有価証券報告書-第116期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの事業環境については、自動車関連製品は一部で中国市場の減速による影響を受けました。電子部品関連製品はスマートフォン向けにおいて需要が減少しました。新エネルギー関連製品は中国向け需要減少の影響を受けました。相場環境については、為替、金属価格とも国際情勢を窺いながらの値動きとなりましたが、為替は概ね前期並みの水準となり、金属価格は前期と比べ亜鉛や銀などが下落しました。
当期は「中期計画2020」の初年度にあたり、「成長市場における事業拡大」と「既存ビジネスでの競争力強化」の基本方針のもと、諸施策を着実に進めました。
これらの結果、当期の連結売上高は前期並みの452,928百万円となり、連結営業利益は前期比40%減の18,671百万円となりました。連結経常利益は同33%減の24,309百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同39%減の14,986百万円となりました。
主要セグメントの経営成績は、次のとおりです。
環境・リサイクル部門
廃棄物処理事業は、国内の廃棄物発生量が堅調に推移するなか、廃棄物の処理量は概ね前期並みとなりました。土壌浄化事業は、新たな浄化技術を採用した浄化法の受注拡大に努めました。リサイクル事業は、自社製錬所のリサイクル原料となる廃電子基板の集荷量を拡大し、自動車リサイクルや家電リサイクルにおいて処理量を増加させました。海外事業は、インドネシアにおける有害廃棄物の集荷増が寄与し、概ね前期並みの廃棄物処理高となりました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比5%増の104,436百万円、営業利益は同14%増の5,686百万円、経常利益は同10%増の6,271百万円となりました。
製錬部門
貴金属銅事業は、副産金属であるすずの実収率向上に取り組みました。PGM(白金族)事業は、使用済み自動車排ガス浄化触媒からの金属回収量が見込みを下回りました。亜鉛事業は、買鉱条件の悪化や電力単価上昇の影響を受けました。持分法適用会社では、小名浜製錬㈱などの利益が減少しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比2%増の221,668百万円、営業利益は同94%減の592百万円、経常利益は同64%減の4,624百万円となりました。
電子材料部門
半導体事業は、スマートフォン向けLEDの需要が減少しました。電子材料事業は、中国市場において太陽光パネル向け銀粉の需要が減少しました。機能材料事業は、アーカイブ用データテープ向け磁性粉の在庫調整が継続しました。新規製品の早期事業化に向けて、殺菌用途向け深紫外LEDや半導体接合材料などの研究開発費を増額しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比16%減の64,984百万円、営業利益は同61%減の2,176百万円、経常利益は同49%減の3,142百万円となりました。
金属加工部門
伸銅品事業は、自動車向けは堅調に推移し、スマートフォン向けは中国市場を中心に需要が減少しました。めっき事業は、自動車の電装化需要を取り込みました。回路基板事業は、鉄道向けや自動車向けの拡販を進めたものの、産業機械向けの需要が減少しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比2%増の92,069百万円、営業利益は同14%減の6,299百万円、経常利益は同15%減の6,448百万円となりました。
熱処理部門
熱処理事業は、中国の自動車生産台数が減少した影響を受け受注が減少しました。工業炉事業は、新規設備の受注が増加し、国内外で設備メンテナンスの需要が拡大しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比5%増の29,739百万円、営業利益は同7%減の2,437百万円、経常利益は同3%増の2,572百万円となりました。
その他部門
その他部門では、売上高は前期比5%減の11,628百万円、営業利益は同8%増の791百万円、経常利益は同10%増の846百万円となりました。
(注) 当該項目に記載の売上高には消費税等を含めていません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2,529百万円増加し、19,002百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は37,555百万円(前期比26,429百万円収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益23,499百万円、非資金費用である減価償却費の計上18,628百万円、仕入債務の増加5,883百万円などがあった一方で、棚卸資産の増加13,471百万円や法人税等の支払い7,904百万円などがあったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は51,025百万円の支出(前期比17,015百万円支出増)となりました。これは、環境・リサイクル部門などを中心とした設備投資23,684百万円や貸付けによる支出23,818百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は15,944百万円の収入(前期比8,143百万円収入減)となりました。これは、有利子負債の増加21,930百万円や、配当金の支払い5,641百万円などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりです。
