有価証券報告書
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2019年10月1日~2020年9月30日)におけるわが国経済は、消費増税に伴う経済へのインパクトに加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大(以下、「感染拡大」)とそれに伴う政府の緊急事態宣言により、広範囲の企業の業績に影響を及ぼし、消費の落ち込みとともに景気が大きく後退いたしました。
当社グループを取り巻く事業環境においては、緊急事態宣言に伴う対面型イベントの自粛要請や広告・販促の延期、クライアントの在宅勤務の拡大に伴う営業体制の縮小など、大きな環境変化が生じました。当社主催の採用・進学の企画についても、4・5月開催予定だった対面型企画を6月以降に延期し、緊急事態宣言解除後、順次再開いたしました。また、グループ全体で比較的堅調な分野に営業注力してまいりましたが、7月以降の感染再拡大を受けた企画出展の見直しや、経済活動の停滞による企業のプロモーション活動・採用活動の抑制等が続き、例年売上ピーク期となる第3四半期を中心に業績に影響を与えました。
一方、イベントの中心に伴う代替商材の引き合いや、防災・衛生用品の販売、ライブ配信型セミナーへの切り替え、新たなデジタル商材の販売も開始するなど、「防災・衛生」「オンライン」「非対面」をテーマにした営業活動で、新たなニーズの掘り起こしや販路開拓も実現いたしました。特に、4月よりノベルティ商品を取り扱う協力会社との連携により販売を開始したマスク・アルコールジェル・フェイスシールド・検温器等の衛生商材への引き合いが強く、グループ全体での衛生商材の売上高が2億円を超えるなど、通常商材の減収・減益分を新商材が一定程度カバーする形となりました。
また、グループ全体でコストの削減を図り、販売費及び一般管理費は前連結会計年度を下回り、損益面に一定の改善効果がありました。
なお、2020年9月期の業績に鑑みて経営合理化施策に着手し、アクセス青山フォーラムの閉鎖、アクセス梅田フォーラムの縮小、㈱アクセスネクステージ本社の移転、㈱アクセスプログレス及び㈱アクセスネクステージ関西支社のフロア移転・集約、㈱アクセスネクステージ京都オフィス・福岡連絡事務所の閉鎖を行います。そのため、販売費及び一般管理費に、アクセスフォーラム・オフィスの原状回復費用にかかる資産除去債務の引当との差額を計上しております。
また、それに伴う固定資産の除却及び学校広報事業における固定資産の減損損失を当期の特別損失として計上しております。損失の発生に伴い、繰延税金資産の一部取崩しもしております。
これらの結果、当社グループ連結での業績は前連結会計年度を下回りました。その結果、当連結会計年度における売上高は3,789百万円(前連結会計年度比16.9%減)、営業損失は171百万円(前連結会計年度は営業利益58百万円)、経常損失は189百万円(前連結会計年度は経常利益38百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は310百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益2百万円)となりました。
当連結会計年度における、事業セグメント別の業績は、以下のとおりです。
(プロモーション事業)
プロモーション事業におきましては、住宅・不動産、外食・小売、旅行・宿泊関連の各分野が感染拡大の影響を受けたほか、緊急事態宣言解除後も2021年9月期案件の営業活動が中心となったことから、特に損益面で業績に影響を与えました。一方、広告代理店分野は第4四半期においてキャンペーン事務局案件が復調傾向となったほか、ケーブルテレビ、自治体・公的機関・共済の各分野はコロナ対応案件や衛生商材の取扱い等によって比較的堅調に推移いたしました。特に、緊急事態宣言下において、一定の出勤が必要な公共性の高い機関から、衛生商材への強い引き合いがありました。
プロモーション事業全体の売上高は前連結会計年度比で減収となりましたが、これは主に当期からキャンペーン景品の取扱方法を変更したこと、郵送物取扱い案件の減少により郵送料が減ったこと、及び感染拡大に伴う住宅・不動産分野の案件延期に起因するものです。なお、郵送物取扱い案件に代わり、位置情報活用型DSP広告(A・P・P=Access Pin-Point)を始めとしたWeb商材への切り替えが進んだことで、当セグメント全体としては前期比で原価率が大きく改善しました。また、販売費及び一般管理費も前期比で抑制したことから、損益面では一定の底上げ効果がありました。
その結果、プロモーション事業の売上高は1,311百万円(前連結会計年度比28.9%減)、セグメント損失は57百万円(前連結会計年度はセグメント利益0百万円)となりました。
(採用広報事業)
採用広報事業におきましては、緊急事態宣言に伴い、4・5月に予定していた対面型の採用マッチング企画を延期したことにより、特に例年売上ピーク期となる第2四半期後半から第3四半期の業績に影響を与えました。一方、衛生商材に対して強い引き合いがあり、これを機に取引再開となったクライアントも多く、個別案件が前年同期比で大きく伸長いたしました。また、対面型の企画に代えて、Webによるライブ配信型セミナーも複数回開催し、売上・利益の減少分を一定程度カバーしたほか、6月からは対面型の採用マッチング企画も再開いたしました。そのため、第4四半期(7~9月)は前期比で増収となりました。
