有価証券報告書-第46期(2023/09/01-2024/08/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末において、資産合計は、現金及び預金、レンタル資産、及び無形固定資産の増加やその他流動資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ571百万円増加し、21,470百万円となりました。
負債合計は、長期借入金及び役員退職慰労引当金の増加や契約負債及び未払法人税等の減少等により、前連結会計年度末に比べ52百万円増加し、12,444百万円となりました。
純資産合計は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ519百万円増加し、9,025百万円となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、個人消費が低迷し回復に時間を要しているものの緩やかな持ち直しの動きがみられました。先行きについては、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くことが期待される中で、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等が経済環境に与える影響には十分注意する必要があり、依然として不透明な状況が続くものと思われます。
当社グループの当連結会計年度が2年目となる中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)では、「豊かな社会インフラの構築をDXで実現し、循環型社会に貢献する」という基本方針のもと、パレットというハードのレンタルにとどまらず、生産工場から消費者へとモノを運ぶうえで、物流の川上から川下までのあらゆる課題解決に取り組むソリューション提案企業を目指し、企業価値の向上を図ることとしております。
物流業界においては、トラックドライバーの時間外労働を制限する働き方改革関連法の適用が2024年4月1日から開始となりました。何も対策を講じなければ2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性があるとも言われている「物流の2024年問題」の対応策として、政府は2023年6月に「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」より商慣行の見直し、物流の効率化、荷主・消費者の行動変容について抜本的・総合的な対策をまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」を閣議決定いたしました。その後、10月に2030年度の輸送力不足の解消に向け可能な施策の前倒しを図るため「物流革新緊急パッケージ」を策定し、トラックGメンによる荷主・元請事業者の監視体制の強化を行い、2024年1月に初の勧告2件の実施、2月には2030年度に向けた政府の中長期計画を発表、5月には物流の持続的成長を図るため「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」が公布されるなど、従来にはない積極的な姿勢で「2024年問題」の対策を着々と進めております。企業の「2024年問題」への対応にはバラつきがみられますが、レンタル方式によるパレット輸送は、荷待ちや荷役時間の短縮に有効な手段であり、パレットの回収業務の負担軽減及び流失防止の仕組みもあることから高い関心を集めており、輸送用レンタルパレットの需要は順調に推移しました。保管用レンタルパレットについては、円安の影響による輸入価格の上昇や物価上昇による消費者の節約志向などの理由により貸出先倉庫の荷動きが停滞し、在庫量の減少傾向が続くなど需要は低迷しました。また、パレット保有枚数の増加に伴い、減価償却費に加え保管費用も増加しました。さらに、人件費やエネルギーコストの上昇に伴い、デポ運営費用や運送費用が増加したため、これらの費用の増加分を吸収するためにレンタル単価への転嫁を開始しました。販管費については、2023年9月よりベースアップを実施し、人件費が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は15,463百万円(前連結会計年度比4.2%増)、営業利益は578百万円(同30.3%減)、経常利益は878百万円(同26.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は597百万円(同19.7%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(物流事業)
輸送力不足により運べなくなるリスクを回避するためにパレット輸送は有効な手段であり、パレットの回収業務の負担軽減及び流出防止の仕組みが充実しているレンタル方式によるパレット輸送への関心は高まっています。企業の「2024年問題」に対する取り組みにはバラつきがみられますが、輸送用レンタルパレットにおいて、当社のレンタルパレットを活用した家庭紙の共同利用・共同回収は、取り扱いが増加し順調に推移しました。また、パレット輸送が進んでいない業界へのアプローチも進捗しております。5月には日本パレットレンタル株式会社との共通のサービス基盤である「X-Rental®オープンプラットフォーム」(クロスレンタルオープンプラットフォーム、略称「XROP」※読み:クロップ)の本格的な共同運用を開始し、パレット輸送化の拡大推進を図っております。保管用レンタルパレットについては、港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けを中心に円安の影響による輸入価格の上昇を主要因として輸入量が減少したこともあり、在庫水準が前年同期を下回るようになり、需要は低迷しました。販売は企業の物流拠点投資も継続しており好調に推移しました。また、海外事業も好調に推移しました。物流IoT事業は、医薬品等の高付加価値商品輸送(GDP)が貢献しました。アシストスーツは、代理店オリジナル品の大口受注をはじめサポートジャケットシリーズ新商品が大手量販店で販売が開始されました。