(注) 1 金額は、販売価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 環境・リサイクル部門は、廃棄物処理、金属リサイクル、土壌浄化処理受託及び運輸事業を行っており、売上高が処理高であるため、記載を省略しています。
4 熱処理部門は、金属熱処理加工、表面処理加工、熱処理加工設備・その付属設備の受託生産事業を行っており、売上高が生産高であるため記載を省略しています。
5 その他の部門は、工事の請負、不動産の賃貸及び見込生産を行っているため、記載を省略しています。
b 受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりです。
(注) 1 その他主要な製品に関しては、受注生産を行っていません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 熱処理部門(熱処理炉)の受注残高の増加は、DOWAサーモテック㈱において受注高が増加したことなどによるものです。
c 販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格によっています。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
4 上記の金額には消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しています。
a 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率により計上し、貸倒懸念債権については個別に債権の回収可能性を検討し回収不能見込額を計上しています。
b 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び継続的な税務計画をもって検討し、全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に調整額を費用として計上しています。
c 退職給付に係る負債
従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準及び退職率などが含まれます。当社グループは、割引率を主に日本国債の金利により決定しているほか、報酬水準の増加率及び従業員の平均勤務期間については当社グループの過去の実績値に基づいて決定しています。
d 環境対策引当金
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(平成13年6月22日 法律第65号)及び「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」(平成24年 政令第298号)の規定により、ポリ塩化ビフェニル廃棄物を保有している事業者は適切な保管と届出が要求され、2027年3月31日までに処分することが義務付けられました。
当社グループは、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係るコストが、当連結会計年度以前の事象により起因して将来発生するものであること、及び金額を合理的に見積ることが可能であることなどにより、当連結会計年度末における処分費用の見積額を計上しています。
e 固定資産の減損
当社グループは、主として事業グループ単位を資産グループとし、遊休資産は個々の資産グループとしています。
減損の兆候がある資産グループについては、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を特別損失に計上しています。なお、資産グループの回収可能価額は、正味売却価額により測定しており、時価については不動産鑑定評価額等合理的に算定された評価額に基づいて算定しています。
f その他有価証券等の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する持分を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。
当社グループは投資価値が著しく下落しかつ回復可能性がないと判断した場合、これら有価証券の減損を実施しています。公開会社の株式は、期末月平均の株価が取得原価の50%を下回った場合、また非公開会社の株式は、原則として当該会社の実質価額が取得原価の50%を下回った場合に、回復する見込が合理的に予測できる場合を除き減損処理を行うこととしています。
② 当連結会計年度の財政状態の分析
a 資産の部
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して38,152百万円増加し494,683百万円となりました。流動資産で9,672百万円の増加、固定資産で28,479百万円の増加となります。
流動資産の増加は、原材料及び貯蔵品が11,569百万円、現金及び預金が3,182百万円増加した一方で、流動資産その他が3,925百万円減少したことなどによるものです。
固定資産の増加は、長期貸付金が23,189百万円、有形固定資産が10,040百万円増加した一方で、投資有価証券が 6,909百万円減少したことなどによるものです。
b 負債の部
負債については、前連結会計年度末と比較して39,756百万円増加しました。これは、有利子負債が25,414百万円、その他流動負債が8,979百万円、支払手形及び買掛金が6,111百万円増加したことなどによるものです。
c 純資産の部
純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益が14,986百万円となり、配当金の支払いなどを行った結果、株主資本が8,415百万円増加しました。また、その他の包括利益累計額がその他有価証券評価差額金の減少などにより10,016百万円減少し、純資産合計では前連結会計年度末に比較し1,603百万円減少しました。この結果、自己資本比率は48.0%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っています。