その結果、採用広報事業の売上高は1,563百万円(前年同期比4.8%減)、セグメント損失は88百万円(前年同期はセグメント利益58百万円)となりました。
(学校広報事業)
学校広報事業におきましては、緊急事態宣言に伴い、予定していた対面型の進学企画を軒並み7月以降の開催に延期しました。外国人留学生企画は順次再開しましたが回数を厳選しての開催となったほか、国内進学企画についてはクライアントの動向も踏まえ7月以降も中止といたしました。また、受託していた大型のイベントや事務局代行案件について、キャンセルや規模の縮小が発生し、特に例年売上ピーク期となる第3四半期の業績に影響を与えたほか、クライアントの休校や在宅勤務により案件の検討期間が長引き、連合企画への参画が想定を下回りました。
なお、第4四半期(7~9月)については受注が復調傾向となり、前期比で増収となりました。また、衛生商材に対する引き合いにより、売上・利益の減少分を一定程度カバーいたしました。販売費及び一般管理費についても、前期より圧縮することができました。
その結果、学校広報事業の売上高は914百万円(前年同期比14.8%減)、セグメント損失は78百万円(前年同期はセグメント損失17百万円)となりました。
② 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ1,322百万円増加し、3,339百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,521百万円、受取手形及び売掛金の減少138百万円、電子記録債権の減少54百万円、仕掛品の減少29百万円によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ44百万円減少し、579百万円となりました。これは主に、有形固定資産の減少25百万円、無形固定資産の減少20百万円によるものです。
(繰延資産)
当連結会計年度末における繰延資産の残高は、前連結会計年度末と比べ2百万円増加し、2百万円となりました。これは社債発行費の増加2百万円によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ1,593百万円増加し、2,738百万円となりました。これは主に、金融機関からの短期借入金の増加1,520百万円、1年内償還予定の社債の増加64百万円、買掛金の減少44百万円によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ63百万円増加し、328百万円となりました。これは主に社債の増加104百万円、役員退職慰労引当金の減少25百万円、退職給付に係る負債の減少10百万円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ376百万円減少し、855百万円となりました。これは主に、利益剰余金の減少345百万円、自己株式の取得29百万円によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ1,655百万円増加した結果、当連結会計年度末は2,324百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は6百万円(前連結会計年度に支出した資金は233百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失255百万円、売上債権の減少192百万円、仕入債務の減少44百万円、未払金の増加41百万円、法人税等の支払32百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は57百万円(前連結会計年度に支出した資金は20百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出14百万円、無形固定資産の取得による支出49百万円、定期預金の払戻による収入603百万円、定期預金の預入による支出470百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,603百万円(前連結会計年度に得られた資金は496百万円)となりました。これは主に、短期借入金の増加による収入1,520百万円、社債の発行による収入197百万円、社債の償還による支出32百万円、自己株式の取得による支出29百万円、配当金の支払による支出35百万円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績及び受注実績
当社はプロモーション事業、採用広報事業、学校広報事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、省略しております。
