四半期報告書-第23期第3四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)経営成績等の状況
当社グループでは、売上収益、Non-GAAP営業利益を経営成績評価上の重要な指標としています。当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、当社は、2022年2月25日開催の臨時株主総会にて、同年4月1日を効力発生日として、当社の子会社である楽天銀行株式会社の全株式を当社の親会社である楽天グループ株式会社に現物配当することを決議し、楽天銀行株式会社及びその子会社は効力発生日に当社の連結子会社から除外されました。これに伴い、第2四半期連結会計期間より、「銀行事業」を非継続事業として報告セグメントより除いています。また売上収益、Non-GAAP営業利益、営業利益は非継続事業を除いた継続事業の金額で表示しており、前第3四半期連結累計期間を組替再表示しています。詳細は、「第4 経理の状況、要約四半期連結財務諸表注記 注記4.セグメント情報」及び、同「注記12.非継続事業」をご参照ください。
① 当第3四半期連結累計期間の経営成績
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、ウィズコロナが定着し、海外旅行におけるPCR検査の廃止や入国制限の緩和による人流の活発化により、回復基調が見られましたが、一方でウクライナ情勢等、先行きが不透明な状況は続いています。国内経済においても、海外諸国と同様に行動制限の緩和からくる人流の活発化により、コロナ禍以前の状況に戻りつつあります。しかし、世界的なインフレに端を発する円安が継続しており、原材料価格の上昇と相まって、物価高騰等の不確実性は高まっていますので、引き続き注視していきます。
このような環境の中、当社グループは以下のように着実な成長を果たすことができました。なお、詳細は「(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 当第3四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」にセグメントごとの分析を記載しています。
(単位:百万円)
Non-GAAP営業利益から営業利益への調整は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
② 経営成績の分析
(売上収益)
当第3四半期連結累計期間における売上収益は353,507百万円となり、前年同期の339,038百万円から14,469百万円(4.3%)増加しました。これは、クレジットカード事業における『楽天カード』の会員基盤拡大、証券事業における外国為替証拠金(FX)取引の増加による収益の増加が主な要因です。
(営業利益)
当第3四半期連結累計期間における営業利益は58,362百万円となり、前年同期の52,760百万円から5,602百万円(10.6%)増加しました。これは、クレジットカード事業・保険事業の業績が好調に推移したことが主な要因です。
(親会社の所有者に帰属する四半期利益)
当第3四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期利益は44,317百万円となり、前年同期の50,482百万円から6,165百万円(△12.2%)減少しました。これは、楽天銀行株式会社及びその子会社が連結子会社から除外されたことが主な要因です。
③ 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は7,188,247百万円となり、前連結会計年度末の資産合計13,884,877百万円と比べ、6,696,630百万円減少しました。これは主に、証券事業における顧客の売買取引増加に伴う金融資産の増加があったものの、楽天銀行株式会社及びその子会社が当社の連結子会社から除外されたことにより、銀行事業における現金及び現金同等物、銀行事業の有価証券及び銀行事業の貸付金が減少したことによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は7,043,865百万円となり、前連結会計年度末の負債合計13,352,739百万円と比べ、6,308,874百万円減少しました。これは主に、楽天銀行株式会社及びその子会社が当社の連結子会社から除外されたことにより、銀行事業の預金が減少したことによるものです。
また、当第3四半期連結会計期間末では、2022年10月1日を効力発生日として楽天証券株式会社及び楽天投信投資顧問株式会社の全株式を楽天グループ株式会社に現物配当することに伴い、資本の部からその他の負債へ164,562百万円振り替えています。詳細は、「第4 経理の状況 1要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記13.後発事象」をご参照ください。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末の資本合計は144,382百万円となり、前連結会計年度末の資本合計532,138百万円と比べ、387,756百万円減少しました。これは主に、四半期利益による利益剰余金の増加があったものの、親会社である楽天グループ株式会社へ配当を行ったことに加え、同社へ楽天銀行株式会社の全株式の現物配当を実施したことにより、楽天銀行株式会社及びその子会社が当社の連結子会社から除外されたためです。
