有価証券報告書-第117期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの事業環境については、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の影響などにより、不安定な状況が継続しました。自動車関連製品は世界的な自動車生産台数の減少により需要が低迷しました。情報通信関連製品はスマートフォン向け需要の一部で回復が見られました。新エネルギー関連製品は中国市場向けの需要回復が継続しました。相場環境については、為替は当年度末にかけてやや円高基調に転じました。金属価格は不透明感が高まる国際情勢を背景に、金や白金族金属(PGM)は上昇し、亜鉛や銅などのベースメタルは下落するという状況が継続しました。
このような状況の中、当社グループは「中期計画2020」(2018年度~2020年度)の基本方針である「成長市場における事業拡大」、「既存ビジネスでの競争力強化」に基づき、企業価値向上への施策を着実に進めました。
これらの結果、当期の連結売上高は前期比7.1%増の485,130百万円となり、連結営業利益は同39.0%増の25,955百万円となりました。連結経常利益は同19.3%増の28,996百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同16.1%増の17,395百万円となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による当連結会計年度における経営成績及び財政状態等への影響は軽微でした。事業活動への影響としては、インドにおけるロックダウンの影響を受け、当社グループの連結子会社であるHIGHTEMP FURNACES LTD.(熱処理部門)の操業を3月下旬から停止しましたが、5月中旬より順次操業を再開しました。
一方、翌連結会計年度については、日本国内をはじめ各国での経済活動の停滞、特に自動車メーカーの減産や操業停止の影響により、自動車関連製品の売上比率が高い熱処理部門や金属加工部門を中心に、需要に影響が生じることが見込まれます。また、金属価格についても総じて低調に推移しています。
事業活動への影響としては、中国において、当社の連結子会社である蘇州同和資源綜合利用有限公司(環境・リサイクル部門)、同和金属材料(上海)有限公司(金属加工部門)、同和新材料(上海)有限公司(金属加工部門)及び昆山同和熱処理工業炉有限公司(熱処理部門)の操業が1月下旬から順次停止しましたが、以降各々操業を再開しました。
また、メキシコにおいては、持分法適用関連会社であるMINERA TIZAPA,S.A.DE C.V. (製錬部門)がティサパ鉱山を運営し、MINERA PLATA REAL, S. DE R.L.DE C.V. (製錬部門)がロス・ガトス鉱山を運営しています。このうち、ロス・ガトス鉱山の操業が政府令を受けて4月中旬より5月末まで停止しましたが、以降操業を再開しました。
加えて、持分法適用関連会社である藤田観光㈱(その他部門)については、国内外の旅行者の減少の影響を受けています。
これらが翌連結会計年度以降の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼしますが、現時点では見通しを合理的に算定することは困難です。なお、上記の連結子会社及び持分法適用関連会社は、いずれも12月31日が決算日です。
このような中、当社グループとしては、引き続き「中期計画2020」の基本方針に戻づく施策の推進に注力します。「中期計画2020」における主要セグメントの事業戦略と主要施策等の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
主要セグメントの経営成績は、次のとおりです。なお、表中の「前連結会計年度」は2018年4月1日から2019年3月31日まで、「当連結会計年度」は2019年4月1日から2020年3月31日までです。
環境・リサイクル部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
廃棄物処理事業は、廃棄物の焼却処理量及び溶融・再資源化の処理量がともに増加しました。土壌浄化事業は、前年度並みの処理量となりました。リサイクル事業は、リサイクル原料の集荷に注力するとともに家電リサイクルの処理量が増加しました。海外事業は、東南アジアにおいて廃棄物処理の売上高が減少しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比7.4%増の112,121百万円、営業利益は同26.7%増の7,205百万円、経常利益は同10.1%増の6,905百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
製錬部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
貴金属銅事業は、銅の生産量が前年度並みとなりました。PGM(白金族)事業は、使用済み自動車排ガス浄化触媒からの金属回収量が増加しました。亜鉛事業は、亜鉛及びインジウムの金属価格下落や電力単価上昇の影響を受けたものの、製錬原料の購入条件が改善し、亜鉛のたな卸資産の簿価切下額による損失幅も縮小しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比2.5%増の227,290百万円、営業利益は同1,588.0%増の10,003百万円、経常利益は同163.9%増の12,204百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
電子材料部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
半導体事業は、スマートフォン向けLEDの需要が低調に推移しました。電子材料事業は、太陽光パネル向け銀粉の中国市場向けの需要回復が継続しました。機能材料事業は、顧客での在庫調整によりアーカイブ用データテープ向け磁性粉の需要が減少しました。新規製品については、導電性アトマイズ粉やナノ銀粉などの特性向上と量産化に注力し、研究開発費が増加しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比51.2%増の98,226百万円、営業利益は同51.3%減の1,060百万円、経常利益は同23.5%減の2,403百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
