有価証券報告書-第20期(2023/01/01-2023/12/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における売上高は、9,064,841千円(前年同期比23.0%減)となりました。これは通販 DX事業において一部クライアントが回復傾向にあったものの、それ以上の予算縮小等でカバーができなかったこと、 マーケティングDX事業(異業種展開)では取引社数は堅調に推移したが顧客単価が想定よりも低かったこと及び自社事業(新規事業)が当初の計画に対して遅延が発生していること、連結子会社に関しても業績回復施策を実行するも 想定通りに進まなかったことに起因するものであります。
売上総利益は、1,767,974千円(前年同期比18.1%減)となりました。これは売上原価を7,296,866千円(前年同期 比24.1%減)計上したことによるものであります。
営業損失は、383,730千円(前期は営業損失110,771千円)となりました。これは販売費及び一般管理費を2,151,705千円(前年同期比5.2%減)計上したことによるものであります。
経常損失は、423,941千円(前期は経常損失131,470千円)となりました。これは営業外収益として為替差益28,762 千円及び補助金収入7,508千円を計上した一方で、営業外費用として投資事業組合運用損60,015千円及び支払利息13,624千円を計上したことによるものであります。
税金等調整前当期純損失は、878,470千円(前期は税金等調整前当期純損失276,395千円)となりました。これは主に、特別損失として当社グループが保有する固定資産について、事業環境の悪化及び今後の見通しの不確実性を勘案し、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、将来の回収可能性を慎重に検討した結果、固定資産の一部について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失385,193千円を計上したことによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純損失は、982,818千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失232,577千円)となりました。これは主に、法人税等合計を122,743千円計上したことによるものであります。
なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ747,791千円減少し、3,057,393千円となりました。主な要因としましては、現金及び預金の減少183,383千円、受取手形及び売掛金の減少497,052千円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ567,855千円減少し、485,992千円となりました。主な要因としましては、投資有価証券の減少135,814千円、繰延税金資産の減少114,437千円、ソフトウエア仮勘定の減少32,912千円及びソフトウエアの減少172,682千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,315,646千円減少し、3,543,386千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ118,070千円減少し、2,751,930千円となりました。これは主に、買掛金の減少187,728千円、短期借入金が219,985千円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が199,300千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ169,644千円減少し、208,772千円となりました。主な要因としましては、長期借入金の減少173,764千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ287,715千円減少し、2,960,702千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,027,931千円減少し、582,683千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上982,818千円及び為替換算調整勘定の減少12,706千円によるものであります。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ183,383千円減少し、当連結会計年度末には1,952,681千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,854千円(前連結会計年度は157,256千円の資金の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失878,470千円の計上に対して減価償却費の計上額を94,182千円、減損損失の計上額を385,193千円調整したことに加え、売上債権の減少516,636千円及び仕入債務の減少202,419千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は1,167千円(前連結会計年度は190,571千円の資金の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入66,840千円があった一方で、短期貸付金の純減額132,700千円及び無形固定資産の取得による支出115,454千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は184,311千円(前連結会計年度は204,011円の資金の収入)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出342,564千円及び短期借入金の純減額200,369千円があった一方で、長期借入れによる収入368,100千円があったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループ全体における生産及び受注実績の金額的重要性が乏しく、提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから記載を省略しております。
