有価証券報告書-第50期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、輸出が引き続き弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、設備投資、雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移していました。一方で、大国間の貿易摩擦の懸念、海外経済の動向と政策に関する不確実性など、引き続き懸念されるなか、年度の後半に発生した新型コロナウイルスのパンデミックにより世界規模で景気が減速しており、今後、どこまで影響が広がるか見通せない状況です。
当社が属する情報サービス業界においては、引き続きクラウド、IoT(Internet of Things)、フィンテック(金融サービスのITイノベーション)、ビッグデータ、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)などの技術革新の進展、金融や流通分野を中心とした制度対応に伴うシステム更新、「働き方改革」の実現を含む人手不足に対する自動化、省力化、生産性向上に向けたIT活用意識の高まりを背景としたDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資需要が高く、市場は拡大傾向となりました。しかしながら、パートナー企業を含む開発要員の不足及び高コスト化等でさらに厳しい収益環境が続いております。
このような環境のもと当社では、引き続き既存顧客とのパートナーシップの強化による領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、継続的な受注確保・拡大を図るとともに、新デジタル分野への取り組みに注力し、開発要員の採用強化及びパートナー企業との更なる連携強化に努めてまいりました。
また、引き続き不採算プロジェクト再発防止に向けたプロジェクト管理の強化に真摯に努めるとともに、今後の成長に向けた強固な土台作りを推進してまいりました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高は9,094,846千円(前年同期比112.9%)と全サービスラインで前年同期比で増加し、過去最高売上となりました。損益面については、第2四半期末に大規模不採算プロジェクトが発生しましたが、それ以外のプロジェクトについては増収による利益の増加等堅調に推移したことにより、営業利益は709,492千円(前年同期比121.2%)、経常利益は724,492千円(前年同期比123.7%)、当期純利益は474,127千円(前年同期比125.2%)となり、売上同様に過去最高利益及び利益率となりました。
なお、当社はシステムソリューションサービス及びこれらの付随業務の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
当社事業のサービスライン別の業績を示すと次のとおりであります。
(システムインテグレーション・サービス)
通信業向けシステム再構築案件の縮小等により産業・流通分野の売上高が減少しましたが、ネットバンクを中心とした金融機関向け開発案件の受注拡大、保険分野での新規案件参画による受注増加、公共分野の官公庁向けシステム開発案件の受注増加、医療分野における病院向け電子カルテシステム及び医事会計システムの導入案件の受注増加等により、売上高は5,940,668千円(前年同期比105.8%)となりました。
内訳を業種別に示すと、次のとおりであります。
(インフラソリューション・サービス)
保険・証券分野及び公共・文教分野のネットワーク構築案件及び基盤構築案件の受注が堅調に推移したこと、中部・九州エリアの営業所新設による新規受注獲得、特別な需要であるWindows10更新関連ビジネスの受注が好調に推移したこと等により、売上高は1,516,212千円(前年同期比120.0%)となりました。
(パッケージベースSI・サービス)
当社におけるクラウドビジネスの中心であるSalesforceビジネス関連において、新規の大型開発案件の受注が増加したこと、会計パッケージ及び人事給与パッケージの導入支援・保守案件の受注が大幅に増加したこと等により、売上高は1,637,964千円(前年同期比139.1%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ106,469千円増加し、2,155,452千円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は266,198千円(前事業年度は580,564千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上額724,492千円、減価償却費の計上額46,876千円、仕入債務の増加額78,810千円、賞与引当金及び役員賞与引当金の増加額12,198千円、未払消費税等の増加額47,281千円等の資金増加と、売上債権の増加額309,104千円、たな卸資産の増加額31,113千円、その他流動資産の増加額13,883千円、その他流動負債の減少額47,525千円、法人税等の支払額251,347千円等の資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は36,416千円(前事業年度は42,422千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出29,143千円、定期預金の預入による支出5,413千円、投資有価証券の取得による支出2,934千円等の資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は123,311千円(前事業年度は121,411千円の支出)となりました。