また、負債で説明しました2022年10月1日を効力発生日とする現物配当による組織再編のため、資本の部からその他の負債へ164,562百万円振り替えています。詳細は、「第4 経理の状況 1要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記13.後発事象」をご参照ください。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,749,803百万円減少し、484,092百万円となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、462,158百万円の資金流出(前年同期は618,668百万円の資金流入)となりました。これは主に、銀行事業の預金の増加による資金流入が342,512百万円となった一方で、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が400,720百万円、債券貸借取引支払保証金の増加による資金流出が216,607百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、3,887,895百万円の資金流出(前年同期は150,877百万円の資金流出)となりました。これは主に、子会社の支配喪失による資金流出が3,542,323百万円、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が315,467百万円(有価証券の取得による資金流出が663,729百万円、売却及び償還による資金流入が348,262百万円)となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、580,933百万円の資金流入(前年同期は280,430百万円の資金流入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金流出が283,403百万円、配当金の支払いによる資金流出が30,000百万円となった一方で、長期借入れによる資金流入が673,302百万円、短期借入金の増加による資金流入が195,328百万円となったことによるものです。
⑤ 生産、受注及び販売の実績
生産及び受注の実績については、該当事項はありません。また、販売の実績については、「(2) 経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 当第3四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に各セグメントの状況を記載しています。
(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当第3四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
以下、セグメント単位で経営成績等の分析・検討内容を記載しています。
(クレジットカード事業)
(単位:百万円)
クレジットカード事業セグメントにおいては、カード発行枚数が引き続き堅調に増加し、行動制限の緩和により、オフライン消費の回復傾向が継続し、ショッピング取扱高を引き続き堅調に伸ばすことができました。また資金需要についても回復傾向が見られ、ショッピングリボルビングの残高において前年同期比末でプラスに回復しました。またキャッシング残高も同様に、前年同期末比プラスで推移しています。今後もお客様のニーズに合わせたサービス展開を行い、顧客満足度のさらなる向上を目指していきます。
当第3四半期連結累計期間においては、楽天グループ各社のサイト上の当社の広告展開に加えて、7年ぶりとなる10,000ポイント進呈の新規入会キャンペーンを実施し、カード発行枚数は2,751万枚(前年同期末比15.1%増)となりました。カード発行枚数の伸長に加え、効果的なキャンペーン活動を継続的に行った結果、ショッピング取扱高も伸長し、13兆548億15百万円(前年同期比27.5%増)となりました。また、ショッピングリボルビング残高は6,166億58百万円(前年同期末比0.7%増)と前年同期末比においてプラスに転じています。キャッシングはショッピングリボルビングより回復が早い傾向が見られ、キャッシング残高は1,281億87百万円(前年同期末比7.0%増)となりました。結果として、売上収益は216,960百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
費用面においては、債権回収が好調に推移し、貸倒関連費用の抑制につながっています。一方で会員獲得が好調なことによりマーケティング費用等が増加したため、営業費用は前年同期比で増加しています。
以上の結果から、セグメント損益は33,749百万円(前年同期比10.4%増)となりました。
(証券事業)
(単位:百万円)
