2百万円などにより、256億3百万円の収入(前年同期比111億17百万円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出198億41百万円、無形固定資産の取得による支出34億61百万円、短期貸付金の純減額55億4百万円などにより、166億32百万円の支出(前年同期比3億76百万円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減額30億円、長期借入れによる収入84億円、長期借入金の返済による支出138億58百万円、配当金の支払31億28百万円などにより、122億94百万円の支出(前年同期比192億38百万円の支出の増加)となりました。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの資金の源泉は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金となります。
設備投資等の長期資金需要は、自己資金又は金融機関からの長期借入金等により賄い、運転資金等の短期資金需要は、主に自己資金又は短期借入金により賄っております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は324億11百万円、有利子負債の残高は542億28百万円となっております。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、営業活動から生じる損益が継続してマイナスである物件及び環境の著しい悪化がみられる店舗において、資産グループから得られる将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、決算時点で入手可能な情報に基づき判断しておりますが、事業計画や店舗を取り巻く環境の変化等により、前提とした条件や仮定に変更が生じ回収可能価額が減少した場合、減損処理が発生する可能性があります。