以上の結果、物流事業では売上高14,361百万円(前連結会計年度比5.0%増)、セグメント利益2,075百万円(同12.9%減)となりました。
(コネクティッド事業)
ICTにおいては、駐車場遠隔監視ソリューションが順調に推移しました。DXタグ®は商用運用を開始し、牛の発情・体調管理で実証実験を進めるなか徐々に受注も増加しているものの、当連結会計年度においては当初の計画を大幅に下回りました。ビークルソリューションは、レンタカーやカーシェアリングの需要が高まっており、車載器販売を中心に好調に推移しました。また、つくば市での自主事業についても、会員の増加傾向が続いております。
以上の結果、コネクティッド事業では売上高1,101百万円(前連結会計年度比4.2%減)、セグメント損失179百万円(前連結会計年度はセグメント損失165百万円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ296百万円増加し、当連結会計年度末には3,470百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,549百万円(前連結会計年度は3,386百万円の収入)となりました。収入の主な要因としては減価償却費2,838百万円、税金等調整前当期純利益786百万円、及び未払又は未収消費税等の増加107百万円等、支出の主な要因としては法人税等の支払額386百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,522百万円(前連結会計年度は3,630百万円の支出)となりました。支出の主な要因としては有形固定資産の取得による支出3,094百万円及び無形固定資産の取得による支出404百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は266百万円(前連結会計年度は252百万円の収入)となりました。支出の主な要因としては長期借入金の返済による支出1,625百万円等、収入の主な要因としては長期借入れによる収入2,000百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.仕入実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当連結会計年度の仕入実績を記載いたします。セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)レンタル資産(固定資産計上)及び販売用器具の購入を記載し、売上原価に計上されている運送費等は除いて記載しているため、財務会計上の売上原価とは一致いたしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の内部売上高については相殺消去しております。
2.主たる販売先に関しましては、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの経営成績等
1)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して629百万円増加し15,463百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。これは中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)の2024年8月期売上高目標15,500百万円に対し0.2%減となります。
主な要因は、パレットレンタル事業において、輸送用レンタルパレットの需要は、家庭紙メーカーでの共同利用・共同回収の取り扱いが拡大したこと等により、堅調に推移したものの、港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けを中心に円安の影響による輸入価格の上昇を主要因として輸入量が減少したこともあり、在庫水準が前年同期を下回るようになり、保管用レンタルパレットの需要が想定を下回ったことによるものであります。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して602百万円増加し10,635百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。主な要因は商品仕入、サービス仕入、レンタルパレットの減価償却費用、及び運送原価等が増加したことによるものであります。
その結果、売上総利益は、前連結会計年度と比較して27百万円増加し4,827百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して278百万円増加し4,249百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。これは人件費及びDX化推進に伴う経費増加等によるものであります。
その結果、営業利益は、前連結会計年度と比較して251百万円減少し578百万円(前連結会計年度比30.3%減)となりました。
(営業外損益・経常利益)
当連結会計年度における営業外損益は、受取補償金が減少したこと等により前連結会計年度と比べて62百万円減少しました。
その結果、経常利益は、前連結会計年度と比較して313百万円減少し878百万円(前連結会計年度比26.3%減)となりました。これは中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)の2024年8月期経常利益目標1,250百万円に対し29.7%減となります。また、売上高経常利益率は5.7%となりました。
