有価証券報告書-第51期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、長引く新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、個人消費、企業収益が大幅に減少するなど非常に厳しい状況となりました。足下では3回目の緊急事態宣言が発令されましたが、変異株による感染の再拡大が見られるなど、事態収束の兆しが見えず、依然として先行不透明な状況が続いております。
当社が属する情報サービス業界においては、DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応や、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとしたテレワーク環境の整備、クラウドサービスの加速など、ITに対する底堅いニーズがあるものの、対面営業や顧客先対応業務が制限されたほか、業績悪化による企業のIT投資の先送りや抑制など一部に慎重な動きがみられるなど、先行き不透明な事業環境にあります。
このような環境のもと当社では、パートナー企業を含む社員及びお客様の健康と安全を確保しつつ生産性を維持するため、テレワークや時差通勤、リモートによる商談、オンライン会議等を積極的に推進し、事業活動の維持・継続に注力してまいりました。また、既存顧客とのパートナーシップの強化による領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、さらにDX推進本部を中心とする新デジタル分野(クラウド、IoT、AI)への取り組みに注力し、開発要員の採用強化及びパートナー企業との更なる連携強化に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の業績は、前年同期に比べ法改正等に伴う開発案件の反動減等により、売上高は8,877,449千円(前年同期比97.6%)と減収となりました。損益面につきましては、コロナ禍の活動自粛に伴う会議・交際費の減少、リモートワークによる旅費交通費などの費用削減効果が増加した一方、将来の新デジタル分野への投資としての教育研修費及び人件費が増加しました。また、第2四半期に発生した大型不採算プロジェクトの収束に注力し、人員補強を行いながら対応したことにより、営業利益は620,091千円(前年同期比87.4%)、経常利益650,834千円(前年同期比89.8%)、当期純利益は430,741千円(前年同期比90.8%)となりました。
なお、第2四半期に発生した大型不採算プロジェクトにつきましては、当第4四半期末で収束し、今後新たな損失の発生は見込まれておりません。不採算の原因を検証し再発防止に真摯に取り組み、収益の改善を図ってまいります。
当社事業のサービスライン別の業績を示すと次のとおりであります。
(システムインテグレーション・サービス)
ネットバンク案件及びクレジットカード分野での既存案件の売上が増加したことにより金融分野の売上は前年を上回り、また産業・流通における社会基盤分野における通信業向けシステム開発案件の売上が増加しましたが、流通分野の法改正等に伴う開発案件の反動減等により売上が減少、新型コロナウイルス感染症拡大による医療分野の受注が大幅に減少、公共分野の新規受注案件が減少した結果、売上高は5,524,972千円(前年同期比93.0%)となりました。
内訳を業種別に示すと、次のとおりであります。
(インフラソリューション・サービス)
公共・文教分野におけるサーバ・ネットワーク構築案件の売上が増加、中京地区の電力系案件の売上が増加しましたが、金融・証券系の基盤構築案件、ネットワーク構築等の売上が大きく減少した結果、売上高は1,375,674千円(前年同期比90.7%)となりました。
(パッケージベースSI・サービス)
当社におけるDX推進の中心であるクラウド分野のSalesforceビジネス関連において、複数事業部での展開等による大型開発案件の受注が増加したことにより、売上が前年同期比140.2%と大幅に増収となり、その他ではSAP案件の受注獲得拡大等により、パッケージベースSI・サービスの売上高は1,976,803千円(前年同期比120.7%)と増収となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ211,801千円増加し、2,367,253千円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は398,710千円(前事業年度は266,198千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上額650,834千円、減価償却費の計上額41,394千円、退職給付引当金の増加額15,684千円、売上債権の減少額18,682千円、前受金の増加額47,442千円等の資金増加と、賞与引当金及び役員賞与引当金の減少額23,660千円、たな卸資産の増加額15,308千円、仕入債務の減少額44,360千円、未払消費税等の減少額28,925千円、法人税等の支払額256,766千円等の資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は25,210千円(前事業年度は36,416千円の支出)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出16,655千円、定期預金の預入による支出5,413千円、投資有価証券の取得による支出3,140千円の資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は161,698千円(前事業年度は123,311千円の支出)となりました。