金属加工部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
伸銅品事業は、自動車向けは需要後退が継続したものの、スマートフォン向けは需要回復が見られました。めっき事業は、自動車の電装化に伴う需要を取り込みました。回路基板事業は、産業機械向けの需要は減少したものの、鉄道向けや自動車向けへの拡販を進めました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比10.6%減の82,348百万円、営業利益は同18.8%減の5,115百万円、経常利益は同19.4%減の5,199百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
熱処理部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
熱処理事業は、世界的に自動車生産台数が減少した影響を受け、国内外の拠点における受託加工数量が減少しました。また、設備増強に伴って減価償却費が増加しました。工業炉事業は、新規設備の受注が軟調に推移し、設備メンテナンスの受注が減少しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比5.9%減の27,995百万円、営業利益は同50.7%減の1,202百万円、経常利益は同51.2%減の1,256百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
その他部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
その他部門では、売上高は前期比3.7%増の12,055百万円、営業利益は同2.5%減の771百万円、経常利益は同2.5%減の825百万円となりました。
(注) 当該項目に記載の売上高には消費税等を含めていません。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より11,229百万円増加し、30,232百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は55,113百万円(前期比17,558百万円収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益28,762百万円、非資金費用である減価償却費の計上19,288百万円、売上債権の減少8,553百万円などがあ
った一方で、仕入債務の減少8,383百万円などがあったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は37,812百万円の支出(前期比13,213百万円支出減)となりました。これは、環境・リサイクル部門などを中心とした設備投資36,126百万円や貸付けによる支出8,120百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は6,569百万円の支出(前期比22,514百万円収入減)となりました。これは、配当金の支払い5,577百万円や、有利子負債の減少807百万円などによるものです。
b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金需要は運転資金及び成長分野を中心とした設備投資資金、研究開発投資、株主への利益配分等によるものです。当社は、これらの資金需要に対しては内部資金からの充当を主としており、グループファイナンスを通じて内部資金の効率向上に努めています。また、必要に応じて外部からの資金調達を実施しており、実施にあたっては、金融機関からの借入または社債等の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで当社にとって有利な手段を選択しています。
また、金融情勢を勘案して保有現預金残高を決定するとともに、短期流動性確保の手段として、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しているほか、短期社債(電子コマーシャル・ペーパー)の発行枠350億円を設けています。長期性資金については、機動的な調達手段として、社債300億円の募集に関する発行登録(発行予定期間:2019年3月30日~2021年3月29日)を行っています。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりです。
(注) 1 金額は、販売価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 環境・リサイクル部門は、廃棄物処理、金属リサイクル、土壌浄化処理受託及び運輸事業を行っており、売上高が処理高であるため、記載を省略しています。
4 熱処理部門は、金属熱処理加工、表面処理加工、熱処理加工設備・その付属設備の受託生産事業を行っており、売上高が生産高であるため記載を省略しています。
5 その他の部門は、工事の請負、不動産の賃貸及び見込生産を行っているため、記載を省略しています。
b 受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりです。
(注) 1 その他主要な製品に関しては、受注生産を行っていません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 その他部門(工事の請負)の受注残高の減少は、DOWAテクノエンジ㈱と秋田工営㈱において受注高が減少したことなどによるものです。
c 販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格によっています。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
