有価証券報告書-第33期(令和1年8月1日-令和2年7月31日)

【提出】
2020/10/23 16:44
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【項目】
139項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識並びに分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財務状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中、感染拡大の防止策を講じつつ社会経済活動のレベルを段階的に引き上げているものの、回復に向けた動きは鈍く、深刻な状況が続いております。国外におきましても、感染拡大は未だに終息せず、見通しが立たない世界経済は依然として不透明感が強く、経済活動へのマイナス影響は長期化することが懸念されます。
ジュエリー業界におきましても、緊急事態宣言解除後、展示会や販売催事を含む営業活動は徐々に再開されているものの、消費行動の自粛傾向が続き収益環境は厳しいものとなりました。
このような状況の中、当社も主要取引先各社からの受注の減少によるマイナス影響は続き、主軸製品である「Dancing Stone」(※1)の販売は伸び悩み、さらに、今後の主軸製品として取り組んでいた「テニスブレスレット」の生産、及び「EXL-LOCK」(※2)の生産体制の構築を一時見合わせざるを得ない状況が続いております。
しかし、当社は「Dancing Stone」の拡販の余地は十分にあると考え、この状況を機に、非対面型ビジネスモデルへの転換及び新たな領域への進出を実施してまいりました。具体的には、新しい生活様式では必要不可欠なECサイトのリニューアル準備や取引先との商談をリモートで実施することにより、移動に伴う時間やコストの短縮を実現しております。また、「Dancing Stone」の販路拡大に向け、これまで提案をしたことのない神社仏閣へアプローチを開始しております。通常の御守に「Dancing Stone」の技術を掛け合わせることでひとランク上のプレミアム感を演出し、参拝者をターゲットとした新たな需要の喚起を目指しております。加えて、コスト面ではRPA(※3)を活用した業務のスリム化や適切なコストコントロール、仕入の抑制に取り組みました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化に備え、十分な手元資金を確保するため銀行からの借入を実行するなど、財務基盤の強化に努めてまいりました。
こうした活動を行ってまいりましたが、国内は、新型コロナウイルス感染症のマイナス影響が続き、販売先である全国の百貨店や商業施設の営業自粛、また、展示会や販売催事の来場者数の減少により売上高が大幅に減少し1,649,997千円となりました。国外につきましても、主要都市のロックダウンの影響で得意先の店舗が閉鎖され、また香港、ラスベガス、イスタンブールの展示会も延期または中止となり、さらに世界的に渡航制限が課せられていることから減収が続き、674,338千円となりました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は2,324,336千円(前期比33.5%減)、営業損失は413,928千円(前連結会計年度は営業利益61,718千円)、経常損失は424,007千円(前連結会計年度は経常利益49,782千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は固定資産に係る多額の減損損失を計上したことなどにより611,832千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益13,674千円)となりました。
なお、当社グループの事業セグメントは、「ジュエリー事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
※1 「Dancing Stone」とは、当社の特許技術により宝石に穴をあけることなく、宝石を揺らすことができる宝石のセッティング方法であります。
※2 旧称「EZ Clasp」、第3四半期連結会計期間中に商標変更を行いました。チェーンやブレスレット向けの片手で簡単に脱着可能なダブル式の留め金具であります。
※3 Robotic Process Automationの略語で、ホワイトカラーのデスクワーク(主に定型作業)を、パソコンの中にあるソフトウェア型のロボットが代行・自動化する概念です。
b.財政状態の状況
(a).資産の部
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ76,658千円減少し、5,201,251千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が364,453千円、製品が480,133千円減少する一方、現金及び預金が636,086千円、原材料及び貯蔵品が294,353千円増加したことなどによるものであります。
(b).負債の部
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ535,540千円増加し、3,224,973千円となりました。これは主に、短期借入金が500,400千円増加したことによるものであります。
(c).純資産の部
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ612,198千円減少し、1,976,277千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失611,832千円を計上したことなどによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前連結会計年度末に比べ633,686千円増加し、1,342,085千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、136,216千円(前期は655,850千円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失576,165千円計上の減少要因があったものの、売上債権の減少額273,954千円、たな卸資産の減少額264,424千円等の増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、104,920千円(前期は172,392千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出91,621千円等の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、610,469千円(前期は207,913千円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入700,000千円及び短期借入金の純増額500,400千円等の増加要因があったものの、長期借入金の返済による支出584,892千円等の減少要因によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、ジュエリー事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
a.生産実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年8月1日
至 2020年7月31日)
生産高(千円)前年同期比(%)
ジュエリー事業1,702,95185.5
合計1,702,95185.5

(注) 1.金額は、製造原価によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループでは、概ね受注から販売までの期間が短く、又一部については見込生産を行っているため、受注実績の記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループの販売実績を地域別に示すと次のとおりであります。
地域別当連結会計年度
(自 2019年8月1日
至 2020年7月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
国内向け製品販売1,649,99771.8
海外向けパーツ、製品販売674,33856.3
合計2,324,33666.5

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
MARIGOTJEWELLERY(THAILAND) CO., LTD.388,60211.1287,10812.0

