有価証券報告書-第8期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/19 15:07
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)における世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題に加え、2020年の年明けからの新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により経済活動が抑制されたことで急速に減速しました。日本経済は、雇用情勢は改善してきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により足元で大幅に下押しされており、厳しさが増してきました。
当社の製品が関わる主要業界では、コンシューマーIT製品市場において、ノートPCは下期でOSのサポート終了による買替えで需要が発生した一方、スマートフォン市場は足元で減速感が強まるなど、依然として厳しい事業環境が続いております。
このような経営環境のなか、当期は中期経営計画の実現に向けて、事業の再評価を行い、収束すべき事業と継続すべき事業を特定し、継続事業については差異化技術製品の生産性向上や販売促進といった強化策とともに、一部の製品についてはグローバルで生産を集約するなどの効率化にも取り組みました。
この結果、反射防止フィルムの基材の変更の影響や、光学弾性樹脂の数量減などにより減収となりましたが、精密接合用樹脂の好調に加え、異方性導電膜(ACF)の拡大及び生産性改善により増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は57,710百万円(前連結会計年度比4.7%減)となり、営業利益は4,617百万円(前連結会計年度比24.0%増)となりました。なお、上記の基材の変更の影響を除くと、売上高は前連結会計年度比約3%減となります。
経常利益は、持分法による投資損失261百万円を計上したことなどにより、4,393百万円(前連結会計年度比12.6%増)となりました。
税金等調整前当期純利益は、主に、特別損失として投資有価証券評価損及び構造改革費用を計上したことにより、4,297百万円(前連結会計年度比14.3%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、2,734百万円(前連結会計年度比19.7%増)となりました。
(注)前連結会計年度第3四半期より、当社がこれまで購入していた基材が変わり、当社の仕入価格が下がりました。その結果、当社製品の販売価格も低下しましたが、この変更による利益への影響はありません。
各セグメントの業績、ならびに製品カテゴリー別の売上状況は以下のとおりであります。
(光学材料部品事業)
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減率
売上高25,95523,624△9.0%
営業利益1,6791,8329.1%

(注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。
・ 売上高は23,624百万円(前連結会計年度比9.0%減)、営業利益は1,832百万円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。
・ 光学フィルムでは、車載ディスプレイ向けは新規の採用増加で伸びたものの、ノートPC用ディスプレイ向け製品の減収により減収減益となりました。
・ 光学樹脂材料では、光学弾性樹脂の売上がスマートフォン向けを中心に減少した一方で、精密接合用樹脂において、カメラモジュール向けでスマートフォンの多眼化の好影響により減収増益となりました。
・ 光学ソリューションでは、当社製品を用いた車載ディスプレイ向けの事業は増収となり、損益も改善しました。
なお上記の基材の変更の影響を除くと、売上高は前期比約4%減となります。
(電子材料部品事業)
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減率
売上高34,83834,226△1.8%
営業利益3,8434,58319.2%

(注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。
・ 売上高は34,226百万円(前連結会計年度比1.8%減)、営業利益は4,583百万円(前連結会計年度比19.2%増)となりました。
・ 接合関連材料では、ノートPC向けなどの製品販売が低調で減収となりましたが、収益性の低い汎用品だったため、小幅減益にとどまりました。
・ 異方性導電膜の売上高は、粒子整列型ACFがスマートフォン向けで拡大し、生産性改善も加わったことで増収増益となりました。
・ 表面実装型ヒューズでは、電動工具向け製品の販売不調に加え、ノートPC向けでは顧客の生産台数減により減収減益となりました。
・ マイクロデバイスでは、プロジェクターの販売伸び悩みの影響を受け、減収減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,952百万円増加し、当連結会計年度末には13,779百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,656百万円(前連結会計年度比1,829百万円増)となりました。これは主に減価償却費4,607百万円と税金等調整前当期純利益4,297百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,891百万円(前連結会計年度比2,663百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,801百万円と関係会社株式の取得による支出700百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3,600百万円(前連結会計年度比964百万円減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出3,666百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
光学材料部品(百万円)23,68692.4
電子材料部品(百万円)34,286101.8
合計(百万円)57,97397.7