4 上記の金額には消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 当連結会計年度の財政状態の分析
a 資産の部
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して17,812百万円増加し512,495百万円となりました。流動資産で4,135百万円の増加、固定資産で13,676百万円の増加となります。
流動資産の増加は、現金及び預金が11,612百万円、流動資産その他が6,621百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が9,268百万円、原材料及び貯蔵品が4,489百万円減少したことなどによるものです。
固定資産の増加は、有形固定資産が18,970百万円増加した一方で、投資有価証券が3,126百万円、投資その他の資産その他が1,671百万円減少したことなどによるものです。
b 負債の部
負債については、前連結会計年度末と比較して5,729百万円増加しました。これは、流動負債その他が7,783百万円、未払法人税等が4,088百万円、短期借入金が3,219百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が8,969百万円減少したことなどによるものです。
c 純資産の部
純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益が17,395百万円となり、配当金の支払いなどを行った結果、株主資本が11,186百万円増加しました。また、その他有価証券評価差額金の減少などにより、その他の包括利益累計額が353百万円減少し、純資産合計では前連結会計年度末に比較し12,082百万円増加しました。この結果、自己資本比率は48.4%となりました。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
a 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較し、銀地金代を含む取引が増加したことなどから、電子材料部門などで増収となりました。この結果、前連結会計年度の452,928百万円に対し7.1%増加し485,130百万円となりました。
b 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、原材料費が増加したことなどにより、前連結会計年度の396,495百万円に対し、6.3%増加し421,630百万円となりました。
これらの結果、売上高に対する売上原価率は前連結会計年度の87.5%に対し、86.9%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、運賃諸掛の減少などにより、前連結会計年度の37,761百万円に対して0.6%減少し、37,544百万円となりました。
c 営業利益
当連結会計年度の営業利益は前述の要因により、前連結会計年度の18,671百万円に対し39.0%増加し、25,955百万円となりました。
d 営業外収益(費用)
当連結会計年度は、持分法による投資利益の減少などにより、前連結会計年度の5,638百万円の収益(純額)に対し、3,041百万円の収益(純額)となりました。
e 特別利益(損失)
当連結会計年度は、特別利益で投資有価証券売却益など2,039百万円を計上しましたが、特別損失では、減損損失など2,274百万円を計上しました。
これにより、当連結会計年度の特別利益から特別損失を差引いた純額は、前連結会計年度の810百万円の損失に対し、234百万円の損失となりました。
f 税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の23,499百万円に対し22.4%増加し、28,762百万円となりました。
g 法人税等
当連結会計年度の法人税等は10,081百万円となりました。税効果を適用した当連結会計年度の税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率は、法定実効税率の31.3%より3.8ポイント高い35.1%となりました。
h 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主に㈱日本ピージーエム、DOWA IPクリエイション㈱などの非支配株主に帰属する利益からなり、当連結会計年度は、前連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益123百万円に対し1,161百万円増加し、非支配株主に帰属する当期純利益1,284百万円となりました。
i 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の14,986百万円に対し16.1%増加し、17,395百万円となりました。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しています。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、財務諸表作成時に入手可能な経済統計や市場動向等の情報に基づいて会計上の見積りを行っています。具体的には、感染拡大前に策定した将来計画に対して、2020年度の1年間は、事業に応じて売上高が年間10~15%減少するとの仮定を用いて繰延税金資産及び固定資産の減損の見積りを実施しています。
a 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率により計上し、貸倒懸念債権については個別に債権の回収可能性を検討し回収不能見込額を計上しています。
b 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び継続的な税務計画をもって検討し、全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に調整額を費用として計上しています。
c 退職給付に係る負債