③ 当連結会計年度の経営成績の分析
a 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較し、銀粉の販売が減少したことなどから、電子材料部門などで減収となりました。この結果、前連結会計年度の454,754百万円に対し0.4%減少し452,928百万円となりました。
b 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、物品費が増加したことなどにより、前連結会計年度の387,831百万円に対し、2.2%増加し396,495百万円となりました。
これらの結果、売上高に対する売上原価率は前連結会計年度の85.3%に対し、87.5%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、給料及び手当の増加などにより、前連結会計年度の35,975百万円に対して5.0%増加し、37,761百万円となりました。
c 営業利益
当連結会計年度の営業利益は前述の要因により、前連結会計年度の30,948百万円に対し39.7%減少し、18,671百万円となりました。
d 営業外収益(費用)
当連結会計年度は、受取利息の増加などにより、前連結会計年度の5,407百万円の収益(純額)に対し、5,638百万円の収益(純額)となりました。
e 特別利益(損失)
当連結会計年度は、特別利益で補助金収入など1,067百万円を計上しましたが、特別損失では、固定資産除却損など1,877百万円を計上しました。
これにより、当連結会計年度の特別利益から特別損失を差引いた純額は、前連結会計年度の1,381百万円の損失に対し、810百万円の損失となりました。
f 税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の34,974百万円に対し32.8%減少し、23,499百万円となりました。
g 法人税等
当連結会計年度の法人税等は8,389百万円となりました。税効果を適用した当連結会計年度の税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率は、法定実効税率の31.3%より4.4ポイント高い35.7%となりました。
h 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主に㈱日本ピージーエム、DOWA IPクリエイション㈱などの非支配株主に帰属する利益からなり、当連結会計年度は、前連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益570百万円に対し447百万円減少し、非支配株主に帰属する当期純利益123百万円となりました。
i 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の24,693百万円に対し39.3%減少し、14,986百万円となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、コアビジネスである環境・リサイクル部門、製錬部門、電子材料部門、金属加工部門、熱処理部門を中心に事業を行っており、このうち、当連結会計年度の売上高の48.9%を占める製錬部門は、非鉄金属相場及び為替相場の変動の影響を受けやすいため、状況に応じて非鉄金属先渡取引及び為替予約取引などによりリスク軽減に努めています。
当社グループでは、今後も収益性の向上及び財務体質の改善に努めていきますが、非鉄金属相場及び為替相場の急激な変動、景気動向などの外的要因により業績に影響を受ける可能性があります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社は、金融情勢を勘案して保有現預金残高を決定するとともに、短期流動性確保の手段として、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しているほか、短期社債(電子コマーシャル・ペーパー)の発行枠350億円を設けています。長期性資金については、機動的な調達手段として、社債300億円の募集に関する発行登録(発行予定期間:2019年3月30日~2021年3月29日)を行っています。
また、当社グループは、グループファイナンスを行うことで、グループ各社の資金の一元管理を行い資金効率の向上を図っています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの事業環境については、自動車関連製品は一部で中国市場の減速による影響を受けました。電子部品関連製品はスマートフォン向けにおいて需要が減少しました。新エネルギー関連製品は中国向け需要減少の影響を受けました。相場環境については、為替、金属価格とも国際情勢を窺いながらの値動きとなりましたが、為替は概ね前期並みの水準となり、金属価格は前期と比べ亜鉛や銀などが下落しました。
当期は「中期計画2020」の初年度にあたり、「成長市場における事業拡大」と「既存ビジネスでの競争力強化」の基本方針のもと、諸施策を着実に進めました。
これらの結果、当期の連結売上高は前期並みの452,928百万円となり、連結営業利益は前期比40%減の18,671百万円となりました。連結経常利益は同33%減の24,309百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同39%減の14,986百万円となりました。
主要セグメントの経営成績は、次のとおりです。
環境・リサイクル部門