b 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度および当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、貸倒引当金、固定資産の減損、投資その他の資産の評価、税効果会計などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、売上高は3,789百万円(前連結会計年度比16.9%減)、売上原価は2,199百万円(前連結会計年度比17.9%減)となり、その結果、売上総利益は1,589百万円(前連結会計年度比15.6%減)となりました。売上高及び売上総利益は前連結会計年度を下回りました。
いずれの事業セグメントも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大やそれに伴う緊急事態宣言の影響を受けました。プロモーション事業は、ケーブルテレビ、自治体・公的機関・共済の各分野は堅調に推移しましたが、住宅・不動産、外食・小売、旅行・宿泊関連の各分野が特に損益面で影響を受けました。採用広報事業は、個別案件が大きく伸長しましたが、対面型の採用マッチング企画の延期や参画の見送り等により、売上ピーク期となる第2四半期後半から第3四半期の業績に影響を与えました。学校広報事業は、第4四半期に復調傾向となったほか、入試広報分野以外の案件が堅調に推移しましたが、売上ピーク期の第3四半期に予定していたイベントの中止や規模縮小、受託していた大型案件のキャンセルにより、影響を受けました。
一方、イベントの中止に伴う代替商材の引き合いや、防災・衛生用品の販売、ライブ配信型セミナーへの切り替
え、新たなデジタル商材の販売も開始するなど、「防災・衛生」「オンライン」「非対面」をテーマにした営業活
動で、新たなニーズの掘り起こしや販路開拓も実現いたしました。特に、4月よりノベルティ商品を取り扱う協力
会社との連携により販売を開始したマスク・アルコールジェル・フェイスシールド・検温器等の衛生商材への引き
合いが強く、グループ全体での衛生商材の売上高が200百万円を超えるなど、通常商材の減収・減益分を新商材が一定程度カバーする形となりました。
販売費及び一般管理費は、グループ全体で経費の圧縮に努めた結果、前連結会計年度比で62百万円程度減少し、1,761百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。その結果、当連結会計年度は営業損失171百万円(前連結会計年度は営業利益58百万円)となりました。
営業外損益は、営業外収益が7百万円(前連結会計年度比181.4%増)となりました。一方、運転資金の借入の増加に伴い営業外費用は24百万円(前連結会計年度比7.7%増)となりました。その結果、経常損失は189百万円(前連結会計年度は経常利益38百万円)となりました。
特別損益は、特別利益が0百万円(前連結会計年度は発生せず)となりました。一方、アクセス青山フォーラムの閉鎖に伴う原状回復費用や学校広報事業のシステムの減損損失を計上したことから、特別損失は66百万円(前連結会計年度は0百万円)となりました。その結果、税金等調整前当期純損失は255百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益38百万円)となりました。
法人税、住民税及び事業税は27百万円となり、法人税等調整額は繰延税金資産の取崩しが発生し、26百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は310百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益2百万円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、「2 事業等のリスク(2)当社グループの事業に関するリスク⑦継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載の通り、当社グループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。このような状況に対し、当社グループは、当座貸越契約に基づく資金の借入を行うことにより、必要な運転資金を確保し、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループにおける資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入となります。
内部留保金の使途につきましては、更なる成長に向け、長期的な視点に立ったサービス開発への設備投資、事業拡大のための資金確保に活用していく方針としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは長期にわたる顧客との取引関係から、安定した顧客基盤を有していますが、事業環境としては競争が激しく、単価の下げ圧力や競合他社に顧客がシフトするケースが発生しがちであります。また、各事業ともインターネットによる広告広報の増加により、新興企業やIT関連企業が新たなビジネスモデルで参入する機会が増えているほか、少子化に伴う市場の縮小や事業構造のパラダイムシフトの傾向が見られます。したがって、顧客とのさらなる信頼醸成と、利益率の高い案件の継続的な受注が課題となっています。
また、当社グループの案件・企画には原価が発生するため、想定を上回る原価が発生した場合、利益を圧迫することになります。そのため、原価のコントロールをより厳格に行っていくことが課題となっています。