従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準及び退職率などが含まれます。当社グループは、割引率を主に日本国債の金利により決定しているほか、報酬水準の増加率及び従業員の平均勤務期間については当社グループの過去の実績値に基づいて決定しています。
d 環境対策引当金
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(平成13年6月22日 法律第65号)及び「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」(平成24年 政令第298号)の規定により、ポリ塩化ビフェニル廃棄物を保有している事業者は適切な保管と届出が要求され、2027年3月31日までに処分することが義務付けられました。
当社グループは、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係るコストが、当連結会計年度以前の事象により起因して将来発生するものであること、及び金額を合理的に見積ることが可能であることなどにより、当連結会計年度末における処分費用の見積額を計上しています。
e 固定資産の減損
当社グループは、主として事業グループ単位を資産グループとし、遊休資産は個々の資産グループとしています。
減損の兆候がある資産グループについては、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を特別損失に計上しています。なお、資産グループの回収可能価額は、正味売却価額により測定しており、時価については不動産鑑定評価額等合理的に算定された評価額に基づいて算定しています。
f その他有価証券等の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する持分を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。
当社グループは投資価値が著しく下落しかつ回復可能性がないと判断した場合、これら有価証券の減損を実施しています。公開会社の株式は、期末月平均の株価が取得原価の50%を下回った場合、また非公開会社の株式は、原則として当該会社の実質価額が取得原価の50%を下回った場合に、回復する見込が合理的に予測できる場合を除き減損処理を行うこととしています。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、コアビジネスである環境・リサイクル部門、製錬部門、電子材料部門、金属加工部門、熱処理部門を中心に事業を行っており、このうち、当連結会計年度の売上高の46.9%を占める製錬部門は、非鉄金属相場及び為替相場の変動の影響を受けやすいため、状況に応じて非鉄金属先渡取引及び為替予約取引などによりリスク軽減に努めています。
当社グループでは、今後も収益性の向上及び財務体質の改善に努めていきますが、非鉄金属相場及び為替相場の急激な変動、景気動向などの外的要因により業績に影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの事業環境については、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の影響などにより、不安定な状況が継続しました。自動車関連製品は世界的な自動車生産台数の減少により需要が低迷しました。情報通信関連製品はスマートフォン向け需要の一部で回復が見られました。新エネルギー関連製品は中国市場向けの需要回復が継続しました。相場環境については、為替は当年度末にかけてやや円高基調に転じました。金属価格は不透明感が高まる国際情勢を背景に、金や白金族金属(PGM)は上昇し、亜鉛や銅などのベースメタルは下落するという状況が継続しました。
このような状況の中、当社グループは「中期計画2020」(2018年度~2020年度)の基本方針である「成長市場における事業拡大」、「既存ビジネスでの競争力強化」に基づき、企業価値向上への施策を着実に進めました。
これらの結果、当期の連結売上高は前期比7.1%増の485,130百万円となり、連結営業利益は同39.0%増の25,955百万円となりました。連結経常利益は同19.3%増の28,996百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同16.1%増の17,395百万円となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による当連結会計年度における経営成績及び財政状態等への影響は軽微でした。事業活動への影響としては、インドにおけるロックダウンの影響を受け、当社グループの連結子会社であるHIGHTEMP FURNACES LTD.(熱処理部門)の操業を3月下旬から停止しましたが、5月中旬より順次操業を再開しました。
一方、翌連結会計年度については、日本国内をはじめ各国での経済活動の停滞、特に自動車メーカーの減産や操業停止の影響により、自動車関連製品の売上比率が高い熱処理部門や金属加工部門を中心に、需要に影響が生じることが見込まれます。また、金属価格についても総じて低調に推移しています。
事業活動への影響としては、中国において、当社の連結子会社である蘇州同和資源綜合利用有限公司(環境・リサイクル部門)、同和金属材料(上海)有限公司(金属加工部門)、同和新材料(上海)有限公司(金属加工部門)及び昆山同和熱処理工業炉有限公司(熱処理部門)の操業が1月下旬から順次停止しましたが、以降各々操業を再開しました。
また、メキシコにおいては、持分法適用関連会社であるMINERA TIZAPA,S.A.DE C.V. (製錬部門)がティサパ鉱山を運営し、MINERA PLATA REAL, S. DE R.L.DE C.V. (製錬部門)がロス・ガトス鉱山を運営しています。このうち、ロス・ガトス鉱山の操業が政府令を受けて4月中旬より5月末まで停止しましたが、以降操業を再開しました。
加えて、持分法適用関連会社である藤田観光㈱(その他部門)については、国内外の旅行者の減少の影響を受けています。