証券事業セグメントでは、投信積立で楽天カード決済が可能となるサービスや楽天ポイント等で投資信託や国内株式が購入できるポイント投資サービス等、楽天グループとのシナジー効果を目指した継続的な取り組みにより、投信積立金額が1,000億円を突破しました。また、楽天グループのオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」の利用についても想定を超えるお客様にご利用いただいており、主要KPIである証券総合口座数は836万口座(前年同期末比25.3%増)となり、証券預かり資産残高(楽天銀行との口座連携サービスにおいて、自動入出金(スイープ)を設定している顧客の楽天銀行普通預金残高も含む)は17兆3,064億52百万円(前年同期末比23.8%増)となりました。また、7月より米国株式の信用取引を開始する等、魅力的な商品の提供もあり、信用取引及びトレーディングが好調に推移した等により、当第3四半期連結累計期間の売上収益は72,054百万円(前年同期比8.5%増)となりました。一方、楽天カード決済投信積立の増加等により、営業費用は増加しており、結果としてセグメント損益は13,603百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
(保険事業)
(単位:百万円)
保険事業セグメントでは、「楽天保険の総合窓口」の開設により、楽天生命保険、楽天損害保険、楽天ペット保険が提供する保険商品のお客様窓口を一本化し、ご契約者様のお手続きをワンストップで受けることができるようにすることで、お客様にとって利便性の高い保険サービスを提供しています。また、楽天グループ間でのシナジー最大化を図るとともに保険募集経費の削減効果等をお客様に還元すべく、楽天IDを使ったインターネット経由での楽天生命保険、楽天損害保険、楽天ペット保険の対象商品のご加入者様に、楽天ポイントを還元するサービスは開始以来好評いただいています。
各社における取り組みとして、楽天生命保険においては、家族信託組成サービスの提供や、入院一時金特約の販売を開始しました。これらの取組等により、主要KPIの一つである楽天生命保険の保有契約件数(共済事業及び1年定期ガン保険の契約を除く)は、49.7万件(前年同期末比4.0%増)となる等、順調に業績を進展させています。また、楽天損害保険においては、インターネット経由の新規契約件数が、前年同期との販促活動の時期・内容等の差異により、12.5万件(前年同期比1.6%減)となりましたが、楽天少額短期保険からのペット保険事業の承継や、商品サービスを拡充させるとともに、保険引受の適正化を進め損害率が順調に改善しています。結果として、保険事業セグメントの売上収益は72,737百万円(前年同期比0.8%減)となりましたが、セグメント損益は6,865百万円(前年同期比13.2%増)となりました。
以上により、当社グループのNon-GAAP営業利益は54,217百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
今後の施策として、引き続きキャッシュレス決済の社会全体への浸透を追い風として、クレジットカード事業を中心に、新規会員の獲得及びクレジットカード利用促進に向けた効果的かつ効率的なマーケティング戦略を行い、中期的な戦略として掲げている「トリプル3」(カード発行枚数「3,000万枚」、ショッピング取扱高「30兆円」、取扱高シェア「30%」)の達成に向けた取り組みを実施していきます。また、顧客基盤を最大限に活用し、楽天グループ各社間でのクロスユースを促進することで、シナジーを更に発揮してまいります。なお、世界的な新型コロナウイルスの感染状況やウクライナ情勢の長期化により景気の見通しが先行き不透明ではありますが、資産の健全性、財務の安定性を維持しつつ、各事業のKPI、売上収益、Non-GAAP営業利益への影響を注視していきます。
(3)経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
世界的な新型コロナウイルスの感染状況やウクライナ情勢の長期化により景気の見通しが不透明ではありますが、当社グループにおいては、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題について、引き続き注視していきます。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、楽天銀行株式会社及びその子会社は当社の連結子会社から除外されました。これを主因に、当社グループの従業員数は、823名減少しています。
(6)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、銀行事業である楽天銀行株式会社及びその子会社が当社の連結子会社から除外されたことにより、銀行事業に関する設備は、当社グループの主要な設備に該当しなくなりました。
(1)経営成績等の状況
当社グループでは、売上収益、Non-GAAP営業利益を経営成績評価上の重要な指標としています。当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、当社は、2022年2月25日開催の臨時株主総会にて、同年4月1日を効力発生日として、当社の子会社である楽天銀行株式会社の全株式を当社の親会社である楽天グループ株式会社に現物配当することを決議し、楽天銀行株式会社及びその子会社は効力発生日に当社の連結子会社から除外されました。これに伴い、第2四半期連結会計期間より、「銀行事業」を非継続事業として報告セグメントより除いています。また売上収益、Non-GAAP営業利益、営業利益は非継続事業を除いた継続事業の金額で表示しており、前第3四半期連結累計期間を組替再表示しています。詳細は、「第4 経理の状況、要約四半期連結財務諸表注記 注記4.セグメント情報」及び、同「注記12.非継続事業」をご参照ください。