(特別損益・親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損益は、減損損失による損失等により前連結会計年度と比較して24百万円減少しましたが、また法人税等も減少しました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、597百万円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。
2)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は6,149百万円となり、前連結会計年度末に比べて117百万円増加しました。これは現金及び預金が296百万円増加したこと、及び売掛金が108百万円増加した一方で、その他流動資産が276百万円減少したことによるものであります。固定資産は15,320百万円となり、前連結会計年度末に比べて454百万円増加いたしました。これはレンタル資産が361百万円増加したこと、及び無形固定資産が127百万円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は21,470百万円となり、前連結会計年度末に比べ571百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,203百万円となり、前連結会計年度末に比べて469百万円減少しました。これは契約負債が247百万円減少したこと、未払法人税等が132百万円減少したこと、及び買掛金が124百万円減少したことによるものであります。固定負債は8,241百万円となり、前連結会計年度末に比べて521百万円増加しました。これは長期借入金が397百万円増加したこと、退職給付に係る負債が76百万円増加したこと、及び役員退職慰労引当金が45百万円増加したことによるものであります。
この結果負債合計は12,444百万円となり、前連結会計年度末に比べて52百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は9,025百万円となり、前連結会計年度末に比べて519百万円増加しました。これは利益剰余金が490百万円増加したことによるものであります。
3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、物流事業におけるレンタル資産(パレット等物流機器)の取得に係る設備投資の資金であります。資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達等にて対応しております。
d.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
我が国の経済は、景気は緩やかに回復していくことが見込まれます。一方で、物価上昇や金利上昇等、外部環境については、不透明な状況が続くものと思われます。
また、当社グループは、「中期経営計画2025 (ver.2)」(2023年8月期から2025年8月期)の最終年度を迎え、引き続き2024年問題への対応を追い風にパレット輸送の仕組みを提案してまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりであります。
(物流事業)
物流業界につきましては、物流の「2024年問題」となる働き方改革関連法適用後の初年度末を2025年3月末に控え、トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備に有効なパレット輸送への関心は、高い状態が続くものと想定しております。
このような事業環境のもと物流事業においては、荷物の手積み手下ろしをしている業界を中心に、引き続きレンタル方式によるパレット輸送の提案を通じて輸送用レンタルパレットの拡大に向けて取り組んでまいります。一方で保管用レンタルパレットについては、物価上昇等により個人消費の回復に時間がかかっていることなどから、引き続き港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けを中心に在庫水準が前年を下回る傾向は続き、需要は横ばいに推移するものとみております。レンタルパレットの稼働率上昇を目指し、効率的なレンタルパレットの調達及びオペレーション管理を引き続き強化すること、人件費やエネルギーコストの上昇に伴うレンタル関連費用の増加分を吸収するためにレンタル単価への転嫁を推進することにより、粗利益率の改善を図ってまいります。 その他、アクティブRFIDタグを搭載した「スマートパレット®」をはじめ、スマートフォンのカメラを活用した「パレットファインダー®」「UスマホKENPIN®」等の付加価値の高い物流IoTソリューションの提供を進めてまいります。アシストスーツについては、新商品の「サポートジャケットBb+Airワークベルト」「サポートジャケットBb+FITⅡ」をはじめとする新商品をタイムリーに市場へ投入することで商品の認知度を上げると共に販売代理店との協業など販売チャネルの拡大を図ってまいります。
(コネクティッド事業)
コネクティッド事業においては、ICTは工場設備や駐車場等の遠隔監視ソリューションの拡販を図ると共に、DXタグ®では牛の発情・体調管理の新アプリ提供開始により、実証実験中の案件の受注に加え、新規案件の受注にも繋げてまいります。また、物品管理案件の営業を強化し売上の拡大に取り組んでまいります。ビークルソリューションは需要が高まるカーシェアリング事業者への機器販売をはじめとするソリューション提供及び自主事業の拡大に取り組んでまいります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末において、資産合計は、現金及び預金、レンタル資産、及び無形固定資産の増加やその他流動資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ571百万円増加し、21,470百万円となりました。
