四半期報告書-第74期第1四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/13 15:57
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため各種活動自粛が長期化するなか、国内外の経済活動が停滞し、企業収益の減少や個人消費が急激に落ち込むなど、極めて厳しい状況で推移いたしました。
このような情勢のなか当社グループでは、「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」を標榜し事業を展開しております。当社グループは、これまでに培った基盤を活かした持続的成長モデルへの移行を図るべく、安定収益の確保に加え、新領域創造に積極投資を行い、高収益事業創造に取り組んでおります。
当第1四半期連結累計期間におきましては、売上高は676,675千円(前年同四半期比62.7%減)、営業損失は195,681千円(前年同四半期は7,843千円の損失)、経常損失は194,381千円(前年同四半期は4,570千円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は141,204千円(前年同四半期は13,863千円の損失)となりました。
なお、2020年3月31日付けで移動体情報通信機器の販売代理店事業を譲渡したことにより、一時的に業績は前期実績を下回りますが、選択と集中を行い、当社グループ全体としての最適生産体制を築くと同時に、成長が見込まれる事業領域の強化や新しい軸となり得る新規事業の創出に取り組んでまいります。
また、当連結会計年度の通期業績予想は下期に比重の高い計画としており、新領域への人材投資及びシステム投資等が損益に影響いたしましたが、事業計画を着実に遂行することで適正な利益を確保し、経営基盤の強化に努めております。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりです。なお、事業の選択と集中を図るため、2020年3月31日付けで移動体情報通信機器の販売代理店事業を譲渡し、戦略的に重点指向するクラウドソリューション事業の拡大を推進することに伴い、グループ事業の構成比が変化していることを踏まえ、当第1四半期連結会計期間よりセグメントの区分を変更しております。このため、前第1四半期連結累計期間との比較については、セグメント区分の変更後の数値に組み替えて比較を行っております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」の「当第1四半期連結累計期間 4.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。
⦅デジタルガバメントセグメント⦆
デジタルガバメントセグメントにおきましては、まず「新しい公」へと続く電子行政の実現に向けて、オープンガバメント(注1)における透明性を推進する自治体の情報発信クラウドソリューションである、“Smart L-Gov”(注2)の提供や、住民ID基盤を軸とした「参加・連携」を促すクラウドプラットフォームである“GaaS”(注3)を、デジタルガバメント(注4)の基盤として提供しております。
当第1四半期連結累計期間においてデジタルガバメントでは、新規案件の獲得及び既存顧客の深耕に注力し、継続的な原価低減活動等に取り組みました。自治体及び公的機関を納入先とする入札案件においては、新型コロナウイルス感染症による調達見送りや納品遅延等の影響を受けましたが、当第1四半期連結累計期間においては、経済活動の再開に向けた政府の取組みが進められており、経営環境は回復基調に転じております。
以上の結果、セグメント売上高は279,657千円(前年同四半期比21.5%減)、セグメント損失は36,307千円(前年同四半期は16,847千円の損失)となりました。
⦅モビリティ・サービスセグメント⦆
モビリティ・サービスセグメントは、祖業である自動車電装に端を発し、100年に一度という自動車産業の大変革期において、自動車に装着する安全支援機器や情報デバイスの販売である、カーソリューションから、コネクティッドカー(注5)サービスである“CiEMSシリーズ”(注6)やクルマのデータ利活用を推進するプラットフォーム、ソフトウエア、さらにカーシェアリングなどクルマのサービス化を支援するプラットフォーム“Kuruma Base”(注7)の提供へと、多様なモビリティIoTを事業とするモビリティ・サービスを推進してまいりました。
当第1四半期連結累計期間においてモビリティ・サービスでは、新型コロナウイルス感染症による営業活動自粛により安全運転支援機器を取扱うカーソリューション分野で売上は伸び悩み、テレマティクスサービス(注8)をはじめとするIoT分野においても、企業活動における車での移動の減少等の活動自粛の影響を受け、新規受注が低調となり、当初想定より売上高が減少いたしました。
現在は、感染症対策を行った上での対面による商談等が開始され、商談件数については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の水準に戻りつつあり、カーソリューション及びモビリティIoTサービスともに、販売台数は回復傾向にあります。また、データの利活用を軸としたプラットフォームの提供および受託開発が、カーボンニュートラル(注9)の動きを背景としたEV(注10)化の波及びシェアリングエコノミーの拡大を背景に、企業からの引き合いを多くいただいております。今後も成長が見込まれる分野への積極的な投資を行い、事業計画の推進を図ってまいります。
以上の結果、セグメント売上高は397,017千円(前年同四半期比44.3%減)、セグメント損失は31,241千円(前年同四半期は70,377千円の利益)となりました。
[用語解説]
注1.オープンガバメント:透明でオープンな政府及び地方自治体を実現するための政策とその背景となる概念のことで、(1)透明性、(2)市民参加、(3)官民の連携の3つを基本原則としている。
注2.Smart L-Gov:当社が提供する、自治体・公的機関向け地域情報クラウドプラットフォームのこと。
注3.GaaS:Government as a Serviceの略で、当社が提供する、ブロックチェーン技術を用いた日本初の行政サービスをデジタル化する住民 ID 基盤。
注4.デジタルガバメント:公的手続をオンラインで行えるようにしたり、データベースの構築により情報の一元化を図るなど、公的機関側と、住民・事業者側の双方の省力化・利便性の向上などを目指すこと。
注5.コネクティッドカー:インターネットに接続され、情報を送ることも受け取ることもできる自動車のこと。
注6.CiEMSシリーズ:当社が提供する、モビリティから取得した多様なデータを分析・活用することで、交通事故の削減、渋滞の緩和、車両活用の効率化など、様々な社会課題の解決をするためのサービス。
注7.Kuruma Base:当社が提供する、クルマのコネクティッド化からサービス化までをインテグレートするプラットフォーム。
注8.テレマティクス
サービス
:テレコミュニケーション(Telecommunication=通信)とインフォマティクス(Informatics=情報工学)を用いた造語であり、一般的には自動車や輸送車両等の動態に携帯電話等の移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称。
注9カーボン
ニュートラル
:ライフサイクル全体で見たときに、二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になることを指すこと。
注10.EV:Electric Vehicleの略で、電気をエネルギー源とし、電動機を動力源として走行する電気自動車のこと。

(財政状態の分析)
①資産
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、3,918,220千円となり、前連結会計年度末と比べ774,695千円の減少となりました。
流動資産は2,022,175千円となり、前連結会計年度末と比べ903,404千円の減少となりました。その主たる要因は、現金及び預金が901,240千円減少したことによるものであります。
固定資産は1,896,045千円となり、前連結会計年度末と比べ128,708千円の増加となりました。その主たる要因は、ソフトウエア仮勘定が71,182千円、繰延税金資産が54,942千円増加したことによるものであります。
②負債
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、541,131千円となり、前連結会計年度末と比べ567,814千円の減少となりました。
流動負債は465,115千円となり、前連結会計年度末と比べ564,977千円の減少となりました。その主たる要因は、未払法人税等が390,622千円、未払消費税等が167,377千円減少したことによるものであります。
固定負債は76,015千円となり、前連結会計年度末と比べ2,837千円の減少となりました。その主たる要因は、リース債務が2,871千円減少したことによるものであります。
③純資産
当第1四半期連結会計期間末における純資産は3,377,089千円となり、前連結会計年度末と比べ206,880千円の減少となりました。その主たる要因は、配当金の支払いにより79,712千円及び親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が141,204千円減少、新株予約権の行使により自己株式が27,577千円減少したことによるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。