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財務状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 b.政状態の状況」をご参照ください。
(経営成績の分析)
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,169,595千円減少し、2,324,336千円となりました。
売上高の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 a.経営成績の状況」をご参照ください。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ444,085千円減少し、1,570,206千円となりました。主な要因は、売上高が減少したことによる減少に加え、製品評価損の計上及びテニスブレスレット製造費用の支出に伴う増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ725,509千円減少し、754,129千円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ249,862千円減少し、1,168,057千円となりました。
販売費及び一般管理費、営業利益の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 a.経営成績の状況」をご参照ください。
この結果、売上総利益の減少と相まって、当連結会計年度の営業損失は413,928千円(前期は営業利益61,718千円)となりました。
また当社が重要な経営指標として掲げる営業利益率は、前連結会計年度に比べ19.6%減少し、△17.8%となりました。
d. 営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ4,506千円増加し、24,673千円となりました。主な要因は、補助金収入によるものであります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ2,649千円増加し、34,752千円となりました。主な要因は、為替差損を計上したことによるものです。
この結果、営業利益の減少と相まって、当連結会計年度の経常損失は424,007千円(前期は経常利益49,782千円)となりました。
e. 特別損益、税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べ150,199千円増加し、152,473千円となりました。主な要因は、固定資産の減損損失を計上したことによるものであります。
この結果、経常利益の減少と相まって、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は576,165千円(前期は税金等調整前当期純利益47,508千円)となりました。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額は35,666千円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益の減少と相まって、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は611,832千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益13,674千円)となりました。
(経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容)
当社グループが属するジュエリー業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が続き2021年7月期の売上高においても、マイナス影響を受けることが想定されております。その中で、地金価格の上昇が予想されること、また、開催が延期された東京オリンピック・パラリンピックに向けての国内消費および訪日外国人によるインバウンド消費に一定の期待はするものの、人々の生活様式が以前の状態に戻ることは難しいと想定し、今後は消費行動の変化や購買行動の多様化を踏まえウィズコロナに適応した製品やサービスを提供していく必要があります。
当社としては、引き続き非対面型ビジネスモデルへの転換及びデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進して、従来の業務プロセスを再構築し、生産性の向上・コスト削減・時間短縮を実現し、時代の変化に合わせた体制へ改革していきます。
製品面では、当社にしかないノウハウや技術を更に極めた「Dancing Stone」に加え、今後の主軸製品として取り組んでいる「EXL-LOCK」をいち早く確立していきます。「EXL-LOCK」のように、すべてのネックレス、ブレスレットに必要な留め金具の市場は、「Dancing Stone」とは比べものにならないほどの巨大な市場規模となっています。その市場に対し、まず、当社は「Dancing Stone」で築き上げた販路を活かした営業活動を行います。さらに、市場規模の拡大が見込まれている東南アジア、アフリカを中心に新規市場の開拓を図ってまいります。そして、近い将来、オートメーションでの生産が可能なることにより、「他社より安い、便利」を売りに、留め金具市場の大幅な世界シェアの獲得を目指し、安定的な売上の獲得と利益確保ができるように努めてまいります。
一方で、海外は子会社であるCrossfor H.K. Ltdが主体となり、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着き、国内経済の回復傾向が顕著になりつつある中国市場への営業活動をはじめ、今後市場規模の拡大が見込まれる東南アジア、アフリカ等を含む開催される展示会への積極的な出展を行うとともに、これらの展示会への参加を通じ、エージェントとともに海外ジュエリーメーカーに対する営業を行い、海外市場の開拓を図ってまいります。
また、ブランド価値の維持・発展のため、国内外において模造品の増加を防止する対策を強化し、特に模造品の販売が続く中国につきましては、子会社である歌思福珠宝(深圳)有限公司と現地の代理店にて引き続き模造品の排除を実施してまいります。
さらに、間接部門においても、グループ全体で一体となり経営基盤の安定を図るとともに、製造原価の低減、販売管理費の見直し等を実施し、経費削減によって収益性を高めることにより、業績向上に寄与するよう邁進してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品を製造するための地金購入費用及びその加工費であります。それらの財源は営業キャッシュ・フロー及び金融機関から調達した有利子負債であり、状況に応じて充当しております。
また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保するため、在庫及び売上債権が滞留しないよう努めてまいります。また、新型コロナウイルス感染症の影響に備えた手元流動性の保持を目的として、当連結会計年度中に取引金融機関より12億円の資金調達を行っております
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。これらの見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の報告数値と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりであります。
a.新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積り
新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務表 注記事項(追加情報)(新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積り)」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分に基づきグルーピングを行っており、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。そのため、これらの資産が当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュフロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損が発生する可能性があります。
c.売上債権の貸倒引当金
当社グループは、売上債権の貸倒損失に備え回収不能となる可能性のある金額を合理的に見積り、その額を貸倒引当金として計上しております。将来、販売先の財務状況が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
d.たな卸資産の評価
当社グループは、主として総平均法による原価法及び最終仕入原価法に基づいております。なお、滞留等により営業循環過程から外れた、たな卸資産につきましては、帳簿価額を貴金属の市場価格等を反映した処分見込価額まで切り下げる等の方法により、収益性の低下を適切に貸借対照表に反映させております。将来の市場環境の変化や販売見込みの相違によっては、たな卸資産の評価損に重要な影響を及ぼす可能性があります。
e.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得を見積もった上で、将来の税金負担額を軽減する効果を有する範囲内で繰延税金資産を計上しております。利益計画の前提条件の変化があった場合には、評価性引当額の計上に伴い、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

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