(2)受注実績
当社グループでは一部個別の受託開発を行っておりますが、「(1)生産実績」に記載の理由から、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
(注)1.サービス間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
(2)当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行され、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復の兆しが見える一方で、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル・ハマス紛争、外国為替市場での円安・ドル高及び物価の上昇、世界的な金融引き締め等により、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続いております。
国内EC市場規模は2020年20兆円から2026年には29兆円に拡大(「ITナビゲーター2021年版」発表データ)、世界の越境EC市場規模は2020年0.9兆ドルから2027年には4.8兆ドルに拡大することが予想(「ZION Market Research」発表データ)されており、国内外においてEC市場規模は急速に拡大しております。
当社グループの主要な事業領域であるヘルスケア&ビューティ及び食品市場においては、景表法・薬機法等の規制が厳しくなるだけでなく、媒体側での審査も厳しさを増しており、今までであれば可能であった広告表現や法的に問題がないクリエイティブにも規制が入るようになり、違反広告が淘汰される一方で、広告効率の悪化が見られました。また、CPC(クリック単価)の高騰や、Cookie規制によるリターゲティング広告の減少により、Webマーケティング広告は粗利率の低下を余儀なくされ、当社グループの取引先である化粧品等を取扱うD2C企業においても、広告効率の悪化等により収益の停滞が見られました。
このような状況下において、当社グループは「全てがWINの世界を創る」という経営理念のもと、「Smart Marketing For Your Life」をビジョンに、クライアントのオールデータパートナーとなるべく、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場の通販DX事業を軸に、事業開発から商品開発、インフラ整備、ブランディング、オンライン・オフラインでの新規顧客の獲得から既存顧客の育成等を、一気通貫の専門ソリューションとして提供してまいりました。また、2023年3月28日付で「新中期経営計画 2023年~2025年」を公表しました。2023年12月期からを第3創業期と位置づけ、「通販DX事業」「マーケティングDX事業(異業種展開)」「自社事業(新規事業)」の3軸からなる成長戦略のもと、ブランド価値創造企業として、さらなる成長を目指してまいります。
既存事業におきましては、前述の規制強化やCPC(クリック単価)の高騰等により、取引先における予算縮小が継続的に続く中で、成長戦略の1軸目である「通販DX事業」に注力しました。「通販DX事業」では、いままで主力であったWebでの顧客獲得施策である「KPI保証サービス」から、ブランディング広告やTVCM等にも事業領域を拡大し、オンライン・オフラインのデータを一気通貫で分析し広告効果を効率化します。分析環境の構築を実施しつつ、サービス別ではオフライン広告とWebを連動するサービス「オフラインDX」、ミドルファネル施策、インフルエンサー施策、LINEマーケティング施策に注力したものの、「通販DX事業」の売上は減少しました。予算が増加したクライアントが複数いたものの、それ以上に予算減少が発生し既存・新規クライアントでカバーできなかったこと及び顧客単価の低下もあり、厳しい状況となりました。
「KPI保証サービス」においても予算減少の影響で、売上構成上位20社のクライアントに対する売上が減少しており、社数増加による新規クライアントへの売上ではカバーすることができませんでした。また、分析環境の構築を含めたシステムのSaaS化を推進し、「PIALA INTELLIGENCE」関連を含めた更なるサービスの伸長を目指すも、システムの開発遅延や導入までの期間が想定よりも長期化しております。今後も営業活動を積極的に推進するとともに、導入期間の短縮を目指して継続的に改善を続けてまいります。
2軸目の成長戦略である「マーケティングDX事業(異業種展開)」につきましては、引き続き人材や金融、不動産、美容健康などの店舗等を中心に展開しました。ヘルスケア&ビューティ及び食品市場のマーケティングは異業種と比較し高速PDCAが実施されており、そのスピード感が優位性となります。また、当社が今まで培ってきたダイレクトマーケティングのノウハウ、高い分析力が強みとなり、受注は堅調に推移しておりますが、一部クライアントの入金遅延に伴う取引停止分をその他でカバーすることができなかったことと、成長領域であるマーケティングDX事業に人材を投資したことで利益は悪化しております。
3軸目の成長戦略である「自社事業(新規事業)」につきましては、新たに事業領域を拡大したVTuber領域において、当社のVTuber第1期生として「音狼ビビ(ねろうびび)」が2023年12月12日にYouTube配信デビューをしました。
その他、5社共同での新規IPプロジェクト「らぶフォー」は2023年12月に舞台×LIVEの新感覚ステージを開催し、CDデビュー及びLIVE展開を予定しており、引き続きコンテンツ拡充に注力いたします。