① 当第3四半期連結累計期間の経営成績
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、ウィズコロナが定着し、海外旅行におけるPCR検査の廃止や入国制限の緩和による人流の活発化により、回復基調が見られましたが、一方でウクライナ情勢等、先行きが不透明な状況は続いています。国内経済においても、海外諸国と同様に行動制限の緩和からくる人流の活発化により、コロナ禍以前の状況に戻りつつあります。しかし、世界的なインフレに端を発する円安が継続しており、原材料価格の上昇と相まって、物価高騰等の不確実性は高まっていますので、引き続き注視していきます。
このような環境の中、当社グループは以下のように着実な成長を果たすことができました。なお、詳細は「(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 当第3四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」にセグメントごとの分析を記載しています。
(単位:百万円)
前年同期 (前第3四半期 連結累計期間) | 当期 (当第3四半期 連結累計期間) | 増減額 | 増減率 | |
売上収益 | 339,038 | 353,507 | 14,469 | 4.3% |
Non-GAAP営業利益 | 50,655 | 54,217 | 3,562 | 7.0% |
Non-GAAP営業利益から営業利益への調整は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前年同期 (前第3四半期 連結累計期間) | 当期 (当第3四半期 連結累計期間) | |
Non-GAAP営業利益 | 50,655 | 54,217 |
無形資産償却費 | △2,450 | △854 |
株式報酬費用 | △612 | △662 |
その他の調整項目 | 5,167 | 5,661 |
営業利益 | 52,760 | 58,362 |
② 経営成績の分析
(売上収益)
当第3四半期連結累計期間における売上収益は353,507百万円となり、前年同期の339,038百万円から14,469百万円(4.3%)増加しました。これは、クレジットカード事業における『楽天カード』の会員基盤拡大、証券事業における外国為替証拠金(FX)取引の増加による収益の増加が主な要因です。
(営業利益)
当第3四半期連結累計期間における営業利益は58,362百万円となり、前年同期の52,760百万円から5,602百万円(10.6%)増加しました。これは、クレジットカード事業・保険事業の業績が好調に推移したことが主な要因です。
(親会社の所有者に帰属する四半期利益)
当第3四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期利益は44,317百万円となり、前年同期の50,482百万円から6,165百万円(△12.2%)減少しました。これは、楽天銀行株式会社及びその子会社が連結子会社から除外されたことが主な要因です。
③ 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は7,188,247百万円となり、前連結会計年度末の資産合計13,884,877百万円と比べ、6,696,630百万円減少しました。これは主に、証券事業における顧客の売買取引増加に伴う金融資産の増加があったものの、楽天銀行株式会社及びその子会社が当社の連結子会社から除外されたことにより、銀行事業における現金及び現金同等物、銀行事業の有価証券及び銀行事業の貸付金が減少したことによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は7,043,865百万円となり、前連結会計年度末の負債合計13,352,739百万円と比べ、6,308,874百万円減少しました。これは主に、楽天銀行株式会社及びその子会社が当社の連結子会社から除外されたことにより、銀行事業の預金が減少したことによるものです。
また、当第3四半期連結会計期間末では、2022年10月1日を効力発生日として楽天証券株式会社及び楽天投信投資顧問株式会社の全株式を楽天グループ株式会社に現物配当することに伴い、資本の部からその他の負債へ164,562百万円振り替えています。詳細は、「第4 経理の状況 1要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記13.後発事象」をご参照ください。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末の資本合計は144,382百万円となり、前連結会計年度末の資本合計532,138百万円と比べ、387,756百万円減少しました。これは主に、四半期利益による利益剰余金の増加があったものの、親会社である楽天グループ株式会社へ配当を行ったことに加え、同社へ楽天銀行株式会社の全株式の現物配当を実施したことにより、楽天銀行株式会社及びその子会社が当社の連結子会社から除外されたためです。