これは配当金の支払による支出161,645千円等の資金減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当社は、システムソリューションサービス及びこれらの付随業務の単一セグメントのため、生産、受注及び販売の状況については、サービスライン別に示しております。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造費用によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当事業年度末における総資産は5,746,992千円となり、前事業年度末と比較して248,847千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が217,214千円増加、システム開発の進捗により仕掛品が15,308千円増加、投資有価証券が77,138千円増加した一方、売上債権が18,682千円減少、繰延税金資産が26,344千円減少したことによるものであります。また、負債合計は1,800,094千円となり、前事業年度末と比較して71,550千円の減少となりました。これは主に、前受金が47,442千円増加、退職給付引当金が15,684千円増加した一方、買掛金が44,360千円減少、納税により未払法人税等及び未払消費税等が72,223千円減少、賞与及び役員賞与の支給等により賞与引当金及び役員賞与引当金が23,660千円減少したことによるものであります。純資産合計は3,946,898千円となり、前事業年度末と比較して320,397千円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が269,095千円増加、その他有価証券評価差額金が51,354千円増加したことによるものであります。
以上により、自己資本比率は、前事業年度末の65.96%に対して当事業年度末の68.68%と2.72ポイント増加しております。
b.経営成績
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上高は8,877,449千円であり、前事業年度より217,396千円、2.4%減少いたしました。主な要因としては、当社事業の中核であるシステムインテグレーション・サービスにおいて、ネットバンクを中心とした金融分野における依存案件の売上が増加、通信業向けシステム開発案件の売上が増加しましたが、前年度発生した流通分野の法改正等に伴うシステム開発案件の反動減による売上が減少、新型コロナウイルス感染症拡大により病院向けの電子カルテシステム及び医事会計システム導入案件の受注が大幅に減少、公共分野の新規受注案件が減少した結果、売上高が前事業年度比7.0%減少となりました。次に、インフラソリューション・サービスにおいて、公共分野及び文教分野におけるインフラ構築案件の売上が増加し、また電力会社向け案件の受注獲得による売上が増加しましたが、前年度発生した特別な需要であるWindows10更新関連の反動減による売上が減少、金融・証券分野の基盤構築及びネットワーク構築案件の売上が大きく減少したこと等により、売上高が前事業年度比9.3%減少となりました。最後に当社の重点分野であるパッケージベースSI・サービスにおいて、当社におけるクラウドビジネスの中心であるSalesforceビジネス関連において、当事業年度より複数事業部での展開により新規大型開発案件の受注が大きく増加し、またSAP案件の人員強化による受注増加等、引き続き堅調に推移した結果、売上高が前事業年度比20.7%増加し、8期連続の増収となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は3期ぶりに減収となりました。
当事業年度の売上原価は7,383,743千円であり、前事業年度より58,902千円減少となりました。これはコロナ禍の活動自粛に伴う会議費・交際費の減少、リモートワークによる旅費交通費の減少等による経費減少しましたが、第2四半期末に発生した大型不採算プロジェクトの収束対応に伴う大幅な人員補強を行いながら対応し原価が増加したこと、将来の新デジタル分野に対応に教育研修費及び人件費が増加したことが大きな要因となり、原価率は83.2%となり、前事業年度より1.4ポイント増加し、当事業年度の売上総利益は1,493,706千円と前事業年度より158,494千円、9.6%減少いたしました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は873,615千円であり、前事業年度より69,092千円、7.3%減少いたしました。その主な要因は、売上原価同様会議費、交際費、旅費交通費等の経費削減効果によるものであります。
その結果、営業利益は620,091千円となり、前事業年度より89,401千円、12.6%減少いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は31,339千円であり、前事業年度より15,538千円増加いたしました。これは助成金収入の増加等によるものであります。
当事業年度の営業外費用は596千円であり、前事業年度より204千円減少いたしました。
その結果、経常利益は650,834千円となり、前事業年度より73,657千円、10.2%減少いたしました。
(当期純利益)