これは、新株の発行に伴う収入2,389千円の資金増加と、配当金の支払による支出125,701千円の資金減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当社は、システムソリューションサービス及びこれらの付随業務の単一セグメントのため、生産、受注及び販売の状況については、サービスライン別に示しております。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造費用によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当事業年度末における総資産は5,498,145千円となり、前事業年度末と比較して464,614千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が111,883千円増加、売上債権が309,104千円増加、システム開発の進捗により仕掛品が31,113千円増加、投資有価証券が23,396千円増加した一方、無形固定資産が10,721千円減少したことによるものであります。また、負債合計は1,871,644千円となり、前事業年度末と比較して99,598千円の増加となりました。これは主に、買掛金が78,810千円増加、未払消費税等が47,281千円増加、賞与引当金及び役員賞与引当金が12,198千円増加、受注損失引当金が6,100千円増加した一方、未払費用が26,553千円減少、預り金が22,568千円減少したことによるものであります。純資産合計は3,626,500千円となり、前事業年度末と比較して365,016千円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が348,426千円増加、その他有価証券評価差額金が14,200千円増加したことによるものであります。
以上により、自己資本比率は、前事業年度末の64.80%に対して当事業年度末の65.96%と1.16ポイント増加しております。
b.経営成績
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上高は9,094,846千円であり、前事業年度より1,038,532千円、12.9%増加いたしました。主な要因としては、当社事業の中核であるシステムインテグレーション・サービスにおいて、通信業向けシステム再構築案件の縮小等により、産業・流通分野の売上高が減少となりましたが、ネットバンクを中心とした金融機関向け開発案件の受注拡大、保険分野での新規案件参画による受注増加、公共分野での官公庁向けシステム開発案件の受注増加、医療分野での病院向け電子カルテシステム及び医事会計システム導入案件の受注増加等により売上高が前事業年度比5.8%増加し、2期連続の増収となりました。また、インフラソリューション・サービスにおいて、保険・証券分野及び公共・教育機関向けのネットワーク構築案件及び基盤構築案件の受注が引き続き堅調に推移したこと、中部・九州エリアの営業所新設による新規受注獲得、特別な需要であるWindows10更新関連ビジネスの受注が好調に推移したこと等により、売上高が前事業年度比20.0%増加し、5期連続の増収となりました。最後に当社の重点分野であるパッケージベースSI・サービスにおいて、当社におけるクラウドビジネスの中心であるSalesforceビジネス関連において、新規大型開発案件の受注が大きく増加したこと、会計パッケージ及び人事給与パッケージの導入支援、保守案件の受注が引き続き堅調に推移した結果、売上高が前事業年度比39.1%増加し、7期連続の増収となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は2期連続で過去最高売上となりました。
当事業年度の売上原価は7,442,645千円であり、前事業年度より848,325千円増加となりました。これは売上増加に伴う売上原価の増加及び上期末に発生した不採算プロジェクトの人員補強に伴う外注費の増加によるものでありますが、その他のプロジェクトは概ね順調に推移した結果、原価率は81.8%となり、前事業年度より0.1ポイント減少し、当事業年度の売上総利益は1,652,200千円と前事業年度より190,206千円、13.0%増加いたしました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は942,708千円であり、前事業年度より65,907千円、7.5%増加いたしました。その主な要因は、新入社員人数増加に伴う人件費及び教育研修費の増加、及び人財管理本部補強に伴う人件費の増加等によるものであります。
その結果、営業利益は709,492千円となり、前事業年度より124,298千円、21.2%増加いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は15,801千円であり、前事業年度より907千円増加いたしました。これは助成金収入の増加等によるものであります。
当事業年度の営業外費用は801千円であり、前事業年度より13,531千円減少いたしました。これは前年度は一部指定関連費用を計上しましたが、今期は発生しなかったことによるものであります。
その結果、経常利益は724,492千円となり、前事業年度より138,737千円、23.7%増加いたしました。
(当期純利益)
以上の結果より、当期純利益は474,127千円となり、前事業年度より95,516千円、25.2%増加いたしました。