クリエイターエコノミー支援プラットフォーム「CYBER STAR(サイバースター)」はオンラインくじシステム「サイバースターカプセル」を複数案件に提供するなど案件獲得は順調で売上も徐々に増加しているものの、当初想定していた収益化に関しては遅れております。引き続きタレントや、レーベル、IPコンテンツホルダーなどのエンタメ業界等において活動を行う方々や企業に対して、収益向上を図るための包括的な活動を支援するとともに、ユーザーに対してもこれまでにない体験価値を提供することができるプラットフォームとして、更なるサービス改善に努めてまいります。
当社の連結子会社である株式会社P2C(※1)では、「TONYMOLY」の日本における独占販売権を持つ伊藤忠商事株式会社と業務提携し、「TONYMOLY」のブランディングパートナーとなり、独占販売特約店としての販売業務及びマーケティング支援を実施しております。2023年11月下旬にはキャンペーン等を行った効果により、売上は増加したものの、全体を通じて当初の想定よりも下回っている状況です。
その他にも料理研究家でありYouTuberでもあるリュウジさん監修のもと、指定医薬部外品「良朝丸(※2)」を全国のドラッグストア約1,200店舗で順次販売を開始しました。売上が計画以上に好調に推移したこともあり、12月単月の黒字化を達成しております。
※1 株式会社P2C P2C(個人が自身で企画、生産した商品を中間業者や小売店を挟むことなく、消費者へ直接販売する取引形態)やD2C(メーカーやブランドが、自社で企画・生産した商品を、流通業者を介さずに、自社サイトで直接消費者に販売するビジネスモデル)を支援する会社
※2 販売名:レイスターズ
投資関連では、当連結会計年度において、連結子会社である株式会社ピアラベンチャーズにて設立したファンド「ピアラベンチャーズ1号投資事業有限責任組合」からHRクラウド株式会社に投資を実行しております。HRクラウド株式会社は、サブスクリプション型のSaaSとしてHRテック事業を展開する企業で、当社からは資金援助だけでなくマーケティング支援も提供します。これにより、投資先企業の成長の最大化及び当社の既存事業への収益寄与が期待できます。
業績回復施策の一環として子会社や新規サービス、事業において不採算サービスの縮小や撤退を行うべく検討した結果、海外子会社である台灣比智商貿股份有限公司の解散及び清算を決定しました。引き続き業績回復に向けて不採算サービスの整理を進めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、9,064,841千円(前年同期比23.0%減)となりました。これは通販DX事業において一部クライアントが回復傾向にあったものの、それ以上の予算縮小等でカバーができなかったこと、マーケティングDX事業(異業種展開)では取引社数は堅調に推移したが顧客単価が想定よりも低かったこと及び自社事業(新規事業)が当初の計画に対して遅延が発生していること、連結子会社に関しても業績回復施策を実行するも想定通りに進まなかったことに起因するものであります。
売上総利益は、1,767,974千円(前年同期比18.1%減)となりました。これは売上原価を7,296,866千円(前年同期比24.1%減)計上したことによるものであります。
営業損失は、383,730千円(前期は営業損失110,771千円)となりました。これは販売費及び一般管理費を2,151,705千円(前年同期比5.2%減)計上したことによるものであります。
経常損失は、423,941千円(前期は経常損失131,470千円)となりました。これは営業外収益として為替差益28,762千円及び補助金収入7,508千円を計上した一方で、営業外費用として投資事業組合運用損60,015千円及び支払利息13,624千円を計上したことによるものであります。
税金等調整前当期純損失は、878,470千円(前期は税金等調整前当期純損失276,395千円)となりました。これは主に、特別損失として当社グループが保有する固定資産について、事業環境の悪化及び今後の見通しの不確実性を勘案し、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、将来の回収可能性を慎重に検討した結果、固定資産の一部について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失385,193千円を計上したことによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純損失は、982,818千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失232,577千円)となりました。これは主に、法人税等合計を122,743千円計上したことによるものであります。
なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(3)財政状態
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)財政状態」に記載しております。
(4)キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりです。
当社グループは、必要な資金を主に自己資金及び金融機関からの借入で賄っております。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための外注費及び人件費です。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び業務提携による関係強化等を目的とした戦略的投資によるものです。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における売上高は、9,064,841千円(前年同期比23.0%減)となりました。これは通販 DX事業において一部クライアントが回復傾向にあったものの、それ以上の予算縮小等でカバーができなかったこと、 マーケティングDX事業(異業種展開)では取引社数は堅調に推移したが顧客単価が想定よりも低かったこと及び自社事業(新規事業)が当初の計画に対して遅延が発生していること、連結子会社に関しても業績回復施策を実行するも 想定通りに進まなかったことに起因するものであります。