これらが翌連結会計年度以降の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼしますが、現時点では見通しを合理的に算定することは困難です。なお、上記の連結子会社及び持分法適用関連会社は、いずれも12月31日が決算日です。
このような中、当社グループとしては、引き続き「中期計画2020」の基本方針に戻づく施策の推進に注力します。「中期計画2020」における主要セグメントの事業戦略と主要施策等の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
主要セグメントの経営成績は、次のとおりです。なお、表中の「前連結会計年度」は2018年4月1日から2019年3月31日まで、「当連結会計年度」は2019年4月1日から2020年3月31日までです。
環境・リサイクル部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 104,436 | 112,121 | 7,684 | 7.4% |
| 営業利益 | 5,686 | 7,205 | 1,519 | 26.7% |
| 経常利益 | 6,271 | 6,905 | 633 | 10.1% |
廃棄物処理事業は、廃棄物の焼却処理量及び溶融・再資源化の処理量がともに増加しました。土壌浄化事業は、前年度並みの処理量となりました。リサイクル事業は、リサイクル原料の集荷に注力するとともに家電リサイクルの処理量が増加しました。海外事業は、東南アジアにおいて廃棄物処理の売上高が減少しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比7.4%増の112,121百万円、営業利益は同26.7%増の7,205百万円、経常利益は同10.1%増の6,905百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | |||||||
| 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | |
| 国内の廃棄物中間処理量 | 100 | 83 | 91 | 85 | 100 | 89 | 94 | 90 |
| リサイクル原料集荷量 (小坂製錬向け) | 100 | 98 | 88 | 82 | 80 | 84 | 85 | 81 |
| 東南アジアの廃棄物処理額 | 100 | 101 | 96 | 98 | 96 | 93 | 94 | 105 |
製錬部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 221,668 | 227,290 | 5,621 | 2.5% |
| 営業利益 | 592 | 10,003 | 9,411 | 1,588.0% |
| 経常利益 | 4,624 | 12,204 | 7,580 | 163.9% |
貴金属銅事業は、銅の生産量が前年度並みとなりました。PGM(白金族)事業は、使用済み自動車排ガス浄化触媒からの金属回収量が増加しました。亜鉛事業は、亜鉛及びインジウムの金属価格下落や電力単価上昇の影響を受けたものの、製錬原料の購入条件が改善し、亜鉛のたな卸資産の簿価切下額による損失幅も縮小しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比2.5%増の227,290百万円、営業利益は同1,588.0%増の10,003百万円、経常利益は同163.9%増の12,204百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | |||||||
| 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | |
| 銅生産量(小坂製錬と小名浜製錬の合計) | 100 | 80 | 79 | 95 | 91 | 85 | 82 | 101 |
| 亜鉛生産量(秋田製錬) | 100 | 73 | 101 | 95 | 102 | 70 | 95 | 91 |
電子材料部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 64,984 | 98,226 | 33,241 | 51.2% |
| 営業利益 | 2,176 | 1,060 | △1,115 | △51.3% |
| 経常利益 | 3,142 | 2,403 | △738 | △23.5% |
半導体事業は、スマートフォン向けLEDの需要が低調に推移しました。電子材料事業は、太陽光パネル向け銀粉の中国市場向けの需要回復が継続しました。機能材料事業は、顧客での在庫調整によりアーカイブ用データテープ向け磁性粉の需要が減少しました。新規製品については、導電性アトマイズ粉やナノ銀粉などの特性向上と量産化に注力し、研究開発費が増加しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比51.2%増の98,226百万円、営業利益は同51.3%減の1,060百万円、経常利益は同23.5%減の2,403百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | |||||||
| 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | |
| LED販売量 | 100 | 80 | 66 | 48 | 51 | 63 | 54 | 57 |
| 銀粉販売量 | 100 | 91 | 100 | 88 | 103 | 119 | 127 | 131 |
金属加工部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 92,069 | 82,348 | △9,721 | △10.6% |
| 営業利益 | 6,299 | 5,115 | △1,184 | △18.8% |
| 経常利益 | 6,448 | 5,199 | △1,248 | △19.4% |