廃棄物処理事業は、国内の廃棄物発生量が堅調に推移するなか、廃棄物の処理量は概ね前期並みとなりました。土壌浄化事業は、新たな浄化技術を採用した浄化法の受注拡大に努めました。リサイクル事業は、自社製錬所のリサイクル原料となる廃電子基板の集荷量を拡大し、自動車リサイクルや家電リサイクルにおいて処理量を増加させました。海外事業は、インドネシアにおける有害廃棄物の集荷増が寄与し、概ね前期並みの廃棄物処理高となりました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比5%増の104,436百万円、営業利益は同14%増の5,686百万円、経常利益は同10%増の6,271百万円となりました。
製錬部門
貴金属銅事業は、副産金属であるすずの実収率向上に取り組みました。PGM(白金族)事業は、使用済み自動車排ガス浄化触媒からの金属回収量が見込みを下回りました。亜鉛事業は、買鉱条件の悪化や電力単価上昇の影響を受けました。持分法適用会社では、小名浜製錬㈱などの利益が減少しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比2%増の221,668百万円、営業利益は同94%減の592百万円、経常利益は同64%減の4,624百万円となりました。
電子材料部門
半導体事業は、スマートフォン向けLEDの需要が減少しました。電子材料事業は、中国市場において太陽光パネル向け銀粉の需要が減少しました。機能材料事業は、アーカイブ用データテープ向け磁性粉の在庫調整が継続しました。新規製品の早期事業化に向けて、殺菌用途向け深紫外LEDや半導体接合材料などの研究開発費を増額しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比16%減の64,984百万円、営業利益は同61%減の2,176百万円、経常利益は同49%減の3,142百万円となりました。
金属加工部門
伸銅品事業は、自動車向けは堅調に推移し、スマートフォン向けは中国市場を中心に需要が減少しました。めっき事業は、自動車の電装化需要を取り込みました。回路基板事業は、鉄道向けや自動車向けの拡販を進めたものの、産業機械向けの需要が減少しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比2%増の92,069百万円、営業利益は同14%減の6,299百万円、経常利益は同15%減の6,448百万円となりました。
熱処理部門
熱処理事業は、中国の自動車生産台数が減少した影響を受け受注が減少しました。工業炉事業は、新規設備の受注が増加し、国内外で設備メンテナンスの需要が拡大しました。
これらの結果、当部門の売上高は前期比5%増の29,739百万円、営業利益は同7%減の2,437百万円、経常利益は同3%増の2,572百万円となりました。
その他部門
その他部門では、売上高は前期比5%減の11,628百万円、営業利益は同8%増の791百万円、経常利益は同10%増の846百万円となりました。
(注) 当該項目に記載の売上高には消費税等を含めていません。
② キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 比較増減 | |||
| 百万円 | 百万円 | 百万円 | |||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 11,125 | 37,555 | 26,429 | ||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △34,010 | △51,025 | △17,015 | ||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 24,087 | 15,944 | △8,143 | ||
| 換算差額 | △115 | △58 | 56 | ||
| 増減 | 1,088 | 2,416 | 1,327 | ||
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 15,126 | 16,472 | 1,346 | ||
| 新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 257 | 112 | △144 | ||
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 16,472 | 19,002 | 2,529 |
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2,529百万円増加し、19,002百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は37,555百万円(前期比26,429百万円収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益23,499百万円、非資金費用である減価償却費の計上18,628百万円、仕入債務の増加5,883百万円などがあった一方で、棚卸資産の増加13,471百万円や法人税等の支払い7,904百万円などがあったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は51,025百万円の支出(前期比17,015百万円支出増)となりました。これは、環境・リサイクル部門などを中心とした設備投資23,684百万円や貸付けによる支出23,818百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は15,944百万円の収入(前期比8,143百万円収入減)となりました。これは、有利子負債の増加21,930百万円や、配当金の支払い5,641百万円などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製錬部門 | 223,296 | 0.7 |