売上総利益は、1,767,974千円(前年同期比18.1%減)となりました。これは売上原価を7,296,866千円(前年同期 比24.1%減)計上したことによるものであります。
営業損失は、383,730千円(前期は営業損失110,771千円)となりました。これは販売費及び一般管理費を2,151,705千円(前年同期比5.2%減)計上したことによるものであります。
経常損失は、423,941千円(前期は経常損失131,470千円)となりました。これは営業外収益として為替差益28,762 千円及び補助金収入7,508千円を計上した一方で、営業外費用として投資事業組合運用損60,015千円及び支払利息13,624千円を計上したことによるものであります。
税金等調整前当期純損失は、878,470千円(前期は税金等調整前当期純損失276,395千円)となりました。これは主に、特別損失として当社グループが保有する固定資産について、事業環境の悪化及び今後の見通しの不確実性を勘案し、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、将来の回収可能性を慎重に検討した結果、固定資産の一部について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失385,193千円を計上したことによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純損失は、982,818千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失232,577千円)となりました。これは主に、法人税等合計を122,743千円計上したことによるものであります。
なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ747,791千円減少し、3,057,393千円となりました。主な要因としましては、現金及び預金の減少183,383千円、受取手形及び売掛金の減少497,052千円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ567,855千円減少し、485,992千円となりました。主な要因としましては、投資有価証券の減少135,814千円、繰延税金資産の減少114,437千円、ソフトウエア仮勘定の減少32,912千円及びソフトウエアの減少172,682千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,315,646千円減少し、3,543,386千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ118,070千円減少し、2,751,930千円となりました。これは主に、買掛金の減少187,728千円、短期借入金が219,985千円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が199,300千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ169,644千円減少し、208,772千円となりました。主な要因としましては、長期借入金の減少173,764千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ287,715千円減少し、2,960,702千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,027,931千円減少し、582,683千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上982,818千円及び為替換算調整勘定の減少12,706千円によるものであります。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ183,383千円減少し、当連結会計年度末には1,952,681千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,854千円(前連結会計年度は157,256千円の資金の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失878,470千円の計上に対して減価償却費の計上額を94,182千円、減損損失の計上額を385,193千円調整したことに加え、売上債権の減少516,636千円及び仕入債務の減少202,419千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は1,167千円(前連結会計年度は190,571千円の資金の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入66,840千円があった一方で、短期貸付金の純減額132,700千円及び無形固定資産の取得による支出115,454千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は184,311千円(前連結会計年度は204,011円の資金の収入)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出342,564千円及び短期借入金の純減額200,369千円があった一方で、長期借入れによる収入368,100千円があったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループ全体における生産及び受注実績の金額的重要性が乏しく、提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから記載を省略しております。
(2)受注実績