負債合計は、長期借入金及び役員退職慰労引当金の増加や契約負債及び未払法人税等の減少等により、前連結会計年度末に比べ52百万円増加し、12,444百万円となりました。
純資産合計は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ519百万円増加し、9,025百万円となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、個人消費が低迷し回復に時間を要しているものの緩やかな持ち直しの動きがみられました。先行きについては、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くことが期待される中で、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等が経済環境に与える影響には十分注意する必要があり、依然として不透明な状況が続くものと思われます。
当社グループの当連結会計年度が2年目となる中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)では、「豊かな社会インフラの構築をDXで実現し、循環型社会に貢献する」という基本方針のもと、パレットというハードのレンタルにとどまらず、生産工場から消費者へとモノを運ぶうえで、物流の川上から川下までのあらゆる課題解決に取り組むソリューション提案企業を目指し、企業価値の向上を図ることとしております。
物流業界においては、トラックドライバーの時間外労働を制限する働き方改革関連法の適用が2024年4月1日から開始となりました。何も対策を講じなければ2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性があるとも言われている「物流の2024年問題」の対応策として、政府は2023年6月に「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」より商慣行の見直し、物流の効率化、荷主・消費者の行動変容について抜本的・総合的な対策をまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」を閣議決定いたしました。その後、10月に2030年度の輸送力不足の解消に向け可能な施策の前倒しを図るため「物流革新緊急パッケージ」を策定し、トラックGメンによる荷主・元請事業者の監視体制の強化を行い、2024年1月に初の勧告2件の実施、2月には2030年度に向けた政府の中長期計画を発表、5月には物流の持続的成長を図るため「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」が公布されるなど、従来にはない積極的な姿勢で「2024年問題」の対策を着々と進めております。企業の「2024年問題」への対応にはバラつきがみられますが、レンタル方式によるパレット輸送は、荷待ちや荷役時間の短縮に有効な手段であり、パレットの回収業務の負担軽減及び流失防止の仕組みもあることから高い関心を集めており、輸送用レンタルパレットの需要は順調に推移しました。保管用レンタルパレットについては、円安の影響による輸入価格の上昇や物価上昇による消費者の節約志向などの理由により貸出先倉庫の荷動きが停滞し、在庫量の減少傾向が続くなど需要は低迷しました。また、パレット保有枚数の増加に伴い、減価償却費に加え保管費用も増加しました。さらに、人件費やエネルギーコストの上昇に伴い、デポ運営費用や運送費用が増加したため、これらの費用の増加分を吸収するためにレンタル単価への転嫁を開始しました。販管費については、2023年9月よりベースアップを実施し、人件費が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は15,463百万円(前連結会計年度比4.2%増)、営業利益は578百万円(同30.3%減)、経常利益は878百万円(同26.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は597百万円(同19.7%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(物流事業)
輸送力不足により運べなくなるリスクを回避するためにパレット輸送は有効な手段であり、パレットの回収業務の負担軽減及び流出防止の仕組みが充実しているレンタル方式によるパレット輸送への関心は高まっています。企業の「2024年問題」に対する取り組みにはバラつきがみられますが、輸送用レンタルパレットにおいて、当社のレンタルパレットを活用した家庭紙の共同利用・共同回収は、取り扱いが増加し順調に推移しました。また、パレット輸送が進んでいない業界へのアプローチも進捗しております。5月には日本パレットレンタル株式会社との共通のサービス基盤である「X-Rental®オープンプラットフォーム」(クロスレンタルオープンプラットフォーム、略称「XROP」※読み:クロップ)の本格的な共同運用を開始し、パレット輸送化の拡大推進を図っております。保管用レンタルパレットについては、港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けを中心に円安の影響による輸入価格の上昇を主要因として輸入量が減少したこともあり、在庫水準が前年同期を下回るようになり、需要は低迷しました。販売は企業の物流拠点投資も継続しており好調に推移しました。また、海外事業も好調に推移しました。物流IoT事業は、医薬品等の高付加価値商品輸送(GDP)が貢献しました。アシストスーツは、代理店オリジナル品の大口受注をはじめサポートジャケットシリーズ新商品が大手量販店で販売が開始されました。