c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行など世界経済、日本経済の先行き不透明感が強まり、極めて厳しい状況が続くものと見込まれています。情報サービス業界におきましては、先端技術の普及やデジタルトランスフォーメーションの進展等により、需要は継続されるものの、事業環境の急激な悪化により、短期的にIT投資全般が抑制される傾向は避けられない状況ですが、「働き方改革(業務効率化、テレワークの導入)」、IoT(Internet of Things)、フィンテック(金融サービスのITイノベーション)、ビッグデータ、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)等のITを利用した生産性向上や省人化・自動化による労働力不足への対応に向けたIT活用意識が高まっており、構造的には変化せず、中長期的にはDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心としたIT投資は引き続き拡大すると想定しております。
その一方で、当業界では業者間の受注競争の激化に加え、パートナー企業を含む開発要員獲得の面で非常に厳しい経営環境が続いており、引き続き人材確保と育成が経営課題の最重要事項となっております。
このような状況の中で当社は、技術革新が急速に進む情報サービス業界において常にお客様に満足していただけるサービスを提供していくため、既存技術の強化とともにクラウドコンピューティングやパッケージベースSIサービスを中心とする成長力の高い事業ドメインの開拓、事業構造の集中と選択に積極的に取り組み、的確な戦略ドメイン選択のもと長期的な成長につながるビジネス基盤の構築に注力してまいります。また、これらの成長を実現するため、Salesforceビジネス推進室を中心したパッケージ導入支援、アドオン開発の推進を図り、また新たに立ち上げたDX推進本部を中心とした新デジタル技術への取り組み等、戦略投資を進めていく方針であります。一方、不採算プロジェクト発生を防ぐべく、開発プロジェクトのマネジメント意識を高め、PMO要員によるプロジェクト監視強化を引き続き行うとともに、生産性の向上、経営効率化による基盤強化に向けた取り組みを一層加速し、強固な土台を構築してまいります。
2021年3月期においては、新型コロナウイルス感染症の拡大、長期化が懸念されており、今後の動向によっては顧客企業のIT投資の抑制(受注減少、プロジェクトの中断、中止、延期等)が想定され、当社の業績に影響を与える可能性がありますが、DXを中心とした取り組みを強化し業績の向上を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況・分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動に伴い売掛金回収までの運転資金を主たる資金の需要としておりますが、金融機関からの借入金により、必要とする十分な資金を調達しております。なお当事業年度においては、引き続き慎重かつ保守的な財務活動にあたる方針としたことから当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は2,155,452千円となり、比較的厚めの資金ポジションをとっております。当事業年度末における資金は資産合計の39.2%を占めており、また流動比率は353.73%であることから十分な流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(工事進行基準)
成果の確実性が認められる受注制作のソフトウェアについては、工事進行基準を適用しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。
工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、工事等の完成のために必要となる作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社の業績を変動させる可能性があります。
(受注損失引当金)
受注損失引当金については、受注損失の発生の可能性が高く、かつ、その金額が合理的に見積れる場合、工事収益総額から会計期間末に見積りを行った工事原価総額を控除した損失見込額を引当計上しております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、輸出が引き続き弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、設備投資、雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移していました。一方で、大国間の貿易摩擦の懸念、海外経済の動向と政策に関する不確実性など、引き続き懸念されるなか、年度の後半に発生した新型コロナウイルスのパンデミックにより世界規模で景気が減速しており、今後、どこまで影響が広がるか見通せない状況です。
当社が属する情報サービス業界においては、引き続きクラウド、IoT(Internet of Things)、フィンテック(金融サービスのITイノベーション)、ビッグデータ、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)などの技術革新の進展、金融や流通分野を中心とした制度対応に伴うシステム更新、「働き方改革」の実現を含む人手不足に対する自動化、省力化、生産性向上に向けたIT活用意識の高まりを背景としたDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資需要が高く、市場は拡大傾向となりました。しかしながら、パートナー企業を含む開発要員の不足及び高コスト化等でさらに厳しい収益環境が続いております。
このような環境のもと当社では、引き続き既存顧客とのパートナーシップの強化による領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、継続的な受注確保・拡大を図るとともに、新デジタル分野への取り組みに注力し、開発要員の採用強化及びパートナー企業との更なる連携強化に努めてまいりました。