また、負債で説明しました2022年10月1日を効力発生日とする現物配当による組織再編のため、資本の部からその他の負債へ164,562百万円振り替えています。詳細は、「第4 経理の状況 1要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記13.後発事象」をご参照ください。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,749,803百万円減少し、484,092百万円となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、462,158百万円の資金流出(前年同期は618,668百万円の資金流入)となりました。これは主に、銀行事業の預金の増加による資金流入が342,512百万円となった一方で、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が400,720百万円、債券貸借取引支払保証金の増加による資金流出が216,607百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、3,887,895百万円の資金流出(前年同期は150,877百万円の資金流出)となりました。これは主に、子会社の支配喪失による資金流出が3,542,323百万円、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が315,467百万円(有価証券の取得による資金流出が663,729百万円、売却及び償還による資金流入が348,262百万円)となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、580,933百万円の資金流入(前年同期は280,430百万円の資金流入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による資金流出が283,403百万円、配当金の支払いによる資金流出が30,000百万円となった一方で、長期借入れによる資金流入が673,302百万円、短期借入金の増加による資金流入が195,328百万円となったことによるものです。
⑤ 生産、受注及び販売の実績
生産及び受注の実績については、該当事項はありません。また、販売の実績については、「(2) 経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 当第3四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に各セグメントの状況を記載しています。
(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当第3四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
以下、セグメント単位で経営成績等の分析・検討内容を記載しています。
(クレジットカード事業)
(単位:百万円)
前年同期 (前第3四半期 連結累計期間) | 当期 (当第3四半期 連結累計期間) | 増減額 | 増減率 | |
売上収益 | 205,041 | 216,960 | 11,919 | 5.8% |
セグメント損益 (Non-GAAP営業利益) | 30,576 | 33,749 | 3,173 | 10.4% |
クレジットカード事業セグメントにおいては、カード発行枚数が引き続き堅調に増加し、行動制限の緩和により、オフライン消費の回復傾向が継続し、ショッピング取扱高を引き続き堅調に伸ばすことができました。また資金需要についても回復傾向が見られ、ショッピングリボルビングの残高において前年同期比末でプラスに回復しました。またキャッシング残高も同様に、前年同期末比プラスで推移しています。今後もお客様のニーズに合わせたサービス展開を行い、顧客満足度のさらなる向上を目指していきます。
当第3四半期連結累計期間においては、楽天グループ各社のサイト上の当社の広告展開に加えて、7年ぶりとなる10,000ポイント進呈の新規入会キャンペーンを実施し、カード発行枚数は2,751万枚(前年同期末比15.1%増)となりました。カード発行枚数の伸長に加え、効果的なキャンペーン活動を継続的に行った結果、ショッピング取扱高も伸長し、13兆548億15百万円(前年同期比27.5%増)となりました。また、ショッピングリボルビング残高は6,166億58百万円(前年同期末比0.7%増)と前年同期末比においてプラスに転じています。キャッシングはショッピングリボルビングより回復が早い傾向が見られ、キャッシング残高は1,281億87百万円(前年同期末比7.0%増)となりました。結果として、売上収益は216,960百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
費用面においては、債権回収が好調に推移し、貸倒関連費用の抑制につながっています。一方で会員獲得が好調なことによりマーケティング費用等が増加したため、営業費用は前年同期比で増加しています。
以上の結果から、セグメント損益は33,749百万円(前年同期比10.4%増)となりました。
(証券事業)
(単位:百万円)
前年同期 (前第3四半期 連結累計期間) | 当期 (当第3四半期 連結累計期間) | 増減額 | 増減率 | |
売上収益 | 66,437 | 72,054 | 5,617 | 8.5% |
セグメント損益 (Non-GAAP営業利益) | 14,013 | 13,603 | △410 | △2.9% |
