四半期報告書-第75期第2四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/14 15:33
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41項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。この結果、前第2四半期連結累計期間と会計処理が異なっておりますが、重要な影響がないため経営成績に関する説明におきまして増減額及び前年同期比はそのまま比較表記しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の蔓延および国内においては2021年7月頃第5波が押し寄せ、緊急事態宣言は21都道府県に拡大したものの、国内外の感染拡大防止策を講じる中で感染者数は減少し、緊急事態宣言についても解除となったことから、景気全体については持ち直しの動きがみられます。
一方、個人消費には自粛要請の強化や消費マインドの悪化により一部足踏みもみられ、今後の変異株による新型コロナウイルス感染症拡大状況の変化による世界的な景気の下振れリスクには十分注意が必要であります。弊社のサービスセグメントにおいて、自治体を対象としたクラウドサービスを担うデジタルガバメントにおける影響は軽微であるものの、企業の営業車両を対象としたモビリティ・サービスにおいては移動の制約による影響や、景気下振れによる既存顧客の解約リスクは一定程度存在している状況と思料しております。
当第2四半期連結累計期間から今後にかけての景気動向についても、2022年1月から第6波となるオミクロン株の感染者数の増加が著しく、まん延防止等重点措置が適用されてはおりますが、今後も感染者数の増加は避けられない見込となっております。状況によっては、当社グループの企業努力のみを以ってこれらを完全に排除することは困難であると認識しております。新型コロナウイルス感染症の状況如何に左右されない事業モデルの構築が急務であると理解しており、withコロナ時代に適応したサービス開発も推進しております。
このような情勢のなか当社グループでは、「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」を標榜し事業を展開しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、依然厳しい状況となっておりますが、事業全体を持続的成長モデルへ移行させていく過程の中で、昨年度よりの改善策が奏功し、前年対比では大幅に良化しております。引き続きこれまでに培った基盤技術を活かし安定収益の確保に加え、成長が見込まれる事業領域の強化や新しい軸となり得る新規事業の創出を行い、高収益事業創造に取り組んでおります。
当第2四半期連結累計期間におきましては、売上高は1,677,256千円(前年同期比19.9%増)、営業損失は199,620千円(前年同期は381,527千円の損失)、経常損失は196,619千円(前年同期は378,041千円の損失)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は204,847千円(前年同期は280,636千円の損失)となりました。
2021年8月13日に開示した連結業績予想の第2四半期累計に対する進捗は、親会社株主に帰属する四半期純損失ではあるものの、当第2四半期連結累計期間との比較で約13%改善しており、下半期偏重型の事業であることからも通期計画に変更はありません。
今後も引き続き新型コロナウイルス感染症による影響を最小限に抑え込み、クラウドソリューション事業におけるMRR(月次経常収益)の増額確保と、全社横断的な組織再編およびコンパクト化や効率化、さらに現在の事業の延長線上にある新たな事業モデルの創造を踏まえて、収益基盤の拡充に取り組んでまいります。
なお、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりです。
⦅デジタルガバメントセグメント⦆
デジタルガバメントセグメントにおきましては、まず「新しい公」へと続く行政デジタル化の実現に向けて、オープンガバメント(注1)において透明性を推進する自治体の情報発信クラウドソリューションである、“Smart L-Gov”(注2)の提供や、住民と自治体をオンラインでつなぎ「参加・連携」を促す“GaaS”(注3)を、デジタルガバメント(注4)の基盤として提供しております。
当第2四半期連結累計期間においては、新規案件の獲得及び既存顧客の深耕に注力し、継続的な原価低減活動等に取り組みました。自治体及び公的機関を納入先とする入札案件においては、政府の行政デジタル化に関する取組みが進められており、販売は好調に推移しております。他方2021年4月より連結子会社となりました株式会社ストークスののれん償却額などを計上した結果、セグメント売上高は874,177千円(前年同期比48.9%増)、セグメント損失は65,074千円(前年同期は63,875千円の損失)となりました。
⦅モビリティ・サービスセグメント⦆
モビリティ・サービスセグメントにおきましては、祖業である自動車電装に端を発し、100年に一度という自動車産業の大変革期において、自動車に装着する安全支援機器や情報デバイスの販売であるカーソリューションから、コネクティッドカー(注5)サービスである“CiEMSシリーズ”(注6)やクルマのデータ利活用を推進するプラットフォーム提供やソフトウエア開発、さらにカーシェアリングなどクルマのサービス化を支援するプラットフォーム“Kuruma Base”(注7)の提供へと、多様なモビリティIoTを事業とするモビリティ・サービスを推進してまいりました。
当第2四半期連結累計期間においては、企業の営業車活用が移動の制限の中で減少している影響を受けるものの、Kuruma Baseを活用したカーシェアリング分野では、所有からシェアへと自動車の所有の概念を大きく変える動向や、カーボンニュートラル(注8)の動きを踏まえたEV(注9)化の波を背景に、ソリューション強化に取り組んでおります。
また、減価償却費の減少等により売上原価が抑制され、業務効率化により販売費及び一般管理費の抑制に取り組んでおります。
以上の結果、セグメント売上高は803,078千円(前年同期比1.1%減)、セグメント利益は111,536千円(前年同期は63,468千円の損失)となりました。
[用語解説]