| 電子材料部門 | 64,951 | △16.8 |
| 金属加工部門 | 92,924 | 2.4 |
| 合計 | 381,172 | △2.4 |
(注) 1 金額は、販売価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 環境・リサイクル部門は、廃棄物処理、金属リサイクル、土壌浄化処理受託及び運輸事業を行っており、売上高が処理高であるため、記載を省略しています。
4 熱処理部門は、金属熱処理加工、表面処理加工、熱処理加工設備・その付属設備の受託生産事業を行っており、売上高が生産高であるため記載を省略しています。
5 その他の部門は、工事の請負、不動産の賃貸及び見込生産を行っているため、記載を省略しています。
b 受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 熱処理部門(熱処理炉) | 5,362 | 28.5 | 4,641 | 75.8 |
| その他部門(工事の請負) | 1,406 | △5.9 | 321 | △10.8 |
| 合計 | 6,769 | 19.4 | 4,962 | 65.4 |
(注) 1 その他主要な製品に関しては、受注生産を行っていません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 熱処理部門(熱処理炉)の受注残高の増加は、DOWAサーモテック㈱において受注高が増加したことなどによるものです。
c 販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 環境・リサイクル部門 | 65,014 | 7.9 |
| 製錬部門 | 201,838 | 2.3 |
| 電子材料部門 | 62,689 | △16.9 |
| 金属加工部門 | 91,981 | 1.7 |
| 熱処理部門 | 29,702 | 5.3 |
| その他部門 | 1,700 | △43.1 |
| 合計 | 452,928 | △0.4 |
(注) 1 金額は販売価格によっています。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 田中貴金属工業㈱ | 52,981 | 11.7 | 53,791 | 11.9 |
4 上記の金額には消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としています。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しています。
a 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率により計上し、貸倒懸念債権については個別に債権の回収可能性を検討し回収不能見込額を計上しています。
b 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び継続的な税務計画をもって検討し、全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に調整額を費用として計上しています。
c 退職給付に係る負債
従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準及び退職率などが含まれます。当社グループは、割引率を主に日本国債の金利により決定しているほか、報酬水準の増加率及び従業員の平均勤務期間については当社グループの過去の実績値に基づいて決定しています。
d 環境対策引当金
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(平成13年6月22日 法律第65号)及び「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」(平成24年 政令第298号)の規定により、ポリ塩化ビフェニル廃棄物を保有している事業者は適切な保管と届出が要求され、2027年3月31日までに処分することが義務付けられました。
当社グループは、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に係るコストが、当連結会計年度以前の事象により起因して将来発生するものであること、及び金額を合理的に見積ることが可能であることなどにより、当連結会計年度末における処分費用の見積額を計上しています。
e 固定資産の減損
当社グループは、主として事業グループ単位を資産グループとし、遊休資産は個々の資産グループとしています。
減損の兆候がある資産グループについては、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を特別損失に計上しています。なお、資産グループの回収可能価額は、正味売却価額により測定しており、時価については不動産鑑定評価額等合理的に算定された評価額に基づいて算定しています。
f その他有価証券等の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する持分を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。
当社グループは投資価値が著しく下落しかつ回復可能性がないと判断した場合、これら有価証券の減損を実施しています。公開会社の株式は、期末月平均の株価が取得原価の50%を下回った場合、また非公開会社の株式は、原則として当該会社の実質価額が取得原価の50%を下回った場合に、回復する見込が合理的に予測できる場合を除き減損処理を行うこととしています。
② 当連結会計年度の財政状態の分析
a 資産の部