また、引き続き不採算プロジェクト再発防止に向けたプロジェクト管理の強化に真摯に努めるとともに、今後の成長に向けた強固な土台作りを推進してまいりました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高は9,094,846千円(前年同期比112.9%)と全サービスラインで前年同期比で増加し、過去最高売上となりました。損益面については、第2四半期末に大規模不採算プロジェクトが発生しましたが、それ以外のプロジェクトについては増収による利益の増加等堅調に推移したことにより、営業利益は709,492千円(前年同期比121.2%)、経常利益は724,492千円(前年同期比123.7%)、当期純利益は474,127千円(前年同期比125.2%)となり、売上同様に過去最高利益及び利益率となりました。
なお、当社はシステムソリューションサービス及びこれらの付随業務の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
当社事業のサービスライン別の業績を示すと次のとおりであります。
| 事業のサービスライン | 売上高(千円) | 前年同期比(%) |
| システムインテグレーション・サービス | 5,940,668 | 105.8 |
| インフラソリューション・サービス | 1,516,212 | 120.0 |
| パッケージベースSI・サービス | 1,637,964 | 139.1 |
| 合計 | 9,094,846 | 112.9 |
(システムインテグレーション・サービス)
通信業向けシステム再構築案件の縮小等により産業・流通分野の売上高が減少しましたが、ネットバンクを中心とした金融機関向け開発案件の受注拡大、保険分野での新規案件参画による受注増加、公共分野の官公庁向けシステム開発案件の受注増加、医療分野における病院向け電子カルテシステム及び医事会計システムの導入案件の受注増加等により、売上高は5,940,668千円(前年同期比105.8%)となりました。
内訳を業種別に示すと、次のとおりであります。
| 業種別 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 売上高(千円) | 売上高(千円) | 構成比(%) | 前年同期比(%) | |
| 金融 | 2,360,032 | 2,786,718 | 46.9 | 118.1 |
| (うち銀行) | 1,481,163 | 1,741,733 | 29.3 | 117.6 |
| (うち保険・証券) | 224,003 | 298,832 | 5.0 | 133.4 |
| (うちクレジットカード) | 654,865 | 746,153 | 12.6 | 113.9 |
| 産業・流通 | 2,421,397 | 2,177,329 | 36.7 | 89.9 |
| 公共 | 210,256 | 300,902 | 5.1 | 143.1 |
| 医療 | 623,887 | 675,717 | 11.4 | 108.3 |
| 計 | 5,615,573 | 5,940,668 | 100.0 | 105.8 |
(インフラソリューション・サービス)
保険・証券分野及び公共・文教分野のネットワーク構築案件及び基盤構築案件の受注が堅調に推移したこと、中部・九州エリアの営業所新設による新規受注獲得、特別な需要であるWindows10更新関連ビジネスの受注が好調に推移したこと等により、売上高は1,516,212千円(前年同期比120.0%)となりました。
(パッケージベースSI・サービス)
当社におけるクラウドビジネスの中心であるSalesforceビジネス関連において、新規の大型開発案件の受注が増加したこと、会計パッケージ及び人事給与パッケージの導入支援・保守案件の受注が大幅に増加したこと等により、売上高は1,637,964千円(前年同期比139.1%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ106,469千円増加し、2,155,452千円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は266,198千円(前事業年度は580,564千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上額724,492千円、減価償却費の計上額46,876千円、仕入債務の増加額78,810千円、賞与引当金及び役員賞与引当金の増加額12,198千円、未払消費税等の増加額47,281千円等の資金増加と、売上債権の増加額309,104千円、たな卸資産の増加額31,113千円、その他流動資産の増加額13,883千円、その他流動負債の減少額47,525千円、法人税等の支払額251,347千円等の資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は36,416千円(前事業年度は42,422千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出29,143千円、定期預金の預入による支出5,413千円、投資有価証券の取得による支出2,934千円等の資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は123,311千円(前事業年度は121,411千円の支出)となりました。これは、新株の発行に伴う収入2,389千円の資金増加と、配当金の支払による支出125,701千円の資金減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当社は、システムソリューションサービス及びこれらの付随業務の単一セグメントのため、生産、受注及び販売の状況については、サービスライン別に示しております。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