以上の結果、物流事業では売上高14,361百万円(前連結会計年度比5.0%増)、セグメント利益2,075百万円(同12.9%減)となりました。
(コネクティッド事業)
ICTにおいては、駐車場遠隔監視ソリューションが順調に推移しました。DXタグ®は商用運用を開始し、牛の発情・体調管理で実証実験を進めるなか徐々に受注も増加しているものの、当連結会計年度においては当初の計画を大幅に下回りました。ビークルソリューションは、レンタカーやカーシェアリングの需要が高まっており、車載器販売を中心に好調に推移しました。また、つくば市での自主事業についても、会員の増加傾向が続いております。
以上の結果、コネクティッド事業では売上高1,101百万円(前連結会計年度比4.2%減)、セグメント損失179百万円(前連結会計年度はセグメント損失165百万円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ296百万円増加し、当連結会計年度末には3,470百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,549百万円(前連結会計年度は3,386百万円の収入)となりました。収入の主な要因としては減価償却費2,838百万円、税金等調整前当期純利益786百万円、及び未払又は未収消費税等の増加107百万円等、支出の主な要因としては法人税等の支払額386百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,522百万円(前連結会計年度は3,630百万円の支出)となりました。支出の主な要因としては有形固定資産の取得による支出3,094百万円及び無形固定資産の取得による支出404百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は266百万円(前連結会計年度は252百万円の収入)となりました。支出の主な要因としては長期借入金の返済による支出1,625百万円等、収入の主な要因としては長期借入れによる収入2,000百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.仕入実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当連結会計年度の仕入実績を記載いたします。セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) | |
| 金額(千円) | 前連結会計年度比(%) | |
| 物流事業 | 6,818,347 | 101.0 |
| コネクティッド事業 | 905,988 | 92.8 |
| 合計 | 7,724,335 | 100.0 |
(注)レンタル資産(固定資産計上)及び販売用器具の購入を記載し、売上原価に計上されている運送費等は除いて記載しているため、財務会計上の売上原価とは一致いたしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) | |
| 金額(千円) | 前連結会計年度比(%) | |
| 物流事業 | 14,361,299 | 105.0 |
| コネクティッド事業 | 1,101,806 | 95.8 |
| 合計 | 15,463,106 | 104.2 |
(注)1.セグメント間の内部売上高については相殺消去しております。
2.主たる販売先に関しましては、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの経営成績等
1)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して629百万円増加し15,463百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。これは中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)の2024年8月期売上高目標15,500百万円に対し0.2%減となります。
主な要因は、パレットレンタル事業において、輸送用レンタルパレットの需要は、家庭紙メーカーでの共同利用・共同回収の取り扱いが拡大したこと等により、堅調に推移したものの、港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けを中心に円安の影響による輸入価格の上昇を主要因として輸入量が減少したこともあり、在庫水準が前年同期を下回るようになり、保管用レンタルパレットの需要が想定を下回ったことによるものであります。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して602百万円増加し10,635百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。主な要因は商品仕入、サービス仕入、レンタルパレットの減価償却費用、及び運送原価等が増加したことによるものであります。
その結果、売上総利益は、前連結会計年度と比較して27百万円増加し4,827百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して278百万円増加し4,249百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。これは人件費及びDX化推進に伴う経費増加等によるものであります。
その結果、営業利益は、前連結会計年度と比較して251百万円減少し578百万円(前連結会計年度比30.3%減)となりました。
(営業外損益・経常利益)
当連結会計年度における営業外損益は、受取補償金が減少したこと等により前連結会計年度と比べて62百万円減少しました。