このほか、当社グループは営業会社であるため、営業社員の人数確保が売上向上の重要な課題となります。
⑤ 経営戦略と見通し
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社グループを取り巻く市場環境も大きく変動しました。今後も感染状況を見ながら慎重に経済運営が行われると想定され、本格的な需要の回復は2021年春以降になると見込んでおります。2021年9月期については、上半期はプロモーション事業・採用広報事業を中心に前期比減の状況が続くものの、下半期に前期を上回る水準になると予想しております。足元の受注は緩やかに回復傾向にあるため、2021年9月期は通期では営業黒字を確保する見通しです。
セールスプロモーションを含む広告全体の市場(マス媒体を除く)は、2020年4月から5月にかけて一時的に落ち込み、その後も前年同月を下回る状況が続いていますが、リーマンショック時の水準までは落ち込まず、下落幅は縮小傾向にあります。(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」をもとに当社調べ)今後、業界を牽引するのはデジタル広告とそれを下支えするアウトソーシング業務であると見通しております。
採用広報市場では、コロナ禍により一部業界で採用見送りを発表する企業も出ているほか、その他の業界でも採用人数を厳選する動きが生じています。一方、有効求人倍率は1倍前後となっており、過去最高レベルにあった2019年の水準からは減少しているものの、依然として高いレベルにあります。また、日本経団連が「採用選考に関する指針」の公表を取りやめたことに加え、通年採用やジョブ型採用の拡大を表明する企業もあり、就職活動のサイクルはこれまで以上に変動が生じて行くものと想定しております。今後は、企業が求める資質やスキルと、求職者の経験・希望を適切にマッチングするニーズが、より一層高まると考えられます。
学校広報市場では、感染拡大防止の観点から、進学イベントの開催が困難となるケースや、開催しても学校法人の方針により参加が難しくなるケースがありました。しかし、現在は殆どのクライアントが通常の体制に戻っています。また、日本の18歳人口は今後も減少が見込まれていることから、各教育機関とも学生確保に向けた広報を強化しており、外国人留学生向けの広報へのニーズも引き続き根強い状況です。さらに、授業や入試、入学・卒業式、オープンキャンパス等でのソーシャルディスタンスの確保が求められるため、衛生・レンタル商材に対しても高いニーズがあります。
このような状況下において、当社グループの各事業では、以下の経営方針で事業を展開してまいります。
プロモーション事業では、位置情報活用型DSP広告サービスを始めとしたデジタル商材の拡充を図ります。また、これまで広告代理店経由での受託が大半であったキャンペーン事務局について、ディーエムソリューションズ株式会社との協業や、当事業への直接のお問い合わせチャネルの増加により、案件の拡大に取り組みます。このほか、横浜市、大阪府、和歌山県で2020年9月期に実施した防災情報媒体の企画を継続するとともに、他の自治体にも横展開して、各地での同様企画の実施と関連ソリューションの提供を行います。さらに、レンタル事業を開始し、住宅・不動産を中心とした既存クライアントからの案件創出に加え、レンタルをノック商材とした新規クライアントの開拓も行ってまいります。
採用広報事業では、既存イベントについて自社イベントスペース「アクセスフォーラム」での開催率を高め、利益効率の高い商品にいたします。また、コロナ禍にマッチするオンライン商品・サービスを積極投入するとともに、インターンシップ企画の拡充と関連案件の獲得、新卒・中途・外国人留学生分野の強化を図ってまいります。さらに、全国の官公庁・自治体案件事業や再委託事業の受託拡大に向けて注力しつつ、防災・衛生商材やレンタル商材の拡販も行ってまいります。
学校広報事業では、当事業を「教育機関の運営・発展のための総合プロデュース企業」として定義し、入試広報以外の部門への営業を本格化しております。今後この動きをより強化し、教育機関の全部門に加え、教育関連企業等にも取引先を拡大して、事業展開してまいります。また、自社企画Webメディア「アクセス進学」のリニューアルと不採算媒体の廃止を行い、利益構造の改善を図ります。さらにコロナ禍における授業や入試、入学・卒業式、オープンキャンパス等の実施に向け、衛生商材やレンタル商材の拡販も行ってまいります。
グループ全般においても、従来の事業領域にとらわれず、当社が積極的にグループ各社を牽引する形で、他社との業務提携や新規事業、M&A等の検討を引き続き行います。また、東京に2箇所開設していたアクセスフォーラムについて、集客率の高い渋谷フォーラムに集約するとともに、梅田フォーラムの規模を適正化します。さらに、採用広報事業の本社機能の移転、関西支社のフロア集約、電話回線の総合的な見直しにより、経営合理化を行います。これにより、利益効率の高い経営環境を築いてまいります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2019年10月1日~2020年9月30日)におけるわが国経済は、消費増税に伴う経済へのインパクトに加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大(以下、「感染拡大」)とそれに伴う政府の緊急事態宣言により、広範囲の企業の業績に影響を及ぼし、消費の落ち込みとともに景気が大きく後退いたしました。