以上の結果より、当期純利益は430,741千円となり、前事業年度より43,385千円、9.2%減少いたしました。
c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの普及等、明るい兆しが見受けられるものの、変異株の感染拡大など新たな問題により引き続き厳しい状況が続くものと見込まれています。
情報サービス業界におきましては、先端技術の普及や業務効率化ニーズの高まり、デジタルトランスフォーメーションの進展等により、需要は継続されるものの、事業環境の急激な悪化により、短期的にIT投資全般が抑制される傾向は避けられない状況ですが、「働き方改革(業務効率化、テレワークの導入)」、クラウド化の進展、IoT(Internet of Things)、フィンテック(金融サービスのITイノベーション)、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)等のITを利用した生産性向上や省人化・自動化による労働力不足への対応等、構造的には変化せず、中長期的にはIT投資は引き続き拡大すると想定しております。
その一方で、当業界では業者間の受注競争の激化に加え、パートナー企業を含む開発要員獲得の面で非常に厳しい経営環境が続いており、引き続き人材確保と育成が経営課題の最重要事項となっております。
このような状況の中で当社は、技術革新が急速に進む情報サービス業界において常にお客様に満足していただけるサービスを提供していくため、既存技術の強化とともにクラウドビジネスやパッケージベースSIサービスを中心とする成長力の高い事業ドメインの開拓、事業構造の集中と選択、直ユーザ取引の拡大に積極的に取り組み、的確な戦略ドメイン選択のもと長期的な成長につながるビジネス基盤の構築に注力してまいります。
また、これらの成長を実現するため、Salesforceビジネス推進室を中心したパッケージ導入支援、アドオン開発の全社展開の推進、DX推進本部を中心としたローコード開発等の新デジタル技術、クラウドビジネス推進の取り組み強化等、前年に引き続き戦略投資を進めていく方針であります。
一方、昨年度発生した大型不採算プロジェクトを鑑み、不採算プロジェクト発生を防ぐべく、開発プロジェクトのマネジメント意識を高めるとともに、PMO要員によるプロジェクト監視をさらに強化し、生産性の向上、経営効率化による基盤強化に向けた取り組みを一層加速し、強固な土台を構築してまいります。
2022年3月期も新型コロナウイルス感染症の変異株拡大、長期化が懸念されており、今後の動向によっては、顧客企業のIT投資の抑制(受注減少、プロジェクトの中断、中止、延期等)が予想され、当社の業績に影響を与える可能性がありますが、デジタルトランスフォーメーションを中心とした取り組みを強化し業績の向上を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況・分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動に伴い売掛金回収までの運転資金を主たる資金の需要としておりますが、金融機関からの借入金により、必要とする十分な資金を調達しております。なお当事業年度においては、引き続き慎重かつ保守的な財務活動にあたる方針としたことから当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は2,367,253千円となり、比較的厚めの資金ポジションをとっております。当事業年度末における資金は資産合計の41.2%を占めており、また流動比率は393.72%であることから十分な流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、長引く新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、個人消費、企業収益が大幅に減少するなど非常に厳しい状況となりました。足下では3回目の緊急事態宣言が発令されましたが、変異株による感染の再拡大が見られるなど、事態収束の兆しが見えず、依然として先行不透明な状況が続いております。
当社が属する情報サービス業界においては、DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応や、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとしたテレワーク環境の整備、クラウドサービスの加速など、ITに対する底堅いニーズがあるものの、対面営業や顧客先対応業務が制限されたほか、業績悪化による企業のIT投資の先送りや抑制など一部に慎重な動きがみられるなど、先行き不透明な事業環境にあります。
このような環境のもと当社では、パートナー企業を含む社員及びお客様の健康と安全を確保しつつ生産性を維持するため、テレワークや時差通勤、リモートによる商談、オンライン会議等を積極的に推進し、事業活動の維持・継続に注力してまいりました。また、既存顧客とのパートナーシップの強化による領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、さらにDX推進本部を中心とする新デジタル分野(クラウド、IoT、AI)への取り組みに注力し、開発要員の採用強化及びパートナー企業との更なる連携強化に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の業績は、前年同期に比べ法改正等に伴う開発案件の反動減等により、売上高は8,877,449千円(前年同期比97.6%)と減収となりました。損益面につきましては、コロナ禍の活動自粛に伴う会議・交際費の減少、リモートワークによる旅費交通費などの費用削減効果が増加した一方、将来の新デジタル分野への投資としての教育研修費及び人件費が増加しました。また、第2四半期に発生した大型不採算プロジェクトの収束に注力し、人員補強を行いながら対応したことにより、営業利益は620,091千円(前年同期比87.4%)、経常利益650,834千円(前年同期比89.8%)、当期純利益は430,741千円(前年同期比90.8%)となりました。