伸銅品事業は、自動車向けは需要後退が継続したものの、スマートフォン向けは需要回復が見られました。めっき事業は、自動車の電装化に伴う需要を取り込みました。回路基板事業は、産業機械向けの需要は減少したものの、鉄道向けや自動車向けへの拡販を進めました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比10.6%減の82,348百万円、営業利益は同18.8%減の5,115百万円、経常利益は同19.4%減の5,199百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | |||||||
| 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | |
| 伸銅品販売量 | 100 | 100 | 107 | 100 | 93 | 95 | 96 | 89 |
熱処理部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 29,739 | 27,995 | △1,743 | △5.9% |
| 営業利益 | 2,437 | 1,202 | △1,235 | △50.7% |
| 経常利益 | 2,572 | 1,256 | △1,316 | △51.2% |
熱処理事業は、世界的に自動車生産台数が減少した影響を受け、国内外の拠点における受託加工数量が減少しました。また、設備増強に伴って減価償却費が増加しました。工業炉事業は、新規設備の受注が軟調に推移し、設備メンテナンスの受注が減少しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比5.9%減の27,995百万円、営業利益は同50.7%減の1,202百万円、経常利益は同51.2%減の1,256百万円となりました。
主要製品・主要サービスの状況
(2019年3月期第1四半期連結期間を100として指数化)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | |||||||
| 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | |
| 熱処理加工売上高 | 100 | 100 | 104 | 94 | 93 | 95 | 97 | 92 |
| 工業炉売上高 | 100 | 156 | 176 | 207 | 134 | 156 | 137 | 147 |
その他部門
売上高、営業利益、経常利益の状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 11,628 | 12,055 | 426 | 3.7% |
| 営業利益 | 791 | 771 | △19 | △2.5% |
| 経常利益 | 846 | 825 | △21 | △2.5% |
その他部門では、売上高は前期比3.7%増の12,055百万円、営業利益は同2.5%減の771百万円、経常利益は同2.5%減の825百万円となりました。
(注) 当該項目に記載の売上高には消費税等を含めていません。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 比較増減 | |||
| 百万円 | 百万円 | 百万円 | |||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 37,555 | 55,113 | 17,558 | ||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △51,025 | △37,812 | 13,213 | ||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 15,944 | △6,569 | △22,514 | ||
| 換算差額 | △58 | 114 | 172 | ||
| 増減 | 2,416 | 10,846 | 8,429 | ||
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 16,472 | 19,002 | 2,529 | ||
| 新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 112 | 383 | 270 | ||
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 19,002 | 30,232 | 11,229 |
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より11,229百万円増加し、30,232百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は55,113百万円(前期比17,558百万円収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益28,762百万円、非資金費用である減価償却費の計上19,288百万円、売上債権の減少8,553百万円などがあ
った一方で、仕入債務の減少8,383百万円などがあったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は37,812百万円の支出(前期比13,213百万円支出減)となりました。これは、環境・リサイクル部門などを中心とした設備投資36,126百万円や貸付けによる支出8,120百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は6,569百万円の支出(前期比22,514百万円収入減)となりました。これは、配当金の支払い5,577百万円や、有利子負債の減少807百万円などによるものです。
b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金需要は運転資金及び成長分野を中心とした設備投資資金、研究開発投資、株主への利益配分等によるものです。当社は、これらの資金需要に対しては内部資金からの充当を主としており、グループファイナンスを通じて内部資金の効率向上に努めています。また、必要に応じて外部からの資金調達を実施しており、実施にあたっては、金融機関からの借入または社債等の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで当社にとって有利な手段を選択しています。