当社グループを取り巻く事業環境においては、緊急事態宣言に伴う対面型イベントの自粛要請や広告・販促の延期、クライアントの在宅勤務の拡大に伴う営業体制の縮小など、大きな環境変化が生じました。当社主催の採用・進学の企画についても、4・5月開催予定だった対面型企画を6月以降に延期し、緊急事態宣言解除後、順次再開いたしました。また、グループ全体で比較的堅調な分野に営業注力してまいりましたが、7月以降の感染再拡大を受けた企画出展の見直しや、経済活動の停滞による企業のプロモーション活動・採用活動の抑制等が続き、例年売上ピーク期となる第3四半期を中心に業績に影響を与えました。
一方、イベントの中心に伴う代替商材の引き合いや、防災・衛生用品の販売、ライブ配信型セミナーへの切り替え、新たなデジタル商材の販売も開始するなど、「防災・衛生」「オンライン」「非対面」をテーマにした営業活動で、新たなニーズの掘り起こしや販路開拓も実現いたしました。特に、4月よりノベルティ商品を取り扱う協力会社との連携により販売を開始したマスク・アルコールジェル・フェイスシールド・検温器等の衛生商材への引き合いが強く、グループ全体での衛生商材の売上高が2億円を超えるなど、通常商材の減収・減益分を新商材が一定程度カバーする形となりました。
また、グループ全体でコストの削減を図り、販売費及び一般管理費は前連結会計年度を下回り、損益面に一定の改善効果がありました。
なお、2020年9月期の業績に鑑みて経営合理化施策に着手し、アクセス青山フォーラムの閉鎖、アクセス梅田フォーラムの縮小、㈱アクセスネクステージ本社の移転、㈱アクセスプログレス及び㈱アクセスネクステージ関西支社のフロア移転・集約、㈱アクセスネクステージ京都オフィス・福岡連絡事務所の閉鎖を行います。そのため、販売費及び一般管理費に、アクセスフォーラム・オフィスの原状回復費用にかかる資産除去債務の引当との差額を計上しております。
また、それに伴う固定資産の除却及び学校広報事業における固定資産の減損損失を当期の特別損失として計上しております。損失の発生に伴い、繰延税金資産の一部取崩しもしております。
これらの結果、当社グループ連結での業績は前連結会計年度を下回りました。その結果、当連結会計年度における売上高は3,789百万円(前連結会計年度比16.9%減)、営業損失は171百万円(前連結会計年度は営業利益58百万円)、経常損失は189百万円(前連結会計年度は経常利益38百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は310百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益2百万円)となりました。
当連結会計年度における、事業セグメント別の業績は、以下のとおりです。
(プロモーション事業)
プロモーション事業におきましては、住宅・不動産、外食・小売、旅行・宿泊関連の各分野が感染拡大の影響を受けたほか、緊急事態宣言解除後も2021年9月期案件の営業活動が中心となったことから、特に損益面で業績に影響を与えました。一方、広告代理店分野は第4四半期においてキャンペーン事務局案件が復調傾向となったほか、ケーブルテレビ、自治体・公的機関・共済の各分野はコロナ対応案件や衛生商材の取扱い等によって比較的堅調に推移いたしました。特に、緊急事態宣言下において、一定の出勤が必要な公共性の高い機関から、衛生商材への強い引き合いがありました。
プロモーション事業全体の売上高は前連結会計年度比で減収となりましたが、これは主に当期からキャンペーン景品の取扱方法を変更したこと、郵送物取扱い案件の減少により郵送料が減ったこと、及び感染拡大に伴う住宅・不動産分野の案件延期に起因するものです。なお、郵送物取扱い案件に代わり、位置情報活用型DSP広告(A・P・P=Access Pin-Point)を始めとしたWeb商材への切り替えが進んだことで、当セグメント全体としては前期比で原価率が大きく改善しました。また、販売費及び一般管理費も前期比で抑制したことから、損益面では一定の底上げ効果がありました。
その結果、プロモーション事業の売上高は1,311百万円(前連結会計年度比28.9%減)、セグメント損失は57百万円(前連結会計年度はセグメント利益0百万円)となりました。
(採用広報事業)
採用広報事業におきましては、緊急事態宣言に伴い、4・5月に予定していた対面型の採用マッチング企画を延期したことにより、特に例年売上ピーク期となる第2四半期後半から第3四半期の業績に影響を与えました。一方、衛生商材に対して強い引き合いがあり、これを機に取引再開となったクライアントも多く、個別案件が前年同期比で大きく伸長いたしました。また、対面型の企画に代えて、Webによるライブ配信型セミナーも複数回開催し、売上・利益の減少分を一定程度カバーしたほか、6月からは対面型の採用マッチング企画も再開いたしました。そのため、第4四半期(7~9月)は前期比で増収となりました。
その結果、採用広報事業の売上高は1,563百万円(前年同期比4.8%減)、セグメント損失は88百万円(前年同期はセグメント利益58百万円)となりました。