当社グループでは一部個別の受託開発を行っておりますが、「(1)生産実績」に記載の理由から、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
サービスの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
ECマーケティングテック | 7,727,235 | △ 23.0 |
広告マーケティング | 1,162,004 | △ 6.8 |
その他 | 175,600 | △ 64.1 |
合計 | 9,064,841 | △ 23.0 |
(注)1.サービス間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
株式会社アイム | 1,086,666 | 9.2 | 1,251,325 | 13.8 |
プレミアアンチエイジング株式会社 | 1,677,054 | 14.2 | 820,387 | 9.1 |
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
(2)当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行され、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復の兆しが見える一方で、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル・ハマス紛争、外国為替市場での円安・ドル高及び物価の上昇、世界的な金融引き締め等により、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続いております。
国内EC市場規模は2020年20兆円から2026年には29兆円に拡大(「ITナビゲーター2021年版」発表データ)、世界の越境EC市場規模は2020年0.9兆ドルから2027年には4.8兆ドルに拡大することが予想(「ZION Market Research」発表データ)されており、国内外においてEC市場規模は急速に拡大しております。
当社グループの主要な事業領域であるヘルスケア&ビューティ及び食品市場においては、景表法・薬機法等の規制が厳しくなるだけでなく、媒体側での審査も厳しさを増しており、今までであれば可能であった広告表現や法的に問題がないクリエイティブにも規制が入るようになり、違反広告が淘汰される一方で、広告効率の悪化が見られました。また、CPC(クリック単価)の高騰や、Cookie規制によるリターゲティング広告の減少により、Webマーケティング広告は粗利率の低下を余儀なくされ、当社グループの取引先である化粧品等を取扱うD2C企業においても、広告効率の悪化等により収益の停滞が見られました。
このような状況下において、当社グループは「全てがWINの世界を創る」という経営理念のもと、「Smart Marketing For Your Life」をビジョンに、クライアントのオールデータパートナーとなるべく、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場の通販DX事業を軸に、事業開発から商品開発、インフラ整備、ブランディング、オンライン・オフラインでの新規顧客の獲得から既存顧客の育成等を、一気通貫の専門ソリューションとして提供してまいりました。また、2023年3月28日付で「新中期経営計画 2023年~2025年」を公表しました。2023年12月期からを第3創業期と位置づけ、「通販DX事業」「マーケティングDX事業(異業種展開)」「自社事業(新規事業)」の3軸からなる成長戦略のもと、ブランド価値創造企業として、さらなる成長を目指してまいります。
既存事業におきましては、前述の規制強化やCPC(クリック単価)の高騰等により、取引先における予算縮小が継続的に続く中で、成長戦略の1軸目である「通販DX事業」に注力しました。「通販DX事業」では、いままで主力であったWebでの顧客獲得施策である「KPI保証サービス」から、ブランディング広告やTVCM等にも事業領域を拡大し、オンライン・オフラインのデータを一気通貫で分析し広告効果を効率化します。分析環境の構築を実施しつつ、サービス別ではオフライン広告とWebを連動するサービス「オフラインDX」、ミドルファネル施策、インフルエンサー施策、LINEマーケティング施策に注力したものの、「通販DX事業」の売上は減少しました。予算が増加したクライアントが複数いたものの、それ以上に予算減少が発生し既存・新規クライアントでカバーできなかったこと及び顧客単価の低下もあり、厳しい状況となりました。
「KPI保証サービス」においても予算減少の影響で、売上構成上位20社のクライアントに対する売上が減少しており、社数増加による新規クライアントへの売上ではカバーすることができませんでした。また、分析環境の構築を含めたシステムのSaaS化を推進し、「PIALA INTELLIGENCE」関連を含めた更なるサービスの伸長を目指すも、システムの開発遅延や導入までの期間が想定よりも長期化しております。今後も営業活動を積極的に推進するとともに、導入期間の短縮を目指して継続的に改善を続けてまいります。
2軸目の成長戦略である「マーケティングDX事業(異業種展開)」につきましては、引き続き人材や金融、不動産、美容健康などの店舗等を中心に展開しました。ヘルスケア&ビューティ及び食品市場のマーケティングは異業種と比較し高速PDCAが実施されており、そのスピード感が優位性となります。また、当社が今まで培ってきたダイレクトマーケティングのノウハウ、高い分析力が強みとなり、受注は堅調に推移しておりますが、一部クライアントの入金遅延に伴う取引停止分をその他でカバーすることができなかったことと、成長領域であるマーケティングDX事業に人材を投資したことで利益は悪化しております。
3軸目の成長戦略である「自社事業(新規事業)」につきましては、新たに事業領域を拡大したVTuber領域において、当社のVTuber第1期生として「音狼ビビ(ねろうびび)」が2023年12月12日にYouTube配信デビューをしました。
