四半期報告書-第19期第3四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/11 15:15
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、収益認識会計基準等を遡って適用した後の数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(2)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が浸透し、感染者数の減少や行動制限の緩和など、正常な経済活動が戻りつつありました。一方で、ウクライナ情勢や中国におけるロックダウンの長期化等による原材料価格の上昇や物流の停滞、外国為替市場での急激な円安・ドル高及び物価高騰による影響で、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
国内EC市場規模は2020年20兆円から2026年には29兆円に拡大(「ITナビゲーター2021年版」発表データ)、世界の越境EC市場規模は2020年0.9兆ドルから2027年には4.8兆ドルに拡大することが予想(「ZION Market Research」発表データ)されており、国内外においてEC市場規模は急速に拡大しております。
当社グループの主要な事業領域であるヘルスケア&ビューティ及び食品市場においては景表法・薬機法等の規制が厳しくなるだけでなく、媒体側での審査も厳しさを増しており、今までであれば可能であった広告表現や法的に問題がないクリエイティブにも規制が入るようになり、違反広告が淘汰される一方で、広告効率の悪化が見られました。また、CPC(クリック単価)の高騰や、Cookie規制によるリターゲティング広告の減少により、Webマーケティング広告は粗利率の低下を余儀なくされました。
このような状況下において、当社グループは「全てがWINの世界を創る」という経営理念のもと、「Smart Marketing For Your Life」をビジョンに、クライアントのオールデータパートナーとなるべく、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場の通販DX事業を軸に、事業開発から商品開発、インフラ整備、ブランディング、オンライン・オフラインでの新規顧客の獲得から既存顧客の育成等を、一気通貫の専門ソリューションとして提供してまいりました。また、「通販DXサービス」「異業種展開(マーケティングDX)」「新規事業」の3軸を成長戦略とし、さらなる成長を目指しました。
既存事業におきましては、前述の景表法・薬機法の規制強化やCPC(クリック単価)の高騰等の影響により、以前の手法でのヒット商品の創出が困難でありつつも、成長戦略の1軸目である「通販DXサービス」に注力しました。「通販DXサービス」では、いままで主力であったWebでの顧客獲得施策である「KPI保証サービス」から、ブランディング広告やTVCM等にも事業領域を拡大し、オンライン・オフラインのデータを一気通貫で分析し広告効果を効率化します。分析環境の構築を実施しつつ、サービス別ではオフライン広告とWebを連動するサービス「オフラインDX」、ミドルファネル施策、インフルエンサー施策、LINEマーケティング施策に注力し「通販DXサービス」の売上は堅調に推移しました。各サービスと分析環境の構築と組み合わせることで、「KPI保証サービス」においても伸長しているクライアントが複数発生しています。
また、以前取得した美容系メディアを活用した営業により、美容医療クリニックやジムへのマーケティング支援のニーズが顕在化し、今後の成長が期待できる分野として注力しました。
しかし一方で、中国での厳重なロックダウンは、当社グループの中国での事業展開を鈍化させただけでなく、一部の取引先のサプライチェーンに影響を及ぼし、物流の遅延や商品不足等が一時的に発生し、マーケティングの縮小を余儀なくされました。
2軸目の成長戦略である「異業種展開(マーケティングDX)」につきましては、人材や金融、不動産市場等を中心に展開しました。ヘルスケア&ビューティ及び食品市場のマーケティングは異業種と比較し高速PDCAが実施されており、そのスピード感が優位性となります。また当社が今まで培ってきたダイレクトマーケティングのノウハウ、高い分析力が強みとなり、受注は堅調に推移しました。
3軸目の成長戦略である「新規事業」につきましては、エンタメDX事業のクリエイターエコノミー支援プラットフォーム「サイバースター」β版のグランドオープンに向け機能やコンテンツの拡充を図りました。また著名俳優の個別ファンクラブサイトの開設・運用を開始し、各種イベントやファングッズの準備等を進めました。これらのエンタメ事業と当社連結子会社である株式会社P2C(※)の事業を組み合わせることでシナジーを発揮し、新規事業として確立してまいります。
※ 株式会社P2C
P2C(個人が自身で企画、生産した商品を中間業者や小売店を挟むことなく、消費者へ直接販売する取引形態)やD2C(メーカーやブランドが、自社で企画・生産した商品を、流通業者を介さずに、自社サイトで直接消費者に販売するビジネスモデル)を支援する会社
一方で、成長を加速させるため、一部の子会社において不採算事業の見直し・縮小を実施しました。
連結従業員数については、2021年12月末191名に対して189名(2022年9月末現在)と推移している他、報酬制度を含む人事制度の運用の改善を図るとともに、専門学校、大学及び大学院の学生を対象に、新たな人材の育成を目的としたインターンシップを推進しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は、8,988,018千円(前年同期比1.2%減)となりました。これは規制等の影響によるヘルスケア&ビューティ市場におけるKPI保証サービスの鈍化に対して、通販DXサービスや異業種展開(マーケティングDX)の成長で補うことを想定し、この点については概ね計画通りに推移した一方で、中国ロックダウン等による一過性の影響もあり、KPI保証サービスが想定以上に伸び悩んだことに起因するものであります。
売上総利益は、1,601,820千円(前年同期比10.1%増)となりました。これは粗利率の改善により売上原価が7,386,198千円(前年同期比3.4%減)と減少したことによるものであります。
営業損失は、96,062千円(前年同期は営業損失104,563千円)となりました。これは業容拡大に伴う人件費や営業経費の増加により、販売費及び一般管理費を1,697,882千円(前年同期比8.9%増)計上したことによるものであります。
経常損失は、52,274千円(前年同期は経常損失81,731千円)、税金等調整前四半期純損失は、51,295千円(前年同期は税金等調整前四半期純損失169,850千円)となりました。これは主に、営業外収益として為替差益59,517千円を計上したことによるものであります。
親会社株主に帰属する四半期純損失は、64,104千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失179,099千円)となりました。これは主に、法人税等合計を16,241千円計上したことによるものであります。
なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(3)財政状態に関する分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ88,017千円増加し、3,772,176千円となりました。これは主に現金及び預金が110,871千円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ159,563千円減少し、1,184,971千円となりました。これは主に投資有価証券が174,547千円減少したことによるものであります。
この結果、当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ71,545千円減少し、4,957,148千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ285,039千円増加し、2,741,143千円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が38,351千円、未払金が17,442千円減少した一方で、短期借入金が279,653千円、買掛金が117,399千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ213,621千円減少し、426,203千円となりました。これは主に長期借入金が211,478千円減少したことによるものであります。
この結果、当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ71,417千円増加し、3,167,347千円となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ142,963千円減少し、1,789,801千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失の計上64,104千円及び利益剰余金の配当34,781千円により利益剰余金が98,886千円減少したことに加えて、その他有価証券評価差額金の減少40,888千円及び自己株式の取得20,433千円によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。