証券事業セグメントでは、投信積立で楽天カード決済が可能となるサービスや楽天ポイント等で投資信託や国内株式が購入できるポイント投資サービス等、楽天グループとのシナジー効果を目指した継続的な取り組みにより、投信積立金額が1,000億円を突破しました。また、楽天グループのオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」の利用についても想定を超えるお客様にご利用いただいており、主要KPIである証券総合口座数は836万口座(前年同期末比25.3%増)となり、証券預かり資産残高(楽天銀行との口座連携サービスにおいて、自動入出金(スイープ)を設定している顧客の楽天銀行普通預金残高も含む)は17兆3,064億52百万円(前年同期末比23.8%増)となりました。また、7月より米国株式の信用取引を開始する等、魅力的な商品の提供もあり、信用取引及びトレーディングが好調に推移した等により、当第3四半期連結累計期間の売上収益は72,054百万円(前年同期比8.5%増)となりました。一方、楽天カード決済投信積立の増加等により、営業費用は増加しており、結果としてセグメント損益は13,603百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
(保険事業)
(単位:百万円)
前年同期 (前第3四半期 連結累計期間) | 当期 (当第3四半期 連結累計期間) | 増減額 | 増減率 | |
売上収益 | 73,330 | 72,737 | △593 | △0.8% |
セグメント損益 (Non-GAAP営業利益) | 6,066 | 6,865 | 799 | 13.2% |
保険事業セグメントでは、「楽天保険の総合窓口」の開設により、楽天生命保険、楽天損害保険、楽天ペット保険が提供する保険商品のお客様窓口を一本化し、ご契約者様のお手続きをワンストップで受けることができるようにすることで、お客様にとって利便性の高い保険サービスを提供しています。また、楽天グループ間でのシナジー最大化を図るとともに保険募集経費の削減効果等をお客様に還元すべく、楽天IDを使ったインターネット経由での楽天生命保険、楽天損害保険、楽天ペット保険の対象商品のご加入者様に、楽天ポイントを還元するサービスは開始以来好評いただいています。
各社における取り組みとして、楽天生命保険においては、家族信託組成サービスの提供や、入院一時金特約の販売を開始しました。これらの取組等により、主要KPIの一つである楽天生命保険の保有契約件数(共済事業及び1年定期ガン保険の契約を除く)は、49.7万件(前年同期末比4.0%増)となる等、順調に業績を進展させています。また、楽天損害保険においては、インターネット経由の新規契約件数が、前年同期との販促活動の時期・内容等の差異により、12.5万件(前年同期比1.6%減)となりましたが、楽天少額短期保険からのペット保険事業の承継や、商品サービスを拡充させるとともに、保険引受の適正化を進め損害率が順調に改善しています。結果として、保険事業セグメントの売上収益は72,737百万円(前年同期比0.8%減)となりましたが、セグメント損益は6,865百万円(前年同期比13.2%増)となりました。
以上により、当社グループのNon-GAAP営業利益は54,217百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
今後の施策として、引き続きキャッシュレス決済の社会全体への浸透を追い風として、クレジットカード事業を中心に、新規会員の獲得及びクレジットカード利用促進に向けた効果的かつ効率的なマーケティング戦略を行い、中期的な戦略として掲げている「トリプル3」(カード発行枚数「3,000万枚」、ショッピング取扱高「30兆円」、取扱高シェア「30%」)の達成に向けた取り組みを実施していきます。また、顧客基盤を最大限に活用し、楽天グループ各社間でのクロスユースを促進することで、シナジーを更に発揮してまいります。なお、世界的な新型コロナウイルスの感染状況やウクライナ情勢の長期化により景気の見通しが先行き不透明ではありますが、資産の健全性、財務の安定性を維持しつつ、各事業のKPI、売上収益、Non-GAAP営業利益への影響を注視していきます。
(3)経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
世界的な新型コロナウイルスの感染状況やウクライナ情勢の長期化により景気の見通しが不透明ではありますが、当社グループにおいては、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した経営方針、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題について、引き続き注視していきます。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、楽天銀行株式会社及びその子会社は当社の連結子会社から除外されました。これを主因に、当社グループの従業員数は、823名減少しています。
(6)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、銀行事業である楽天銀行株式会社及びその子会社が当社の連結子会社から除外されたことにより、銀行事業に関する設備は、当社グループの主要な設備に該当しなくなりました。