また、金融情勢を勘案して保有現預金残高を決定するとともに、短期流動性確保の手段として、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しているほか、短期社債(電子コマーシャル・ペーパー)の発行枠350億円を設けています。長期性資金については、機動的な調達手段として、社債300億円の募集に関する発行登録(発行予定期間:2019年3月30日~2021年3月29日)を行っています。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製錬部門 | 225,943 | 1.2 |
| 電子材料部門 | 98,126 | 51.1 |
| 金属加工部門 | 82,619 | △11.1 |
| 合計 | 406,690 | 6.7 |
(注) 1 金額は、販売価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 環境・リサイクル部門は、廃棄物処理、金属リサイクル、土壌浄化処理受託及び運輸事業を行っており、売上高が処理高であるため、記載を省略しています。
4 熱処理部門は、金属熱処理加工、表面処理加工、熱処理加工設備・その付属設備の受託生産事業を行っており、売上高が生産高であるため記載を省略しています。
5 その他の部門は、工事の請負、不動産の賃貸及び見込生産を行っているため、記載を省略しています。
b 受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 熱処理部門(熱処理炉) | 3,323 | △38.0 | 4,591 | △1.1 |
| その他部門(工事の請負) | 1,166 | △17.1 | 78 | △75.6 |
| 合計 | 4,490 | △33.7 | 4,670 | △5.9 |
(注) 1 その他主要な製品に関しては、受注生産を行っていません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 その他部門(工事の請負)の受注残高の減少は、DOWAテクノエンジ㈱と秋田工営㈱において受注高が減少したことなどによるものです。
c 販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 環境・リサイクル部門 | 67,548 | 3.9 |
| 製錬部門 | 209,955 | 4.0 |
| 電子材料部門 | 95,551 | 52.4 |
| 金属加工部門 | 82,300 | △10.5 |
| 熱処理部門 | 27,992 | △5.8 |
| その他部門 | 1,783 | 4.9 |
| 合計 | 485,130 | 7.1 |
(注) 1 金額は販売価格によっています。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 田中貴金属工業㈱ | 53,791 | 11.9 | 65,403 | 13.5 |
4 上記の金額には消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 当連結会計年度の財政状態の分析
a 資産の部
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して17,812百万円増加し512,495百万円となりました。流動資産で4,135百万円の増加、固定資産で13,676百万円の増加となります。
流動資産の増加は、現金及び預金が11,612百万円、流動資産その他が6,621百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が9,268百万円、原材料及び貯蔵品が4,489百万円減少したことなどによるものです。
固定資産の増加は、有形固定資産が18,970百万円増加した一方で、投資有価証券が3,126百万円、投資その他の資産その他が1,671百万円減少したことなどによるものです。
b 負債の部
負債については、前連結会計年度末と比較して5,729百万円増加しました。これは、流動負債その他が7,783百万円、未払法人税等が4,088百万円、短期借入金が3,219百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が8,969百万円減少したことなどによるものです。
c 純資産の部
純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益が17,395百万円となり、配当金の支払いなどを行った結果、株主資本が11,186百万円増加しました。また、その他有価証券評価差額金の減少などにより、その他の包括利益累計額が353百万円減少し、純資産合計では前連結会計年度末に比較し12,082百万円増加しました。この結果、自己資本比率は48.4%となりました。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
a 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較し、銀地金代を含む取引が増加したことなどから、電子材料部門などで増収となりました。この結果、前連結会計年度の452,928百万円に対し7.1%増加し485,130百万円となりました。
b 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、原材料費が増加したことなどにより、前連結会計年度の396,495百万円に対し、6.3%増加し421,630百万円となりました。
これらの結果、売上高に対する売上原価率は前連結会計年度の87.5%に対し、86.9%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、運賃諸掛の減少などにより、前連結会計年度の37,761百万円に対して0.6%減少し、37,544百万円となりました。
c 営業利益