注1.オープンガバメント:透明でオープンな政府及び地方自治体を実現するための政策とその背景となる概念のことで、(1)透明性、(2)市民参加、(3)官民の連携の3つを基本原則としている。
注2.Smart L-Gov:当社が提供する、自治体・公的機関向け地域情報クラウドプラットフォームのこと。
注3.GaaS:Government as a Serviceの略で、当社が提供する、ブロックチェーン技術を用いた日本初の行政サービスをデジタル化する住民 ID 基盤。
注4.デジタルガバメント:公的手続をオンラインで行えるようにしたり、データベースの構築により情報の一元化を図るなど、公的機関側と、住民・事業者側の双方の省力化・利便性の向上などを目指すこと。
注5.コネクティッドカー:インターネットに接続され、情報を送ることも受け取ることもできる自動車のこと。
注6.CiEMSシリーズ:当社が提供する、モビリティから取得した多様なデータを分析・活用することで、交通事故の削減、渋滞の緩和、車両活用の効率化など、様々な社会課題の解決をするためのサービス。
注7.Kuruma Base:当社が提供する、クルマのコネクティッド化からサービス化までをインテグレートするプラットフォーム。
注8カーボン
ニュートラル
:ライフサイクル全体で見たときに、二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になることを指す。
注9.EV:Electric Vehicleの略で、電気をエネルギー源とし、電動機を動力源として走行する電気自動車のこと。

(財政状態の分析)
①資産
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、3,966,786千円となり、前連結会計年度末と比べ1,226,410千円の増加となりました。
流動資産は3,026,090千円となり、前連結会計年度末と比べ1,264,634千円の増加となりました。その主たる要因は、現金及び預金が1,473,638千円増加したものの、未収還付法人税等が199,838千円減少したことによるものであります。
固定資産は937,284千円となり、前連結会計年度末と比べ41,071千円の減少となりました。その主たる要因は、建物及び構築物が9,265千円、ソフトウエア仮勘定が38,700千円減少したことによるものであります。
繰延資産は3,410千円となり、前連結会計年度末と比べ2,847千円の増加となりました。その主たる要因は、株式交付費が2,907千円増加したことによるものであります。
②負債
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、1,747,157千円となり、前連結会計年度末と比べ1,124,696千円の増加となりました。
流動負債は1,634,357千円となり、前連結会計年度末と比べ1,143,195千円の増加となりました。その主たる要因は、短期借入金が1,100,000千円、未払法人税等が15,334千円、未払消費税等が15,223千円増加したことによるものであります。
固定負債は112,800千円となり、前連結会計年度末と比べ18,499千円の減少となりました。その主たる要因は、長期借入金が11,674千円、リース債務が6,088千円減少したことによるものであります。
③純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産は2,219,628千円となり、前連結会計年度末と比べ101,714千円の増加となりました。その主たる要因は、連結子会社である株式会社ストークスへの第三者による出資により資本剰余金が90,000千円、株式会社One Bright KOBEへの第三者による出資より資本剰余金が5,168千円及び非支配株主持分が291,009千円増加したものの、配当金の支払いにより80,295千円及び親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が204,847千円減少したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ1,473,638千円増加し、2,244,321千円(前年同四半期末は、728,637千円)となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
[営業活動におけるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果、増加した資金は113,592千円(前年同四半期は、1,082,722千円の資金の減少)となりました。資金増加の主たる要因は、減価償却費56,738千円、棚卸資産の減少額17,289千円、未払消費税等の増加額17,459千円、法人税等の還付額208,240千円等であり、資金減少の主たる要因は、税金等調整前四半期純損失196,619千円等であります。
[投資活動におけるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果、減少した資金は38,724千円(前年同四半期は、140,071千円の資金の減少)となりました。資金減少の主たる要因は、有形固定資産の取得による支出10,190千円、無形固定資産の取得による支出28,974千円等であります。
[財務活動におけるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果、増加した資金は1,398,769千円(前年同四半期は、71,050千円の資金の減少)となりました。資金増加の主たる要因は、短期借入による収入1,100,000千円、非支配株主からの払込みによる収入386,799千円であり、資金減少の主たる要因は、配当金の支払額80,188千円、リース債務の返済による支出6,854千円であります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5,000千円であります。
当社グループでは、公共・自治体におけるオープンガバメントの推進を軸に、自治体からの情報発信、さらに行政手続きのオンラインサービスへと、いわゆる「透明性」「参加」「連携」へと繋がるクラウドサービスを推進しております。
当社グループは“まちづくりのDX化”のためのデータマネジメント基盤を構築すると共に、スマートシティ・スーパーシティに不可欠な都市OSの提供を、マネタイズ可能な新たなサービスとして創出するための技術開発を進めております。