その他、5社共同での新規IPプロジェクト「らぶフォー」は2023年12月に舞台×LIVEの新感覚ステージを開催し、CDデビュー及びLIVE展開を予定しており、引き続きコンテンツ拡充に注力いたします。
クリエイターエコノミー支援プラットフォーム「CYBER STAR(サイバースター)」はオンラインくじシステム「サイバースターカプセル」を複数案件に提供するなど案件獲得は順調で売上も徐々に増加しているものの、当初想定していた収益化に関しては遅れております。引き続きタレントや、レーベル、IPコンテンツホルダーなどのエンタメ業界等において活動を行う方々や企業に対して、収益向上を図るための包括的な活動を支援するとともに、ユーザーに対してもこれまでにない体験価値を提供することができるプラットフォームとして、更なるサービス改善に努めてまいります。
当社の連結子会社である株式会社P2C(※1)では、「TONYMOLY」の日本における独占販売権を持つ伊藤忠商事株式会社と業務提携し、「TONYMOLY」のブランディングパートナーとなり、独占販売特約店としての販売業務及びマーケティング支援を実施しております。2023年11月下旬にはキャンペーン等を行った効果により、売上は増加したものの、全体を通じて当初の想定よりも下回っている状況です。
その他にも料理研究家でありYouTuberでもあるリュウジさん監修のもと、指定医薬部外品「良朝丸(※2)」を全国のドラッグストア約1,200店舗で順次販売を開始しました。売上が計画以上に好調に推移したこともあり、12月単月の黒字化を達成しております。
※1 株式会社P2C P2C(個人が自身で企画、生産した商品を中間業者や小売店を挟むことなく、消費者へ直接販売する取引形態)やD2C(メーカーやブランドが、自社で企画・生産した商品を、流通業者を介さずに、自社サイトで直接消費者に販売するビジネスモデル)を支援する会社
※2 販売名:レイスターズ
投資関連では、当連結会計年度において、連結子会社である株式会社ピアラベンチャーズにて設立したファンド「ピアラベンチャーズ1号投資事業有限責任組合」からHRクラウド株式会社に投資を実行しております。HRクラウド株式会社は、サブスクリプション型のSaaSとしてHRテック事業を展開する企業で、当社からは資金援助だけでなくマーケティング支援も提供します。これにより、投資先企業の成長の最大化及び当社の既存事業への収益寄与が期待できます。
業績回復施策の一環として子会社や新規サービス、事業において不採算サービスの縮小や撤退を行うべく検討した結果、海外子会社である台灣比智商貿股份有限公司の解散及び清算を決定しました。引き続き業績回復に向けて不採算サービスの整理を進めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、9,064,841千円(前年同期比23.0%減)となりました。これは通販DX事業において一部クライアントが回復傾向にあったものの、それ以上の予算縮小等でカバーができなかったこと、マーケティングDX事業(異業種展開)では取引社数は堅調に推移したが顧客単価が想定よりも低かったこと及び自社事業(新規事業)が当初の計画に対して遅延が発生していること、連結子会社に関しても業績回復施策を実行するも想定通りに進まなかったことに起因するものであります。
売上総利益は、1,767,974千円(前年同期比18.1%減)となりました。これは売上原価を7,296,866千円(前年同期比24.1%減)計上したことによるものであります。
営業損失は、383,730千円(前期は営業損失110,771千円)となりました。これは販売費及び一般管理費を2,151,705千円(前年同期比5.2%減)計上したことによるものであります。
経常損失は、423,941千円(前期は経常損失131,470千円)となりました。これは営業外収益として為替差益28,762千円及び補助金収入7,508千円を計上した一方で、営業外費用として投資事業組合運用損60,015千円及び支払利息13,624千円を計上したことによるものであります。
税金等調整前当期純損失は、878,470千円(前期は税金等調整前当期純損失276,395千円)となりました。これは主に、特別損失として当社グループが保有する固定資産について、事業環境の悪化及び今後の見通しの不確実性を勘案し、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、将来の回収可能性を慎重に検討した結果、固定資産の一部について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失385,193千円を計上したことによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純損失は、982,818千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失232,577千円)となりました。これは主に、法人税等合計を122,743千円計上したことによるものであります。
なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(3)財政状態
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)財政状態」に記載しております。
(4)キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりです。
当社グループは、必要な資金を主に自己資金及び金融機関からの借入で賄っております。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための外注費及び人件費です。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び業務提携による関係強化等を目的とした戦略的投資によるものです。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。