なお、第2四半期に発生した大型不採算プロジェクトにつきましては、当第4四半期末で収束し、今後新たな損失の発生は見込まれておりません。不採算の原因を検証し再発防止に真摯に取り組み、収益の改善を図ってまいります。
当社事業のサービスライン別の業績を示すと次のとおりであります。
| 事業のサービスライン | 売上高(千円) | 前年同期比(%) |
| システムインテグレーション・サービス | 5,524,972 | 93.0 |
| インフラソリューション・サービス | 1,375,674 | 90.7 |
| パッケージベースSI・サービス | 1,976,803 | 120.7 |
| 合計 | 8,877,449 | 97.6 |
(システムインテグレーション・サービス)
ネットバンク案件及びクレジットカード分野での既存案件の売上が増加したことにより金融分野の売上は前年を上回り、また産業・流通における社会基盤分野における通信業向けシステム開発案件の売上が増加しましたが、流通分野の法改正等に伴う開発案件の反動減等により売上が減少、新型コロナウイルス感染症拡大による医療分野の受注が大幅に減少、公共分野の新規受注案件が減少した結果、売上高は5,524,972千円(前年同期比93.0%)となりました。
内訳を業種別に示すと、次のとおりであります。
| 業種別 | 前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 売上高(千円) | 売上高(千円) | 構成比(%) | 前年同期比(%) | |
| 金融 | 2,786,718 | 2,841,829 | 51.4 | 102.0 |
| (うち銀行) | 1,741,733 | 1,761,234 | 31.9 | 101.1 |
| (うち保険・証券) | 298,832 | 268,840 | 4.9 | 90.0 |
| (うちクレジットカード) | 746,153 | 811,754 | 14.7 | 108.8 |
| 産業・流通 | 2,177,329 | 1,990,265 | 36.0 | 91.4 |
| 公共 | 300,902 | 185,331 | 3.4 | 61.6 |
| 医療 | 675,717 | 507,545 | 9.2 | 75.1 |
| 計 | 5,940,668 | 5,524,972 | 100.0 | 93.0 |
(インフラソリューション・サービス)
公共・文教分野におけるサーバ・ネットワーク構築案件の売上が増加、中京地区の電力系案件の売上が増加しましたが、金融・証券系の基盤構築案件、ネットワーク構築等の売上が大きく減少した結果、売上高は1,375,674千円(前年同期比90.7%)となりました。
(パッケージベースSI・サービス)
当社におけるDX推進の中心であるクラウド分野のSalesforceビジネス関連において、複数事業部での展開等による大型開発案件の受注が増加したことにより、売上が前年同期比140.2%と大幅に増収となり、その他ではSAP案件の受注獲得拡大等により、パッケージベースSI・サービスの売上高は1,976,803千円(前年同期比120.7%)と増収となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ211,801千円増加し、2,367,253千円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は398,710千円(前事業年度は266,198千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上額650,834千円、減価償却費の計上額41,394千円、退職給付引当金の増加額15,684千円、売上債権の減少額18,682千円、前受金の増加額47,442千円等の資金増加と、賞与引当金及び役員賞与引当金の減少額23,660千円、たな卸資産の増加額15,308千円、仕入債務の減少額44,360千円、未払消費税等の減少額28,925千円、法人税等の支払額256,766千円等の資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は25,210千円(前事業年度は36,416千円の支出)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出16,655千円、定期預金の預入による支出5,413千円、投資有価証券の取得による支出3,140千円の資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は161,698千円(前事業年度は123,311千円の支出)となりました。これは配当金の支払による支出161,645千円等の資金減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当社は、システムソリューションサービス及びこれらの付随業務の単一セグメントのため、生産、受注及び販売の状況については、サービスライン別に示しております。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