(学校広報事業)
学校広報事業におきましては、緊急事態宣言に伴い、予定していた対面型の進学企画を軒並み7月以降の開催に延期しました。外国人留学生企画は順次再開しましたが回数を厳選しての開催となったほか、国内進学企画についてはクライアントの動向も踏まえ7月以降も中止といたしました。また、受託していた大型のイベントや事務局代行案件について、キャンセルや規模の縮小が発生し、特に例年売上ピーク期となる第3四半期の業績に影響を与えたほか、クライアントの休校や在宅勤務により案件の検討期間が長引き、連合企画への参画が想定を下回りました。
なお、第4四半期(7~9月)については受注が復調傾向となり、前期比で増収となりました。また、衛生商材に対する引き合いにより、売上・利益の減少分を一定程度カバーいたしました。販売費及び一般管理費についても、前期より圧縮することができました。
その結果、学校広報事業の売上高は914百万円(前年同期比14.8%減)、セグメント損失は78百万円(前年同期はセグメント損失17百万円)となりました。
② 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ1,322百万円増加し、3,339百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,521百万円、受取手形及び売掛金の減少138百万円、電子記録債権の減少54百万円、仕掛品の減少29百万円によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ44百万円減少し、579百万円となりました。これは主に、有形固定資産の減少25百万円、無形固定資産の減少20百万円によるものです。
(繰延資産)
当連結会計年度末における繰延資産の残高は、前連結会計年度末と比べ2百万円増加し、2百万円となりました。これは社債発行費の増加2百万円によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ1,593百万円増加し、2,738百万円となりました。これは主に、金融機関からの短期借入金の増加1,520百万円、1年内償還予定の社債の増加64百万円、買掛金の減少44百万円によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ63百万円増加し、328百万円となりました。これは主に社債の増加104百万円、役員退職慰労引当金の減少25百万円、退職給付に係る負債の減少10百万円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ376百万円減少し、855百万円となりました。これは主に、利益剰余金の減少345百万円、自己株式の取得29百万円によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ1,655百万円増加した結果、当連結会計年度末は2,324百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は6百万円(前連結会計年度に支出した資金は233百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失255百万円、売上債権の減少192百万円、仕入債務の減少44百万円、未払金の増加41百万円、法人税等の支払32百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は57百万円(前連結会計年度に支出した資金は20百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出14百万円、無形固定資産の取得による支出49百万円、定期預金の払戻による収入603百万円、定期預金の預入による支出470百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,603百万円(前連結会計年度に得られた資金は496百万円)となりました。これは主に、短期借入金の増加による収入1,520百万円、社債の発行による収入197百万円、社債の償還による支出32百万円、自己株式の取得による支出29百万円、配当金の支払による支出35百万円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績及び受注実績
当社はプロモーション事業、採用広報事業、学校広報事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、省略しております。
b 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| プロモーション事業 | 1,311,475 | △28.9 |
| 採用広報事業 | 1,563,355 | △4.8 |
| 学校広報事業 | 914,238 | △14.8 |