(注)1.金額は売価換算値によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループ(当社及び当社の子会社、以下同じ。)は主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
光学材料部品(百万円)23,62291.1
電子材料部品(百万円)34,08798.4
合計(百万円)57,71095.3

(注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであ
ります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
日東電工株式会社11,35418.79,41216.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は86,279百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,306百万円の減少となりました。 流動資産は31,466百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,348百万円の増加となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金が688百万円、商品及び製品が258百万円、それぞれ減少した一方で、現金及び預金が1,952百万円、その他が393百万円、それぞれ増加したことであります。 固定資産は54,813百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,654百万円の減少となりました。その主な要因は、関係会社株式が663百万円増加した一方で、のれんが1,801百万円、機械装置及び運搬具(純額)が1,015百万円、建物及び構築物(純額)が584百万円、それぞれ減少したことであります。
(負債の部) 当連結会計年度末の負債合計は36,711百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,818百万円の減少となりました。 流動負債は15,755百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,145百万円の減少となりました。その主な要因は、賞与引当金が305百万円、その他が623百万円、それぞれ増加した一方で、支払手形及び買掛金が1,461百万円、1年内返済予定の長期借入金が819百万円、それぞれ減少したことであります。 固定負債は20,956百万円となり、前連結会計年度末に比べ673百万円の減少となりました。その主な要因は、その他が218百万円増加した一方で、長期借入金が847百万円減少したことであります。
(純資産の部) 当連結会計年度末の純資産合計は49,567百万円となり、前連結会計年度末に比べ512百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金が755百万円、繰延ヘッジ損益が124百万円、それぞれ増加した一方で、為替換算調整勘定が517百万円減少したことであります。
2)経営成績
当連結会計年度の売上高は57,710百万円(前連結会計年度比4.7%減)、営業利益は4,617百万円(前連結会計年度比24.0%増)、経常利益は4,393百万円(前連結会計年度比12.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,734百万円(前連結会計年度比19.7%増)となりました。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
(営業利益)
売上原価は36,309百万円と、前連結会計年度と比べ3,085百万円減少し、売上原価率は62.9%と、前連結会計年度と比べ2.1%改善しました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ677百万円減少し、16,783百万円となりました。その主な要因は、アウトソーシング費および旅費交通費が減少したことであります。
以上により、当連結会計年度の営業利益は4,617百万円と前連結会計年度に比べ24.0%の増益となりました。
(経常利益)
営業外収益につきましては、434百万円と前連結会計年度と比べ114百万円の減少となりました。その主な要因は、為替差益が減少したことであります。
営業外費用につきましては、657百万円と前連結会計年度と比べ287百万円の増加となりました。その主な要因は、持分法による投資損失が新たに発生したことであります。
以上により、当連結会計年度の経常利益は4,393百万円と前連結会計年度に比べ12.6%の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益につきましては、受取補償金が137百万円、受取和解金が42百万円となりました。
特別損失につきましては、投資有価証券評価損が199百万円、構造改革費用が103百万円となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は4,297百万円と前連結会計年度に比べ14.3%の増益となりました。
法人税等については、法人税、住民税及び事業税が1,719百万円、繰延税金資産の取り崩し等により、法人税等
調整額が△157百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は税金等を差し引き、2,734百万円と前連結
会計年度に比べ19.7%の増益となりました。
3)経営成績に重要な影響を与える要因について
新型コロナウイルス感染症による当社業績への影響については以下のとおりです。
当連結会計年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の業績への影響は軽微にとどまりました。
翌連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)につきましては、第2四半期以降経済活動が再開に向かい始めるとの前提に立ち、新型コロナウイルス感染症の影響が最終製品需要に及ぶものと考えております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与えるその他の要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は13,779百万円となり、前連結
会計年度末に比べ1,952百万円の増加となりました。当社グループでは、フリー・キャッシュ・フローを営業活動
により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動により支出されたキャッシュ・フローの合計として定義してお
り、当連結会計年度末の残高は以下のとおりであります。
項目前連結会計年度当連結会計年度増減
営業活動によるキャッシュ・フロー7,826百万円9,656百万円1,829百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー△6,554百万円△3,891百万円2,663百万円
フリー・キャッシュ・フロー1,271百万円5,764百万円4,493百万円