| 事業のサービスライン | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| システムインテグレーション・サービス | (千円) | 4,971,887 | 107.3 |
| インフラソリューション・サービス | (千円) | 1,277,401 | 121.9 |
| パッケージベースSI・サービス | (千円) | 1,218,369 | 136.7 |
| 合計 | (千円) | 7,467,657 | 113.6 |
(注)1.金額は製造費用によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
| 事業のサービスライン | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||||
| 受注高 | 前年同期比 (%) | 受注残高 | 前年同期比 (%) | ||
| システムインテグレーション・サービス | (千円) | 5,908,020 | 101.0 | 995,146 | 96.8 |
| インフラソリューション・サービス | (千円) | 1,511,231 | 115.4 | 219,029 | 97.8 |
| パッケージベースSI・サービス | (千円) | 1,755,684 | 141.8 | 346,549 | 151.4 |
| 合計 | (千円) | 9,174,937 | 109.3 | 1,560,726 | 105.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
| 事業のサービスライン | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| システムインテグレーション・サービス | (千円) | 5,940,668 | 105.8 |
| インフラソリューション・サービス | (千円) | 1,516,212 | 120.0 |
| パッケージベースSI・サービス | (千円) | 1,637,964 | 139.1 |
| 合計 | (千円) | 9,094,846 | 112.9 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 富士通株式会社 | 2,232,721 | 27.7 | 2,353,045 | 25.9 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当事業年度末における総資産は5,498,145千円となり、前事業年度末と比較して464,614千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が111,883千円増加、売上債権が309,104千円増加、システム開発の進捗により仕掛品が31,113千円増加、投資有価証券が23,396千円増加した一方、無形固定資産が10,721千円減少したことによるものであります。また、負債合計は1,871,644千円となり、前事業年度末と比較して99,598千円の増加となりました。これは主に、買掛金が78,810千円増加、未払消費税等が47,281千円増加、賞与引当金及び役員賞与引当金が12,198千円増加、受注損失引当金が6,100千円増加した一方、未払費用が26,553千円減少、預り金が22,568千円減少したことによるものであります。純資産合計は3,626,500千円となり、前事業年度末と比較して365,016千円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が348,426千円増加、その他有価証券評価差額金が14,200千円増加したことによるものであります。
以上により、自己資本比率は、前事業年度末の64.80%に対して当事業年度末の65.96%と1.16ポイント増加しております。
b.経営成績
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上高は9,094,846千円であり、前事業年度より1,038,532千円、12.9%増加いたしました。主な要因としては、当社事業の中核であるシステムインテグレーション・サービスにおいて、通信業向けシステム再構築案件の縮小等により、産業・流通分野の売上高が減少となりましたが、ネットバンクを中心とした金融機関向け開発案件の受注拡大、保険分野での新規案件参画による受注増加、公共分野での官公庁向けシステム開発案件の受注増加、医療分野での病院向け電子カルテシステム及び医事会計システム導入案件の受注増加等により売上高が前事業年度比5.8%増加し、2期連続の増収となりました。また、インフラソリューション・サービスにおいて、保険・証券分野及び公共・教育機関向けのネットワーク構築案件及び基盤構築案件の受注が引き続き堅調に推移したこと、中部・九州エリアの営業所新設による新規受注獲得、特別な需要であるWindows10更新関連ビジネスの受注が好調に推移したこと等により、売上高が前事業年度比20.0%増加し、5期連続の増収となりました。最後に当社の重点分野であるパッケージベースSI・サービスにおいて、当社におけるクラウドビジネスの中心であるSalesforceビジネス関連において、新規大型開発案件の受注が大きく増加したこと、会計パッケージ及び人事給与パッケージの導入支援、保守案件の受注が引き続き堅調に推移した結果、売上高が前事業年度比39.1%増加し、7期連続の増収となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は2期連続で過去最高売上となりました。