| 合計 | 3,789,068 | △16.9 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度および当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、貸倒引当金、固定資産の減損、投資その他の資産の評価、税効果会計などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、売上高は3,789百万円(前連結会計年度比16.9%減)、売上原価は2,199百万円(前連結会計年度比17.9%減)となり、その結果、売上総利益は1,589百万円(前連結会計年度比15.6%減)となりました。売上高及び売上総利益は前連結会計年度を下回りました。
いずれの事業セグメントも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大やそれに伴う緊急事態宣言の影響を受けました。プロモーション事業は、ケーブルテレビ、自治体・公的機関・共済の各分野は堅調に推移しましたが、住宅・不動産、外食・小売、旅行・宿泊関連の各分野が特に損益面で影響を受けました。採用広報事業は、個別案件が大きく伸長しましたが、対面型の採用マッチング企画の延期や参画の見送り等により、売上ピーク期となる第2四半期後半から第3四半期の業績に影響を与えました。学校広報事業は、第4四半期に復調傾向となったほか、入試広報分野以外の案件が堅調に推移しましたが、売上ピーク期の第3四半期に予定していたイベントの中止や規模縮小、受託していた大型案件のキャンセルにより、影響を受けました。
一方、イベントの中止に伴う代替商材の引き合いや、防災・衛生用品の販売、ライブ配信型セミナーへの切り替
え、新たなデジタル商材の販売も開始するなど、「防災・衛生」「オンライン」「非対面」をテーマにした営業活
動で、新たなニーズの掘り起こしや販路開拓も実現いたしました。特に、4月よりノベルティ商品を取り扱う協力
会社との連携により販売を開始したマスク・アルコールジェル・フェイスシールド・検温器等の衛生商材への引き
合いが強く、グループ全体での衛生商材の売上高が200百万円を超えるなど、通常商材の減収・減益分を新商材が一定程度カバーする形となりました。
販売費及び一般管理費は、グループ全体で経費の圧縮に努めた結果、前連結会計年度比で62百万円程度減少し、1,761百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。その結果、当連結会計年度は営業損失171百万円(前連結会計年度は営業利益58百万円)となりました。
営業外損益は、営業外収益が7百万円(前連結会計年度比181.4%増)となりました。一方、運転資金の借入の増加に伴い営業外費用は24百万円(前連結会計年度比7.7%増)となりました。その結果、経常損失は189百万円(前連結会計年度は経常利益38百万円)となりました。
特別損益は、特別利益が0百万円(前連結会計年度は発生せず)となりました。一方、アクセス青山フォーラムの閉鎖に伴う原状回復費用や学校広報事業のシステムの減損損失を計上したことから、特別損失は66百万円(前連結会計年度は0百万円)となりました。その結果、税金等調整前当期純損失は255百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益38百万円)となりました。
法人税、住民税及び事業税は27百万円となり、法人税等調整額は繰延税金資産の取崩しが発生し、26百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は310百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益2百万円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、「2 事業等のリスク(2)当社グループの事業に関するリスク⑦継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載の通り、当社グループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。このような状況に対し、当社グループは、当座貸越契約に基づく資金の借入を行うことにより、必要な運転資金を確保し、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループにおける資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入となります。
内部留保金の使途につきましては、更なる成長に向け、長期的な視点に立ったサービス開発への設備投資、事業拡大のための資金確保に活用していく方針としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは長期にわたる顧客との取引関係から、安定した顧客基盤を有していますが、事業環境としては競争が激しく、単価の下げ圧力や競合他社に顧客がシフトするケースが発生しがちであります。また、各事業ともインターネットによる広告広報の増加により、新興企業やIT関連企業が新たなビジネスモデルで参入する機会が増えているほか、少子化に伴う市場の縮小や事業構造のパラダイムシフトの傾向が見られます。したがって、顧客とのさらなる信頼醸成と、利益率の高い案件の継続的な受注が課題となっています。