| 事業のサービスライン | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| システムインテグレーション・サービス | (千円) | 4,723,798 | 95.0 |
| インフラソリューション・サービス | (千円) | 1,145,266 | 89.7 |
| パッケージベースSI・サービス | (千円) | 1,527,086 | 125.3 |
| 合計 | (千円) | 7,396,151 | 99.0 |
(注)1.金額は製造費用によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
| 事業のサービスライン | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||||
| 受注高 | 前年同期比 (%) | 受注残高 | 前年同期比 (%) | ||
| システムインテグレーション・サービス | (千円) | 5,507,071 | 93.2 | 977,245 | 98.2 |
| インフラソリューション・サービス | (千円) | 1,437,202 | 95.1 | 280,558 | 128.1 |
| パッケージベースSI・サービス | (千円) | 1,944,201 | 110.7 | 313,947 | 90.6 |
| 合計 | (千円) | 8,888,475 | 96.9 | 1,571,751 | 100.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
| 事業のサービスライン | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| システムインテグレーション・サービス | (千円) | 5,524,972 | 93.0 |
| インフラソリューション・サービス | (千円) | 1,375,674 | 90.7 |
| パッケージベースSI・サービス | (千円) | 1,976,803 | 120.7 |
| 合計 | (千円) | 8,877,449 | 97.6 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 富士通株式会社 | 2,353,045 | 25.9 | 2,313,965 | 26.1 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当事業年度末における総資産は5,746,992千円となり、前事業年度末と比較して248,847千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が217,214千円増加、システム開発の進捗により仕掛品が15,308千円増加、投資有価証券が77,138千円増加した一方、売上債権が18,682千円減少、繰延税金資産が26,344千円減少したことによるものであります。また、負債合計は1,800,094千円となり、前事業年度末と比較して71,550千円の減少となりました。これは主に、前受金が47,442千円増加、退職給付引当金が15,684千円増加した一方、買掛金が44,360千円減少、納税により未払法人税等及び未払消費税等が72,223千円減少、賞与及び役員賞与の支給等により賞与引当金及び役員賞与引当金が23,660千円減少したことによるものであります。純資産合計は3,946,898千円となり、前事業年度末と比較して320,397千円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が269,095千円増加、その他有価証券評価差額金が51,354千円増加したことによるものであります。
以上により、自己資本比率は、前事業年度末の65.96%に対して当事業年度末の68.68%と2.72ポイント増加しております。
b.経営成績
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上高は8,877,449千円であり、前事業年度より217,396千円、2.4%減少いたしました。主な要因としては、当社事業の中核であるシステムインテグレーション・サービスにおいて、ネットバンクを中心とした金融分野における依存案件の売上が増加、通信業向けシステム開発案件の売上が増加しましたが、前年度発生した流通分野の法改正等に伴うシステム開発案件の反動減による売上が減少、新型コロナウイルス感染症拡大により病院向けの電子カルテシステム及び医事会計システム導入案件の受注が大幅に減少、公共分野の新規受注案件が減少した結果、売上高が前事業年度比7.0%減少となりました。次に、インフラソリューション・サービスにおいて、公共分野及び文教分野におけるインフラ構築案件の売上が増加し、また電力会社向け案件の受注獲得による売上が増加しましたが、前年度発生した特別な需要であるWindows10更新関連の反動減による売上が減少、金融・証券分野の基盤構築及びネットワーク構築案件の売上が大きく減少したこと等により、売上高が前事業年度比9.3%減少となりました。最後に当社の重点分野であるパッケージベースSI・サービスにおいて、当社におけるクラウドビジネスの中心であるSalesforceビジネス関連において、当事業年度より複数事業部での展開により新規大型開発案件の受注が大きく増加し、またSAP案件の人員強化による受注増加等、引き続き堅調に推移した結果、売上高が前事業年度比20.7%増加し、8期連続の増収となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は3期ぶりに減収となりました。