当事業年度の売上原価は7,442,645千円であり、前事業年度より848,325千円増加となりました。これは売上増加に伴う売上原価の増加及び上期末に発生した不採算プロジェクトの人員補強に伴う外注費の増加によるものでありますが、その他のプロジェクトは概ね順調に推移した結果、原価率は81.8%となり、前事業年度より0.1ポイント減少し、当事業年度の売上総利益は1,652,200千円と前事業年度より190,206千円、13.0%増加いたしました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は942,708千円であり、前事業年度より65,907千円、7.5%増加いたしました。その主な要因は、新入社員人数増加に伴う人件費及び教育研修費の増加、及び人財管理本部補強に伴う人件費の増加等によるものであります。
その結果、営業利益は709,492千円となり、前事業年度より124,298千円、21.2%増加いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は15,801千円であり、前事業年度より907千円増加いたしました。これは助成金収入の増加等によるものであります。
当事業年度の営業外費用は801千円であり、前事業年度より13,531千円減少いたしました。これは前年度は一部指定関連費用を計上しましたが、今期は発生しなかったことによるものであります。
その結果、経常利益は724,492千円となり、前事業年度より138,737千円、23.7%増加いたしました。
(当期純利益)
以上の結果より、当期純利益は474,127千円となり、前事業年度より95,516千円、25.2%増加いたしました。
c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行など世界経済、日本経済の先行き不透明感が強まり、極めて厳しい状況が続くものと見込まれています。情報サービス業界におきましては、先端技術の普及やデジタルトランスフォーメーションの進展等により、需要は継続されるものの、事業環境の急激な悪化により、短期的にIT投資全般が抑制される傾向は避けられない状況ですが、「働き方改革(業務効率化、テレワークの導入)」、IoT(Internet of Things)、フィンテック(金融サービスのITイノベーション)、ビッグデータ、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)等のITを利用した生産性向上や省人化・自動化による労働力不足への対応に向けたIT活用意識が高まっており、構造的には変化せず、中長期的にはDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心としたIT投資は引き続き拡大すると想定しております。
その一方で、当業界では業者間の受注競争の激化に加え、パートナー企業を含む開発要員獲得の面で非常に厳しい経営環境が続いており、引き続き人材確保と育成が経営課題の最重要事項となっております。
このような状況の中で当社は、技術革新が急速に進む情報サービス業界において常にお客様に満足していただけるサービスを提供していくため、既存技術の強化とともにクラウドコンピューティングやパッケージベースSIサービスを中心とする成長力の高い事業ドメインの開拓、事業構造の集中と選択に積極的に取り組み、的確な戦略ドメイン選択のもと長期的な成長につながるビジネス基盤の構築に注力してまいります。また、これらの成長を実現するため、Salesforceビジネス推進室を中心したパッケージ導入支援、アドオン開発の推進を図り、また新たに立ち上げたDX推進本部を中心とした新デジタル技術への取り組み等、戦略投資を進めていく方針であります。一方、不採算プロジェクト発生を防ぐべく、開発プロジェクトのマネジメント意識を高め、PMO要員によるプロジェクト監視強化を引き続き行うとともに、生産性の向上、経営効率化による基盤強化に向けた取り組みを一層加速し、強固な土台を構築してまいります。
2021年3月期においては、新型コロナウイルス感染症の拡大、長期化が懸念されており、今後の動向によっては顧客企業のIT投資の抑制(受注減少、プロジェクトの中断、中止、延期等)が想定され、当社の業績に影響を与える可能性がありますが、DXを中心とした取り組みを強化し業績の向上を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況・分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動に伴い売掛金回収までの運転資金を主たる資金の需要としておりますが、金融機関からの借入金により、必要とする十分な資金を調達しております。なお当事業年度においては、引き続き慎重かつ保守的な財務活動にあたる方針としたことから当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は2,155,452千円となり、比較的厚めの資金ポジションをとっております。当事業年度末における資金は資産合計の39.2%を占めており、また流動比率は353.73%であることから十分な流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(工事進行基準)
成果の確実性が認められる受注制作のソフトウェアについては、工事進行基準を適用しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。
工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、工事等の完成のために必要となる作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社の業績を変動させる可能性があります。
(受注損失引当金)
受注損失引当金については、受注損失の発生の可能性が高く、かつ、その金額が合理的に見積れる場合、工事収益総額から会計期間末に見積りを行った工事原価総額を控除した損失見込額を引当計上しております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。