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して38,152百万円増加し494,683百万円となりました。流動資産で9,672百万円の増加、固定資産で28,479百万円の増加となります。
流動資産の増加は、原材料及び貯蔵品が11,569百万円、現金及び預金が3,182百万円増加した一方で、流動資産その他が3,925百万円減少したことなどによるものです。
固定資産の増加は、長期貸付金が23,189百万円、有形固定資産が10,040百万円増加した一方で、投資有価証券が 6,909百万円減少したことなどによるものです。
b 負債の部
負債については、前連結会計年度末と比較して39,756百万円増加しました。これは、有利子負債が25,414百万円、その他流動負債が8,979百万円、支払手形及び買掛金が6,111百万円増加したことなどによるものです。
c 純資産の部
純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益が14,986百万円となり、配当金の支払いなどを行った結果、株主資本が8,415百万円増加しました。また、その他の包括利益累計額がその他有価証券評価差額金の減少などにより10,016百万円減少し、純資産合計では前連結会計年度末に比較し1,603百万円減少しました。この結果、自己資本比率は48.0%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っています。
③ 当連結会計年度の経営成績の分析
a 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較し、銀粉の販売が減少したことなどから、電子材料部門などで減収となりました。この結果、前連結会計年度の454,754百万円に対し0.4%減少し452,928百万円となりました。
b 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、物品費が増加したことなどにより、前連結会計年度の387,831百万円に対し、2.2%増加し396,495百万円となりました。
これらの結果、売上高に対する売上原価率は前連結会計年度の85.3%に対し、87.5%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、給料及び手当の増加などにより、前連結会計年度の35,975百万円に対して5.0%増加し、37,761百万円となりました。
c 営業利益
当連結会計年度の営業利益は前述の要因により、前連結会計年度の30,948百万円に対し39.7%減少し、18,671百万円となりました。
d 営業外収益(費用)
当連結会計年度は、受取利息の増加などにより、前連結会計年度の5,407百万円の収益(純額)に対し、5,638百万円の収益(純額)となりました。
e 特別利益(損失)
当連結会計年度は、特別利益で補助金収入など1,067百万円を計上しましたが、特別損失では、固定資産除却損など1,877百万円を計上しました。
これにより、当連結会計年度の特別利益から特別損失を差引いた純額は、前連結会計年度の1,381百万円の損失に対し、810百万円の損失となりました。
f 税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の34,974百万円に対し32.8%減少し、23,499百万円となりました。
g 法人税等
当連結会計年度の法人税等は8,389百万円となりました。税効果を適用した当連結会計年度の税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率は、法定実効税率の31.3%より4.4ポイント高い35.7%となりました。
h 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主に㈱日本ピージーエム、DOWA IPクリエイション㈱などの非支配株主に帰属する利益からなり、当連結会計年度は、前連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益570百万円に対し447百万円減少し、非支配株主に帰属する当期純利益123百万円となりました。
i 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の24,693百万円に対し39.3%減少し、14,986百万円となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、コアビジネスである環境・リサイクル部門、製錬部門、電子材料部門、金属加工部門、熱処理部門を中心に事業を行っており、このうち、当連結会計年度の売上高の48.9%を占める製錬部門は、非鉄金属相場及び為替相場の変動の影響を受けやすいため、状況に応じて非鉄金属先渡取引及び為替予約取引などによりリスク軽減に努めています。
当社グループでは、今後も収益性の向上及び財務体質の改善に努めていきますが、非鉄金属相場及び為替相場の急激な変動、景気動向などの外的要因により業績に影響を受ける可能性があります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社は、金融情勢を勘案して保有現預金残高を決定するとともに、短期流動性確保の手段として、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しているほか、短期社債(電子コマーシャル・ペーパー)の発行枠350億円を設けています。長期性資金については、機動的な調達手段として、社債300億円の募集に関する発行登録(発行予定期間:2019年3月30日~2021年3月29日)を行っています。
また、当社グループは、グループファイナンスを行うことで、グループ各社の資金の一元管理を行い資金効率の向上を図っています。