また、当社グループの案件・企画には原価が発生するため、想定を上回る原価が発生した場合、利益を圧迫することになります。そのため、原価のコントロールをより厳格に行っていくことが課題となっています。
このほか、当社グループは営業会社であるため、営業社員の人数確保が売上向上の重要な課題となります。
⑤ 経営戦略と見通し
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社グループを取り巻く市場環境も大きく変動しました。今後も感染状況を見ながら慎重に経済運営が行われると想定され、本格的な需要の回復は2021年春以降になると見込んでおります。2021年9月期については、上半期はプロモーション事業・採用広報事業を中心に前期比減の状況が続くものの、下半期に前期を上回る水準になると予想しております。足元の受注は緩やかに回復傾向にあるため、2021年9月期は通期では営業黒字を確保する見通しです。
セールスプロモーションを含む広告全体の市場(マス媒体を除く)は、2020年4月から5月にかけて一時的に落ち込み、その後も前年同月を下回る状況が続いていますが、リーマンショック時の水準までは落ち込まず、下落幅は縮小傾向にあります。(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」をもとに当社調べ)今後、業界を牽引するのはデジタル広告とそれを下支えするアウトソーシング業務であると見通しております。
採用広報市場では、コロナ禍により一部業界で採用見送りを発表する企業も出ているほか、その他の業界でも採用人数を厳選する動きが生じています。一方、有効求人倍率は1倍前後となっており、過去最高レベルにあった2019年の水準からは減少しているものの、依然として高いレベルにあります。また、日本経団連が「採用選考に関する指針」の公表を取りやめたことに加え、通年採用やジョブ型採用の拡大を表明する企業もあり、就職活動のサイクルはこれまで以上に変動が生じて行くものと想定しております。今後は、企業が求める資質やスキルと、求職者の経験・希望を適切にマッチングするニーズが、より一層高まると考えられます。
学校広報市場では、感染拡大防止の観点から、進学イベントの開催が困難となるケースや、開催しても学校法人の方針により参加が難しくなるケースがありました。しかし、現在は殆どのクライアントが通常の体制に戻っています。また、日本の18歳人口は今後も減少が見込まれていることから、各教育機関とも学生確保に向けた広報を強化しており、外国人留学生向けの広報へのニーズも引き続き根強い状況です。さらに、授業や入試、入学・卒業式、オープンキャンパス等でのソーシャルディスタンスの確保が求められるため、衛生・レンタル商材に対しても高いニーズがあります。
このような状況下において、当社グループの各事業では、以下の経営方針で事業を展開してまいります。
プロモーション事業では、位置情報活用型DSP広告サービスを始めとしたデジタル商材の拡充を図ります。また、これまで広告代理店経由での受託が大半であったキャンペーン事務局について、ディーエムソリューションズ株式会社との協業や、当事業への直接のお問い合わせチャネルの増加により、案件の拡大に取り組みます。このほか、横浜市、大阪府、和歌山県で2020年9月期に実施した防災情報媒体の企画を継続するとともに、他の自治体にも横展開して、各地での同様企画の実施と関連ソリューションの提供を行います。さらに、レンタル事業を開始し、住宅・不動産を中心とした既存クライアントからの案件創出に加え、レンタルをノック商材とした新規クライアントの開拓も行ってまいります。
採用広報事業では、既存イベントについて自社イベントスペース「アクセスフォーラム」での開催率を高め、利益効率の高い商品にいたします。また、コロナ禍にマッチするオンライン商品・サービスを積極投入するとともに、インターンシップ企画の拡充と関連案件の獲得、新卒・中途・外国人留学生分野の強化を図ってまいります。さらに、全国の官公庁・自治体案件事業や再委託事業の受託拡大に向けて注力しつつ、防災・衛生商材やレンタル商材の拡販も行ってまいります。
学校広報事業では、当事業を「教育機関の運営・発展のための総合プロデュース企業」として定義し、入試広報以外の部門への営業を本格化しております。今後この動きをより強化し、教育機関の全部門に加え、教育関連企業等にも取引先を拡大して、事業展開してまいります。また、自社企画Webメディア「アクセス進学」のリニューアルと不採算媒体の廃止を行い、利益構造の改善を図ります。さらにコロナ禍における授業や入試、入学・卒業式、オープンキャンパス等の実施に向け、衛生商材やレンタル商材の拡販も行ってまいります。
グループ全般においても、従来の事業領域にとらわれず、当社が積極的にグループ各社を牽引する形で、他社との業務提携や新規事業、M&A等の検討を引き続き行います。また、東京に2箇所開設していたアクセスフォーラムについて、集客率の高い渋谷フォーラムに集約するとともに、梅田フォーラムの規模を適正化します。さらに、採用広報事業の本社機能の移転、関西支社のフロア集約、電話回線の総合的な見直しにより、経営合理化を行います。これにより、利益効率の高い経営環境を築いてまいります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。