なお、2019年4月に策定しました中期経営計画「進化への挑戦」で掲げる経営目標において、営業活動によるキ
ャッシュ・フローは2022年3月期以降で10,000百万円以上/年を目指しておりますが、計画初年度で上記のとおり
9,656百万円の実績となり、順調に推移しているものと認識しております。
当社グループの主な短期的な資金の需要としては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のた
めの資金、配当金の支払等を見込んでおります。なお、当社の短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によって
獲得した現金であります。資金調達は金融機関からの借入れにより調達を行っておりますが、当連結会計年度末の
有利子負債残高は17,414百万円であり、総資産に対して20.2%と低い依存度となっております。
当社グループでは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性を維持することを資
金調達の基本としており、国内の主要金融機関との良好な関係に基づき、長期借入れを中心として必要資金を低い
コストで調達しております。また、流動性資金の確保の面では、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と
当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末における総額は10,176百万円
(うち借入未実行残高は10,176百万円)であります。
連結子会社については、原則として銀行などの外部からの資金調達は一切行っておらず、グループ資金は当社で
一元管理を行っております。また、連結子会社が保有する資金は、当連結会計年度末において7,644百万円でありま
すが、グループ資金は当社での有効活用を前提に、可能な限り配当を実施することを基本方針としており、各連結
子会社の配当可能利益をベースに、各社の手元必要流動性資金を考慮の上、当社への資金還流を今後も積極的に進
めていく予定であります。
資本政策につきましては、株主還元を充実させていくことを心掛け、従来どおり総還元性向として調整後親会社
株主に帰属する当期純利益の40%を目処に、健全な財務基盤を確保しつつ、フリー・キャッシュ・フローの見通
し、自己株式の取得を含む総還元性向、安定配当の重要性などを総合的に勘案した上で利益還元を行う方針であり
ます。
③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な企業価値向上に関わる指標としてROE(株主資本利益率)を位置づけています。具体的には、事
業拡大のための投資や将来の成長の源泉となる研究開発活動、そして株主還元などに対するバランスのとれた資金配
分を通じて、中長期的な目標としてROE10%を目指します。また、企業価値向上の指標として株主資本コストを8%
と仮定したエクイティ・スプレッド(ES)を導入し、中長期的にポジティブなESの維持を目指していきます。
(注)ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷純資産×100
エクイティ・スプレッド=ROE-株主資本コスト(8%と仮定)
2020年3月期より、のれん償却額を足し戻した調整後利益を用いた指標の開示は総還元性向のみに変更しております。
中期経営計画(2019年4月~2024年3月)の1年目である2019年度の達成・進捗状況は下記のとおりであります。
指標2019年度(計画)2019年度(実績)2019年度(計画比)
売上高58,000百万円57,710百万円290百万円減(0.5%減)
営業利益4,100百万円4,617百万円517百万円増(12.6%増)
親会社株主に帰属する当期純利益2,450百万円2,734百万円284百万円増(11.6%増)
ROE(自己資本利益率)4.9%5.5%0.6ポイント増

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「3 経営者による財政状
態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状
況」に記載のとおりであります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されて
おります。連結財務諸表の作成にあたり、当連結会計年度末時点の状況により、一定の仮定の下に会計上の見積りを
行っておりますが、当社グループが連結財務諸表に重要な影響を与えていると判断する項目は以下のとおりでありま
す。
1)市場価格のない株式の減損処理
当社グループが保有する市場価格のない株式について、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により、株式の実
質価額が取得価額に比べて50%程度以上低下したときは、当該株式が子会社又は関連会社により発行されており、か
つ、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、評価差額を減損処理することとしております。
また、これらの株式について、当該株式の発行会社の超過収益力等を反映して、財務諸表から得られる1株当た
りの純資産に比べて高い価額で当該株式を取得している場合には、その超過収益力等に毀損が生じた際に、これを
反映した実質価額が取得価額の50%程度以上低下している場合に限り、減損処理を行うこととしております。
なお、当連結会計年度においては、投資有価証券評価損として199百万円を計上しております。
2)固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産の回収可能性の評価にあたり、製品区分及び資産の共用性を勘案してグルーピングを
行い、収益性が著しく低下した資産グループについては、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減
少額を減損損失として計上することとしております。
なお、当連結会計年度においては、収益性が著しく低下した資産グループはないため、減損損失は計上しており
ません。

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