当連結会計年度の営業利益は前述の要因により、前連結会計年度の18,671百万円に対し39.0%増加し、25,955百万円となりました。
d 営業外収益(費用)
当連結会計年度は、持分法による投資利益の減少などにより、前連結会計年度の5,638百万円の収益(純額)に対し、3,041百万円の収益(純額)となりました。
e 特別利益(損失)
当連結会計年度は、特別利益で投資有価証券売却益など2,039百万円を計上しましたが、特別損失では、減損損失など2,274百万円を計上しました。
これにより、当連結会計年度の特別利益から特別損失を差引いた純額は、前連結会計年度の810百万円の損失に対し、234百万円の損失となりました。
f 税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の23,499百万円に対し22.4%増加し、28,762百万円となりました。
g 法人税等
当連結会計年度の法人税等は10,081百万円となりました。税効果を適用した当連結会計年度の税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率は、法定実効税率の31.3%より3.8ポイント高い35.1%となりました。
h 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主に㈱日本ピージーエム、DOWA IPクリエイション㈱などの非支配株主に帰属する利益からなり、当連結会計年度は、前連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益123百万円に対し1,161百万円増加し、非支配株主に帰属する当期純利益1,284百万円となりました。
i 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の14,986百万円に対し16.1%増加し、17,395百万円となりました。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しています。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、財務諸表作成時に入手可能な経済統計や市場動向等の情報に基づいて会計上の見積りを行っています。具体的には、感染拡大前に策定した将来計画に対して、2020年度の1年間は、事業に応じて売上高が年間10~15%減少するとの仮定を用いて繰延税金資産及び固定資産の減損の見積りを実施しています。
a 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率により計上し、貸倒懸念債権については個別に債権の回収可能性を検討し回収不能見込額を計上しています。
b 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び継続的な税務計画をもって検討し、全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に調整額を費用として計上しています。
c 退職給付に係る負債
従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準及び退職率などが含まれます。当社グループは、割引率を主に日本国債の金利により決定しているほか、報酬水準の増加率及び従業員の平均勤務期間については当社グループの過去の実績値に基づいて決定しています。
d 環境対策引当金
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(平成13年6月22日 法律第65号)及び「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」(平成24年 政令第298号)の規定により、ポリ塩化ビフェニル廃棄物を保有している事業者は適切な保管と届出が要求され、2027年3月31日までに処分することが義務付けられました。
当社グループは、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係るコストが、当連結会計年度以前の事象により起因して将来発生するものであること、及び金額を合理的に見積ることが可能であることなどにより、当連結会計年度末における処分費用の見積額を計上しています。
e 固定資産の減損
当社グループは、主として事業グループ単位を資産グループとし、遊休資産は個々の資産グループとしています。
減損の兆候がある資産グループについては、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を特別損失に計上しています。なお、資産グループの回収可能価額は、正味売却価額により測定しており、時価については不動産鑑定評価額等合理的に算定された評価額に基づいて算定しています。
f その他有価証券等の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する持分を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。
当社グループは投資価値が著しく下落しかつ回復可能性がないと判断した場合、これら有価証券の減損を実施しています。公開会社の株式は、期末月平均の株価が取得原価の50%を下回った場合、また非公開会社の株式は、原則として当該会社の実質価額が取得原価の50%を下回った場合に、回復する見込が合理的に予測できる場合を除き減損処理を行うこととしています。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、コアビジネスである環境・リサイクル部門、製錬部門、電子材料部門、金属加工部門、熱処理部門を中心に事業を行っており、このうち、当連結会計年度の売上高の46.9%を占める製錬部門は、非鉄金属相場及び為替相場の変動の影響を受けやすいため、状況に応じて非鉄金属先渡取引及び為替予約取引などによりリスク軽減に努めています。
当社グループでは、今後も収益性の向上及び財務体質の改善に努めていきますが、非鉄金属相場及び為替相場の急激な変動、景気動向などの外的要因により業績に影響を受ける可能性があります。