その結果、経常利益は、前連結会計年度と比較して313百万円減少し878百万円(前連結会計年度比26.3%減)となりました。これは中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)の2024年8月期経常利益目標1,250百万円に対し29.7%減となります。また、売上高経常利益率は5.7%となりました。
(特別損益・親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損益は、減損損失による損失等により前連結会計年度と比較して24百万円減少しましたが、また法人税等も減少しました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、597百万円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。
2)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は6,149百万円となり、前連結会計年度末に比べて117百万円増加しました。これは現金及び預金が296百万円増加したこと、及び売掛金が108百万円増加した一方で、その他流動資産が276百万円減少したことによるものであります。固定資産は15,320百万円となり、前連結会計年度末に比べて454百万円増加いたしました。これはレンタル資産が361百万円増加したこと、及び無形固定資産が127百万円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は21,470百万円となり、前連結会計年度末に比べ571百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,203百万円となり、前連結会計年度末に比べて469百万円減少しました。これは契約負債が247百万円減少したこと、未払法人税等が132百万円減少したこと、及び買掛金が124百万円減少したことによるものであります。固定負債は8,241百万円となり、前連結会計年度末に比べて521百万円増加しました。これは長期借入金が397百万円増加したこと、退職給付に係る負債が76百万円増加したこと、及び役員退職慰労引当金が45百万円増加したことによるものであります。
この結果負債合計は12,444百万円となり、前連結会計年度末に比べて52百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は9,025百万円となり、前連結会計年度末に比べて519百万円増加しました。これは利益剰余金が490百万円増加したことによるものであります。
3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、物流事業におけるレンタル資産(パレット等物流機器)の取得に係る設備投資の資金であります。資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達等にて対応しております。
d.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
我が国の経済は、景気は緩やかに回復していくことが見込まれます。一方で、物価上昇や金利上昇等、外部環境については、不透明な状況が続くものと思われます。
また、当社グループは、「中期経営計画2025 (ver.2)」(2023年8月期から2025年8月期)の最終年度を迎え、引き続き2024年問題への対応を追い風にパレット輸送の仕組みを提案してまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりであります。
(物流事業)
物流業界につきましては、物流の「2024年問題」となる働き方改革関連法適用後の初年度末を2025年3月末に控え、トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備に有効なパレット輸送への関心は、高い状態が続くものと想定しております。
このような事業環境のもと物流事業においては、荷物の手積み手下ろしをしている業界を中心に、引き続きレンタル方式によるパレット輸送の提案を通じて輸送用レンタルパレットの拡大に向けて取り組んでまいります。一方で保管用レンタルパレットについては、物価上昇等により個人消費の回復に時間がかかっていることなどから、引き続き港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けを中心に在庫水準が前年を下回る傾向は続き、需要は横ばいに推移するものとみております。レンタルパレットの稼働率上昇を目指し、効率的なレンタルパレットの調達及びオペレーション管理を引き続き強化すること、人件費やエネルギーコストの上昇に伴うレンタル関連費用の増加分を吸収するためにレンタル単価への転嫁を推進することにより、粗利益率の改善を図ってまいります。 その他、アクティブRFIDタグを搭載した「スマートパレット®」をはじめ、スマートフォンのカメラを活用した「パレットファインダー®」「UスマホKENPIN®」等の付加価値の高い物流IoTソリューションの提供を進めてまいります。アシストスーツについては、新商品の「サポートジャケットBb+Airワークベルト」「サポートジャケットBb+FITⅡ」をはじめとする新商品をタイムリーに市場へ投入することで商品の認知度を上げると共に販売代理店との協業など販売チャネルの拡大を図ってまいります。
(コネクティッド事業)
コネクティッド事業においては、ICTは工場設備や駐車場等の遠隔監視ソリューションの拡販を図ると共に、DXタグ®では牛の発情・体調管理の新アプリ提供開始により、実証実験中の案件の受注に加え、新規案件の受注にも繋げてまいります。また、物品管理案件の営業を強化し売上の拡大に取り組んでまいります。ビークルソリューションは需要が高まるカーシェアリング事業者への機器販売をはじめとするソリューション提供及び自主事業の拡大に取り組んでまいります。