当事業年度の売上原価は7,383,743千円であり、前事業年度より58,902千円減少となりました。これはコロナ禍の活動自粛に伴う会議費・交際費の減少、リモートワークによる旅費交通費の減少等による経費減少しましたが、第2四半期末に発生した大型不採算プロジェクトの収束対応に伴う大幅な人員補強を行いながら対応し原価が増加したこと、将来の新デジタル分野に対応に教育研修費及び人件費が増加したことが大きな要因となり、原価率は83.2%となり、前事業年度より1.4ポイント増加し、当事業年度の売上総利益は1,493,706千円と前事業年度より158,494千円、9.6%減少いたしました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は873,615千円であり、前事業年度より69,092千円、7.3%減少いたしました。その主な要因は、売上原価同様会議費、交際費、旅費交通費等の経費削減効果によるものであります。
その結果、営業利益は620,091千円となり、前事業年度より89,401千円、12.6%減少いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は31,339千円であり、前事業年度より15,538千円増加いたしました。これは助成金収入の増加等によるものであります。
当事業年度の営業外費用は596千円であり、前事業年度より204千円減少いたしました。
その結果、経常利益は650,834千円となり、前事業年度より73,657千円、10.2%減少いたしました。
(当期純利益)
以上の結果より、当期純利益は430,741千円となり、前事業年度より43,385千円、9.2%減少いたしました。
c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの普及等、明るい兆しが見受けられるものの、変異株の感染拡大など新たな問題により引き続き厳しい状況が続くものと見込まれています。
情報サービス業界におきましては、先端技術の普及や業務効率化ニーズの高まり、デジタルトランスフォーメーションの進展等により、需要は継続されるものの、事業環境の急激な悪化により、短期的にIT投資全般が抑制される傾向は避けられない状況ですが、「働き方改革(業務効率化、テレワークの導入)」、クラウド化の進展、IoT(Internet of Things)、フィンテック(金融サービスのITイノベーション)、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)等のITを利用した生産性向上や省人化・自動化による労働力不足への対応等、構造的には変化せず、中長期的にはIT投資は引き続き拡大すると想定しております。
その一方で、当業界では業者間の受注競争の激化に加え、パートナー企業を含む開発要員獲得の面で非常に厳しい経営環境が続いており、引き続き人材確保と育成が経営課題の最重要事項となっております。
このような状況の中で当社は、技術革新が急速に進む情報サービス業界において常にお客様に満足していただけるサービスを提供していくため、既存技術の強化とともにクラウドビジネスやパッケージベースSIサービスを中心とする成長力の高い事業ドメインの開拓、事業構造の集中と選択、直ユーザ取引の拡大に積極的に取り組み、的確な戦略ドメイン選択のもと長期的な成長につながるビジネス基盤の構築に注力してまいります。
また、これらの成長を実現するため、Salesforceビジネス推進室を中心したパッケージ導入支援、アドオン開発の全社展開の推進、DX推進本部を中心としたローコード開発等の新デジタル技術、クラウドビジネス推進の取り組み強化等、前年に引き続き戦略投資を進めていく方針であります。
一方、昨年度発生した大型不採算プロジェクトを鑑み、不採算プロジェクト発生を防ぐべく、開発プロジェクトのマネジメント意識を高めるとともに、PMO要員によるプロジェクト監視をさらに強化し、生産性の向上、経営効率化による基盤強化に向けた取り組みを一層加速し、強固な土台を構築してまいります。
2022年3月期も新型コロナウイルス感染症の変異株拡大、長期化が懸念されており、今後の動向によっては、顧客企業のIT投資の抑制(受注減少、プロジェクトの中断、中止、延期等)が予想され、当社の業績に影響を与える可能性がありますが、デジタルトランスフォーメーションを中心とした取り組みを強化し業績の向上を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況・分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動に伴い売掛金回収までの運転資金を主たる資金の需要としておりますが、金融機関からの借入金により、必要とする十分な資金を調達しております。なお当事業年度においては、引き続き慎重かつ保守的な財務活動にあたる方針としたことから当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は2,367,253千円となり、比較的厚めの資金ポジションをとっております。当事業年度末における資金は資産合計の41.2%を占めており、また流動比率は393.72%であることから十分な流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。